死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hunger

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[[死の国/The Underworld]]に封じられていた[[伝説の]][[エルダー]]・[[巨人]]の1体。[[脱出]]でなければ[[戦場]]に残れないが、[[戦場に出る]]か[[攻撃]]するたび[[手札破壊]]と条件付きの[[ライフロス]]を振り撒く。[[ETB]]を使いつつ[[墓地]]に落とすために最初は[[素出し]]し、2度目は脱出で[[唱える]]のが基本となる。
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4[[マナ]]で何度も復活し手札破壊を繰り返す6/6の[[クリーチャー]]と[[アドバンテージ]]の塊のようだが、ハンデスは[[対戦相手]]が選ぶため、2マナ手札破壊としては[[色拘束]]もあって低質な部類。そのため「3点ライフロス」「相手の手札の枚数は確実に減る」のどちらかが勝ち筋に繋がる[[デッキ]]に向いたカード。前者は[[ビートダウン (俗語)|ビートダウン]]デッキ、後者は[[メガハンデス]]などの過剰に相手の[[手札]]を絞め上げるデッキに合致する。
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[[黒]]も[[赤]]も[[墓地]]を[[肥やす|肥やし]]やすい[[色]]で、脱出によって唱えるタイミングは作りやすい。ただし自分の[[リソース]]を増やす事で脱出の下準備[[カード]]の用意にも繋がる片割れの[[自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath]]と比べ、ETB能力は[[アグロ]]デッキ相手には効果が薄め。さらにウーロのように自分の動きに繋がりにくいので、あちらのように手札に来次第積極的に[[唱える]]運用にはあまり向いていない。どちらかといえば、墓地に十分な量のカードが溜まってから唱えたり[[捨てる|捨て]]たりした方が[[墓地対策]]に引っかかりにくい。
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登場直後の[[スタンダード]]では[[サクリファイス#ラヴニカのギルド~基本セット2021期|ラクドス・サクリファイス]]に採用される。[[ぬかるみのトリトン/Mire Triton]]や[[ティマレット、死者を呼び出す/Tymaret Calls the Dead]]で肥やした墓地で脱出を狙うのが基本的な動き。
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[[パイオニア]]では[[黒赤ビートダウン#パイオニア|ラクドス・ミッドレンジ]]や[[サクリファイス#パイオニア|ラクドス・サクリファイス]]が息切れ防止のために採用する場合がある。
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登場早々、[[モダン]]では[[マナフラッド]]受けができる[[大型クリーチャー]]として[[ジャンドコントロール#ジャンド|ジャンド]]に居場所を見つけた。
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*[[インスタント・タイミング]]で使える[[サクり台]]と相性がよく、素出し時のETB+サクり台のメリット効果でアドバンテージを得やすい。[[魔女のかまど/Witch's Oven]]に放り込まれて[[食物]]2つに焼き上げられるのはよく見る光景。
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==ルール==
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*クロクサを普通に[[唱える|唱えた]]場合、[[生け贄に捧げる]][[能力]]と手札破壊の2つの能力が[[誘発]]し[[あなた]]が好きな順番で[[スタック]]に置く。あなたの[[ターン]]の[[メイン・フェイズ]]中なら、クロクサを生け贄に捧げる能力を[[解決]]した後にあなたが[[優先権]]を得て[[スタック]]が空ならばそのままクロクサを脱出で唱えることができる。生け贄に捧げる能力が先に解決されるようにスタックに置くと、手札破壊能力が解決される前に[[自然への回帰/Return to Nature]]などでクロクサを墓地から移動させるチャンスを与えてしまうので注意。
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*2つ目の能力はやや分かりづらいが、各[[対戦相手]]が[[カード]]を[[捨てる|捨てた]]後は以下の処理になる。
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**[[土地]]でないカードを捨てた対戦相手は[[ライフ]]を失わない。
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**土地・カードを捨てた対戦相手は3点のライフを失う。
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**手札が0枚だったり[[伝承の収集者、タミヨウ/Tamiyo, Collector of Tales]]の[[効果]]があったりしてカードを捨てなかった対戦相手は3点のライフを失う。
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*[[多人数戦]]の場合、[[APNAP順]]で対戦相手が[[手札]]のカードを[[公開する]]ことなく選び、全員が選び終わった後すべてのカードが同時に捨てられる。その後、条件にあった[[プレイヤー]]はライフを失う。
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==開発秘話==
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タイタン(クロクサと[[自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath]])のモチーフはギリシャ神話の巨神族[[Wikipedia:ja:ティーターン|ティーターン]]。[[Wikipedia:ja:ゼウス|ゼウス]]率いる[[Wikipedia:ja:オリュンポス十二神|オリュンポスの神々]]との戦争([[Wikipedia:ja:ティーターノマキアー|ティーターノマキアー]])に敗れ、地下深くの[[Wikipedia:ja:タルタロス|タルタロス]]へと封印された。
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[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]で最も象徴的な「タイタン」といえば[[基本セット2011]]の[[太陽のタイタン/Sun Titan|タイタン]]・[[サイクル]]であり、[[テーロス還魂記]]のタイタンはこれらに倣って「戦場に出るか攻撃するたびに誘発する能力」を持たされることになった。当初は[[単色]]5枚のサイクルとして作られたが、この[[カード・セット|セット]]には他にも入れるべきものが多かったことから、2枚にまで減らされ、[[多色]]に変更された。
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また、[[プレイ・デザイン・チーム|プレイ・デザイン]]の初期には[[誘発型能力]]の強さに重きを置いていたが、そうするとプレイヤーはこれを呪文のように扱い、脱出させずに最適なタイミングまで墓地に温存する傾向にあった。そのため誘発型能力は弱められ、[[マナ・コスト]]と脱出[[コスト]]は調整され、[[サイズ]]は引き上げられた<ref>[https://twitter.com/EthanFleischer/status/1214666654430330880 Twitter]([[2020年]]1月8日 [[Ethan Fleischer]]著)</ref><ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/odds-ends-theros-beyond-death-2020-01-27 Odds & Ends: Theros Beyond Death]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0033670/ こぼれ話:『テーロス還魂記』]([[Making Magic]] 2020年1月27日 [[Mark Rosewater]]著)</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20211204175758/https://magic.wizards.com/en/articles/archive/play-design/m-files-theros-beyond-death-red-green-and-rest-2020-01-31 M-Files: Theros Beyond Death – Red, Green, and the Rest(Internet Archive)]/[https://mtg-jp.com/reading/pd/0033799/ Mファイル『テーロス還魂記』編・赤緑その他](Play Design 2020年1月31日 [[Jadine Klomparens]]著)</ref>。
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==関連カード==
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{{同一の存在を表すカード/クロクサ}}
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*[[自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath]]
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==ストーリー==
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'''クロクサ'''/''Kroxa''は、遥か昔に[[テーロス/Theros]]を支配していた[[巨人/Giant#テーロス|タイタン/Titan]]の一体({{Gatherer|id=477742}})。
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クロクサは終わりなき飢えに取り憑かれている。彼は[[死の国/The Underworld]]に封印されているが、もしこの幽閉から[[脱出]]したなら、半日で[[メレティス/Meletis]]全土を平らげてしまうだろう――そしてデザートとばかりに[[ニクス/Nyx]]へ向かうだろう。
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*その恐ろしい姿とは裏腹に、死の国の食欲旺盛な[[リス]]([[wikipedia:ja:学名|学名]]:''Sciurus [[エレボス/Erebos|erebos]]'')はクロクサから生まれたとされるなんとも可愛らしい(?)伝承がある<ref>[[モダンホライゾン2]]の[[プレリリース・パック]]同梱冊子『[[多元宇宙/Multiverse|多元宇宙]]のリスたち』</ref>。
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===経歴===
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====[[機械兵団の進軍]]====
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[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]によりテーロスが侵略された時、クロクサは[[ファイレクシアン|ファイレクシア人]]や[[ファイレクシアの油/Phyrexian oil|ぎらつく油]]を痕跡すら残さず平らげた。
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その光景を見た[[エイスリオス/Athreos]]はクロクサの鎖を切り、死の国の中へ解き放つという選択をした。このタイタンが生者の世界に逃げ出さないよう、彼は番犬[[エイスリオスの番犬、クノロス/Kunoros, Hound of Athreos|クノロス/Kunoros]]を牽制役に遣わした。クノロスはクロクサをエイスリオスの望む道へと誘導する――ファイレクシアンへの被害を最大化し、それ以外の者への被害を最小化するように。
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===登場カード===
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====[[フレイバー・テキスト]]に登場====
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;[[テーロス還魂記]]
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:[[食らいつくし/Eat to Extinction]]
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====[[絵|イラスト]]に登場====
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;テーロス還魂記
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:食らいつくし/Eat to Extinction
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===登場作品・登場記事===
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*[https://magic.wizards.com/en/news/feature/theros-beyond-death-story-cards-2019-12-16 The Theros Beyond Death Story on Cards]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/THB/0033636/ 『テーロス還魂記』ストーリーカード](Feature [[2019年]]12月16日 [[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|Wizards of the Coast]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/news/feature/the-legendary-team-ups-of-march-of-the-machine The Legendary Team-Ups of March of the Machine]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0036859/ 『機械兵団の進軍』の伝説のチームたち]([[Daily MTG]] - Feature [[2023年]]4月13日 [[Emily Teng]]著)
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==脚注==
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<references />
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[[手札破壊カード]]([[機能別カードリスト]])
 
*[[カード個別評価:テーロス還魂記]] - [[神話レア]]
 
*[[カード個別評価:テーロス還魂記]] - [[神話レア]]
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*[[カード個別評価:多元宇宙の伝説]] - [[神話レア]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2021年#Showcase: Kaldheim – Part 2|Secret Lair Drop Series: Showcase: Kaldheim – Part 2]]
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__NOTOC__

2023年7月27日 (木) 16:42時点における版


Kroxa, Titan of Death's Hunger / 死の飢えのタイタン、クロクサ (黒)(赤)
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) 巨人(Giant)

死の飢えのタイタン、クロクサが戦場に出たとき、これが脱出していないかぎり、これを生け贄に捧げる。
死の飢えのタイタン、クロクサが戦場に出るか攻撃するたび、各対戦相手はそれぞれカード1枚を捨てる。その後、これにより土地でないカードを捨てなかった各対戦相手はそれぞれ3点のライフを失う。
脱出 ― (黒)(黒)(赤)(赤),あなたの墓地から他のカード5枚を追放する。(あなたはあなたの墓地から、このカードをこれの脱出コストで唱えてもよい。)

6/6

死の国/The Underworldに封じられていた伝説のエルダー巨人の1体。脱出でなければ戦場に残れないが、戦場に出る攻撃するたび手札破壊と条件付きのライフロスを振り撒く。ETBを使いつつ墓地に落とすために最初は素出しし、2度目は脱出で唱えるのが基本となる。

4マナで何度も復活し手札破壊を繰り返す6/6のクリーチャーアドバンテージの塊のようだが、ハンデスは対戦相手が選ぶため、2マナ手札破壊としては色拘束もあって低質な部類。そのため「3点ライフロス」「相手の手札の枚数は確実に減る」のどちらかが勝ち筋に繋がるデッキに向いたカード。前者はビートダウンデッキ、後者はメガハンデスなどの過剰に相手の手札を絞め上げるデッキに合致する。

墓地肥やしやすいで、脱出によって唱えるタイミングは作りやすい。ただし自分のリソースを増やす事で脱出の下準備カードの用意にも繋がる片割れの自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrathと比べ、ETB能力はアグロデッキ相手には効果が薄め。さらにウーロのように自分の動きに繋がりにくいので、あちらのように手札に来次第積極的に唱える運用にはあまり向いていない。どちらかといえば、墓地に十分な量のカードが溜まってから唱えたり捨てたりした方が墓地対策に引っかかりにくい。

登場直後のスタンダードではラクドス・サクリファイスに採用される。ぬかるみのトリトン/Mire Tritonティマレット、死者を呼び出す/Tymaret Calls the Deadで肥やした墓地で脱出を狙うのが基本的な動き。

パイオニアではラクドス・ミッドレンジラクドス・サクリファイスが息切れ防止のために採用する場合がある。

登場早々、モダンではマナフラッド受けができる大型クリーチャーとしてジャンドに居場所を見つけた。

ルール

開発秘話

タイタン(クロクサと自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath)のモチーフはギリシャ神話の巨神族ティーターンゼウス率いるオリュンポスの神々との戦争(ティーターノマキアー)に敗れ、地下深くのタルタロスへと封印された。

マジックで最も象徴的な「タイタン」といえば基本セット2011タイタンサイクルであり、テーロス還魂記のタイタンはこれらに倣って「戦場に出るか攻撃するたびに誘発する能力」を持たされることになった。当初は単色5枚のサイクルとして作られたが、このセットには他にも入れるべきものが多かったことから、2枚にまで減らされ、多色に変更された。

また、プレイ・デザインの初期には誘発型能力の強さに重きを置いていたが、そうするとプレイヤーはこれを呪文のように扱い、脱出させずに最適なタイミングまで墓地に温存する傾向にあった。そのため誘発型能力は弱められ、マナ・コストと脱出コストは調整され、サイズは引き上げられた[1][2][3]

関連カード

ストーリー

クロクサ/Kroxaは、遥か昔にテーロス/Therosを支配していたタイタン/Titanの一体(イラスト)。

クロクサは終わりなき飢えに取り憑かれている。彼は死の国/The Underworldに封印されているが、もしこの幽閉から脱出したなら、半日でメレティス/Meletis全土を平らげてしまうだろう――そしてデザートとばかりにニクス/Nyxへ向かうだろう。

  • その恐ろしい姿とは裏腹に、死の国の食欲旺盛なリス学名:Sciurus erebos)はクロクサから生まれたとされるなんとも可愛らしい(?)伝承がある[4]

経歴

機械兵団の進軍

新ファイレクシア/New Phyrexiaによりテーロスが侵略された時、クロクサはファイレクシア人ぎらつく油を痕跡すら残さず平らげた。

その光景を見たエイスリオス/Athreosはクロクサの鎖を切り、死の国の中へ解き放つという選択をした。このタイタンが生者の世界に逃げ出さないよう、彼は番犬クノロス/Kunorosを牽制役に遣わした。クノロスはクロクサをエイスリオスの望む道へと誘導する――ファイレクシアンへの被害を最大化し、それ以外の者への被害を最小化するように。

登場カード

フレイバー・テキストに登場

テーロス還魂記
食らいつくし/Eat to Extinction

イラストに登場

テーロス還魂記
食らいつくし/Eat to Extinction

登場作品・登場記事

脚注

  1. Twitter2020年1月8日 Ethan Fleischer著)
  2. Odds & Ends: Theros Beyond Death/こぼれ話:『テーロス還魂記』Making Magic 2020年1月27日 Mark Rosewater著)
  3. M-Files: Theros Beyond Death – Red, Green, and the Rest(Internet Archive)/Mファイル『テーロス還魂記』編・赤緑その他(Play Design 2020年1月31日 Jadine Klomparens著)
  4. モダンホライゾン2プレリリース・パック同梱冊子『多元宇宙のリスたち』

参考

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