ウェザーライト/Weatherlight (ストーリー)
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ドミナリアに再びファイレクシアの脅威が迫り、各民族や国家が戦闘の準備を進める中、ウェザーライト号もプレインズウォーカー達の作戦を支える為に大空を渡っていた。ファイレクシアを欺く為、彼らの残骸で作った偽装によるウェザーライト号の汚染について[[ティアナ/Tiana]]が[[シャナ・シッセイ/Shanna Sisay]]に警告をしていたところ、突然骨ドラゴンが襲いかった。激しい攻撃に見舞われつつ何とかドラゴンを撃退するものの、その代償に殆ど墜落に近い形で地面に着地しなければならなかった。しかもそのダメージは深刻であり、船のパーツを作成しなければ修理は不可能な状態だった。[[ラフ・キャパシェン/Raff Capashen]]は先程撃退したドラゴンが魔法の沢山かかった何かを守っていたように見えたと言い、期待は出来ないものの一行はそれに賭けるしかなかった。 | ドミナリアに再びファイレクシアの脅威が迫り、各民族や国家が戦闘の準備を進める中、ウェザーライト号もプレインズウォーカー達の作戦を支える為に大空を渡っていた。ファイレクシアを欺く為、彼らの残骸で作った偽装によるウェザーライト号の汚染について[[ティアナ/Tiana]]が[[シャナ・シッセイ/Shanna Sisay]]に警告をしていたところ、突然骨ドラゴンが襲いかった。激しい攻撃に見舞われつつ何とかドラゴンを撃退するものの、その代償に殆ど墜落に近い形で地面に着地しなければならなかった。しかもそのダメージは深刻であり、船のパーツを作成しなければ修理は不可能な状態だった。[[ラフ・キャパシェン/Raff Capashen]]は先程撃退したドラゴンが魔法の沢山かかった何かを守っていたように見えたと言い、期待は出来ないものの一行はそれに賭けるしかなかった。 | ||
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− | ブレイズ/Braids|三つ編みを十本ほども揺らし、鉤爪の手が沢山伸ばされ、額のゴーグルをつけた人物]]が現れた。一同はブレイズと名乗る彼女に警戒しながら、彼女が手助けをしてくれると言うので、悪夢を見せる障壁のヒビの中を通り抜け、彼女が倒したがっていた彼女の分身らしき人物を倒し、無事に修理に使えそうなファイレクシアの戦争機械の残骸を持ち帰った。 | + | |
しかし一同が戻ったところ、ウェザーライト号は遂に偽装の汚染に耐えきれず自ら乗組員に攻撃をする様になってしまっていた。それは乗組員のバトノやアニクスニにも毒牙がかかってしまい、かつて彼らであったファイレクシア人つい二人を倒し、パワーストーンと[[スライムフット/Slimefoot]]を救出しハッチから飛び降りたところ、ウェザーライト号は変わり果てた船体と筋ばった翼を震わせ、向きを変え、ひとりでに飛び去ってしまった。 | しかし一同が戻ったところ、ウェザーライト号は遂に偽装の汚染に耐えきれず自ら乗組員に攻撃をする様になってしまっていた。それは乗組員のバトノやアニクスニにも毒牙がかかってしまい、かつて彼らであったファイレクシア人つい二人を倒し、パワーストーンと[[スライムフット/Slimefoot]]を救出しハッチから飛び降りたところ、ウェザーライト号は変わり果てた船体と筋ばった翼を震わせ、向きを変え、ひとりでに飛び去ってしまった。 | ||
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==カード化された主な乗員== | ==カード化された主な乗員== |
2022年8月18日 (木) 17:41時点における版
飛翔艦ウェザーライト/Skyship Weatherlightは、ウルザ/Urzaが設計/製作した飛翔艦。カードとしてはプレーンシフトの飛翔艦ウェザーライト/Skyship Weatherlightが初出。
その名を冠しているように、ウェザーライト・サーガ/The Weatherlight Sagaの中核を担う伝説のアーティファクトである。
解説
レガシー計画の中核をなす兵器レガシー/Legacy。
ウルザ/Urzaが設計/製作した飛翔艦。文字通り空を飛ぶ船だが、きちんと水にも浮かぶ。着陸はできないので昇降はホバリングした状態で縄梯子を使うことになる。
この船はただ空を飛ぶことができるだけではなく、単独で次元を超える「次元航行船」でもある。真の目的は来るファイレクシア/Phyrexia侵攻を防ぐための布石、決戦兵器としての一面を持つ。
船体はシヴ/Shivのマナリグで生み出されたスラン鋼/Thran metalとムルタニ/Multaniから貰った有機物であるウェザーシード/Weatherseedの融合体。動力にはセラの領土/Serra's Realmを封じ込めたパワーストーン/Powerstoneが使用されている。
- 『ドミナリア』ではウェザーライト号のデザインが変更され、元のウェザーライト号らしい姿はそのままに、より鋭くほっそりとした姿になっている。
ストーリー
ウェザーライト・サーガ
シッセイ/Sisayが艦長になった経緯は不明だが、「ウェザーライト」で誘拐されるまではドミナリア/Dominaria中を飛び回り、レガシーの収集を行っていた。「テンペスト」序盤にプレデター/Predator号の奇襲によって不時着するが、修理を施しヴォルラス/Volrathの要塞内へ突入、プレデター襲撃時に奪われたレガシーのひとつであるスカイシェイパーを用いて出力を上げ、プレデター号を振り切って次元の門を使用してラース/Rathを脱出するが、その影響はスランエンジンを機能不全にし、次元の門の先、メルカディア/Mercadiaで墜落する。
メルカディアでは到着直後にチョーの一族によってクルーたちから奪われてしまう。ジェラードはメルカディア市と取引し、ウェザーライトを奪還するものの再び飛ぶには新たなエンジンが必要だった。それがパワー・マトリックスだが、起動には5つのキーが必要であり、これを集めるためにクルーたちは市とさらなる取引をする。メルカディアを影で操るヴォルラスによってウェザーライトは戦闘艦として生まれ変わっていたが、ジェラードたちはこれを取り戻しパワーマトリックスを積み、再びウェザーライトは空を翔る。
そしてメルカディアを後にし、ドミナリアに戻ったウェザーライトは侵攻するファイレクシア軍、そしてドラゴン・レジェンドたちと激戦を繰り返す。奮闘むなしく墜落するも、スランの秘本の真の意味に気がついたカーン/Karnの指示により真なるレガシー兵器として復活、その力によりヨーグモス/Yawgmothを倒すことに成功する。
- ストーリーの関係上、乗員の生存率がかなり低い艦である。マスクス・ブロックまでで5名、そのあと3名が死亡している。
- ウェザーライトでは旅人を運んだりもしている様子も伺える。
『ドミナリア』
陰謀団/The Cabalと戦うという目的のために、ジョイラ/Jhoiraによって修復される。かつて備えていた次元航行能力こそ失われているが驚異的な飛行速度は健在で、広大なドミナリアを容易に行き来することができる。
ウェザーライトは次元転換はできなくなったが、ドミナリア中を軽く飛び回ることはできる。
- 広大なドミナリアを飛び回り、海を隔てて各地に分かれた仲間を集めるというストーリーの進行にも一役買っている。
ドミナリアへの帰還 第1話/Return to Dominaria: Episode 1
航跡:アーボーグ/Urborg沿岸の海底
ジョイラはトレイリア/Tolariaの工匠ハディ/Hadiと共に潜水艦に乗り込み、ヴォーデイリア/Vodaliaのマーフォークたちを引き連れて海底の探索を行っていた。それは無謀ともいえる探索だったが、あるとき海底に相応しくない直線的な突端を発見する。
伝声管を通じてマーフォークのジーヴァ/Zivaを呼び、引き上げが可能か確認を取る。そして2日以内に引き上げられたのなら倍の報酬を出すと伝えた。ジーヴァは水の泡のように笑いながら、1日でやってみせると約束した。
安堵と新たな目的、高揚するようなその組み合わせに踊り出したい気分になりながら、ジョイラは集合したマーフォークたちに指示を出した。
「さあ、ウェザーライト号を引き上げましょう!」
時は4565AR。ファイレクシアとの戦いから350年以上の時を経て、ウェザーライト号は再び地上へとその姿を現した。
ドミナリアへの帰還 第3話/Return to Dominaria: Episode 3
航跡:アーボーグ/Urborg沿岸の海底→ボガーダン/Bogardanの入り江
ウェザーライト号の残骸は一昼夜かけてボガーダン/Bogardanの入り江に引き上げられた。飛翔艦の骨組みである長さ二百フィート近くのスラン鋼、重く巨大なエンジン回りだけを残し、それ以外の部品は腐り果て、あるいは先の戦いによって失われていた。想定していたよりも状態は悪く、ジョイラが核部分への損傷を心配した。
幸運なことにパワーストーンは不活性状態のまま枠に納められ、起動装置と共に無傷で残されていた。そしてセラ/Serra教会から遣わされた天使ティアナ/Tianaの祈りに反応し、パワーストーンは再び命を灯し輝きを取り戻す。
修理のための作業員、モリモ/Molimoから渡された新たな船体の種、そして核となるパワーストーン。それらを準備が整うと、ジョイラは残された課題である「乗組員」を探すために旅立つ。旅の末、かつての艦長シッセイ/Sisayの子孫であるシャナ・シッセイ/Shanna Sisayと、ジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashenの血筋を持つラフ・キャパシェン/Raff Capashenを乗組員に加え、ウェザーライト号の元へと帰還する。
望遠鏡から見えるウェザーライト号は、もはや横たわっておらず地面にまっすぐに座しており、ジョイラのよく知る姿が砂丘の上に立っていた。あとは船出を待つばかりだった。またベナリア/Benaliaの騎士である吸血鬼/Vampireアルヴァード/Arvadがジョイラの帰還を待っており、彼もまた仲間に加わった。
ドミナリアへの帰還 第4話/Return to Dominaria: Episode 4
航跡:ボガーダン/Bogardanの入り江
ウェザーライト号を引き上げてから2ヶ月ほど経過した頃。ジョイラが乗組員探しの旅をしている間、ティアナの監督と守護の下、ウェザーライト号の修復作業は順調に進められていた。モリモの種も十分に育ち、ウェザーライト号の船体とその内部デッキまでの成長をほぼ終えていた。
ある夜、ウェザーライト号に近づく吸血鬼アルヴァードの姿があった。彼がパワーストーンに反応して引き寄せられるように来訪したことを知ると、ティアナは彼をパワーストーンの前に案内する。パワーストーンにその身を晒したことで吸血鬼の症状が抑えられたため、彼はティアナの監視の下、ここに留まることが許された。
不寝番を続けるティアナとアルヴァードは、ウェザーライト号の船体の下に菌類が育っていることを発見する。モリモの種から何かが生えてくることは珍しくなく、ティアナはこれをそのままにしておいた。
また別の日、ウェザーライト号に対し巨大なフェニックスが襲い掛かる。ティアナの決死の奮戦とアルヴァードの援護によりウェザーライト号は守られ、彼は全員からの信頼を得る。ティアナも今や自身がウェザーライト号の守護天使となったことを知り、正式に乗組員に加わることを決めた。
ドミナリアへの帰還 第5話/Return to Dominaria: Episode 5
航跡:ボガーダン/Bogardan→ベナリア/Benalia→トレイリア西部のアカデミー/Academy at Tolaria West
ジョイラの帰還と同時にアジャニ/Ajaniがドミナリアへ来訪する。彼の進言から、仲間と合流するためにウェザーライト号はベナリアを目指し出航する。そこではギデオン・ジュラ/Gideon Juraとリリアナ・ヴェス/Liliana Vessがアジャニの到着を待っていた。艦橋での話し合いの末、アジャニはニコル・ボーラス/Nicol Bolasを倒す仲間を探すべくドミナリアを離れ、ギデオンとリリアナはベルゼンロック/Belzenlokを倒すという共通の目的のためにウェザーライト号の一行に加わった。
ラフの提案によりウェザーライト号はトレイリア西部のアカデミー/Academy at Tolaria Westへと向かう。日が沈む前にアカデミーに到着し、一行はアカデミーに忍び込んでいた陰謀団の工作員から情報を得る。その間、ウェザーライト号はティアナとアルヴァードによって防衛されていた。
- ローウィン以降に登場した新世代のプレインズウォーカーがウェザーライト号に乗り込むのはこれが初めてのこと。栄えある第一号はアジャニであった。
ドミナリアへの帰還 第6話/Return to Dominaria: Episode 6
航跡:(トレイリア西部/Tolaria West)→ティヴァン砂漠/Tivan Desert→フェメレフ/Femeref
テフェリー/Teferiは始め、砂に落ちたその大きな影をドラゴンだと思い、呪文を唱えながら振り返った。だが頭上にあったものは、船のような形をした、奇妙なほどに見覚えのある……あり得ない筈の物だった。「父さんを捜しに来たの?」娘のニアンビ/Niambiはテフェリーへと尋ねた。テフェリーはゆっくりと笑みを浮かべた。
「私の過去が、追いついてきたようだ」
ティヴァン砂漠のオアシスで合流した一行は、ウルザの残した遺跡を解き明かそうとするテフェリーに協力することになる。全員の協力の甲斐あって、遂に隠された黒い水晶球のアーティファクトを入手する。そのとき遺跡が崩れ始め、砂の中へと沈み出した。間一髪のところでウェザーライト号が駆けつけ、ティアナがニアンビを連れて飛び立ち、アルヴァードが梯子を降ろして全員を助け出した。
その日はウェザーライト号の中で一夜を過ごし、翌朝ニアンビを家族の元へと送る。娘との別れを惜しみながら、テフェリーはウェザーライト号に乗り込み、一行に加わった。
ドミナリアへの帰還 第9話/Return to Dominaria: Episode 9
航跡:(フェメレフ/Femeref)→ヤヴィマヤ/Yavimaya
カーン/Karnは驚きの表情で空を見上げた。
カーンを守るヤヤ・バラード/Jaya Ballardとチャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar、そして根と枝からなる一体の巨人――意識無く自然を守る本能のままに暴走するムルタニ/Multaniとの戦いが火蓋を切る寸前のことだった。時間の魔術によりムルタニは動きを止め、それがテフェリーの行使するものであることに気づく。頭上にあったのは船の底、かつてカーン自身を運んでいたウェザーライトであった。
チャンドラと感応したことでムルタニは覚醒。その場は事なきを得て、3人はウェザーライトに乗り込んだ。
高高度かつ高速飛行しているウェザーライト内へと何者かが突然プレインズウォークしてくる。それが行方不明になっていたジェイス・ベレレン/Jace Belerenであることにギデオンはすぐ気がついた。ジェイスは、ニコル・ボーラスが敵対するプレインズウォーカー達に対し罠を張っていること、すぐにドミナリアを離れて行くべき場所があること、リリアナが信用ならないことを告げる。だがリリアナを信用し、このままベルゼンロックを打倒すべきと考えるギデオン、ドミナリアで学ぶべきことがあると感じたチャンドラは、ジェイスへの同行を断る。するとジェイスはすぐにいずこかへとプレインズウォークしていった。
ドミナリアへの帰還 第10話/Return to Dominaria: Episode 10
航跡:(ヤヴィマヤ/Yavimaya)→アーボーグ/Urborg近海
ティアナとアルヴァードは船内に漂う臭いの源を探していた。原因はエンジン区画の隣にある保管庫にあった……サリッド/Thallidが密航していたのだ。モリモの種子と共に持ち込まれてからゆっくりと船内で育ち、発見時にはすでに多くの新芽が生まれていた。
ラフはこのサリッドをヤヴィマヤへ返すことを提案するが、この船はたった今ヤヴィマヤを出立したばかりであり、賢明とはいえなかった。ティアナは頭を抱え途方に暮れた。エンジンの傍で育ったことは、すなわちパワーストーンが……セラがこのサリッドの存在を認めている証だと。ラフにそれを指摘されると恐ろしい剣幕になった。
このサリッド――スライムフット/Slimefootはウェザーライトの持つ記憶や感情のようなものを、白い星(パワーストーン)やスラン鋼から聞こえる"声"という形で知ることができた。カーンが船に乗り込んだ際に船が反応を示したこと、ジョイラは船のお気に入りであること、ラフもまた船が知る血の持ち主であること……。そのためか、スライムフットは乗組員に対して友好的な態度を示した。
結局、奇妙な密航者は乗組員たちに受け入れられ、機会があればヤヴィマヤに返すことに決まった。
ドミナリアへの帰還 第11話/Return to Dominaria: Episode 11
航跡:アーボーグ/Urborg沿岸→沼地
アーボーグへと辿り着いた一行は沼地へと航路を取った。ジョイラが事前に連絡を取っていた勢力と接触し、女性の黒豹人サイラ/Sayrahから陰謀団の衣服と情報を得る。
要塞へと潜入するギデオンとチャンドラ、それを補佐するテフェリーとカーンを艦から降ろし、残りの乗員は黒豹人と陰謀団との間で最後の戦いが行われた地域へと向かう。そこでリリアナが呼びかけると、何百体もの黒豹人の死骸が立ち上がり不死者の軍勢となった。この軍勢を率いて要塞を攻撃し、ギデオンとチャンドラが黒き剣/Blackbladeを探し出してベルゼンロックを倒すまでの陽動を行う手筈になっていた。
手勢の数が揃い、いよいよ攻撃の準備が整ったところで、巨大な存在がウェザーライト号に襲い掛かった――それは頭部だけでウェザーライトの半分ほどもある怪物、ヤーグル/Yargleだった。
ドミナリアへの帰還 第12話/Return to Dominaria: Episode 12
航跡:アーボーグ/Urborg沼地→要塞
ヤーグルはウェザーライト号の船首を掴み、巨大な口を広げていた。リリアナは不死者の軍勢を維持するために全力を必要とし、何もできないでいた。ヤーグルから発せられる酸の雲にラフが対抗呪文を唱え、アルヴァードが艦を掴む指に斬りかかり、チャンドラが炎を放つ。仕方なくジョイラは要塞の攻撃に使う予定だったマナ蓄積燃焼器を爆発させたが、それでも歯が立たず窮地に追い込まれる。
そこへムルタニに似たヤヴィマヤの匂いを放つ、巨大なエレメンタルが現れる。スライムフットがアーボーグの霊達に助けを求め、霊達がムルドローサ/Muldrothaを呼び寄せたのだった。ムルドローサがヤーグルを抑えつけている間にウェザーライト号は窮地を脱する。一行は不死者の軍勢を引き連れ、急ぎ要塞へと向かった。
要塞の城壁近くでテフェリーとカーンを回収すると、ウェザーライト号と陰謀団の戦いが始まった。テフェリーが最初の門を時間魔法で腐食させて破壊し、そこへ不死者の軍勢が雪崩れ込む。そしてジョイラが次の門をマナ蓄積燃焼器で爆破する。予定より遅れはあったが、順調に進んでいるように見えた。そのとき、アーボーグの火山から何者かが現れた。翼のある飛行生物に跨った人影――それはアゴロス/Urgorosと呼ばれるスペクターだった。
リリアナはアゴロスの支配を試みたが不可能だった。ジョイラ、テフェリー、ラフが攻撃と防御の呪文を続けざまに唱えるものの、逆にアゴロスの呪文によって全て跳ね返され、シャナが進み出て防いだ。リリアナは攻撃呪文を唱えるも通用せず、乗騎の尾に弾き飛ばされ、槍を掲げて彼女を突き殺そうとした。突如、ティアナが降り立って天使の剣でアゴロスの槍を弾き返し、そしてヤヤが炎で押し返した。船の操縦は誰が?リリアナが艦橋を見ると、スライムフットが舵輪を握っていた。ジョイラはこれがベルゼンロックが放った攪乱だと悟り、リリアナを一人要塞へと向かわせた。
ギデオンとリリアナによってベルゼンロックが討たれると、アゴロスは消滅した。
戦いは終わった。ウェザーライト号は、要塞内でギデオンを助けたラーダ/Radhaをケルド/Keldへと連れ帰り、アーボーグを離れることを願った捕虜たちも下ろす。スライムフットとその子供たちもヤヴィマヤへと返す。それが終わると、セラ教会との約束を果たす……セラの聖遺物であるパワーストーンをウェザーライト号から抜き取り、ティアナがそれを教会に持ち帰る。その後は乗員たちと別れ、代替となる別の動力を調達する。ジョイラはそのつもりだった。
だがティアナは「陰謀団をドミナリアから一掃すること」こそが約束だと考えていた。ベルゼンロックは討たれたが、陰謀団の司祭は各地に存在し、力に縋り付こうとしている。それらを一掃するのには何年もかかるだろう。二人は視線を合わせ、そして微笑んだ。そのためにまだウェザーライト号と乗員たちの力は必要であり、パワーストーンを教会に持ち帰るのはまだずっと先のことなのだ。
共に戦ったプレインズウォーカー達に別れを告げると、ウェザーライト号は雲の中へと消えていった。
悪夢の欠片
ドミナリアに再びファイレクシアの脅威が迫り、各民族や国家が戦闘の準備を進める中、ウェザーライト号もプレインズウォーカー達の作戦を支える為に大空を渡っていた。ファイレクシアを欺く為、彼らの残骸で作った偽装によるウェザーライト号の汚染についてティアナ/Tianaがシャナ・シッセイ/Shanna Sisayに警告をしていたところ、突然骨ドラゴンが襲いかった。激しい攻撃に見舞われつつ何とかドラゴンを撃退するものの、その代償に殆ど墜落に近い形で地面に着地しなければならなかった。しかもそのダメージは深刻であり、船のパーツを作成しなければ修理は不可能な状態だった。ラフ・キャパシェン/Raff Capashenは先程撃退したドラゴンが魔法の沢山かかった何かを守っていたように見えたと言い、期待は出来ないものの一行はそれに賭けるしかなかった。
アルヴァード/Arvadを残しその場所へ到着すると、油ぎった黒い煙がドームの様に集まっており、そしてすぐさま三つ編みを十本ほども揺らし、鉤爪の手が沢山伸ばされ、額のゴーグルをつけた人物が現れた。一同はブレイズと名乗る彼女に警戒しながら、彼女が手助けをしてくれると言うので、悪夢を見せる障壁のヒビの中を通り抜け、彼女が倒したがっていた彼女の分身らしき人物を倒し、無事に修理に使えそうなファイレクシアの戦争機械の残骸を持ち帰った。
しかし一同が戻ったところ、ウェザーライト号は遂に偽装の汚染に耐えきれず自ら乗組員に攻撃をする様になってしまっていた。それは乗組員のバトノやアニクスニにも毒牙がかかってしまい、かつて彼らであったファイレクシア人つい二人を倒し、パワーストーンとスライムフット/Slimefootを救出しハッチから飛び降りたところ、ウェザーライト号は変わり果てた船体と筋ばった翼を震わせ、向きを変え、ひとりでに飛び去ってしまった。
カード化された主な乗員
ウェザーライト・サーガ
- 艦長シッセイ/Captain Sisay
- ジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashen
- タールルームの勇士ターンガース/Tahngarth, Talruum Hero
- 航行長ハナ/Hanna, Ship's Navigator
- サマイトの癒し手オアリム/Orim, Samite Healer
- 銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem
- ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob
- ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary
- 猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior
- 呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed
- 熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard Adept
- ラースのスターク/Starke of Rath
- ギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu(初代艦長)
『ドミナリア』
- ウェザーライトの艦長、ジョイラ/Jhoira, Weatherlight Captain
- シッセイの後裔、シャナ/Shanna, Sisay's Legacy
- 艦の魔道士、ラフ・キャパシェン/Raff Capashen, Ship's Mage
- 艦の整備士、ティアナ/Tiana, Ship's Caretaker
- 呪われし者、アルヴァード/Arvad the Cursed
- 密航者、スライムフット/Slimefoot, the Stowaway
登場
登場カード
カード名に登場
フレイバー・テキストに登場
- テンペスト
- 棘のスリヴァー/Barbed Sliver、突然の衝撃/Sudden Impact、有角スリヴァー/Horned Sliver、弱体化/Enfeeblement、モグの中隊/Mogg Squad
- メルカディアン・マスクス
- パワー・マトリックス/Power Matrix、抑止/Restrain、メルカディアの崩落/Mercadia's Downfall、平穏/Tranquility、微震/Tremor
そのほか、人物の肩書の一部として数多く登場。
イラストに登場
- ドミナリア
- ウェザーライトへの乗艦/Board the Weatherlight、ウルザの秘本/Urza's Tome、ジェラードの勝利/Triumph of Gerrard(槍の穂先)、ジョイラの使い魔/Jhoira's Familiar、平地/Plains(251/269)、島/Island(255/269)、沼/Swamp(259/269)、山/Mountain(263/269)、森/Forest(267/269)
登場作品・登場記事
- Legends of Dominaria/ドミナリアの伝説たち
- Return to Dominaria: Episode 1/ドミナリアへの帰還 第1話(Magic Story 2018年3月21日 Martha Wells著)
- Return to Dominaria: Episode 3/ドミナリアへの帰還 第3話(Magic Story 2018年3月28日 Martha Wells著)
- Access Magic Dominaria: The World/Access Magic :『ドミナリア』第1話(YouTube 2018年3月29日)
- Return to Dominaria: Episode 4/ドミナリアへの帰還 第4話(Magic Story 2018年4月4日 Martha Wells著)
- Return to Dominaria: Episode 5/ドミナリアへの帰還 第5話(Magic Story 2018年4月11日 Martha Wells著)
- Return to Dominaria: Episode 6/ドミナリアへの帰還 第6話(Magic Story 2018年4月18日 Martha Wells著)
- Return to Dominaria: Episode 9/ドミナリアへの帰還 第9話(Magic Story 2018年5月9日 Martha Wells著)
- Return to Dominaria: Episode 10/ドミナリアへの帰還 第10話(Magic Story 2018年5月16日 Martha Wells著)
- Return to Dominaria: Episode 11/ドミナリアへの帰還 第11話(Magic Story 2018年5月23日 Martha Wells著)
- Return to Dominaria: Episode 12/ドミナリアへの帰還 第12話(Magic Story 2018年5月30日 Martha Wells著)
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