能力
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能力/Abilityは、以下の3つのうちのいずれかである。
- オブジェクトが持つ特性の1つであり、そのオブジェクトがゲームに影響を与えられるようにするもの。ルール文章や能力を生成した効果によって定義される。能力は効果を発生させる。
- プレイヤーが持ち、ゲームがそのプレイヤーに及ぼす影響を変更するもの。
- スタック上にある起動型能力、または誘発型能力。これはオブジェクトである。
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特性としての能力
キーワード能力を除けば、段落ごとに分けて記述され、各段落がそれぞれ別個の能力を表す(日本語訳ではその限りではない→共有の絆/Common Bond等)。一つの段落に常在型能力とそれに関係する誘発型能力が記載されてたり(CR:607.2g)、2つの能力が関連している場合もある。
能力は呪文能力、起動型能力、誘発型能力、常在型能力の4種類に分類される。これら以外に、マナ能力、忠誠度能力、特性定義能力、回避能力などルール上特定の能力をまとめた呼び方もあるが、それらの各能力も実際には前述の4つのうちいずれかに分類される。例えば、マナ能力は起動型能力か誘発型能力である。
インスタントやソーサリーが持つ能力は、通常、スタック上にある間でのみ機能する。その他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが戦場にある間でのみ機能する。ただし例外もいくつかある。
- 特性定義能力は、ゲームの外部も含むあらゆる場所で機能する。
- どの領域で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。
- そのオブジェクト自身のマナ・コストを支払うのではなく代替コストを支払うことを認めるか、それを唱えるためのコストを変更する能力はスタックにある間に機能する。
- 召集はそれを持つカードがクリーチャー・カードであっても、スタック上で機能を発揮する。
- ドリーム・ホール/Dream Hallsの「呪文のマナ・コストを支払うのではなく、その呪文のコントローラーは、その呪文と共通の色を1色持つカードを1枚捨ててもよい。」という能力は自身のマナ・コストに対する代替コストでは無いので、戦場でしか機能しない。
- オブジェクトの、それ自身をプレイするあるいは唱えることに限定や修整をもたらす能力は、プレイできるあるいは唱えられる領域にある間に機能する。
- オブジェクトの能力で、それ自身をどの領域からプレイする、あるいは唱えることができるかを限定したり修整したりする能力は、ゲームの外部を含むどこにあっても機能する。
- スカーブの殲滅者/Skaab Ruinatorの「あなたはスカーブの殲滅者をあなたの墓地から唱えてもよい。」という能力は墓地で機能する。
- オブジェクトの能力で、それが打ち消されない、と書かれているものは、スタックにある間に機能する。
- オブジェクトの能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが戦場に出てくるに際して機能する(CR:614.12)。置換効果も参照。
- オブジェクトの能力で、それにカウンターを配置できないとするものは、そのオブジェクトが戦場にある間に加えて、そのオブジェクトが戦場に出る際にも機能する。
- オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。
- サイクリングはそのカードを手札から捨てる事をコストとするので、それが手札にある時に機能する。
- 戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。
- コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコストや効果として、そのオブジェクトをその領域に移動させるものが含まれている場合は、この限りではない。
- 組み直しの骸骨/Reassembling Skeletonの「 (1)(黒):あなたの墓地にある組み直しの骸骨をタップ状態で戦場に戻す。」という起動型能力は、組み直しの骸骨を墓地から戦場に移動させるものであるため、墓地でのみ機能する。
- 無数のゴキブリ/Endless Cockroachesの「無数のゴキブリが死亡したとき、それをオーナーの手札に戻す。」という誘発型能力は、無数のゴキブリを墓地から手札に移動させるものだが、戦場から墓地に移動する事を誘発条件とするためこれは墓地では働かない(領域変更誘発も参照)。
オブジェクトに能力を与えたり、失わせたりする効果も存在する。
- オブジェクトにある能力が複数与えられた場合、それらは独立して機能する。一つにまとめられてしまうことはない。ただし、能力により複数持っていても意味がないことはある(例:飛行)。
- オブジェクトからある能力を失わせる場合、その能力を複数持っていたとしても、そのすべてが失われる。
- クリーチャーにある能力を持たせない効果がある場合、クリーチャーにその能力を与える呪文や能力の解決によって生成される継続的効果は生成されない(元型)。
- 種類別第1種から第5種に相当する能力(例:多相)は、その能力自体を(第6種の効果で)失わせても意味がない。種類別を参照。
プレイヤーが持つ能力
プレイヤーは通常は能力を持たないが、何らかの効果により与えられることがある。
例えば神々の神盾/Aegis of the Godsはプレイヤーに呪禁という能力を与える。
- 2018年10月の総合ルール更新により能力の定義へ追加されたが、このような効果はそれ以前から存在している。
スタック上のオブジェクトとしての能力
- 能力は呪文とは区別される。呪文を打ち消す効果で、能力を打ち消すことはできない。
- 起動型能力、あるいは誘発型能力がスタックに乗ったならば、それは能力の発生源から独立して存在する(CR:112.7a)。
- 発生源が本来あるべき領域(たいていは戦場)を離れたとしても、スタック上の能力は影響を受けない。スタックから取り除かれることもないし、通常どおり効果を発揮する(もちろん、能力自身に指示がある場合はそちらを優先する(→if節ルール)。
- 放蕩魔術師/Prodigal Sorcererのように「能力の発生源に何かをさせる」能力は、発生源を参照する。効果を分配するために参照する場合は、能力をスタックに積む時点で、それ以外の理由で参照する場合は、能力の解決時点で、それぞれ発生源の情報をチェックする。チェックする時点で発生源が既に戦場にない場合は、その能力の発生源の戦場を離れる直前の情報を使う。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 112 呪文
- 112.1 呪文とは、スタックにあるカードのことである。唱えるための最初の手順で(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)、カードは呪文 になり、オーナーの手札などの元あった領域からスタックの一番上に移動する(rule 405〔スタック〕参照)。呪文は解決されるか(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)、打ち消されるか(rule 701.5 参照)、その他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。さらなる情報は、rule 6〔呪文、能力、効果〕参照。
- 112.2 コピーでない呪文のオーナーは、その呪文を表現しているカードのオーナーである。コピーである場合のオーナーは、それをコントロール下でスタックに積んだプレイヤーである。呪文のコントローラーは、通常、それをスタックに積んだプレイヤーである。呪文には必ずコントローラーが1人存在する。
- 112.3 コピーでない呪文の特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
- 112.4 呪文や能力の解決による効果によってパーマネント 呪文の特性が変更された場合、その効果はその呪文が解決されたパーマネントにも適用され続ける。rule 400.7 参照。
- 112 呪文