ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought
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アーティファクト クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ドレッドノート(Dreadnought)
トランプル
ファイレクシアン・ドレッドノートが戦場に出たとき、パワーの合計が12以上になるように好きな数のクリーチャーを生け贄に捧げないかぎり、これを生け贄に捧げる。
12/12でトランプルを持つ非常に巨大なアーティファクト・クリーチャー。マナ・コストは1マナと非常に軽いが、戦場に出た際に相当数のクリーチャーを生け贄に捧げなければならないペナルティ能力があるので、普通の手段では使いにくい。大抵はコンボで利用される。(→#利用と実績、#主な活用手段・デッキ参照)
- Magic Onlineでのミラージュのリリースに伴う2005年9月のオラクル更新でドレッドノートのクリーチャー・タイプを獲得した。基本セット2015現在、ドレッドノートはこれ専用のクリーチャー・タイプである。
- レギオンでクローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraperが出るまでは、登場以来長らく、マジックで最大のパワーとタフネスを誇るクリーチャーだった。
- またワールドウェイクで死の影/Death's Shadowが出るまでは、登場以来長らく、マジックで最高のマナレシオを誇るクリーチャーだった。
利用と実績
パッと見こそ派手だが、普通の戦闘要員としては頼りない。というのも、
- これを戦場に出した前と後でパワー合計は結局変わらず、戦力増強にならない。そもそも合計パワー12もクリーチャーがいるなら、それらで殴るほうが早く、あまり意味がない。
- 除去耐性がない。当時は白デッキなら当然のように解呪/Disenchantが入っていた時代であり、割られる可能性が非常に高い。
などの弱点のほうが目立つためである。ファッティ大好きティミーたちの心はくすぐったものの、見かけ倒しのカスレア的存在とされていた。
しかし、このペナルティ能力が追加コストでもなければ置換効果でもなく、CIPの誘発型能力である点がポイント。生け贄に捧げるクリーチャーがいなくても「戦場に出す」こと自体はできてしまう。登場当初はその性質を生かすカードには恵まれていなかったが、後々、その点を悪用したコンボデッキが数多く開発されることになる。コンボの詳細は後述するが、これらのうちパンデモノートがアジア太平洋選手権98で準優勝を果たすまでに至ったり、スタイフルノートがエターナルでしばしば組み込まれるコンボとなるなどの実績を見せている。
あまりの暴れぶりに、一時期はエラッタによってペナルティ能力を置換効果に変更されており、その間は上記のコンボは利用できなかった。現在は当初のテキスト通り、CIP能力に戻っているため(#エラッタ参照)、これらのコンボは問題なく成立する。
主な活用手段・デッキ
- あとで生け贄には捧げるもののとりあえず戦場には出せる、ということを利用する。
- 伏魔殿/Pandemoniumを使い、ドレッドノートを1マナ12点火力として利用する。→パンデモノート
- 投げ飛ばし/Flingで投げる。
- 苔汁の橋/Mosswort Bridgeの秘匿能力に利用。戦場に出してドレッドノートのCIP能力が誘発したら、それの解決前に(苔汁の橋の秘匿条件を満たしているうちに)秘匿能力を起動すればよい。→Show and Tell
- 生け贄に捧げる誘発型能力を無視する。
- Illusionary Maskで裏向きにして戦場に出す。表にする際はCIPが誘発しない。→マスク・ドレッド
- もみ消し/Stifleで打ち消したり、幻視の魔除け/Vision Charmでフェイズ・アウトさせる。→スタイフルノート
- その他、倦怠の宝珠/Torpor Orbや無限の日時計/Sundial of the Infiniteでも実現可能。
- 戦場に出ないクリーチャー扱いで、高パワーを参照するカードとコンボ。
- 何らかの方法で合計パワー12となるだけのクリーチャーを用意し、普通に戦場に出す。
エラッタ
前述のパンデモノートのコンボがあまりにも簡単に決まってしまうことから、1999年7月にエラッタが適用され、戦場に出る前に生け贄に捧げるようになった。その時のルール文章は以下の通り。
旧オラクル
ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought (1)アーティファクト クリーチャー
トランプル
ファイレクシアン・ドレッドノートが場に出るとき、代わりにパワーの合計が12以上になるような、任意の数のクリーチャーを生け贄に捧げる。生け贄に捧げた場合、ファイレクシアン・ドレッドノートを場に出す。生け贄に捧げなかった場合、ファイレクシアン・ドレッドノートをそのオーナーの墓地に置く。
このテキストであっても、上述のマスク・ドレッドのコンボは成立していた。そのため、レガシーでIllusionary Maskは禁止カードに指定され(後に解除)、ヴィンテージにおいては、このシナジーを前提として使用され続けていた実績がある。
その後、2007年7月のオラクル更新により、元々のテキストに戻った。これによりパンデモノート・コンボが再び可能になった。
イラスト
イラストではほとんど判別がつかないが、ファイレクシアン・ドレッドノートに立ち向かう人物が右下に描かれている。これがどれだけでかいのかがよく分かる(→拡大されたイラスト)。
- しかしB.F.M.と比べたらイモ虫同然である(B.F.M.の右イラストでは角に引っかかっている)。
Duelist誌13号の記事によると、ファイレクシア風の外見が好みだというピート・ヴェンタースは、「ファイレクシアの化け物はねじくれた非人間的な美的感覚の産物で、それはH.R.ギーガーの生化学的作風を思わせるものだが、錆付いた歯車やギア、ピストンのおかげでスチームパンクの雰囲気も漂わせている。だからファイレクシア生物は奇怪な部分の集合体だ。」とした上で、ドレッドノートは大半を普通とあべこべの向きに描くようにしたと語る。また、右下隅の人物は巨大感を示すために加えたもので、その正体はプレインズウォーカー/Planeswalkerのテイザー/Taysirである。彼はドレッドノートを近寄らせまいとしている。
ストーリー
ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnoughtは途轍もなく巨大でムカデのように長いファイレクシア/Phyrexiaの機械生物(イラスト)。上述の通り、カードイラストの右下隅の人物はプレインズウォーカー/Planeswalkerのテイザー/Taysirである。
Duelist誌10号の記事「Phyrexian Dreadnought and Prismatic Circle of Protection」では、炎熱の島々/The Burning Islesに属するSteel Islandに生息する機械生物の1つとして登場した。
4205AR、ファイレクシアに攻め込んだテイザーらナイン・タイタンズ/Nine Titansは第二球層においてこのドレッドノートに遭遇している。また、同第二球層でクリスティナ/Kristinaを襲ったthe thousand-legged giant millipede(千本足の巨大ヤスデ)の描写はドレッドノートによく似ている。
登場作品
- Planeshift(小説)
参考
- Art Close-Up: Phyrexian Dreadnought (拡大されたイラスト。WotC, 英語)
- ファイレクシア/Phyrexia(背景世界/ストーリー用語)
- 再録禁止カード一覧(再録禁止カード)
- カード個別評価:ミラージュ - レア