上位互換
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:例えば[[飛行]]。[[寄せ餌/Lure]]などの存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌との[[コンボ]]において、[[コカトリス/Cockatrice]]と[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]では後者の方がよく使われていた。[[被覆]]などは、完全なメリットとして扱っていいのかという議論も交わされていた。 | :例えば[[飛行]]。[[寄せ餌/Lure]]などの存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌との[[コンボ]]において、[[コカトリス/Cockatrice]]と[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]では後者の方がよく使われていた。[[被覆]]などは、完全なメリットとして扱っていいのかという議論も交わされていた。 | ||
:*クリーチャーの場合に、パワーやタフネスが大きいことがデメリットになり得るケースは極めて多く、普遍的とすら言って良い。たとえば[[罠の橋/Ensnaring Bridge]]で攻撃できない、[[弱者の石/Meekstone]]でアンタップしない、[[復仇/Reprisal]]で除去される、[[反発/Backlash]]で自分にダメージ、などなど。 | :*クリーチャーの場合に、パワーやタフネスが大きいことがデメリットになり得るケースは極めて多く、普遍的とすら言って良い。たとえば[[罠の橋/Ensnaring Bridge]]で攻撃できない、[[弱者の石/Meekstone]]でアンタップしない、[[復仇/Reprisal]]で除去される、[[反発/Backlash]]で自分にダメージ、などなど。 | ||
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:*[[マナ・シンボル]]を参照するカード([[魔力を持つペンダント/Charmed Pendant]]、[[彩色]]、[[信心]]など)の存在から、[[色拘束]]も薄い方が良いとは限らない。 | :*[[マナ・シンボル]]を参照するカード([[魔力を持つペンダント/Charmed Pendant]]、[[彩色]]、[[信心]]など)の存在から、[[色拘束]]も薄い方が良いとは限らない。 | ||
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2021年5月4日 (火) 23:08時点における版
上位互換 (Strictly Better)とは、カードの性能の比較で用いられることがある表現。
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概要
クリーチャー — 人間(Human) 工匠(Artificer)
アーティファクトが1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、ターン終了時まで、速接会の翼鍛冶は飛行を得る。
3/3カードを比較する際、同じ能力でありながらマナ・コストが軽いとか、同じマナ・コストでありながらパワー、タフネスが高いなど、一方がもう一方に明らかに勝るような場合をいう。例えば、速接会の翼鍛冶/Weldfast Wingsmithは大ダコ/Giant Octopusの上位互換であり、幻影獣/Phantom Monsterは速接会の翼鍛冶と大ダコそれぞれの上位互換である。
ただし、100%厳密な意味での上位互換は1枚たりとも存在しない。上位互換の正確な定義は「あらゆる局面で一方が優れている」ことであるが、そのようなことは絶対にありえないからである。霊感/InspirationとAncestral Recallにすら、それは当てはまる(#100%の上位互換が存在しない理由も参照)。
- メンタルマジックでは下位互換カードや同型再版カードをどれだけ覚えているかが鍵となる。
- 上位種とはちょっと意味が違う。上位種はサイズや効果が大きくなり、同時にマナ・コストも重くなったカードのこと。
- ソフトウェア・ハードウェアの用語の「上位互換(Upper Compatibility)」とは意味が異なる(→Wikipedia:ja:上位互換参照)。
M:tG Wikiでの方針
以上のように厳密な意味での上位互換は存在しないが、普通は単独での使い勝手のみで考えることが多いし、その方が実用的である。またそのようにしないと、上位互換、下位互換という形で比較すること自体が難しくなる。
よって、このWiki内で上位互換、下位互換を考える場合は単独での使い勝手のみで比較し、
- 「メジャーなクリーチャー・タイプであり部族カードの影響を受けやすい」
- 「特定のカードとの相互作用で評価が逆転する」
など個別の事柄については別に言及する。「(比較対象それぞれの)カードに書かれていることのみで比較する」と考えると分かりやすい。
- 基本的な比較
- 単純に比較し、優れているか劣っているかを判断する。以下はその一例。
- 幻影獣/Phantom Monsterと大ダコ/Giant Octopusを比べる場合
- 幻影獣は大ダコと同じマナ・コスト、サイズで飛行を持っているため、大ダコの上位互換である。
- 石の精/Stone Spiritに対するブロッカーとしては評価が逆転するが、それは石の精のテキストに書かれていることなので、幻影獣と大ダコを単純比較する場合は考慮しない(別に言及するか石の精のページに書く)。翼わな/Wing Snareなど、飛行を特別に参照するカードについても同様に扱う。
- 大気の精霊/Air Elementalと逃亡した多相の戦士/Escaped Shapeshifterを比べる場合
- 幻影獣/Phantom Monsterと大ダコ/Giant Octopusを比べる場合
- インスタントとソーサリー
- 同等以上のインスタントはソーサリーの上位互換として扱う。以下はその一例。
- 稲妻/Lightning Boltと焦熱の槍/Scorching Spearの場合、稲妻はインスタントであり焦熱の槍よりも効果が優れているので稲妻が焦熱の槍の上位互換。
- 剛力化/Titanic Growthと超巨大化/Monstrous Growthの場合、効果は同じだが、インスタントである剛力化が超巨大化の上位互換。
- 内蔵するパーマネント
- パーマネントの、自身を生け贄に捧げることのみを起動コストとする起動型能力やETB能力がソーサリーと同等以上の効果をもつ場合、それらのパーマネントはソーサリーの上位互換として扱う。それらのパーマネントが瞬速を持つ場合、同様にしてインスタントの上位互換になり得る。以下はその一例。
- 太陽破の天使/Sunblast Angel(のETB能力)と関羽の千里行/Guan Yu's 1,000-Li Marchの場合、効果は同じだが、クリーチャーである太陽破の天使が(4/5飛行が残る点で)関羽の千里行の上位互換。
- モグの狂信者/Mogg Fanatic(の起動型能力)と焦熱の槍/Scorching Spearの場合、効果は同じだが、クリーチャーであるモグの狂信者が(1/1としても運用できる点で)焦熱の槍の上位互換。
- 熟考漂い/Mulldrifter(のETB能力)と予言/Divinationの場合、熟考漂いを想起で唱えた場合は効果は同じだが、クリーチャーである熟考漂いが(普通に唱えて2/2飛行を残す選択ができる点で)予言の上位互換。
100%の上位互換が存在しない理由
100%の上位互換が存在しない理由は、比較の妨げになる要素が数多く存在するからである。それには以下のようなものがある。
- カード・タイプが違う場合
- 上述のインスタントとソーサリーの関係は、払拭/Dispelや無政府主義者/Anarchistなどインスタントやソーサリーのみを参照するカードの存在により逆転することがありうる。パーマネントとの比較についても同様である。
- サブタイプや色が異なる場合
- 例えばモンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raiders(ゴブリン)と凍らし/Frostling(スピリット)、解呪/Disenchant(白)と粉砕/Shatter(赤)と青サビ/Verdigris(緑)など。
- 相手のカードを利用するカードを考慮した場合
- 例えば威圧/Dominateされる場合、幻影獣より大ダコの方が被害が少ない。精神隷属器/Mindslaverでコントロールされる場合、稲妻より焦熱の槍の方が被害が少ない。
- 状況に応じてメリットになったりデメリットになったりする場合
- 例えば飛行。寄せ餌/Lureなどの存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌とのコンボにおいて、コカトリス/Cockatriceと茂みのバジリスク/Thicket Basiliskでは後者の方がよく使われていた。被覆などは、完全なメリットとして扱っていいのかという議論も交わされていた。
- クリーチャーの場合に、パワーやタフネスが大きいことがデメリットになり得るケースは極めて多く、普遍的とすら言って良い。たとえば罠の橋/Ensnaring Bridgeで攻撃できない、弱者の石/Meekstoneでアンタップしない、復仇/Reprisalで除去される、反発/Backlashで自分にダメージ、などなど。
- マナ総量を参照するカード(燻し/Smother、うつろう爆発/Erratic Explosionなど)の存在から、マナ・コストも小さい方が良いとは限らない。軽蔑する利己主義者/Scornful Egotistなどは、もはやそのようなカードのためにデザインされている。
- マナ・シンボルを参照するカード(魔力を持つペンダント/Charmed Pendant、彩色、信心など)の存在から、色拘束も薄い方が良いとは限らない。
- カード名が違う場合
- 翻弄する魔道士/Meddling Mageや嘘つきの振り子/Liar's Pendulumなど、カード名を参照するカードが存在するのがその理由である。
- それらを使うプレイヤーは、間違いなく「強い」カードの名前を指定するため、「弱くても別のカードが欲しい」という奇妙な状況が発生してしまう。
- マスクス・ブロック~インベイジョン・ブロック期のスタンダードにおいて、翻弄する魔道士で神の怒り/Wrath of Godを封じられた時のために、その枚数を減らし(追加能力が付いているとはいえ)1マナ重い総くずれ/Routを投入する、という構築が、実際にトッププレイヤーの間でも行われていた。
- ミラディン・ブロック~ゼンディカー・ブロック期のエクステンデッドのけちコントロールでは神の怒りと審判の日/Day of Judgment両方が投入されている。それによりけちな贈り物/Gifts Ungivenで全体除去を手に入れやすくなっている。
- (銀枠を除けば)カード名が同じで能力が違うものは1枚もないため、100%の上位互換が存在しない事が説明できる。
- 銀枠のカードを考慮するとプレミアム・カード、エキスパンション・シンボル、アーティストなどによって同名のカードでも挙動が異なるが、場合によって完全なメリットにはならず比較しても完全な上位互換とできないのがマジックの常である。
実際の用途
上記のような定義的な意味ではなく、より一般的な意味で使われる場合がある。
その場合は概ね厳密ではなく、メタゲームやデッキ構造などを加味した上で、総合的に勝っていると考えられるものを上位互換と呼ぶことが多い。
参考
- Common Ground (Feature 2004年11月24日 Mike Flores著)
- 用語集
- 下位互換