当事者カード
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当事者カード/Adventurer Cardとは、エルドレインの王権初出の特殊なカード群の総称。
クリーチャー — 人間(Human) 騎士(Knight)2/1
Battle Display / 戦いの誇示 (赤)
ソーサリー — 出来事(Adventure)
アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。(その後、このカードを追放する。あなたは後で追放領域からこのクリーチャーを唱えてもよい。)
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概要
開かれた本のように装飾された文章欄になっており、左側のページに別個の小枠で出来事が書かれたカード(カード画像)。
以下、出来事でない側を便宜上「本体」と呼ぶ(非公式用語)。
あなたは当事者カードを唱える際、本体としてか、出来事として唱えるかを選ぶ。出来事として唱えることを選んだ場合、それは小枠に書かれた代替の特性のみを持つ呪文としてスタックに置かれる。出来事の解決に際して、あなたはそのカードを追放する。そのカードが追放されている限り、あなたはそれを本体として唱えてもよい。
エルドレインの王権では全色に存在し、いずれも本体はクリーチャーである。白と緑は出来事を持つクリーチャーに恩恵をもたらすカードを擁しており、当事者カード自体の数も少しだけ多い。他には出来事呪文をコピーする幸運のクローバー/Lucky Cloverや、対策カードとして追放中の当事者カードを墓地に置いてしまう記憶盗み/Memory Theftが存在する。
統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦いで再登場を果たすとともに、本体がアーティファクトの当事者カードも追加された。こちらでは青を含むカードに出来事呪文や追放領域・墓地の当事者カードを参照するものが存在する。
Unfinityでもアン・カードだが新規カードが1枚だけ登場した(→全冠のコロサス/Omniclown Colossus)。アーティファクト・クリーチャーが本体となった当事者カードはこれが初である。
エルドレインの森ではエンチャントや伝説のクリーチャーが本体のカードや、本体と出来事の色が異なるカードが初登場した。同セットでも全色に存在するが、青・赤・緑にやや多く割り当てられている。
ドクター・フー統率者デッキでも2枚だけだが登場している。うち1枚は本体がソーサリーであり、本体がパーマネントでない当事者カードの初収録となった。
- Heroes of the Realmやホリデーギフトカードといった関係者専用の使用不可カードにもいくつか使用されている。中でもChampions of Archeryはエルドレインの森よりも早く伝説のクリーチャーを本体にした当事者カードである。
- エルドレインの王権が使用可能な時期のスタンダードにおいて、特にエッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeperを擁する緑はさまざまな色の組み合わせのアドベンチャーデッキを成立させ猛威を振るった。
ルール
通常の特性
それを出来事として唱える際か、出来事として唱えてスタックに置かない限り、当事者カードは本体としての特性しか持たない。インスタントやソーサリーを探す効果でライブラリーなどから(本体がインスタントやソーサリーでない)当事者カードを探すことはできない。また本体と出来事の色が異なる当事者カードは多色ではなく、本体の色のみを持つ。
当事者カードを唱える
あなたが当事者カードを唱える場合、まず本体か出来事、どちらとして唱えるかを選択してから唱え始める。そのカードを唱えることを許諾したり制限するルールや効果は、選択後の特性のみを見て判断される(CR:601.3e)。カード・タイプやマナ・コストが変化するため、他のカードとの相互作用がややこしいため注意(→唱えてもよい)。
- 「あなたのライブラリーの一番上からクリーチャー呪文を唱えてもよい。」を持つガラクの大軍/Garruk's Hordeがあるとき、ライブラリーの一番上が巨人落とし/Giant Killerであった場合、あなたはそれを巨人落としとして唱えることはできるが、インスタントである切り落としとして唱えることはできない。「あなたはあなたのライブラリーの一番上からインスタントやソーサリーである呪文を唱えてもよい。」であるイゼットの模範、メーレク/Melek, Izzet Paragonの場合は逆となり、巨人落としとしてそのカードを唱えることはできないが、切り落としとしては唱えることができる。
- X=1の雷電支配/Electrodominanceでは、手札の亜麻色の侵入者/Flaxen Intruderをクリーチャーとして唱えることは出来るが、マナ総量が7となるおかえりなさい/Welcome Homeとしては唱えることはできない。
- あくまでそのカードが特定の特性である場合唱えてもよい、という時の問題なので約束の終焉/Finale of Promiseや炎の侍祭、チャンドラ/Chandra, Acolyte of Flameなどインスタントやソーサリーを対象としてそれを唱えさせる効果ではクリーチャーである当事者カードを対象に選ぶことはできない。
出来事呪文
出来事として唱えたカードは、スタック上では本体としての特性は持たず小枠の中だけの特性を持つ。出来事呪文が解決されるに際し、そのカードを墓地に置く代わりに追放する。そのカードが追放されている限り、あなたはそれを本体として唱えてもよい。
- 出来事呪文が打ち消されたり、立ち消えたりしたら、そのカードは追放されることはなく本体として唱えることはできない。また出来事の解決以外の効果で当事者カードが追放されていても、それを唱えることはできない。
- 出来事呪文が雲散霧消/Dissipateで打ち消されて追放されても、それは出来事のルールに則って追放されたわけではないので唱えることはできない。
- 唱えることができるのは出来事呪文の解決時のコントローラーである。オーナーではない。あなたが欲深い衝動/Covetous Urgeで奪ったカードを出来事として唱え解決した場合、あなたが本体として唱えることができる。
- 追放領域から唱えることが許可されるだけで、唱えるタイミングは通常の呪文と変わらない。瞬速を持っていない限り自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに優先権を持っていなければ唱えることはできない。
- 通常はこれにより追放された当事者カードを再度出来事として唱えることはできないが、他の効果により出来事として唱えることができるようになる場合はあり得る。
- スタック上の出来事呪文がコピーされる場合、代替の特性がコピー可能な値としてコピーされる。本体としての特性はコピーされない。解決に際してコピーも追放されるが、カードで無いなら状況起因処理で消滅する。
その他
- エルドレインの王権およびエルドレインの森のトークン・カードには、追放中の出来事カードを示しておくための「進行中の出来事/On an Adventure」の補助カードが存在する[2][3]。
- 統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦いは新規の当事者カードが多数収録されているが、進行中の出来事は収録されていない[4]。
- ルール・テキスト中では「当事者カード/Adventurer Card」という表現は使われておらず、「出来事を持つ○○/○○ that have an Adventure」の形で表記されている。
- エルドレインの王権のすべての当事者カードにはショーケース・フレーム版が存在する。エルドレインの森ではレア以上のものにのみ存在する。
- Adventurer単独では「当事者」という意味を持たない。Adventureが「出来事」と訳されたことを踏まえてこの訳語に決まったのだと思われる。
- 統治者(とうちしゃ)との混同に注意。
- エルドレインの王権の時は本体がクリーチャーのものしか存在しなかったため「当事者」および"Adventurer"(冒険者)という名称も自然であったが、後に本体が無生物のものが追加されたため、やや違和感のあるネーミングになってしまった。公式記事でもこの点に突っ込まれている[5]。
- エルドレインの森現在では本体がパーマネントのものしか存在しないが、総合ルール上の定義ではカード・タイプに制約はない。
脚注
- ↑ ADVENTURING IN STANDARD AND LIMITED/スタンダードとリミテッドの出来事(Daily MTG 2019年9月13日)
- ↑ 『エルドレインの王権』のトークン(Daily MTG 2019年9月19日)
- ↑ The Tokens of Wilds of Eldraine/『エルドレインの森』のトークン(Daily MTG 2023年8月24日 Jubilee Finnegan著)
- ↑ 『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』のトークン(Card Preview 2022年6月2日 Kendall Pepple著)
- ↑ Commander Legends: Battle for Baldur's Gate Mechanics/『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』のメカニズム(Feature 2022年5月18日 Jess Dunks著)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 715 当事者カード
- 715.1 「当事者/adventurer」カードは、文章欄中に小さな枠のある、2組のカード枠を持つ。
- 715.2 左側の内側の枠に書かれている文章は、そのオブジェクトが呪文である間に取りうる代替の特性を定義する。そのカードの通常の特性は、文章欄は右側で小さくなっているが、通常通り表記されている。
- 715.3 プレイヤーは、自分が当事者カードを唱えるに際して、そのカードを通常通り唱えるか出来事として唱えるかを選ぶ。
- 715.3a 当事者カードを出来事として唱える場合、それを唱えられるかどうかを見るには代替の特性だけが評価される。
- 715.3b 出来事としてスタック上にある間、その呪文はその代替の特性だけを持つ。
- 715.3c 出来事・呪文がコピーされた場合、そのコピーも出来事であり、その出来事・呪文を表すカードの通常の特性ではなくその呪文の代替の特性を持つ。出来事として唱えられた呪文を参照するルールや効果は、そのコピーも参照する。
- 715.3d 出来事として唱えた呪文を解決して墓地に置く代わりに、そのコントローラーはそれを追放する。そのカードが追放され続けているかぎり、そのプレイヤーはそれを唱えてもよい。その場合、出来事として唱えることはできないが、それを唱えてもよいとする別の効果によって、出来事として唱えることができうる。
- 715.4 スタック以外のいずれかの領域である間、また出来事でない状態でスタックにある間、当事者カードはその通常の特性だけを持つ。
- 715.5 効果によってプレイヤーが名前を選ぶ場合、そのプレイヤーが当事者カードの代替の名前を選びたければ、そうしてもよい。
- 715 当事者カード