バジリスク能力

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'''バジリスク能力'''とは、主に[[バジリスク]]が持つ[[クリーチャー]][[除去]][[能力]]を指す俗称。
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'''バジリスク能力'''とは、かつて作られていた[[クリーチャー]][[除去]][[能力]]を指す俗称。当時、主に[[バジリスク]]が持っていたことからこの名がついた。
 
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初出は[[リミテッド・エディション]]の[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]と[[コカトリス/Cockatrice]]。以後バジリスクの定番能力として様々なバリエーションが作られる。一方、黒には[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]で[[Infernal Medusa]]と[[忌まわしき者/Abomination]]が登場し、こちらは主に[[ゴルゴン]]が多く持つ能力となった。緑と黒の他にも、[[白]]に少数だが戦った相手を道連れ・相打ちにするかのような除去能力があり、これもバジリスク能力と呼ばれる。[[赤]]はクリーチャー全体に影響を与える[[エンチャント]]が特徴。
 
初出は[[リミテッド・エディション]]の[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]と[[コカトリス/Cockatrice]]。以後バジリスクの定番能力として様々なバリエーションが作られる。一方、黒には[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]で[[Infernal Medusa]]と[[忌まわしき者/Abomination]]が登場し、こちらは主に[[ゴルゴン]]が多く持つ能力となった。緑と黒の他にも、[[白]]に少数だが戦った相手を道連れ・相打ちにするかのような除去能力があり、これもバジリスク能力と呼ばれる。[[赤]]はクリーチャー全体に影響を与える[[エンチャント]]が特徴。
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後述する通り、能力の仕様に画一性がなかったため、直感的に理解し難く[[効果]]の勘違いや[[誘発忘れ]]などを招きがちであった。バジリスク能力を単純化・明瞭化した[[キーワード能力]]「'''[[接死]]'''」の登場以降、少数の例外を除き接死が用いられるようになったため、現在ではバジリスク能力を持つ新規カードはほとんど見られなくなった。
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*直接の関係はないが、「ルール整備に伴って使われなくなった」「[[クリーチャー・タイプ]]名を冠する能力」という2点において、後の[[ナイトメア能力]]と通じるものがある。
  
 
==メカニズム==
 
==メカニズム==
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*[[網の壁/Wall of Nets]]は除去目標を追放するが一時的なもの。
 
*[[網の壁/Wall of Nets]]は除去目標を追放するが一時的なもの。
  
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バジリスク能力のうち「除去目標にダメージを与えたとき即座に破壊する」が[[接死]]である。[[未来予知]]で[[キーワード能力]]となった。
 
バジリスク能力のうち「除去目標にダメージを与えたとき即座に破壊する」が[[接死]]である。[[未来予知]]で[[キーワード能力]]となった。
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バジリスク能力のうち「除去目標にダメージを与えるとき、代わりに-1/-1カウンターを置く」が[[萎縮]]と[[感染]]である。
 
バジリスク能力のうち「除去目標にダメージを与えるとき、代わりに-1/-1カウンターを置く」が[[萎縮]]と[[感染]]である。
  
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*[[石舌のバジリスク/Stone-Tongue Basilisk]]、[[石の死の姉妹/Sisters of Stone Death]]、[[神性の贈り物/Gift of the Deity]]が単独でこの能力を持っている。
 
*[[石舌のバジリスク/Stone-Tongue Basilisk]]、[[石の死の姉妹/Sisters of Stone Death]]、[[神性の贈り物/Gift of the Deity]]が単独でこの能力を持っている。
*[[ダメージ]]を与えることで[[誘発]]するバジリスク能力の場合、すべてのクリーチャーにダメージが行き渡らなかったり軽減されたりでコンボが完全に成立しないこともある。
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*接死の場合、ブロッカーごとに致死ダメージ(=1点ずつのダメージ)を与える必要があるため、自身のパワーを上回る数のブロッカーは除去できず、この点ではバジリスク能力に劣る。
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===Blaze of Glory===
 
===Blaze of Glory===
 
[[寄せ餌/Lure]]ほど有名ではないが[[Blaze of Glory]]とのコンボもある。これをバジリスクに使えば複数の[[アタッカー]]をブロック可能になるため、相手の[[攻撃クリーチャー]]を根こそぎにできる。この運用法では、飛行クリーチャーもブロックできる[[コカトリス/Cockatrice]]の方が[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]より有効のため、評価は逆転する。
 
[[寄せ餌/Lure]]ほど有名ではないが[[Blaze of Glory]]とのコンボもある。これをバジリスクに使えば複数の[[アタッカー]]をブロック可能になるため、相手の[[攻撃クリーチャー]]を根こそぎにできる。この運用法では、飛行クリーチャーもブロックできる[[コカトリス/Cockatrice]]の方が[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]より有効のため、評価は逆転する。

2023年5月10日 (水) 04:41時点における最新版

バジリスク能力とは、かつて作られていたクリーチャー除去能力を指す俗称。当時、主にバジリスクが持っていたことからこの名がついた。


Thicket Basilisk / 茂みのバジリスク (3)(緑)(緑)
クリーチャー — バジリスク(Basilisk)

茂みのバジリスクが壁(Wall)でないクリーチャーをブロックするか、壁でないクリーチャーによってブロックされた状態になるたび、戦闘終了時にそのクリーチャーを破壊する。

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目次

[編集] 概要

クリーチャー除去が苦手に珍しく認められた除去であり、主に緑との能力である。毒や病気、魔法的な疫病、石化、呪い、邪眼、相打ち・道連れをイメージしたものが多い。

初出はリミテッド・エディション茂みのバジリスク/Thicket Basiliskコカトリス/Cockatrice。以後バジリスクの定番能力として様々なバリエーションが作られる。一方、黒にはレジェンドInfernal Medusa忌まわしき者/Abominationが登場し、こちらは主にゴルゴンが多く持つ能力となった。緑と黒の他にも、に少数だが戦った相手を道連れ・相打ちにするかのような除去能力があり、これもバジリスク能力と呼ばれる。はクリーチャー全体に影響を与えるエンチャントが特徴。

後述する通り、能力の仕様に画一性がなかったため、直感的に理解し難く効果の勘違いや誘発忘れなどを招きがちであった。バジリスク能力を単純化・明瞭化したキーワード能力接死」の登場以降、少数の例外を除き接死が用いられるようになったため、現在ではバジリスク能力を持つ新規カードはほとんど見られなくなった。

[編集] メカニズム

一口にバジリスク能力と言っても、その機能は様々でカードごとに差異があるのが普通であり、独特の処理を行うカードも少なくない(この点からイメージやフレイバー先行で作られたカードおよびメカニズム群といった性格が見て取れる)。

ここでは「除去が成立する条件」「除去を処理するタイミング」「除去目標の制限」「除去の方法」の面から解説する。また、便宜的にバジリスク能力を持つクリーチャーを「バジリスク」、除去されるクリーチャーを「除去目標」と呼ぶ(特に断りがなければ、バジリスクはクリーチャー・タイプの意味合いを持たない)。

[編集] 除去条件

除去能力が成立する条件は以下の4種に大別できる。

  1. バジリスクが攻撃してきた除去目標をブロックする
  2. バジリスクが攻撃に参加し、除去目標にブロックされる
  3. バジリスクがダメージ(または戦闘ダメージ)を除去目標に与える
  4. バジリスクが墓地に置かれる

これらのいずれか(もしくは複数)を満たした場合、能力が誘発あるいは起動型能力の使用が許される。特に条件1と2の両方を合わせて持つものが多い。

[編集] 除去タイミング

除去するタイミングは大きく分けて2つのパターンがある。

  1. 条件を満たした(除去能力が誘発・起動したら)時
  2. 戦闘終了時

[編集] 目標制限

除去目標にはクリーチャー・タイプの面(色の役割)で制約がある場合も多い。

フレイバー面での制約
  • 以外(壁は生き物ではない)
コカトリス/Cockatrice茂みのバジリスク/Thicket BasiliskInfernal Medusa毒牙/Venom酸の短剣/Acidic Daggerメドゥーサの髪/Coils of the Medusa
  • 壁限定(壁や門、扉を壊す道具)
破城槌/Battering Ram
色の役割による制約
忌まわしき者/Abomination刺のワーム/Barbed-Back Wurmファイレクシアの死神/Phyrexian Reaperファイレクシアの殺害者/Phyrexian Slayer
  • 以外(黒は黒クリーチャー除去が不得手)
戦慄の死霊/Dread Specter凶眼のトカゲ/Deathgazerゴルゴンの世捨て/Gorgon Recluse
オーガの爆走者/Ogre Leadfoot
その他の制約
Infinite Authorityタフネスを参照)、手加減なし/No Quarterパワーを参照)、戦いの潮目/Tide of Warコイン投げ

[編集] 除去方法

除去の方法は以下4種に分類。

  1. 破壊
  2. 追放
  3. マイナス修整カウンター
  4. ダメージ

破壊による除去が最も一般的で、破壊するだけでなく再生を許さないものも多い。追放は破壊より強力な除去効果。マイナス修整は一時的なものとカウンターを置く恒久的な弱体化に分かれる(→#黒のバジリスク能力)。除去方法4. ダメージについては後述(→#赤のバジリスク能力)。

[編集] 接死

バジリスク能力のうち「除去目標にダメージを与えたとき即座に破壊する」が接死である。未来予知キーワード能力となった。

[編集] 萎縮感染

バジリスク能力のうち「除去目標にダメージを与えるとき、代わりに-1/-1カウンターを置く」が萎縮感染である。

[編集] メカニズム総括

バジリスク能力は全て、以上のような除去に関する条件タイミング方法の組合せで説明がつき、場合によっては目標制限やその他の制約が課せられることがある。

[編集] バジリスク能力と寄せ餌

古典的なコンボ茂みのバジリスク/Thicket Basilisk寄せ餌/Lureがある。

これは対戦相手アンタップ状態のクリーチャーブロックを強制し、全滅させるというもの。再生を許してしまうもののプロテクションの影響を受けないメリットがある。ブロックされる必要があるため、飛行を持つコカトリスよりも茂みのバジリスクの方がこの点においては評価が高い。

また、毒牙/Venom猛毒の息/Venomous Breathのようにバジリスク能力を付与する呪文を寄せ餌(あるいは他のブロック強制)と組み合わせても同様のコンボが成立する。

[編集] Blaze of Glory

寄せ餌/Lureほど有名ではないがBlaze of Gloryとのコンボもある。これをバジリスクに使えば複数のアタッカーをブロック可能になるため、相手の攻撃クリーチャーを根こそぎにできる。この運用法では、飛行クリーチャーもブロックできるコカトリス/Cockatriceの方が茂みのバジリスク/Thicket Basiliskより有効のため、評価は逆転する。

複数のクリーチャーをブロックするカードにバジリスク能力を付加しても同様のコンボが可能。

[編集] 色の特性

の傾向と、その色に独特な能力を以下にまとめる。

[編集] 白のバジリスク能力

のクリーチャーには、戦った相手を道連れ・相討ちによって除去を行うかのようなものがある。アブー・ジャーファル/Abu Ja'farが初出で全4種(アラボーンの盲信者/Alaborn Zealot忠誠な歩哨/Loyal Sentry果敢な先兵/Defiant Vanguard)。アブー・ジャーファル以外はそれがブロックに参加した時のみ誘発する。

その他には、変則的な能力を持つInfinite Authority網の壁/Wall of Netsの2種がいる。

[編集] 青のバジリスク能力

除去が不得手な色であるにはバジリスク能力に分類されるカードは無い。強いて挙げるならば、Giant Albatross白の道連れタイプに似ており、水門/Floodgate戦闘墓地に置かれた場合などの挙動は赤のダメージタイプと類似点が見られる。フェイズ・アウトバウンスを一時的な除去とみなすと、夢幻の戦士/Dream Fighterなどにも似たところがある。

[編集] 黒のバジリスク能力

は緑同様に標準的なバジリスク能力が豊富で、能力を付与するカードの種類も多い。除去目標に制限を課せられる場合が少なくない(→#目標制限)。起動型能力で除去を行うものは黒を含む。

その他の特徴としては、主にライカンスロープが持つ除去方法に-X/-Yカウンターによるものがある(Lesser Werewolf大いなる人狼/Greater Werewolf泥沼のヤツメウナギ/Quagmire Lamprey)。これはタフネスに負の修整を与えることで弱体化や除去を行うもの。カウンターでなく一時的な修整の刺のワーム/Barbed-Back Wurmもいる。

触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchableは、通常のクリーチャーに対するバジリスク能力に加え、プレイヤーに対するバジリスク能力ともいうべき「戦闘ダメージを与えたプレイヤーを敗北させる」という能力を持っている。

[編集] 赤のバジリスク能力

にはバジリスク能力の効果を有するエンチャントが存在(熱射病/Heat Stroke手加減なし/No Quarter戦いの潮目/Tide of War)。クリーチャーにはオーガの爆走者/Ogre Leadfootがいるのみ。

また、赤のカードには「ブロックされた・ブロックした」を条件にダメージを発生するものがある。ダメージによるクリーチャー除去と考えると、これも広い意味ではバジリスク能力といえるが、普通はバジリスク能力に分類されない。

[編集] 緑のバジリスク能力

はバジリスク能力のスタンダードであり、最も数が多く、能力を付与するカードにも恵まれている。初期のバジリスクにはを除去できないものが散見される(→#目標制限)。

亜種として除去目標がクリーチャーでなく、それにつけられたオーラであるカードが存在する(→ツリーフォークの神秘家/Treefolk Mystic)。

[編集] アーティファクトのバジリスク能力

アーティファクトは道具・武器のようなフレイバーを持つカード(破城槌/Battering Ram酸の短剣/Acidic Dagger)や装備品死鉄の大槌/Dead-Iron Sledgeカルドラの剣/Sword of Kaldra)がほとんど。クリーチャーは破城槌/Battering Ram玄武岩のゴーレム/Basalt Golemの2種で能力は変則的。

[編集] 参考

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