エルフの文書管理人/Elvish Archivist
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Elvish Archivist / エルフの文書管理人 (1)(緑)
クリーチャー — エルフ(Elf) 工匠(Artificer)
クリーチャー — エルフ(Elf) 工匠(Artificer)
1つ以上のアーティファクトがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、エルフの文書管理人の上に+1/+1カウンター2個を置く。この能力は、毎ターン1回しか誘発しない。
1つ以上のエンチャントがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、カード1枚を引く。この能力は、毎ターン1回しか誘発しない。
アーティファクトが戦場に出ると自身を+1/+1カウンター2個で強化、エンチャントが戦場に出るとドローを行うエルフ・工匠。星座などと違って、どちらも誘発は1ターンに1度。
回数制限があるカードの例に漏れず、基本的には複数のターンを使ってアドバンテージを得ていく形。とはいえ元が2マナなので、2/3になればマナレシオとして悪くないし、1枚引けるならカード・アドバンテージとしては元は取れている。自身によるドローがそのまま次の誘発条件を連鎖的に引き込んでくる助けにもなる。
以下、2つの能力それぞれに分けての評価。
- アーティファクト
- 成長するクリーチャーとして見ると、3回ほど誘発させるだけでも6/7という相当なサイズまで育つ。+1/+1カウンターが乗るという性質上、エルドレインの森のリミテッドで使われる「呪われし者」などで1/1にされるのも怖くない。キャンディーの道標/Candy Trailなどの占術およびドロー可能なアーティファクトで、誘発条件となるカードを引っ張ってきても良い。
- 同セット内では白の具眼の資本家/Discerning Financierが継続的に宝物を供給してくれる可能性があるほか、蒐集家の保管庫/Collector's Vaultならインスタント・タイミングで起動できるため自分のターン内の1回制限に含めずに済むうえ、相手が火力やマイナス修整を向けてくるのを躊躇させられる。
- 食物の生成は単発のものが多いが黒の大釜への給餌/Feed the Cauldronはインスタントであり便利だし、他にも何かしら出せる機会はある。継続的に食物を供給できる剛胆なトリュフ嗅ぎ/Intrepid Trufflesnoutや老いたる飛び牙/Old Flitterfangが(ライフゲインによりゲームを長引かせることを防ぐためか)ドラフト・ブースターからは出てこないのは残念なところ。
- 登場時のスタンダードでは神河:輝ける世界、兄弟戦争、ファイレクシア:完全なる統一がアーティファクトをテーマとしており、ほぞも多数あるほか手掛かり、血、パワーストーン、ダニ、培養器などトークンも豊富。アーティファクト・クリーチャーによるアグロでも、自然と大きくなれるだろう。
- エンチャント
- ドローエンジンとして見ると、新緑の女魔術師/Verduran Enchantressなどと違い回数制限があるのでコンボには向かないが、エンチャントを唱える必要はないため同じくエルドレインの森に収録された役割・トークンとも相性が良好。黒の英雄譚である魔女の虚栄/The Witch's Vanityはちょうどエンチャント→アーティファクト→エンチャントと3ターンに渡って誘発させてくれるという相性の良さだし、そうでなくともエンチャント全般がキャントリップになるというだけでありがたい。除去されても白の勝利者の帰還/Return Triumphantでリアニメイトすれば、それによる「若き英雄」が出たことで即座にドローできるため噛み合いが良い。
- スタンダード内だけでも、3マナ域の優秀な八百長試合/Fight Riggingのようなエンチャントに繋げるなり、デッキ構築の方向性は色々と考えられる。神河:輝ける世界の気前のいい訪問者/Generous Visitorおよびクリーチャー・エンチャントを詰め込んだ、ナヤ・ルーンの流れを汲む白緑ビートダウンにはすんなり組み込める。
- しかしエンチャント軸に寄せすぎると貧弱なタフネス1にすぎず、構築ではリミテッドと比べて簡単に除去される危険も跳ね上がる。逆に言えば対戦相手からすると放っておくわけにいかないため避雷針として役立つし、少なくとも1枚ドローしたあとでならアドバンテージ損にもならないという辺りは、旧作エルドレインの王権の同じく緑のドローエンジンかつ基柱カードであるエッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeperにも似た使用感となるだろう。そちらが完全なアドベンチャーでないデッキにすら4枚積みされていたように、こちらも狙いすぎず何かのついでの誘発に期待しての投入もあり得る。
- 2マナ域の先輩としては、エンチャントレスデッキにおけるアルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress(エターナル)や収穫の手、サイシス/Sythis, Harvest's Hand(モダン)はもちろん、緑白呪禁などのオーラデッキで使用されたコーの精霊の踊り手/Kor Spiritdancerも参考となる。ヒストリックなどで「ゼロックス気味にデッキの土地スロットを切り詰めることでライブラリーから次のエンチャントを引く確率を上げつつ、必ずしも自分のメインフェイズで手札をダンプするわけでなく、マナを浮かせた状態で相手にターンを渡してケイラメトラの恩恵/Karametra's Blessingなどのインスタントを構えつつ瞬速持ちオーラの堅実な立ち位置/Solid Footingを相手のエンド前に唱えてドロー」…という立ち振る舞いが成立していたことを考えると、エルフの文書管理人が1ターンに1枚ずつしかドローできないというのもそれほどキツい制限ではないように感じられる。オーラデッキで使われる成長の季節/Season of Growthのようなエンチャントそのものに反応できるのも好都合。
- 上級建設官、スラム/Sram, Senior Edificerはオーラと装備品に反応するという辺りが似通っているし、そういったデッキで使われるきらきらするすべて/All That Glittersもまた、アーティファクトとエンチャントの双方をカウントするエルドレイン/Eldraineらしいカード。それでいてオーバーキル気味の修整値となりやすいため、たとえアーティファクトを全く採用していないデッキで使ったとしても0/1という素のサイズもそこまで気にならない。
総じて、どの色ともよく合いシナジー豊富な、優秀なレアと言える。
- アーティファクト不要でエンチャントだけで一度に自己強化とドローが可能なカードとしてセテッサの勇者/Setessan Championや、緑白青の日照のトゥヴァーサ/Tuvasa the Sunlitが存在している。それらと比べると2マナと軽く、アーティファクト1つごとに乗る修整が+2/+2と大きめなのが特徴。