甲鱗のワーム/Scaled Wurm
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カード資産も知識も少ない初心者同士のゲームでなら、圧倒的な[[サイズ]]によってまさに[[フィニッシャー]]として活躍するだろうが、中級以上の相手と戦ったときには案外活躍できないものである。重い上に、[[回避能力]]を持たず、大きい(高い[[タフネス]])以外の[[除去耐性]]を持たない、というのがその理由。[[攻撃]]は[[チャンプブロック]]でやり過ごされ、[[青]]の[[バウンス]]や[[打ち消す|カウンター]]、[[黒]]や[[白]]の[[除去]](及び[[平和な心/Pacifism]]系[[擬似除去]])への耐性が全くなく、[[対戦相手]]が[[赤]]や[[緑]]であればこれが出る前に決着がついている可能性が高い。そこに気付けば初心者脱出も近いだろう。 | カード資産も知識も少ない初心者同士のゲームでなら、圧倒的な[[サイズ]]によってまさに[[フィニッシャー]]として活躍するだろうが、中級以上の相手と戦ったときには案外活躍できないものである。重い上に、[[回避能力]]を持たず、大きい(高い[[タフネス]])以外の[[除去耐性]]を持たない、というのがその理由。[[攻撃]]は[[チャンプブロック]]でやり過ごされ、[[青]]の[[バウンス]]や[[打ち消す|カウンター]]、[[黒]]や[[白]]の[[除去]](及び[[平和な心/Pacifism]]系[[擬似除去]])への耐性が全くなく、[[対戦相手]]が[[赤]]や[[緑]]であればこれが出る前に決着がついている可能性が高い。そこに気付けば初心者脱出も近いだろう。 | ||
− | しかしながら、[[ゲーム]]の[[展開]]が遅く対抗手段が限られる[[リミテッド]]では侮れない存在となる。8[[マナ]]出るまでゲームが長引くことも珍しくなく、7/6ものサイズがあるため[[火力]]や[[コンバット・トリック]]で倒されることもそうそうない。3回[[通し|通せば]]勝負が決まってしまい、かと言って強引に止めるにはかなりの犠牲が強いられるとあり、相手としては対処につくづく困ることになる。特に[[第9版]] | + | しかしながら、[[ゲーム]]の[[展開]]が遅く対抗手段が限られる[[リミテッド]]では侮れない存在となる。8[[マナ]]出るまでゲームが長引くことも珍しくなく、7/6ものサイズがあるため[[火力]]や[[コンバット・トリック]]で倒されることもそうそうない。3回[[通し|通せば]]勝負が決まってしまい、かと言って強引に止めるにはかなりの犠牲が強いられるとあり、相手としては対処につくづく困ることになる。特に[[第9版]]の[[はびこり/Overgrowth]]、[[コンスピラシー]]の[[ブレイゴの好意/Brago's Favor]]と相性は抜群であり、いずれも[[コモン]]なので狙って[[ピック]]していけば数を集めやすい。 |
− | [[シングルシンボル]]はメリットではあるが、普通8マナが出る頃には[[緑マナ]] | + | [[シングルシンボル]]はメリットではあるが、普通8マナが出る頃には[[緑マナ]]も2~3点出せるのでその利点がほとんどない。ただ[[タッチ]][[緑]]のデッキで使ったり、[[無色マナ]]が豊富に出るデッキで使ったりしやすいのは事実であり、そのような使用例もしばしば見られる([[#カード人気と逸話]]参照)。 |
*[[上位互換]]には[[キヅタの精霊/Ivy Elemental]]、[[超大なベイロス/Enormous Baloth]]、[[残忍なハイドラ/Feral Hydra]]、[[カヴーの上等王/Kavu Primarch]]、[[グール樹/Ghoultree]]、[[トークン]]であるため厳密には違うが[[ワーム呼び/Wurmcalling]]、[[スライム成形/Slime Molding]]などがある。このサイズのクリーチャーになると、大抵は[[ダブルシンボル]]以上になるため、純粋な上位互換は意外と少ない(もっとも前述したとおり、ここまで重くなると多少の[[色拘束]]の差は大した意味を持たないが)。 | *[[上位互換]]には[[キヅタの精霊/Ivy Elemental]]、[[超大なベイロス/Enormous Baloth]]、[[残忍なハイドラ/Feral Hydra]]、[[カヴーの上等王/Kavu Primarch]]、[[グール樹/Ghoultree]]、[[トークン]]であるため厳密には違うが[[ワーム呼び/Wurmcalling]]、[[スライム成形/Slime Molding]]などがある。このサイズのクリーチャーになると、大抵は[[ダブルシンボル]]以上になるため、純粋な上位互換は意外と少ない(もっとも前述したとおり、ここまで重くなると多少の[[色拘束]]の差は大した意味を持たないが)。 | ||
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*[[シャーク]]トレードの話によくジョークとして出される。[[稀少度|レアリティ]]が[[エキスパンション・シンボル]]に表示されていなかった時代はそれを利用して初心者を騙そうとする人が多かった為である。また、実際に第5版の[[スターターデッキ]]を買うと1枚くらいは当たるので、これから始めた人にとっては(後述の[[イラスト]]や[[フレイバー・テキスト]]のインパクトも大きく作用して)最強のクリーチャーに見える事も多かった。ただし、ちょっとカードを買い集めていけば、これの[[コスト・パフォーマンス]]が高くないことにすぐ気がついてしまうため、カジュアルでも[[根切りワーム/Rootbreaker Wurm]]等の方がよく使われた。 | *[[シャーク]]トレードの話によくジョークとして出される。[[稀少度|レアリティ]]が[[エキスパンション・シンボル]]に表示されていなかった時代はそれを利用して初心者を騙そうとする人が多かった為である。また、実際に第5版の[[スターターデッキ]]を買うと1枚くらいは当たるので、これから始めた人にとっては(後述の[[イラスト]]や[[フレイバー・テキスト]]のインパクトも大きく作用して)最強のクリーチャーに見える事も多かった。ただし、ちょっとカードを買い集めていけば、これの[[コスト・パフォーマンス]]が高くないことにすぐ気がついてしまうため、カジュアルでも[[根切りワーム/Rootbreaker Wurm]]等の方がよく使われた。 | ||
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*バニラであることを活かせるカードが遂に[[未来予知]]で登場した。→[[ムラガンダの印刻/Muraganda Petroglyphs]] | *バニラであることを活かせるカードが遂に[[未来予知]]で登場した。→[[ムラガンダの印刻/Muraganda Petroglyphs]] | ||
**[[修整]]が+3/+3だったならば殴る回数を1回減らせたのが惜しいところ。 | **[[修整]]が+3/+3だったならば殴る回数を1回減らせたのが惜しいところ。 | ||
*[[基本セット2013]]にて、このカードと類似した名前を持つカードが登場した。→[[古鱗のワーム/Elderscale Wurm]] | *[[基本セット2013]]にて、このカードと類似した名前を持つカードが登場した。→[[古鱗のワーム/Elderscale Wurm]] | ||
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{{フレイバーテキスト|氷河期のあいだに繁栄を極めたこのワームは、キイェルドーのありとあらゆる人々にとって恐怖の的だった。その巨体と狂暴な性格が呼び起こした悪夢は数知れない―――甲鱗のワームはまさに、氷河期の災厄の象徴だった。|「キイェルドー:氷の文明」}} | {{フレイバーテキスト|氷河期のあいだに繁栄を極めたこのワームは、キイェルドーのありとあらゆる人々にとって恐怖の的だった。その巨体と狂暴な性格が呼び起こした悪夢は数知れない―――甲鱗のワームはまさに、氷河期の災厄の象徴だった。|「キイェルドー:氷の文明」}} | ||
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+ | *[[ウェルカム・トゥ・ドミニア ドミニアへの招待2|ドミニアへの招待2]]で、[[精神爆弾/Mind Bomb]]と[[動く死体/Animate Dead]]の[[コンボ]]で3[[ターン]]目から攻撃する光景が描かれた。 | ||
+ | *ハイパーコロコロに掲載されていた[[エルフ (デッキ)|エルフデッキ]]のレシピに、[[ティタニアの僧侶/Priest of Titania]]による大量マナから高速[[召喚]]する[[フィニッシャー]]として2枚投入されていた。 | ||
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+ | それらの影響もあってか、現在日本のインターネットコミュニティでは屈指の人気カードであり、「'''甲鱗様'''」等と呼ばれ、一部に熱狂的なファンがいる。<!-- 2ちゃんねるには専用スレまであるほど。 --> | ||
+ | *大小様々なアスキーアートが存在。[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]のアスキーアートは比較的珍しい。(→[http://www29.atwiki.jp/mtgaa/pages/30.html 参考]。) | ||
+ | *イラストの類も、[[背景世界/ストーリー用語|背景ストーリー]]に登場する[[プレインズウォーカー/Planeswalker|プレインズウォーカー]]や[[伝説のクリーチャー|レジェンド]]を差し置いてトップクラスに多い。投稿サイト「Pixiv」では、[[P/T]]の数値になぞらえ7月6日7時6分に甲鱗のワームのイラストを投稿する企画も行われた。 | ||
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+ | そういった話題性からか、実際のゲームであえてこのカードを使用する例もしばしば見られ、[[ウルザトロン]]や[[オース]]や[[バベル]]など、様々な[[デッキ]]に[[挿す|1枚差し]]されることがある。ほとんどの場合は勝敗を度外視した一発ネタで終わっているが、中には[[レガシー]]の[[青単コントロール#エターナル|青単BtB]]にタッチ緑で採用され、大会準優勝に貢献したという例も。 | ||
==参考== | ==参考== |
2014年11月15日 (土) 08:59時点における版
初心者に、コストが重く、大きいだけのクリーチャーは(意外と)弱いのだ、と教えるためにあるかのようなカード。
カード資産も知識も少ない初心者同士のゲームでなら、圧倒的なサイズによってまさにフィニッシャーとして活躍するだろうが、中級以上の相手と戦ったときには案外活躍できないものである。重い上に、回避能力を持たず、大きい(高いタフネス)以外の除去耐性を持たない、というのがその理由。攻撃はチャンプブロックでやり過ごされ、青のバウンスやカウンター、黒や白の除去(及び平和な心/Pacifism系擬似除去)への耐性が全くなく、対戦相手が赤や緑であればこれが出る前に決着がついている可能性が高い。そこに気付けば初心者脱出も近いだろう。
しかしながら、ゲームの展開が遅く対抗手段が限られるリミテッドでは侮れない存在となる。8マナ出るまでゲームが長引くことも珍しくなく、7/6ものサイズがあるため火力やコンバット・トリックで倒されることもそうそうない。3回通せば勝負が決まってしまい、かと言って強引に止めるにはかなりの犠牲が強いられるとあり、相手としては対処につくづく困ることになる。特に第9版のはびこり/Overgrowth、コンスピラシーのブレイゴの好意/Brago's Favorと相性は抜群であり、いずれもコモンなので狙ってピックしていけば数を集めやすい。
シングルシンボルはメリットではあるが、普通8マナが出る頃には緑マナも2~3点出せるのでその利点がほとんどない。ただタッチ緑のデッキで使ったり、無色マナが豊富に出るデッキで使ったりしやすいのは事実であり、そのような使用例もしばしば見られる(#カード人気と逸話参照)。
- 上位互換にはキヅタの精霊/Ivy Elemental、超大なベイロス/Enormous Baloth、残忍なハイドラ/Feral Hydra、カヴーの上等王/Kavu Primarch、グール樹/Ghoultree、トークンであるため厳密には違うがワーム呼び/Wurmcalling、スライム成形/Slime Moldingなどがある。このサイズのクリーチャーになると、大抵はダブルシンボル以上になるため、純粋な上位互換は意外と少ない(もっとも前述したとおり、ここまで重くなると多少の色拘束の差は大した意味を持たないが)。
- エルドラージ覚醒現在、コモンとしては歴代で2位のパワーを持ち、基本セットのコモンでは単独トップの座を守っている(Whisperで「コモンかつパワーが7以上」を検索)。
- また、緑単色のシングルシンボルのカードとしては2番目に高いマナ・コストを持つ(Whisperで「緑単色のシングルシンボルで8マナ以上」を検索)。
- シャークトレードの話によくジョークとして出される。レアリティがエキスパンション・シンボルに表示されていなかった時代はそれを利用して初心者を騙そうとする人が多かった為である。また、実際に第5版のスターターデッキを買うと1枚くらいは当たるので、これから始めた人にとっては(後述のイラストやフレイバー・テキストのインパクトも大きく作用して)最強のクリーチャーに見える事も多かった。ただし、ちょっとカードを買い集めていけば、これのコスト・パフォーマンスが高くないことにすぐ気がついてしまうため、カジュアルでも根切りワーム/Rootbreaker Wurm等の方がよく使われた。
- バニラであることを活かせるカードが遂に未来予知で登場した。→ムラガンダの印刻/Muraganda Petroglyphs
- 修整が+3/+3だったならば殴る回数を1回減らせたのが惜しいところ。
- 基本セット2013にて、このカードと類似した名前を持つカードが登場した。→古鱗のワーム/Elderscale Wurm
カード人気と逸話
コモンにしては特例的なファッティであり、さらにその堂々たるイラストがアイスエイジのパッケージを飾っていることから、知名度と存在感が非常に高いカードである。
- 文章欄にびっしり書かれたフレイバー・テキストはこのワームの凶悪さを物語っており、人気の一因となっている。
氷河期のあいだに繁栄を極めたこのワームは、キイェルドーのありとあらゆる人々にとって恐怖の的だった。その巨体と狂暴な性格が呼び起こした悪夢は数知れない―――甲鱗のワームはまさに、氷河期の災厄の象徴だった。― 「キイェルドー:氷の文明」
その知名度から、各種媒体においてファッティの代表格のように扱われ、新緑の魔力/Verdant Forceなどを用いたほうがいいように思える場面でも甲鱗のワームが優先して用いられる描写があった。例を挙げれば
- ドミニアへの招待2で、精神爆弾/Mind Bombと動く死体/Animate Deadのコンボで3ターン目から攻撃する光景が描かれた。
- ハイパーコロコロに掲載されていたエルフデッキのレシピに、ティタニアの僧侶/Priest of Titaniaによる大量マナから高速召喚するフィニッシャーとして2枚投入されていた。
それらの影響もあってか、現在日本のインターネットコミュニティでは屈指の人気カードであり、「甲鱗様」等と呼ばれ、一部に熱狂的なファンがいる。
- 大小様々なアスキーアートが存在。マジックのアスキーアートは比較的珍しい。(→参考。)
- イラストの類も、背景ストーリーに登場するプレインズウォーカーやレジェンドを差し置いてトップクラスに多い。投稿サイト「Pixiv」では、P/Tの数値になぞらえ7月6日7時6分に甲鱗のワームのイラストを投稿する企画も行われた。
そういった話題性からか、実際のゲームであえてこのカードを使用する例もしばしば見られ、ウルザトロンやオースやバベルなど、様々なデッキに1枚差しされることがある。ほとんどの場合は勝敗を度外視した一発ネタで終わっているが、中にはレガシーの青単BtBにタッチ緑で採用され、大会準優勝に貢献したという例も。
参考
- 甲鱗様Wiki
- 甲鱗のワーム - アンサイクロペディア
- バニラクリーチャー
- カード個別評価:アイスエイジ - コモン
- カード個別評価:第9版 - コモン
- カード個別評価:第6版 - コモン
- カード個別評価:第5版 - コモン
- カード個別評価:コンスピラシー - コモン