名誉回復/Vindicate

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
 
(27人の利用者による、間の40版が非表示)
3行: 3行:
 
2[[色]]以上で構成された[[多色カード]]が多数存在する[[インベイジョン・ブロック]]中で、[[対抗色]]が露骨に強い[[アポカリプス]]の[[カード]]の1つ。
 
2[[色]]以上で構成された[[多色カード]]が多数存在する[[インベイジョン・ブロック]]中で、[[対抗色]]が露骨に強い[[アポカリプス]]の[[カード]]の1つ。
  
3[[マナ]]で[[砂漠の竜巻/Desert Twister]]が撃てるというのは、いくら対抗色でもやりすぎではないかというくらいに強い。[[土地破壊]]や[[ギミック]]破壊で[[パーミッション]]にも効果を発揮、邪魔な[[ブロッカー]]も排除できるので[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]への採用も考慮できる、強力な[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]も[[対象]]に取ることができる…と、およそどんなデッキを相手取ってもムダになる事がないという万能カード。
+
3[[マナ]]で[[砂漠の竜巻/Desert Twister]]が撃てるというのは、いくら対抗色でもやりすぎではないかというくらいに強力。[[土地破壊]]や[[ギミック]]破壊で[[パーミッション]]にも効果を発揮、邪魔な[[ブロッカー]]も排除できるので[[ビートダウンデッキ|ビートダウン]]への採用も考慮できる、強力な[[プレインズウォーカー]]も[[対象]]に取ることができる……と、およそどんなデッキを相手取っても[[腐る]]心配が少ないという万能カード。
  
ただし[[再生]]は可能であり、[[魂売り/Spiritmonger]]などには対応しきれない。また、[[多色]][[呪文]]なので[[プロテクション]]に多少引っかかりやすい部分もある。それでもこれが破格の[[マナ・コスト]]を持つ呪文であることに変わりない。
+
あえて欠点を探せば、[[再生]]を許すので[[魂売り/Spiritmonger]]などには対応しきれない、[[多色]][[呪文]]なので[[プロテクション]]に多少引っかかりやすい、[[ソーサリー]]なので[[対応して|対応撃ち]]ができない、などといくつか見つけることはできる。しかし同様の弱点は他の多くの呪文も抱えているものであり、この破格の[[マナ・コスト]]と汎用性を思えば些細な欠点と言ってもいい。
  
*「名誉回復」と訳されているが、もう少し正しく言うのなら、「不当にかけられた容疑を不当であると立証すること」という、ちょっとわかりにくい意味である。カードっぽく訳すのであれば「潔白の証明」といったところか。
+
現在では[[モダン]]以下の[[フォーマット]]でのみ使用可能であるが、3マナソーサリーの単体除去は[[重い]]部類であり、実用的な効率面で見ればより高性能な万能除去呪文が登場している。一方、近年の軽量除去は基本的に土地を対象に取れなくなっているため、その点での優位性はある。
*[[ジェラード/Gerrard]]が一度は[[ヨーグモス/Yawgmoth]]の罠にかかり、その失敗を取り戻すために[[レガシー/Legacy]]を起動、命と引き換えにヨーグモスを滅ぼしたシーンを再現したカード。[[フレイバー・テキスト]]は、その際にジェラードが遺した別れの言葉である。
+
**しかし、その一連のストーリーを知らない人にとっては「何で名誉が回復するとパーマネントが壊れるの?」「何でパーマネントを壊す呪文で、ジェラードは遺言みたいなことを言ってるの?」と疑問を深める要因となった。
+
{{フレイバーテキスト|わたしを悼むようなことはしないでくれ。これがわたしの運命なのだから。|ジェラード}}
+
*[[ギルドパクト]]には、これを[[CIP]][[能力]]として持つ[[絶望の天使/Angel of Despair]]が登場した。ちょっと[[重い]]が[[太陽拳]]のフィニッシャーとして立派に活躍していることからも、あらゆる[[パーマネント]]を除去できるということの強さが分かる。同時に、[[インスタント]]になった代わりに[[エンチャント]]か[[クリーチャー]]しか破壊できなくなった[[屈辱/Mortify]]も登場した。
+
*[[次元の混乱]]で、これの[[効果]]を付加する[[壊死スリヴァー/Necrotic Sliver]]が登場した。
+
*[[無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre]]は[[唱える|唱え]]た時に名誉回復と同じ効果が[[誘発]]する。
+
  
 +
*[[解呪/Disenchant]]を擁する[[白]]と[[汚れ/Befoul]]のように[[クリーチャー]]と[[土地]]を[[破壊]]できる[[黒]]が合わさったカードと見ることができるだろう。
 +
**解呪が[[帰化/Naturalize]]へと移行したためか、後に登場した似た[[効果]]を持つ[[呪文]]である[[大渦の脈動/Maelstrom Pulse]]は[[黒緑]]になっている。以降も[[白黒]]と黒緑の両方で亜種が登場しているため、黒緑の亜種についてはそちらのページを参照のこと。
 +
*[[2007年]]・[[2013年]]と、2回も[[ジャッジ褒賞]]プロモカードに選ばれており、そのたびに新規[[絵|イラスト]]と新規[[フレイバー・テキスト]]が与えられている。[[エターナルマスターズ]]では{{Gatherer|id=414250|2013年版}}で[[再録]]された。
 +
*"Vindicate"は「名誉回復」と訳されているが、もう少し正しく言うのなら、「不当にかけられた容疑を不当であると立証すること」という、ちょっとわかりにくい意味である。カードっぽく訳すのであれば「潔白の証明」といったところか。後の[[ファイレクシア:完全なる統一]]で登場した[[ファイレクシアの立証者/Phyrexian Vindicator]]はまさに本来の意味である"立証"と訳されている。こちらは対となる存在である[[ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator]]との音韻も踏まえた、適正かつ精妙な和訳だと言えるだろう。
 +
 +
==ストーリー==
 +
;[[アポカリプス]]
 +
:[[ファイレクシア/Phyrexia]]による[[インベイジョン・ブロック|侵略戦争]]時代の[[ドミナリア/Dominaria]]。[[ジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashen (ストーリー)|ジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashen]]が一度は[[ヨーグモス/Yawgmoth]]の[[歪んだ愛着/Warped Devotion|罠]]にかかり、その[[ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena|失敗]]により失った名誉(?)を取り戻すために[[レガシー/Legacy]]を起動。[[ラースの被覆/Rathi Overlay]]によって[[アーボーグ/Urborg]]に転移してきた[[要塞/Stronghold]]に逃げ込もうとしたヨーグモスを、命と引き換えに滅ぼした。{{Gatherer|id=19135}}はその一幕を表現している。[[フレイバー・テキスト]]は、その際にジェラードが遺した別れの言葉である。
 +
 +
:{{フレイバーテキスト|わたしを悼むようなことはしないでくれ。これがわたしの運命なのだから。|ジェラード}}
 +
 +
:*しかし、その一連のストーリーを知らない人にとっては「何で名誉が回復するとパーマネントが壊れるの?」「何で相手のパーマネントを壊す呪文で、ジェラードは遺言みたいなことを言ってるの?」と疑問を深める要因となった。
 +
:*なお戦いの跡地は[[ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth]]となり、やがて[[陰謀団の要塞/Cabal Stronghold]]となった。そして戦いの記憶はやがて[[ジェラードの勝利/Triumph of Gerrard]]として語られるようになったという、[[ドミナリア/Dominaria]]における光と闇の歴史の一端を担う[[カード]]である。
 +
 +
;[[ジャッジ褒賞]]([[2013年]]版)
 +
:[[人間/Human]]を塵に変える[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov (ストーリー)|ソリン・マルコフ/Sorin Markov]]が描かれている({{Gatherer|id=414250}})。
 +
{{フレイバーテキスト|「文明そのものが勃興し、そして滅び去るのを何度も見てきた。お前たち定命の者など塵に過ぎない。」|ソリン・マルコフ}}
 +
 +
;[[Amonkhet Invocations]]
 +
:[[アモンケット/Amonkhet]]にて、[[オケチラ/Oketra]]と[[バントゥ/Bontu]]の二[[神 (アモンケット・ブロック)|神]]が協力し、[[イフニルの魔神/Archfiend of Ifnir]]を滅ぼす場面が描かれている({{Gatherer|id=429889}})。
 +
 +
;[[モダンホライゾン2]]([[ボーダーレス]]版)
 +
: [[パワーストーン/Powerstone]]を制御できず、その魔力に呑み込まれ絶命する瞬間の[[レイディアント/Radiant]]が描かれている({{Gatherer|id=525457}})。
 +
{{フレイバーテキスト|「狂っているのは私だ!」|}}
 +
 +
==関連カード==
 +
===主な亜種===
 +
パーマネント全般を除去する[[白黒]]のカード。ただし、土地だけは対象外となるものも含む。
 +
*[[Ass Whuppin']] - [[アン・カード]]。自分の視界から見えるアン・カードのパーマネントであれば、他人の[[ゲーム]]の中のパーマネントも破壊できる。([[アンヒンジド]])
 +
*[[絶望の天使/Angel of Despair]] - 7マナのクリーチャー。[[ETB]]で名誉回復が[[誘発]]する。([[ギルドパクト]])
 +
*[[壊死スリヴァー/Necrotic Sliver]] - 3マナと[[生け贄]]で名誉回復を撃つ[[能力]]を共有する[[スリヴァー]]。([[次元の混乱]])
 +
*[[贖罪の高僧/High Priest of Penance]] - 2マナのクリーチャー。ダメージを受ける度に土地でないパーマネント1つを破壊。([[ギルド門侵犯]])
 +
*[[無慈悲な追い立て/Merciless Eviction]] - 6マナのソーサリー。対象を取らず、アーティファクトかクリーチャーかエンチャントかプレインズウォーカーのうち1つの[[パーマネント・タイプ]]を[[モード]]として選んでそれらをすべて[[追放]]。([[ギルド門侵犯]])
 +
*[[灰燼の乗り手/Ashen Rider]] - 8マナのクリーチャー。ETBまたは[[PIG]]でパーマネント1つを追放。([[テーロス]])
 +
*[[完全なる終わり/Utter End]] - 4マナの[[インスタント]]。土地でないパーマネント1つを追放。([[タルキール覇王譚]])
 +
*[[永代巡礼者、アイリ/Ayli, Eternal Pilgrim]] - 2マナの[[伝説のクリーチャー]]。[[ライフ]]がゲーム開始時より10以上多ければ、クリーチャー1体の生け贄と3マナで完全なる終わりが撃てる。([[ゲートウォッチの誓い]])
 +
*[[苦渋の破棄/Anguished Unmaking]] - 3マナのインスタント。土地でないパーマネント1つを追放し、3点のライフを失う。([[イニストラードを覆う影]])
 +
*[[マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan]] - 5マナの伝説のクリーチャー。[[タップ能力]]でライフ7点を支払うと土地でないパーマネント1つを破壊。自ターン中のみ起動可。([[イクサラン]])
 +
*[[オルゾフの簒奪者、ケイヤ/Kaya, Orzhov Usurper]] - 3マナのプレインズウォーカー。-1能力で土地でないマナ総量1以下のパーマネント1つを追放。([[ラヴニカの献身]])
 +
*[[灯の燼滅/Despark]] - 2マナのインスタント。[[マナ総量]]4以上のパーマネント1つを追放。([[灯争大戦]])
 +
*[[情け無用のケイヤ/Kaya the Inexorable]] - 5マナのプレインズウォーカー。-3能力で土地でないパーマネント1つを追放。([[カルドハイム]])
 +
*[[ネスロイの神話/Mythos of Nethroi]] - 通常は黒単色3マナのインスタントで土地でないクリーチャーしか破壊できないが、[[白マナ]]と[[緑マナ]]を支払っていると土地でないパーマネント全般が対象になる[[向上呪文]]。([[イコリア:巨獣の棲処]])
 +
*[[消失の詩句/Vanishing Verse]] - 2マナのインスタント。[[単色]]のパーマネント1つを追放。([[ストリクスヘイヴン:魔法学院]])
 +
*[[忘却の儀式/Rite of Oblivion]] - 2マナのソーサリー。土地でないパーマネント1つを追放。ただし[[追加コスト]]でこちらも土地でないパーマネントを生け贄にする。[[フラッシュバック]](2)(白)(黒)。([[イニストラード:真夜中の狩り]])
 +
**[[無情な法執行者/Ruthless Lawbringer]] - 3マナのクリーチャー。ETBで土地でないパーマネント1つを破壊。ただしこれでないクリーチャーを生け贄にする。([[サンダー・ジャンクションの無法者]])
 +
*[[虚空裂き/Void Rend]] - (白)(青)(黒)のインスタント。土地でないパーマネント1つを破壊。[[打ち消されない]]。([[ニューカペナの街角]])
 +
*[[軍勢を灰に/Legions to Ashes]] - 3マナのソーサリー。対戦相手の土地でないパーマネント1つを追放。そのプレイヤーがコントロールしていてそれと同じ名前を持つすべての[[トークン]]も追放する。([[兄弟戦争]])
 +
*[[込み入った盗用/Abstruse Appropriation]] - 4マナ[[欠色]]のインスタント。土地でないパーマネント1つを追放。それが追放されている限り[[色マナ]]を[[無色マナ]]で代替してあなたが唱えてよい。([[モダンホライゾン3]])
 
==参考==
 
==参考==
 +
*[[土地破壊カード]]
 
*[[カード個別評価:アポカリプス]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:アポカリプス]] - [[レア]]
 +
*[[カード個別評価:モダンホライゾン2]] - [[レア]]
 +
*[[カード個別評価:マスターズ25th]] - [[レア]]
 +
*[[カード個別評価:エターナルマスターズ]] - [[レア]]
 +
*[[Amonkhet Invocations]]
 +
*[[マジック30周年記念プロモ]]
 +
__NOTOC__

2024年6月25日 (火) 21:35時点における最新版


Vindicate / 名誉回復 (1)(白)(黒)
ソーサリー

パーマネント1つを対象とし、それを破壊する。


2以上で構成された多色カードが多数存在するインベイジョン・ブロック中で、対抗色が露骨に強いアポカリプスカードの1つ。

3マナ砂漠の竜巻/Desert Twisterが撃てるというのは、いくら対抗色でもやりすぎではないかというくらいに強力。土地破壊ギミック破壊でパーミッションにも効果を発揮、邪魔なブロッカーも排除できるのでビートダウンへの採用も考慮できる、強力なプレインズウォーカー対象に取ることができる……と、およそどんなデッキを相手取っても腐る心配が少ないという万能カード。

あえて欠点を探せば、再生を許すので魂売り/Spiritmongerなどには対応しきれない、多色呪文なのでプロテクションに多少引っかかりやすい、ソーサリーなので対応撃ちができない、などといくつか見つけることはできる。しかし同様の弱点は他の多くの呪文も抱えているものであり、この破格のマナ・コストと汎用性を思えば些細な欠点と言ってもいい。

現在ではモダン以下のフォーマットでのみ使用可能であるが、3マナソーサリーの単体除去は重い部類であり、実用的な効率面で見ればより高性能な万能除去呪文が登場している。一方、近年の軽量除去は基本的に土地を対象に取れなくなっているため、その点での優位性はある。

[編集] ストーリー

アポカリプス
ファイレクシア/Phyrexiaによる侵略戦争時代のドミナリア/Dominariaジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashenが一度はヨーグモス/Yawgmothにかかり、その失敗により失った名誉(?)を取り戻すためにレガシー/Legacyを起動。ラースの被覆/Rathi Overlayによってアーボーグ/Urborgに転移してきた要塞/Strongholdに逃げ込もうとしたヨーグモスを、命と引き換えに滅ぼした。イラストはその一幕を表現している。フレイバー・テキストは、その際にジェラードが遺した別れの言葉である。
わたしを悼むようなことはしないでくれ。これがわたしの運命なのだから。
ジェラード
ジャッジ褒賞2013年版)
人間/Humanを塵に変えるソリン・マルコフ/Sorin Markovが描かれている(イラスト)。
「文明そのものが勃興し、そして滅び去るのを何度も見てきた。お前たち定命の者など塵に過ぎない。」
ソリン・マルコフ
Amonkhet Invocations
アモンケット/Amonkhetにて、オケチラ/Oketraバントゥ/Bontuの二が協力し、イフニルの魔神/Archfiend of Ifnirを滅ぼす場面が描かれている(イラスト)。
モダンホライゾン2ボーダーレス版)
パワーストーン/Powerstoneを制御できず、その魔力に呑み込まれ絶命する瞬間のレイディアント/Radiantが描かれている(イラスト)。
「狂っているのは私だ!」

[編集] 関連カード

[編集] 主な亜種

パーマネント全般を除去する白黒のカード。ただし、土地だけは対象外となるものも含む。

[編集] 参考

QR Code.gif