真髄の針/Pithing Needle
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アーティファクト
真髄の針が戦場に出るに際し、カードの名前1つを選ぶ。
その選ばれた名前を持つ発生源の起動型能力は、それがマナ能力でないかぎり起動できない。
神河救済で登場した、指定したカードの起動型能力の起動を封じるアーティファクト。当時のスタンダード・トーナメントでもっとも使われるだろうと評判になったほぞカードであり、事実、同エキスパンションのトップレアであった。
これ以前に起動型能力を封じるカードは5枚存在するが、どれもクリーチャーかアーティファクトだけと有効範囲は狭かった。エンチャントや土地、さらにはパーマネントではない手札や墓地のカードの起動型能力まで封じることができるこのカードの登場はまさに画期的であった。後にはバリエーションと呼べるカードもいくつか登場しているが、色を問わず1マナで使える軽さは唯一無二であり、存在感は大きい。
ただし対処できる範囲が広いとは言っても、実際に封じることができるのは指名した1枚だけである。使いこなせればゲームを支配できるが、判断を間違えるとまったくの置物と化してしまう。状況に応じて適切な指名ができるか否か、プレイングスキルが問われるカードである。
有効な仮想敵は非常に多い。対立などの特定カードの起動型能力を主軸にしたデッキはもちろん、サイカトグ/Psychatogなどの能力ありきのクリーチャーを弱体化させたり、通常の打ち消しでは対処しづらい忍術やサイクリング誘発型能力を封じたり、装備品の装備能力を使えなくしたりもできる。また、後に登場したプレインズウォーカーの忠誠度能力も封じることができる点も見逃せない。特に無限マナなどの無限ループを利用するデッキのほとんどはこれ1枚で潰されかねず、実際レガシーのメタの中心であったATSはこれによって環境から駆逐された。
- 通称「針」。このカードで指名することを「刺す」と表現することも。
- 強力な能力を持つが複数回再録されており、入手しやすいカードでもある。
ルール
- 現在のオラクルでは、起動を禁止されるのは「選ばれた名前を持つ発生源の(マナ能力でない)起動型能力」である。
- 戦場に出ていないカードの起動型能力も禁止される。これは、テキストに発生源という語を使っているためである(CR:109.2c)。例えば忍術、魂力、サイクリング、変成、蘇生等も含まれる。起動型能力を含むキーワード能力は、起動型能力の項も参照のこと。
- 反転カードや両面カードの場合、反転前と反転後、第1面と第2面はそれぞれ別名のオブジェクトとして扱う。例えば反転前のカード名を指定した場合は、反転後の起動型能力の起動は禁止されない。
- 以前はトークンにこの効果は及ばなかったが、2006年4月のオラクル変更によりトークンにも効果が及ぶようになった。 その変更後もカードでない呪文(双つ術/Twincastなどでコピーした稲妻の嵐/Lightning Storm)の起動型能力には及んでいなかったが、第10版収録時の再変更でこれにも効果が及ぶようになった。
- 指定されたカード固有の能力でなく、別のオブジェクトによって与えられる起動型能力も起動を禁止される。
- その際、起動型能力を実際に持つカードを指名しなければ禁止できない点に注意。例えばリスの巣/Squirrel Nestが森/Forestについている場合、トークン生成を防ぐには「リスの巣」ではなく「森」と宣言する必要がある。
- プレイヤーが指定できるのは、そのフォーマットで使用可能なカードの名前だけである(CR:201.3)。それ以外の名前は指定できない。
- カード名を指定するのは、真髄の針を唱えたときではなく、解決されて実際に戦場に出る時である。
- 例えば、桜族の長老/Sakura-Tribe Elderが出ており、対戦相手がそれを指名するつもりで真髄の針を唱えたとする。あなたがそれに対応して桜族の長老の能力を起動したい場合、真髄の針がスタック上にあるうちに起動する必要がある。ただしそうした場合、対戦相手は桜族の長老を指定する必要がなくなって、他のカードを指名するかもしれない。
関連カード
類似の能力を持つカード。ただしこれらはマナ能力を封じられる代わりに、土地が指定できなくなっている。
参考
- Moving the Needle(DailyMTG.com、The Week That Was、文:Brian David-Marshall)
- カード個別評価:ラヴニカへの回帰 - レア
- カード個別評価:神河救済 - レア
- カード個別評価:基本セット2010 - レア
- カード個別評価:第10版 - レア
- Kaladesh Inventions