パルヘリオンシュート
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パルヘリオンシュートは、パルヘリオンⅡ/Parhelion IIと大牙勢団の総長、脂牙/Greasefang, Okiba Bossを用いたリアニメイト系コンボデッキである。神河:輝ける世界参入後のパイオニア環境に存在する。
- もう片方のキーカードから名を取り、脂牙(Greasefang)と呼ばれることもある。海外ではこちらの名で呼ばれる方が多い。
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概要
墓地にパルヘリオンⅡ/Parhelion IIを送り込み、大牙勢団の総長、脂牙/Greasefang, Okiba Bossで釣り上げ、そのまま搭乗してシュートする。脂牙は出たターンの戦闘フェイズから誘発すること、機体が主力となっていることからソーサリー・タイミングの除去に対して強いのが特長である。さらに黒を触っているため、思考囲い/Thoughtseizeによってコンボ前の安全確認も可能である。
- 思考囲い/Thoughtseizeは自分にも撃てるため、いざというときは機体を墓地に落とすのにも使える。
脂牙の白と黒に、パルヘリオンⅡを墓地に送るためのルーターや切削手段のために3色目を加えた構成がほとんどである。いずれの型も墓地対策されても勝てるよう、ミッドレンジ等別の勝利プランを持っている。
- 禁止カードに指定されたが、緑単信心などが使用していた大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator(常在型能力で搭乗できなくなる)は注意すべきカードだった。
イクサラン:失われし洞窟では墓地を肥やせる軽量単体除去として苦々しい勝利/Bitter Triumphを、ダスクモーン:戦慄の館では墓地を肥やしつつ脂牙を拾える上に、時間カウンターがなくなれば追加の脅威にもなるベイルマークの大主/Overlord of the Balemurkを獲得し、強化された。
3色目による分類
青
白青黒のエスパー・パルヘリオン(エスパー脂牙/Esper Greasefang)。
墓地肥やし手段として主に信仰の繕い/Faithful Mendingや染みついた耽溺/Tainted Indulgenceを使用している。時を越えた探索/Dig Through Timeの存在により長期戦に強い。また、多くの場合サイドボードに、場合によってはメインデッキにも少数の打ち消しが入っているため、睡蓮の原野コンボなどのコンボデッキに対してある程度は耐性がある。
いくつか型が存在するが、除去や思考囲い/Thoughtseizeなど軽い妨害手段を多く採用し、機会が来れば脂牙を出すというややコントロール的な型が比較的メジャーであった。発想としてはコントロール・コンボ型の欠片の双子(モダン版)に近く[1]、この型ではプレインズウォーカーが採用される場合もある。
この他、異世界の凝視/Otherworldly Gazeを用いてコンボ完成速度を重視した型、策謀の予見者、ラフィーン/Raffine, Scheming Seerなどを用いビートダウン気味にした型が存在しており、マルドゥ・アブザン型と比べて構成の幅が広いのが特徴である。
赤
赤白黒のマルドゥ・パルヘリオン(マルドゥ脂牙/Mardu Greasefang)。
税血の収穫者/Bloodtithe Harvester・鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breakerと、仕込み役のルーターが単体でも戦力としやすい点が特長。墓地が肥える点を活かし死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hungerをサブフィニッシャーに据えた構成もある。
初期は縫い師への供給者/Stitcher's Supplier採用など速度重視の構成が多かったが、純粋な墓地肥やし性能では下記の緑型に劣るため、上述したラクドス・ミッドレンジでもおなじみのパワーカードを活かし、コンボに頼らずともミッドレンジとして戦えるような構成になっていることが多い。
長らくアブザン型の後塵を拝していたが、ダスクモーン:戦慄の館においてETBでルーティングしつつ昂揚達成時に打点を増やせる、逸失への恐怖/Fear of Missing Outを獲得したことで大幅に強化された。
緑
白黒緑のアブザン・パルヘリオン(アブザン脂牙/Abzan Greasefang)。ミッドレンジプランとコンボプランの両方を安定して狙える(マルドゥ型ほどミッドレンジに偏重していない)ことから、最もメジャーな色の組み合わせとなっていた[2]。
ウィザーブルームの命令/Witherbloom Commandや忌まわしい回収/Grisly Salvage、蓄え放題/Cache Grabといった緑絡みの強力な切削系濾過手段が多く搭載されており、これらによって墓地肥やしと土地(忌まわしい回収や蓄え放題なら脂牙も)の確保を同時に行えるため安定性が高い。また、エシカの戦車/Esika's Chariotは脂牙の「小当たり」となることでコンボプランを支えてくれるのはもちろん、素出ししても十分強力であることからミッドレンジプランにも貢献でき、3色目に緑を選ぶ動機となる。
サンプルリスト
エスパー・パルヘリオン
速度重視型
Esper Greasefang(Pioneer) [1] | |
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- 縫い師への供給者/Stitcher's Supplierや異世界の凝視/Otherworldly Gazeを採用し、コンボ成立速度を重視したタイプ。
- 高速で墓地が肥えることから、迷いし者の魂/Souls of the Lostと忌まわしき眼魔/Abhorrent Oculusを別軸の勝ち筋として採用している。脂牙も含めてどれも未練残り/Can't Stay Awayでリアニメイト可能なのもありがたい。
ミッドレンジ型
- 策謀の予見者、ラフィーン/Raffine, Scheming Seerや上げ潮、キオーラ/Kiora, the Rising Tide、統合の福音者/Evangel of Synthesisといったミッドレンジプランに貢献するルーティング・クリーチャーを採用したタイプ。
コントロール型
Esper Greasefang(Pioneer) [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- クリーチャーの採用を減らす代わりに、至高の評決/Supreme Verdictをメインデッキから採用したコントロール寄りのタイプ。
マルドゥ・パルヘリオン
初期型
Mardu Parhelion [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 縫い師への供給者/Stitcher's Supplierに加えてドローソースとなる命取りの論争/Deadly Disputeまで採用し、コンボの成立する速度を重視したタイプ。
ダスクモーン:戦慄の館後
Mardu Greasefang(Pioneer) [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アブザン・パルヘリオン
Abzan Greasefang(Pioneer) [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 墓地肥やし役のクリーチャーとしてはベイルマークの大主/Overlord of the Balemurkに加えてラフィーンの密通者/Raffine's Informantを採用している。
- 戦場では1/1バニラでしかない縫い師への供給者/Stitcher's Supplierやサテュロスの道探し/Satyr Wayfinderと異なり、密通者は謀議で+1/+1カウンターを置くことで領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagshipに搭乗可能であり、ミッドレンジプランにも貢献してくれる。
- その名を言え/Say Its Name+三度呼ばれ、アルタナク/Altanak, the Thrice-Calledパッケージを搭載したタイプも存在する。
脚注
- ↑ Metagame Mentor: The Final Pioneer Update for 2022(magic.gg 2022年12月23日 Frank Karsten著)
- ↑ パイオニア情報局 vol.4 -《パルヘリオンⅡ》で行く夢の国-(晴れる屋 2022年8月16日 富澤洋平著)