誘発忘れ

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'''誘発忘れ'''/''Missed Trigger''とは、誤って[[誘発型能力]]が[[誘発]]することを処理せずに[[ゲーム]]を進めてしまった時の処理。
 
'''誘発忘れ'''/''Missed Trigger''とは、誤って[[誘発型能力]]が[[誘発]]することを処理せずに[[ゲーム]]を進めてしまった時の処理。
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以下の内容は、2013年2月8日発効の[[マジック違反処置指針]]を元に記述する。
  
 
==原則==
 
==原則==
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また、[[ドロー・ステップ]]に[[カード]]を[[引く]][[ターン起因処理]]を忘れた場合も同様の取り扱いになる。
 
また、[[ドロー・ステップ]]に[[カード]]を[[引く]][[ターン起因処理]]を忘れた場合も同様の取り扱いになる。
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*「対戦相手に指摘する義務がない」のはあくまでも誘発忘れに限った話であり、それ以外のルール違反に気付いた場合には指摘する義務がある。
  
 
==処理==
 
==処理==
[[REL]]が「一般」である場合、[[一般イベント用ジャッジ法]]に従って、「うっかり忘れちゃった誘発型能力は、本来処理すべき時点が前のターンの開始時以降なら気がついた時点で処理。それ以前なら無視して続行。選択肢があるならそれは選択しなかったとして処理」となる。
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[[REL]]が「一般」である場合、[[一般イベント用ジャッジ法]]に従って処理される。誘発忘れに気付いた場合、それが「~してもよい」という類の選択を含むものならば選択しなかったものとして扱い、そうでない場合は即座に処理を実行する。また、ある行動が複数回忘れられていた場合には、その[[ターン]]中のものだけを実行し、それ以外は無視する。
  
RELが「競技」や「プロ」である場合、以下の順に判断して処理を行う。
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RELが「競技」や「プロ」である場合、[[マジック違反処置指針]]に従って処理される。「競技」や「プロ」においては、誘発型能力が[[誘発]]した場合、「ある時点」(以下詳述)までに誘発したことに「気付いているという意思表示」をしなければならない。
  
#「ターン周期」(下記参照)が過ぎてから誤りが見つかった場合。
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===意思表示のタイミング===
#*忘れられていた誘発を[[解決]]しなおすことはせず、そのままゲームを続ける。懲罰は適用しない。
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;[[対象]]を取ったり(「対戦相手1人を対象とする」を除く)、[[モード]]を選んだり、その他その能力が[[スタック]]に置かれる時点で[[コントローラー]]が選択すべきことがある誘発型能力
#誘発の指示に「してもよい(may)」を含み、そうしなかった場合の規定がない場合。
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:他の行動をとるまで(あるいは[[優先権]]をパスするまで)に選択をしなかった場合、「忘れた」ものとみなす。
#*[[プレイヤー]]はその行動をしなかったものとみなす。懲罰は適用しない。
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:*ただし、対戦相手1人を対象とするものは、二人対戦の場合は対象の選択肢が1人しか存在しないため、宣言する必要がない。
#誘発が選択を必要とせず、さらに「視覚上の表現」(下記参照)を伴わないものであった場合。
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;「視覚上の変化」を伴う、あるいは[[解決]]時に何らかの選択をするもの
#*その能力は適正な時に解決されたものとして扱う。懲罰は適用しない。
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:その能力が解決しなければ取れない行動([[フェイズ]]・[[ステップ]]を移行する、[[ソーサリー]][[呪文]]を[[唱える]]など)を取るまでに告知しなければ、「忘れた」ものとみなす。
#「[[#失効能力|失効能力]]」である場合。
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:*[[インスタント]]呪文を唱えたり[[起動型能力]]を[[起動]]したりすることは解決しなくてもできるため、これらの行動を取っても忘れたとは必ずしもみなされない。
##ターンを戦闘前/戦闘中/戦闘後の3つのターン部分に分けたとき、誘発忘れとその発見が同じターン部分で発生していた場合。
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:*「視覚上の変化」とは、「プレイヤーに何が起こっているかまたは何が[[戦場]]にあるかがわかるような、[[領域]]変化や[[カウンター (目印)|カウンター]]の追加、[[ライフ]]の変更など」という意味。
##*対戦相手が望むならその能力をスタックに置く。そうでなければゲームはそのまま続けられる。いずれにせよ懲罰は適用しない。
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:*例:[[聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft]]で[[攻撃]]した後、特に何も告知することなく[[戦闘ダメージ・ステップ]]に移行しようとした場合、[[トークン]]を[[戦場に出す]]誘発型能力を忘れたものとみなされる。ただし、「合わせて6点です」のような、暗にトークンの存在を意図したような発言を含んでいれば、それは忘れていないと考えられる。
##誘発忘れとその発見が同じターン部分ではなかった場合。
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;[[ゲーム]]のルールを変更するもの
##*能力を処理せずゲームはそのまま続けられる。懲罰は適用しない。
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:それが実際に効果を及ぼす時点で宣言しなかった場合、「忘れた」ものとみなす
#誘発が選択を必要とし、さらに「そうしない場合(If you don't)」などによりそうしなかった場合の行動が規定されている場合。
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:*例:[[紅蓮心の狼/Pyreheart Wolf]]が攻撃したときの誘発型能力は、対戦相手が[[ブロック・クリーチャー]]を1体だけ指定しようとした際に、「紅蓮心の狼の能力でそれはできない」と指摘すれば、忘れてはいないと判断される。
#*タイミングのルールを無視して、判明した時点で[[スタック]]を用いることなく即座にその選択しなかったときの行動が処理される。未解決の呪文や能力などがその結果ゲーム上不正となった場合、それらの呪文や能力を取り除くところまでゲームを巻き戻す。
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;視覚的効果を伴わないもの
#上記のいずれにも該当しない場合。
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:その効果が視覚的変化を及ぼすとき、またはそのときまでに宣言しなかった場合、「忘れた」ものとみなす
#*その能力をスタックの該当する場所に置く。
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:*例:[[悪名の騎士/Knight of Infamy]]([[賛美]]を持つ2/1の[[クリーチャー]])が[[単独で攻撃]]する際、攻撃時には必ずしも賛美を宣言する必要はなく、戦闘ダメージを[[割り振る]]際に「3点です」と言えば充分である。
  
*「視覚上の表現」とは、「プレイヤーに何が起こっているかまたは何が[[戦場]]にあるかがわかるような、[[領域]]変化や[[カウンター (目印)|カウンター]]の追加、[[ライフ]]の変更など」という意味。
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*[[遅延誘発型能力]]を生み出すだけの誘発型能力は、自動的に解決されるものとする。ただし、その遅延誘発型能力が解決する際には、上記の手順に従う。
*「ターン周期」とは、「あるプレイヤーの[[フェイズ]][[ステップ]]の開始から、そのプレイヤーの次の同一のフェイズやステップの終了まで」という意味。
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*呪文や能力の[[コピー]]を作り出すだけの誘発型能力([[ストーム]]など)は、自動的に解決されるものとする。ただし、そのコピーを解決する際に解決し忘れた場合には、「忘れた」ものとみなす。
  
いずれにせよ、これにより誘発した時点まで[[巻き戻し]]が行われることはない。
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===誘発忘れに気付いた場合の処理手順===
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#その誘発型能力が以下の二つのいずれかに該当する場合、対戦相手が「即座に解決する」か「次のフェイズの終了時に解決する」かを選び、その通りに実行する。なおこれらは、本来誘発すべき時点からどれだけ(何ターン)経っていても実行しなければならない。
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##能力が選択を含み、その選択をしなかった場合の処理(「~しないかぎり」「そうでなければ」)が定められている場合。
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##その能力が[[オブジェクト]]の領域の変更を伴うものである場合。
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#誘発によって生成される効果の持続時間がすぎている場合、あるいは誘発すべき時点が「ちょうど1ターンよりも前」である場合、そのままの状態でゲームを続ける。
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#*「ちょうど1ターンよりも前」とは、前のプレイヤーのターンにおける今現在の[[ステップ]]・[[フェイズ]]よりも前であることを意味する。
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#1,2のいずれにも該当しない場合、対戦相手が、その誘発型能力を[[スタック]]に置くかどうかを決める。スタックに置く場合、その忘れられていた能力を、スタックの該当する場所またはスタックの一番下に置く。ただし、本来誘発すべき時点で存在しなかったオブジェクトを含む選択を行うことはできない
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#*例:誘発型能力がクリーチャーを生け贄に捧げるものである場合、誘発すべき時点で戦場に出ていなかったクリーチャーを生け贄に捧げることはできない。
  
[[REL]]が一般の場合のみ「注意」、RELが競技やプロの場合には[[警告]]の罰則が与えられる。また、[[対戦相手]]はこの誤りを指摘する義務はなく、指摘しなかった対戦相手に「違反の見逃し」や「詐欺行為」の罰則が与えられることもない。
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===罰則===
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[[REL]]が競技やプロの場合、忘れられた誘発型能力のコントローラーは、それがそのコントローラーにとって一般に有害であると考えられる場合、[[警告]]の罰則が与えられる。対戦相手は誘発忘れを指摘する義務がなく、また指摘しなかったとしても「違反の見逃し」や「詐欺行為」の罰則が与えられることもない。
  
[[日本選手権07]]の予選では、[[否定の契約/Pact of Negation]]を[[唱える|唱えた]]次の[[アップキープ]]で[[マナ]]を[[支払う|支払わず]][[カード]]を[[引く|引いて]]しまったため[[敗北]]になってしまったケースが絶えなかった。
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==その他==
*これはルール違反による敗北ではなく、否定の契約の効果による敗北であることに注意。この処理は(当時は現在とは処理の定義が若干異なっていたが)上記の5に該当する。マナの支払い自体は選択を含まないが、[[マナ能力]]を[[起動]]するかどうかに選択を含むためである。
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*[[日本選手権07]]の予選では、[[否定の契約/Pact of Negation]]を[[唱える|唱えた]]次の[[アップキープ]]で[[マナ]]を[[支払う|支払わず]][[カード]]を[[引く|引いて]]しまったため[[敗北]]になってしまったケースが絶えなかった。
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**これはルール違反による敗北ではなく、否定の契約の効果による敗北であることに注意。この処理は(当時は現在とは処理の定義が若干異なっていたが)上記の5に該当する。マナの支払い自体は選択を含まないが、[[マナ能力]]を[[起動]]するかどうかに選択を含むためである。
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*2012年ごろより、頻繁に誘発忘れについてのルールは変更されている。2012年時点でのルールは[[失効能力]]を参照。
  
==失効能力==
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==解説記事==
以下のいずれかに該当する効果のみを発生させるのが失効能力である。
+
*[http://mtg-jp.com/reading/translated/003833/ 9月20日ポリシー変更について、プレイヤーが知っておくべきこと] (mtg-jp.com)
 
+
*[http://mtg-jp.com/reading/translated/004220/ 〔誘発忘れ〕の更新について] (mtg-jp.com、上記記事に記載されているルールからの改定内容について)
*[[あなた]]が[[ライフ]]を得る
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*[http://37082.diarynote.jp/201302041408182062/ 誘発忘れの話、再び] ([[鈴木健二]]の個人ブログにおける解説)
*対戦相手に[[ダメージ]]を与える、もしくは対戦相手のライフを失わせる
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*対戦相手にカードを[[捨てる|捨て]]させる
+
*あなたがある[[領域]]のカードを[[見る]]/並べ替える
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*あなたの[[墓地]]や[[追放]]領域からあなたの[[手札]]にカードを戻す
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*あなたのコントロール下で[[パーマネント]]を[[戦場]]に出す、あるいはあなたにパーマネントのコントロールを与える
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* [[+1/+1カウンター]]や[[蓄積カウンター]]など、有利になる[[効果]]に関連した[[カウンター (目印)|カウンター]]をあなたのコントロールするパーマネントに置く
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*あなたがコントロールするパーマネントに+X/+Y、あるいは有利になる[[能力]]を与える
+
*あなたがコントロールするパーマネントを[[アンタップ]]する
+
*あなたに追加の[[フェイズ]]を与える
+
*対戦相手のコントロールするパーマネントを追放したり、[[破壊]]したり、[[タップ]]したり、あるいは対戦相手のコントロールするパーマネントにダメージを与えたり、-X/-Yを与えたり、[[-1/-1カウンター]]など不利になる効果に関連したカウンターを置いたりする
+
*対戦相手に、そのコントロールするパーマネントを追放させたりライブラリーや墓地に置かせたりする
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[[ジャッジ]]はこれらに該当する能力が忘れられていることに気がついても介入すべきではないとされている。
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==参考==
 
==参考==
*[http://mtg-jp.com/reading/wpn/003366/ 第102回:初夏のスタンダードは世界への扉!&誘発型能力と失効能力のこと](mtg-jp.comより、[[橘真一郎]]による解説)
 
 
 
*[[マジック違反処置指針]]
 
*[[マジック違反処置指針]]
 
*[[トーナメント用語]]
 
*[[トーナメント用語]]

2013年3月29日 (金) 22:27時点における版

誘発忘れ/Missed Triggerとは、誤って誘発型能力誘発することを処理せずにゲームを進めてしまった時の処理。

以下の内容は、2013年2月8日発効のマジック違反処置指針を元に記述する。

目次

原則

ある誘発型能力のコントローラーが、その能力が誘発すべき時点を超えてその処理をしていなかった場合、誘発忘れとなる。ただし、それが故意であった場合は詐欺行為に該当する。

誘発型能力は多数存在するにもかかわらず実体が存在しないため、それを忘れてしまったことに厳しい懲罰が与えられるべきではない。だが、自分に有利な誘発型能力を覚えておくことはゲーム上の技術でもあるため、プレイヤーには対戦相手の誘発忘れを指摘する義務はない(指摘してもよい)。

また、ドロー・ステップカード引くターン起因処理を忘れた場合も同様の取り扱いになる。

  • 「対戦相手に指摘する義務がない」のはあくまでも誘発忘れに限った話であり、それ以外のルール違反に気付いた場合には指摘する義務がある。

処理

RELが「一般」である場合、一般イベント用ジャッジ法に従って処理される。誘発忘れに気付いた場合、それが「~してもよい」という類の選択を含むものならば選択しなかったものとして扱い、そうでない場合は即座に処理を実行する。また、ある行動が複数回忘れられていた場合には、そのターン中のものだけを実行し、それ以外は無視する。

RELが「競技」や「プロ」である場合、マジック違反処置指針に従って処理される。「競技」や「プロ」においては、誘発型能力が誘発した場合、「ある時点」(以下詳述)までに誘発したことに「気付いているという意思表示」をしなければならない。

意思表示のタイミング

対象を取ったり(「対戦相手1人を対象とする」を除く)、モードを選んだり、その他その能力がスタックに置かれる時点でコントローラーが選択すべきことがある誘発型能力
他の行動をとるまで(あるいは優先権をパスするまで)に選択をしなかった場合、「忘れた」ものとみなす。
  • ただし、対戦相手1人を対象とするものは、二人対戦の場合は対象の選択肢が1人しか存在しないため、宣言する必要がない。
「視覚上の変化」を伴う、あるいは解決時に何らかの選択をするもの
その能力が解決しなければ取れない行動(フェイズステップを移行する、ソーサリー呪文唱えるなど)を取るまでに告知しなければ、「忘れた」ものとみなす。
ゲームのルールを変更するもの
それが実際に効果を及ぼす時点で宣言しなかった場合、「忘れた」ものとみなす
視覚的効果を伴わないもの
その効果が視覚的変化を及ぼすとき、またはそのときまでに宣言しなかった場合、「忘れた」ものとみなす
  • 遅延誘発型能力を生み出すだけの誘発型能力は、自動的に解決されるものとする。ただし、その遅延誘発型能力が解決する際には、上記の手順に従う。
  • 呪文や能力のコピーを作り出すだけの誘発型能力(ストームなど)は、自動的に解決されるものとする。ただし、そのコピーを解決する際に解決し忘れた場合には、「忘れた」ものとみなす。

誘発忘れに気付いた場合の処理手順

  1. その誘発型能力が以下の二つのいずれかに該当する場合、対戦相手が「即座に解決する」か「次のフェイズの終了時に解決する」かを選び、その通りに実行する。なおこれらは、本来誘発すべき時点からどれだけ(何ターン)経っていても実行しなければならない。
    1. 能力が選択を含み、その選択をしなかった場合の処理(「~しないかぎり」「そうでなければ」)が定められている場合。
    2. その能力がオブジェクトの領域の変更を伴うものである場合。
  2. 誘発によって生成される効果の持続時間がすぎている場合、あるいは誘発すべき時点が「ちょうど1ターンよりも前」である場合、そのままの状態でゲームを続ける。
    • 「ちょうど1ターンよりも前」とは、前のプレイヤーのターンにおける今現在のステップフェイズよりも前であることを意味する。
  3. 1,2のいずれにも該当しない場合、対戦相手が、その誘発型能力をスタックに置くかどうかを決める。スタックに置く場合、その忘れられていた能力を、スタックの該当する場所またはスタックの一番下に置く。ただし、本来誘発すべき時点で存在しなかったオブジェクトを含む選択を行うことはできない
    • 例:誘発型能力がクリーチャーを生け贄に捧げるものである場合、誘発すべき時点で戦場に出ていなかったクリーチャーを生け贄に捧げることはできない。

罰則

RELが競技やプロの場合、忘れられた誘発型能力のコントローラーは、それがそのコントローラーにとって一般に有害であると考えられる場合、警告の罰則が与えられる。対戦相手は誘発忘れを指摘する義務がなく、また指摘しなかったとしても「違反の見逃し」や「詐欺行為」の罰則が与えられることもない。

その他

  • 日本選手権07の予選では、否定の契約/Pact of Negation唱えた次のアップキープマナ支払わずカード引いてしまったため敗北になってしまったケースが絶えなかった。
    • これはルール違反による敗北ではなく、否定の契約の効果による敗北であることに注意。この処理は(当時は現在とは処理の定義が若干異なっていたが)上記の5に該当する。マナの支払い自体は選択を含まないが、マナ能力起動するかどうかに選択を含むためである。
  • 2012年ごろより、頻繁に誘発忘れについてのルールは変更されている。2012年時点でのルールは失効能力を参照。

解説記事

参考

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