大祖始/Progenitus
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伝説のクリーチャー — ハイドラ(Hydra) アバター(Avatar)
プロテクション(すべて)
大祖始がいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれる場合、代わりに大祖始を公開しそれをオーナーのライブラリーに加えた上で切り直す。
派手なマナ・コストと能力、サイズを持つ伝説のハイドラ・アバター。
中でも「プロテクション(すべて)」の能力は特に目を引く。これは「ブロックされない、ダメージを受けない、エンチャントされない、装備されない、城砦化されない、被覆」と言い換えることができる。戦場に出てしまえば神の怒り/Wrath of Godなどの全体除去や布告系除去くらいでしか対処できず、2回殴ればゲームを決められる強力なフィニッシャーといえる。
マナ・コストの重さ、サイズの大きさ、戦場に出た後の対処の難しさ、リアニメイトの難しさなどダークスティールの巨像/Darksteel Colossusと共通点が多い。 差異としては、
- 色を参照するカードの影響を受ける。
- ダメージによらない全体除去に耐性がない反面、信仰の足枷/Faith's Fettersや説得/Persuasionによる疑似的な除去や奪取は効かない。
まさに一長一短であるが、運用方法はダークスティールの巨像のように墓地以外から直接戦場に出す形となるであろう。
スタンダードではわずかな期間ながら基本セット2010出身のエルフの笛吹き/Elvish Piperと同居した。
その後はアラーラ/Alaraへの再訪が長らくなかったこともあり本流のセットでも言及されないままだったが、ファウンデーションズで久々に再録。カードパワーが向上する中でも「プロテクション(すべて)」の独自性は随一。
エターナルではかつて、緑のクリーチャーを含むデッキが自然の秩序/Natural Orderから戦場に出してくることが多かった。しかしこれをフィニッシャーとする最有力デッキであった親和エルフが、その枠を戦場に出たターンに勝負を決められる上に素出しもありうる孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemothに換えてからはメインデッキでの採用率は大きく落ち込んだ。ただこれにしかできない役割も存在するため、当該デッキのサイドボードには今もって常連として採用されている。
モダンでは猛火の群れ/Blazing Shoalが禁止カードとなるまで青単感染で使われた。緑でもあるので召喚士の契約/Summoner's Pactからピッチコストをサーチできるようになるのが強み。
- 墓地に置かれない能力は、墓地に置かれることを置換する置換効果を生成する常在型能力である。詳細は同様の能力を持つダークスティールの巨像/Darksteel Colossusを参照。
- プロテクション(すべて)は長らくこのカードだけが持つ唯一の能力であったが、しばらくのちにテフェリーの防御/Teferi's Protectionが登場した。そちらはプレイヤーにプロテクション(すべて)を付与するインスタント呪文。クリーチャーとしては、モダンホライゾンで登場した呪詛呑み/Hexdrinkerが2枚目となる。ただしこちらはLvアップクリーチャーであり、最大Lvに到達してようやく得られるようになっている。
- この強烈なテキストは当時のルール・マネージャーであったMark Gottliebの提案によるもの[1]。
- From the Vault:Legendsに新規イラストで収録された。
- 2017年のグランプリ参加者にプロモーション・カードが配布される(参考 )。イラストはコンフラックス版。
- カード名を意外と間違えやすいのだが、「始祖」ではなく、「祖始」という造語である。
ストーリー
大祖始/Progenitusは古霊の谷/the Valley of the Ancientsに眠るハイドラ。Soul of the World(世界の魂)と呼ばれることもある。
かつて創造・発生というものに飽ききった大祖始はそれを破壊する5つの嵐-Wildfire、Earthquake、Windstorm、Flood、Voidを解き放った。アニマ/Animaと呼ばれるナヤ/Nayaのエルフ/Elfの指導者を務めていたシーリア/Cyliaは毒の薬瓶と短刀を隠し持って山頂へ向かい、世界の生き物を一掃しないよう懇願するが、その不遜に激昂した大祖始に視力を奪われる。あらゆる生命のつながりを感じ取ることができるシーリアは大祖始のそれを発見し、その霊気の心臓に向かって毒に浸した短剣を投擲し―その一撃で5頭のハイドラという大祖始の本質が顕わとなった[2]。
この出来事によって大祖始は神性を失い、かつては5色のマナを扱うことができたが1つの頭ごとに1色のマナしか扱えないようになり、加えて2つの頭が萎び機能しなくなってしまう。そのままナヤの地で休眠状態に入り、彼の化身であるガルガンチュアン/Gargantuanがナヤに発生する原因となった。コンフラックスの時期にはジャンド/Jundの黒マナとバント/Bantの青マナが流入したことで不完全な状態ながら眠りから目覚める[3]。
- このように次元/Planeの設定上重要な立ち位置を占めているのだが、覚醒以降について公式記事などで明示されている様子はなく、小説『Alara Unbroken』においては直接の登場すらない。アニマのメイエル/Mayael the Animaをはじめとするナヤのエルフの動向は大祖始信仰に関連しているところがあるが、セットのストーリーに直接は関連しないためオミットされたのだろうか。
関連カード
カード名に登場
脚注
- ↑ Blogatog(2024年11月12日)
- ↑ A Planeswalker's Guide to Alara P125
- ↑ The Soul of the World - Wayback Machine(2009年1月24日アーカイブ分)(Savor the Flavor2009年1月21日 Jenna Helland著)
参考
- 壁紙・待受 - Wayback Machine(2009年1月26日アーカイブ分)
- Sketches: Progenitus - Wayback Machine(2009年1月24日アーカイブ分)
- 5色カード
- 戦場に出ないクリーチャー
- カード個別評価:コンフラックス - 神話レア
- カード個別評価:ファウンデーションズ - 神話レア
- カード個別評価:Modern Masters - 神話レア
- Secret Lair Drop Series: Artist Series: John Avon
- From the Vault:Legends