羽ばたき飛行機械/Ornithopter
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アンティキティー初出のアーティファクト・クリーチャー。クリーチャーである0マナ・アーティファクトの代名詞ともいえる。
タフネスが2あるのでパワー1の飛行クリーチャーを止めることができる。パワーは0だが、回避能力を持っているので、パワーを上げる手段と組み合わせれば、強力なアタッカーになれる。
- 第9版の発売に伴い、飛行機械のクリーチャー・タイプを獲得した。飛行機械のタイプは以前は飛行機械隊/Thopter Squadronから出るトークンにのみ使われていた。
- 初出のアンティキティーではコモンであったが、リバイズドの再録時はアンコモンとして収録。それ以降再録時は一貫してアンコモンとして収録され続けてきたが、基本セット2015で久しぶりにコモンとして収録された。これに伴い、Magic Onlineで初めてコモンとして収録されたため、パウパーでの使用が可能になった。
利用
クリーチャーでもアーティファクトでもあり、何より0マナであるため、昔からいろいろなコンボデッキやアーティファクト主体のデッキで採用されてきた。以下は利用方法の一例。
- アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altarで生け贄に捧げ、永劫の輪廻/Enduring Renewalで手札に戻してを繰り返し無限マナ。
- 卑怯/Cowardiceと手甲/Shukoで無限サイクル。あとはストームでも。
- 唱えた後に撤収/Retractしてまた唱えなおしてストームを稼ぐ。
- クリーチャーもしくはアーティファクトが戦場に出るたび誘発する能力を持つカードと組み合わせる。
- トレイリアのアカデミー/Tolarian Academyから出るマナを手軽に増やす。
コンボパーツとしてではなく、単純に軽量フライヤーとして採用される例もある。特にアーティファクト・クリーチャーであることを活かせるデッキ、例えばミラディン再録時の親和デッキや基本セット2011再録時の白単鍛えられた鋼などでの活躍が顕著だが、アーティファクトのシナジーを得られないデッキでもしばしば使われる(忍術を多用するエラヨウ忍者など)。
その他
- 0マナで戦場に留まり攻撃に参加できるアーティファクト・クリーチャーは、他にはビジョンズで登場したファイレクシアの歩行機械/Phyrexian Walker(0/3)と、ミラディンの傷跡で登場したメムナイト/Memnite(1/1)のみ。それらと比べ、羽ばたき飛行機械は飛行持ちなのが強みである。
- 初出のアンティキティーから霊気紛争まで、計12回(Kaladesh Inventionsも含めれば13回)もの収録回数記録を持っている。そのため、6種類のフレイバー・テキスト(下記参照)と、5種類のイラスト(イラスト1/2/3/4/5)を持つ。基本セットで収録される際はイラストとフレイバー・テキストの組み合わせはバラバラであることが多い。
- モダンホライゾン2では派生カードとして極楽の羽ばたき飛行機械/Ornithopter of Paradiseが登場した。
ストーリー
羽ばたき飛行機械/Ornithopterは最もシンプルな設計の飛行機械。多元宇宙/Multiverseのいくつもの次元/Planeで存在を確認できる。
- ドミナリア/Dominaria
- 遥か大昔のドミナリアに存在した古代スラン/Thran文明が残した遺物のひとつとして登場。栄華を誇ったスラン文明の時代に数多く作られたであろうこの飛行機械の内の一つがAR16年頃、キャラバン隊によって発掘される。発掘されたこの飛行機械は、数千年の時を超えてなお運良く良好な状態であった。その後、キャラバン隊のキャンプにいたウルザ/Urzaらの手によって修理・復元されたこの飛行機械は、ウルザ、ミシュラ/Mishra、トカシア/Tocasiaの3人を、かつてスラン帝国の首都ハルシオン/Halcyonだった遺跡コイロスの洞窟/Caves of Koilosへと導いた。
多くの学者が信じる説によれば、この羽ばたき飛行機械こそ、ウルザが機械生命に挑戦した最初の試みの結果であるという。恐らく、トカシアの見習いであった青年時代に作られたのだろう。(出典:第4版)
スラン帝国の遺物の改良を任せていただき、これほど光栄なことはありません。この業績によって、わたしの名が歴史の片隅に残ることになれば、それは望外の幸せ。― 徒弟時代のウルザ(出典:第5版)
- それから約40年後のAR55年、兄弟戦争/Brothers' Warの時代にも「羽ばたき飛行機械/Ornithopter」は登場している。横風/Crosswindsのイラストとフレイバー・テキストにて、ウルザの息子のハービン/Harbinの操縦する「羽ばたき飛行機械/Ornithopter」が登場している。
ハービンの羽ばたき飛行機械は嵐の中に2日間閉じこめられた。空が晴けてみると、見えるのは木々の地平線だけだった。(出典:横風/Crosswinds)
- また、氷河期時代(AR450年~AR2934年)の末期に生きた機械魔術師/Machinist・アーカム・ダグスン/Arcum Dagssonに作られたアーティファクト、鯨骨の滑空機/Whalebone Gliderのフレイバー・テキスト中にも「羽ばたき飛行機械/Ornithopter」の名前が登場する。
確かにこれは羽ばたき飛行機械じゃないが、私だってウルザじゃない。― ソルデヴィの機械技師、アーカム・ダグソン(出典:鯨骨の滑空機/Whalebone Glider)
- ミラディン/Mirrodin
- 金属次元ミラディンにも存在する。これと上記のドミナリアの飛行機械との関係は不明であるものの、ミラディンの成り立ちを思えば何らかの繋がりはあるかもしれない(カーン/Karnやヨーティアの兵/Yotian Soldierの項も参照)。だがフレイバー・テキストによれば、それとは無関係にミラディンで独自に発明されたものであるらしい。多元宇宙全体でみれば比較的ありふれた機械なのだろう。
時代や次元や種族にかかわらず、発展途上の工匠というものは必ず羽ばたき飛行機械を発明するものだ。(出典:ミラディン)
- フィオーラ/Fiora
- 機械じかけの構築物が生活に密着しているこの次元では、羽ばたき飛行機械の存在は特別なものではない。高層都市パリアノ/Paliano随一の発明家であるムッツィオ/Muzzioへの弟子入りを志す工匠の卵にとっては、飛行機械はさながら試験の答案用紙といった扱いなのだ。
年に一度、工匠ムッツィオの弟子となることを希望する者たちの作り出した飛行機械がパリアノ上空を埋め尽くす。(出典:基本セット2015)
- カラデシュ/Kaladesh
- 霊気/Aetherによる発展が目覚ましいこの次元でも、羽ばたき飛行機械はごくありふれた存在としてギラプール/Ghirapurの街を飛び回る。時には広大な都市を翔る運送手段、もしくは密かに暗躍する諜報網の一端、あるいは純真な子供たちの遊び道具として。
「私たちが何のために戦っているのか知りたいというの?あの子の驚いた顔を見てごらんなさい。」― ピア・ナラー(出典:霊気紛争)
- 改革派と領事府の摩擦が大きくなるにつれ、改革派の工作活動に悪用されうると見なされた様々なアーティファクトが工匠の手から没収された。およそ無害に見える羽ばたき飛行機械と言えども、その例外ではない。
"Consider all confiscated items hostile until proven otherwise."― Confiscation directive
「没収した物品はすべて、確証のない限り敵意あるものと見なすこと。」― 没収指示書(出典:Kaladesh Inventions、和訳は日本語版MTGアリーナより)
参考
- Ornithopters!(Arcana 2010年5月6日 Monty Ashley著)
- Aether Way, Part 3/霊気の道 その3(Making Magic 2017年1月30日 Mark Rosewater著)
- 0マナカード
- カード個別評価:霊気紛争 - アンコモン
- カード個別評価:ミラディン - アンコモン
- カード個別評価:アンティキティー - コモン4
- カード個別評価:基本セット2015 - コモン
- カード個別評価:基本セット2011 - アンコモン
- カード個別評価:基本セット2010 - アンコモン
- カード個別評価:第10版 - アンコモン
- カード個別評価:第9版 - アンコモン
- カード個別評価:第6版 - アンコモン
- カード個別評価:第5版 - アンコモン
- カード個別評価:第4版 - アンコモン
- カード個別評価:リバイズド・エディション - アンコモン
- カード個別評価:ヒストリック・アンソロジー1 - アンコモン
- カード個別評価:カラデシュリマスター - アンコモン
- Kaladesh Inventions