渦まく知識/Brainstorm
提供:MTG Wiki
(32人の利用者による、間の54版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
{{#card:Brainstorm}} | {{#card:Brainstorm}} | ||
− | [[ドロー]]と若干の[[ライブラリー操作]]ができる[[インスタント]]。結果的に[[手札]]の枚数で損をせず、[[ライブラリー]]を3枚掘り下げることができる。引いた[[カード]] | + | [[引く|ドロー]]と若干の[[ライブラリー操作]]ができる[[インスタント]]。結果的に[[手札]]の枚数で損をせず、[[ライブラリー]]を3枚掘り下げることができる。引いた[[カード]]を見てから[[戻す]]カードを決められるのも使い勝手がよい。 |
− | + | これを使うと次の2回のドローが確定し不要なカードに決まってしまう可能性もあるが、[[フェッチランド]]や[[Thawing Glaciers]]などの[[ライブラリー]]を[[切り直す]]手段や[[占術]]などと組み合わせることで、これを解消できる。[[エターナル]]ではフェッチランドがよく使われるため、ほとんどの[[青]]い[[デッキ]]に投入されている。 | |
− | [[手札破壊]]に[[対応して]] | + | 特に1[[ターン]]目の行動に選択肢が少なく、序盤のもたつきが致命傷となる[[パーミッション]]にとっては[[初期手札]]の質を安定させる効果が大きく、[[切り直す|シャッフル]]手段を考慮せず投入されることも多い。 |
+ | |||
+ | [[コモン]]なので[[パウパー]]でも使用可能だが、手頃なシャッフル手段が少ないため、[[ボーラスの占い師/Augur of Bolas]]や[[フェアリーの予見者/Faerie Seer]]などと組み合わせて活用される。[[トレイリアの恐怖/Tolarian Terror]]登場後は、[[思考掃き/Thought Scour]]や[[留意/Mental Note]]との組み合わせで、[[ディミーア・テラー]]や[[青単テラー]]で活躍を見せている。 | ||
+ | |||
+ | 手札のカードをライブラリーに戻す点は場合によってはメリットにもなる。例を挙げれば、 | ||
+ | |||
+ | *[[手札破壊]]に[[対応して]]重要なカードをライブラリーに退避させる。 | ||
+ | *ライブラリーから直接[[戦場に出す]]カードが手札に来てしまった時に手札からライブラリーに戻す。[[カウンターレベル]]の[[反逆者の密告人/Rebel Informer]]、[[ドルイドの誓い/Oath of Druids]]用の[[クリーチャー]]、[[修繕/Tinker]]用の[[アーティファクト]]など。 | ||
+ | *特定のカードを[[ライブラリーの一番上]]に置けることを利用する。[[ドラコ爆発]]の[[ドラコ/Draco]]、[[相殺/Counterbalance]]の[[マナ総量]]合わせ、[[秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets]]の[[変身]]、[[奇跡]]カードの[[積み込み]]など。 | ||
+ | |||
+ | ただのドローカードではなく様々なケースで活躍を見せる優等生である。 | ||
*1[[マナ]]の[[インスタント]]で3枚のカードにアクセスするという点を見れば、[[Ancestral Recall]]の調整版だといえる。 | *1[[マナ]]の[[インスタント]]で3枚のカードにアクセスするという点を見れば、[[Ancestral Recall]]の調整版だといえる。 | ||
− | **[[メルカディアン・マスクス]]版の{{ | + | *いったんカードを3枚引くため、ドローを咎める効果の影響を受けやすいという弱点がある。たとえば[[盗用/Plagiarize]]を使われると、相手は3枚ドロー、自分は実質手札を2枚失う上に[[すき込み/Plow Under]]同様2ドロー分の遅れをとるというはめに。 |
− | *[[ | + | *エターナルでの人気を受け、[[プレミアム・カード]](特に[[メルカディアン・マスクス]]版)は、[[コモン]]であるにもかかわらず高額で取引されている。 |
+ | |||
+ | ==禁止・制限・一時停止指定== | ||
+ | [[2008年]]6月20日より、[[ヴィンテージ]]で[[制限カード]]に指定される。 | ||
+ | |||
+ | [[2021年]]7月22日より、[[ヒストリック]]で一時停止カードに指定される<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/july-21-2021-banned-and-restricted-announcement July 21, 2021 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0035259/ 2021年7月21日 禁止制限告知](News [[2021年]]7月21日 [[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|Wizards of the Coast]]著)</ref>。このカードを使う[[イゼット・フェニックス#ヒストリック|イゼット・フェニックス]]と[[トリコロール#ヒストリック|ジェスカイ・コントロール]]は勝率が高すぎるわけではないものの、使用率が高く、[[メタゲーム]]の多様性を損なっているため。さらに2021年10月14日より、[[禁止カード]]に指定される<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/october-13-2021-banned-and-restricted-announcement October 13, 2021 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0035507/ 2021年10月13日 禁止制限告知](News 2021年10月13日 [[Jay Parker]] & [[Donald Smith]]著)</ref>。 | ||
+ | |||
+ | ==イラスト== | ||
+ | *「Brainstorm」は、通常「精神錯乱(の発作)」「ひらめき」などと訳されるが、初出の[[アイスエイジ]]版の{{Gatherer|id=2497}}は、脳に電気が流れている様子が描かれており、どちらの訳とも合致しない。これは、1983年に公開された映画「[[Wikipedia:ja:ブレインストーム (映画)|ブレインストーム]]」に登場する、記憶や知覚、脳への刺激を伝達・入替できる装置を元ネタとする。 | ||
+ | *[[メルカディアン・マスクス]]版の{{Gatherer|id=19571}}は、[[占い/Soothsaying]]とストーリー的なつながりがあり、[[Wikipedia:ja:ブレインストーミング|ブレインストーミング法]](ブレインストーミング会議方式)から引用されていると言われている。また{{Gatherer|id=95|リミテッド・エディションのAncestral Recallのイラスト}}ともポーズが似ている。 | ||
+ | *[[レガシー選手権12]]では、優勝者の[[Chris Bergeson]]に、[[Chris Rahn]]による新規描き下ろしイラストの渦まく知識の額が贈られた<ref>[https://web.archive.org/web/20121228133049/http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gencon12/welcome Gen Con 2012(Web Archive)]([[Daily MTG]] [[2012年]]8月17日)</ref>。[[Vintage Masters]]での[[再録]]の際もこの時のイラストが採用されている({{Gatherer|id=382871|カード画像}})。 | ||
+ | *[[イゼットvsゴルガリ]]に{{Gatherer|id=292751|新規イラスト}}で収録された。[[コンスピラシー]]などに収録された際もこのイラストが使用されている。このイラストでもやはり脳に電気が流れている。 | ||
− | + | ==関連カード== | |
+ | *[[Conch Horn]] - 使い切り[[アーティファクト]]版。2枚引いて1枚戻す。設置2マナ[[起動]]1マナ。([[フォールン・エンパイア]]) | ||
+ | **[[石なる知識/Brainstone]] - 設置と起動のマナが逆になったが、渦まく知識と同じく引けるのが3枚になったConch Hornの上位種。([[モダンホライゾン2]]) | ||
+ | *[[夢での貯え/Dream Cache]] - 2枚をライブラリーの上でなく下に送ってもよいが、3マナソーサリー。([[ミラージュ]]) | ||
+ | *[[思案/Ponder]] - ライブラリーの上に残すカードを初期手札からは選べないが、その後ライブラリーを切り直す選択肢もある1マナソーサリー。([[ローウィン]]) | ||
+ | *[[精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor]] - [0]の[[忠誠度能力]]で、渦まく知識の効果を発揮する。4マナ。([[ワールドウェイク]]) | ||
+ | **[[運命を変える者、アミナトゥ/Aminatou, the Fateshifter]] - +1の忠誠度能力で、1枚引いて1枚戻す。[[白青黒]]3マナ。([[統率者2018]]) | ||
+ | *[[川識の占い師/Riverwise Augur]] - [[ETB]]で渦まく知識を内蔵。4マナクリーチャー。([[イクサランの相克]]) | ||
+ | *[[思案する魔道士/Pondering Mage]] - ETBで思案を内蔵。5マナクリーチャー。([[モダンホライゾン]]) | ||
+ | *[[風の騎兵/Cavalier of Gales]] - ETBで渦まく知識を内蔵。5マナクリーチャー。([[基本セット2020]]) | ||
+ | *[[碑出告と開璃/Hidetsugu and Kairi]] - ETBで渦まく知識を内蔵。5マナクリーチャー。([[機械兵団の進軍]]) | ||
+ | *[[脈打つ知識/Brainsurge]] - 4枚引いて2枚戻す[[上位種]]。3マナのインスタント。([[モダンホライゾン3]]) | ||
+ | ==脚注== | ||
+ | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
18行: | 52行: | ||
*[[カード個別評価:アイスエイジ]] - [[コモン]] | *[[カード個別評価:アイスエイジ]] - [[コモン]] | ||
*[[カード個別評価:第5版]] - [[コモン]] | *[[カード個別評価:第5版]] - [[コモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:コンスピラシー]] - [[コモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:ダブルマスターズ]] - [[コモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:マスターズ25th]] - [[コモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:エターナルマスターズ]] - [[アンコモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:Vintage Masters]] - [[コモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:Masters Edition 2]] - [[コモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:ミスティカルアーカイブ]] - [[レア]] | ||
+ | *[[Secret Lair Drop Series/2023年#Artist Series: John Avon|Secret Lair Drop Series: Artist Series: John Avon]] | ||
+ | *[[Secret Lair Drop Series/2021年#Artist Series: Mark Poole|Secret Lair Drop Series: Artist Series: Mark Poole]] | ||
+ | *[[Signature Spellbook: Jace]] | ||
+ | __NOTOC__ |
2024年6月17日 (月) 11:45時点における版
ドローと若干のライブラリー操作ができるインスタント。結果的に手札の枚数で損をせず、ライブラリーを3枚掘り下げることができる。引いたカードを見てから戻すカードを決められるのも使い勝手がよい。
これを使うと次の2回のドローが確定し不要なカードに決まってしまう可能性もあるが、フェッチランドやThawing Glaciersなどのライブラリーを切り直す手段や占術などと組み合わせることで、これを解消できる。エターナルではフェッチランドがよく使われるため、ほとんどの青いデッキに投入されている。
特に1ターン目の行動に選択肢が少なく、序盤のもたつきが致命傷となるパーミッションにとっては初期手札の質を安定させる効果が大きく、シャッフル手段を考慮せず投入されることも多い。
コモンなのでパウパーでも使用可能だが、手頃なシャッフル手段が少ないため、ボーラスの占い師/Augur of Bolasやフェアリーの予見者/Faerie Seerなどと組み合わせて活用される。トレイリアの恐怖/Tolarian Terror登場後は、思考掃き/Thought Scourや留意/Mental Noteとの組み合わせで、ディミーア・テラーや青単テラーで活躍を見せている。
手札のカードをライブラリーに戻す点は場合によってはメリットにもなる。例を挙げれば、
- 手札破壊に対応して重要なカードをライブラリーに退避させる。
- ライブラリーから直接戦場に出すカードが手札に来てしまった時に手札からライブラリーに戻す。カウンターレベルの反逆者の密告人/Rebel Informer、ドルイドの誓い/Oath of Druids用のクリーチャー、修繕/Tinker用のアーティファクトなど。
- 特定のカードをライブラリーの一番上に置けることを利用する。ドラコ爆発のドラコ/Draco、相殺/Counterbalanceのマナ総量合わせ、秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsの変身、奇跡カードの積み込みなど。
ただのドローカードではなく様々なケースで活躍を見せる優等生である。
- 1マナのインスタントで3枚のカードにアクセスするという点を見れば、Ancestral Recallの調整版だといえる。
- いったんカードを3枚引くため、ドローを咎める効果の影響を受けやすいという弱点がある。たとえば盗用/Plagiarizeを使われると、相手は3枚ドロー、自分は実質手札を2枚失う上にすき込み/Plow Under同様2ドロー分の遅れをとるというはめに。
- エターナルでの人気を受け、プレミアム・カード(特にメルカディアン・マスクス版)は、コモンであるにもかかわらず高額で取引されている。
禁止・制限・一時停止指定
2008年6月20日より、ヴィンテージで制限カードに指定される。
2021年7月22日より、ヒストリックで一時停止カードに指定される[1]。このカードを使うイゼット・フェニックスとジェスカイ・コントロールは勝率が高すぎるわけではないものの、使用率が高く、メタゲームの多様性を損なっているため。さらに2021年10月14日より、禁止カードに指定される[2]。
イラスト
- 「Brainstorm」は、通常「精神錯乱(の発作)」「ひらめき」などと訳されるが、初出のアイスエイジ版のイラストは、脳に電気が流れている様子が描かれており、どちらの訳とも合致しない。これは、1983年に公開された映画「ブレインストーム」に登場する、記憶や知覚、脳への刺激を伝達・入替できる装置を元ネタとする。
- メルカディアン・マスクス版のイラストは、占い/Soothsayingとストーリー的なつながりがあり、ブレインストーミング法(ブレインストーミング会議方式)から引用されていると言われている。またリミテッド・エディションのAncestral Recallのイラストともポーズが似ている。
- レガシー選手権12では、優勝者のChris Bergesonに、Chris Rahnによる新規描き下ろしイラストの渦まく知識の額が贈られた[3]。Vintage Mastersでの再録の際もこの時のイラストが採用されている(カード画像)。
- イゼットvsゴルガリに新規イラストで収録された。コンスピラシーなどに収録された際もこのイラストが使用されている。このイラストでもやはり脳に電気が流れている。
関連カード
- Conch Horn - 使い切りアーティファクト版。2枚引いて1枚戻す。設置2マナ起動1マナ。(フォールン・エンパイア)
- 石なる知識/Brainstone - 設置と起動のマナが逆になったが、渦まく知識と同じく引けるのが3枚になったConch Hornの上位種。(モダンホライゾン2)
- 夢での貯え/Dream Cache - 2枚をライブラリーの上でなく下に送ってもよいが、3マナソーサリー。(ミラージュ)
- 思案/Ponder - ライブラリーの上に残すカードを初期手札からは選べないが、その後ライブラリーを切り直す選択肢もある1マナソーサリー。(ローウィン)
- 精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor - [0]の忠誠度能力で、渦まく知識の効果を発揮する。4マナ。(ワールドウェイク)
- 運命を変える者、アミナトゥ/Aminatou, the Fateshifter - +1の忠誠度能力で、1枚引いて1枚戻す。白青黒3マナ。(統率者2018)
- 川識の占い師/Riverwise Augur - ETBで渦まく知識を内蔵。4マナクリーチャー。(イクサランの相克)
- 思案する魔道士/Pondering Mage - ETBで思案を内蔵。5マナクリーチャー。(モダンホライゾン)
- 風の騎兵/Cavalier of Gales - ETBで渦まく知識を内蔵。5マナクリーチャー。(基本セット2020)
- 碑出告と開璃/Hidetsugu and Kairi - ETBで渦まく知識を内蔵。5マナクリーチャー。(機械兵団の進軍)
- 脈打つ知識/Brainsurge - 4枚引いて2枚戻す上位種。3マナのインスタント。(モダンホライゾン3)
脚注
- ↑ July 21, 2021 Banned and Restricted Announcement/2021年7月21日 禁止制限告知(News 2021年7月21日 Wizards of the Coast著)
- ↑ October 13, 2021 Banned and Restricted Announcement/2021年10月13日 禁止制限告知(News 2021年10月13日 Jay Parker & Donald Smith著)
- ↑ Gen Con 2012(Web Archive)(Daily MTG 2012年8月17日)
参考
- カード個別評価:メルカディアン・マスクス - コモン
- カード個別評価:アイスエイジ - コモン
- カード個別評価:第5版 - コモン
- カード個別評価:コンスピラシー - コモン
- カード個別評価:ダブルマスターズ - コモン
- カード個別評価:マスターズ25th - コモン
- カード個別評価:エターナルマスターズ - アンコモン
- カード個別評価:Vintage Masters - コモン
- カード個別評価:Masters Edition 2 - コモン
- カード個別評価:ミスティカルアーカイブ - レア
- Secret Lair Drop Series: Artist Series: John Avon
- Secret Lair Drop Series: Artist Series: Mark Poole
- Signature Spellbook: Jace