Illusionary Mask
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アーティファクト
(X):あなたはあなたの手札にある、あなたが(X)で支払ったマナのすべてかその一部でそのマナ・コストを支払うことができるクリーチャー・カードを選んでもよい。そうした場合、あなたはそのカードを裏向きの2/2のクリーチャー呪文として、そのマナ・コスト支払うことなく唱えてもよい。その呪文が解決することでなったそのクリーチャーは、それが表向きになっていない状態でそれがダメージを割り振ったりダメージを与えたりダメージを与えられたりタップ状態になる場合、代わりにそれを表向きにしてダメージを割り振ったりダメージを与えたりダメージを与えたりタップ状態になる。起動はソーサリーとしてのみ行う。
後に変異というシステムにアレンジされるアーティファクト。クリーチャーを裏向きで唱えることができ、戦闘の参加やタップによって表向きになる。相手から見れば、そのクリーチャーへの適切な対処がしづらくなるのが嫌なところ。
裏向きの状態で戦場に出るので、そのクリーチャーの持つCIP能力や戦場に出る際の置換効果が適用されないのが1つのポイント。そのため、例えばネクラタル/Nekrataalのような便利なCIP能力を持つものをこれで出すのは、少々損。逆に、CIP能力などでのデメリット持ちを出すのはいい感じ。なかでもファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnoughtとの相性は抜群(→マスク・ドレッド)。
- クリーチャー・カードを裏向きで唱えるためにこの能力を使う場合、Xに支払ったマナの総量とタイプを追跡し続けなければいけない。そのクリーチャー呪文がスタックから戦場以外のいずれかの領域に移動されたり、戦場から離れたり、ゲームが終了したりする場合、その裏向きのカードは公開される。そのマナ・コストがXに支払ったマナの総量のすべてか一部で支払えなかった場合、不正なカードのキャストとして罰則が課せられる。
- もしIllusionary Maskが戦場を離れてしまっても、これで裏向きにしたクリーチャーを表向きにすることは可能。
- これで裏向きにしたクリーチャーが変異誘発型能力を持つ場合、この効果で表向きにしたときにその能力は誘発する。
- これで裏向きにしたクリーチャーが変異を持つ場合、その変異コストを支払って表向きにすることもできる。
- 両面クリーチャーを選んだ場合、裏向きに唱えることができる。それが表向きになった場合第1面になり、そのパーマネントは二度と裏向きになれない。
- 両面カード登場時点では両面カードは裏向きで唱える事はルールで禁止されていたが、2015年1月23日の総合ルール更新で可能になった。
2004年9月20日よりレガシーで禁止カードに指定されたが、2010年7月1日より禁止解除となる。
オラクルの変遷
初期のテキスト
印刷時のテキストは以下のような効果であった(テキストの一部は最新のルールに合わせた表記にしています)。
旧オラクル
Illusionary Mask (アルファ版) (2)ポリ・アーティファクト
(X):あなたは対戦相手がそれが何か分からないように裏向きで召喚呪文(アーティファクトでないクリーチャー呪文)を唱えてもよい。Xは0を含む任意のマナの量にしてもよい。クリーチャーの実際の唱えるために必要なコスト(casting cost)を隠して出す。そのコストは依然と支払わなければいけない。裏向きのクリーチャーにダメージが与えられる、もしくはダメージを与える、もしくはタップされると同時に、あなたはそれを表向きにしなければいけない。
当初のコンセプトは、裏向きに隠した状態でクリーチャー呪文を唱える、ダメージ計算やタップが行われるときに表向きになるという能力であった。本来のコストは支払わなければいけないが、起動コストのXによって実際のコストを隠蔽することができる。
当時の裏向きのクリーチャーは、他のプレイヤーが情報を知ることができないだけで表向きと同じ特性を持ち合わせていた。以下は当時の裁定。
- 裏向きのクリーチャーについているオーラも裏向きになる。しかし、そのエンチャントの数は依然と見ることができる。
- 裏向きのクリーチャーの常在型能力も依然と機能する。例えば、裏向きのゴブリンの王/Goblin Kingをコントロールしている場合、あなたは対戦相手がコントロールするモンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raidersが2/2であることを伝えるべきである。よって、このようなクリーチャーを隠すことは難しい。
- クローン/CloneやVesuvan Doppelgangerは裏向きのクリーチャーになれる。対戦相手はあなたにその裏向きのクリーチャーのパワーやタフネス、能力に関して何も言う必要はない。しかし、対戦相手はあなたがとった処理の結果(何点与えるか、タップしているクリーチャーが能力を許可するか)を伝えなければいけない。
未来予知時点のオラクル
その後、幾度のオラクル更新を繰り返し、最後に機能変更が行われた未来予知発売に伴う2007年4月のオラクル更新の時点で以下のテキストとなった。
旧オラクル
Illusionary Mask (2007年4月) (2)アーティファクト
(X):あなたは、あなたの手札にある点数で見たマナ・コストがX以下であるクリーチャー・カードを1枚、0/1のクリーチャーとして裏向きに戦場に出してもよい。そのクリーチャーの上に仮面(mask)カウンターをX個置く。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみ起動できる。そのクリーチャーのコントローラーは、そのクリーチャーを、自分がインスタントを唱えられるときならいつでも、それからすべての仮面カウンターを取り除くことで表向きにしてもよい。この効果は、そのクリーチャーが表向きになった場合終了する。
最初のテキストからの主な変更点は以下の通り。
- 「唱える」から「戦場に出す」に変更された。また、解決時に戦場に出すのは任意となり、ソーサリー・タイミングの起動制限が設けられた。
- 変異登場以前に総合ルールで設けられたルールから、変異登場時のオラクル更新により、裏向きで出すカードは0/1のクリーチャーとして扱われるようになった。
- 点数で見たマナ・コストのみを参照するので、どの色のクリーチャーでも出せるようになった。
- イカサマ防止および変異との区別のため、仮面カウンターという特有のカウンターを置くようになった。
- インスタント・タイミングならばいつでも表向きになれるようになった(表向きになるのは特別な処理である)。
現在のオラクル
幾度のオラクル更新によって、印刷時から非常に逸脱したテキストになってしまったが、Masters Edition 3で再録される際にテキストの見直しが行われた(ただしミスで2009年10月のオラクル更新までは旧テキストのままであった(Magic Onlineを除く))。
現在のルールは裏向きのカードと非公開情報のルールがあまりにも強固で論理的であるため、最初のルールを再現することができない。その代わりに、印刷時のテキストをできるだけ現在の解釈に近づけるように変更が行われた。変更後のテキストは以下の通り。
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Illusionary Mask (2)アーティファクト
(X):あなたはあなたの手札から、あなたが(X)に支払ったマナの総量のすべてか一部でマナ・コストを支払うことができるクリーチャー・カードを1枚選んでもよい。そうした場合、あなたはそのカードを裏向きの2/2のクリーチャー呪文としてそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その呪文が解決してなったクリーチャーが表向きになっておらず、それがダメージを割り振ったり、ダメージを与えたり、ダメージを与えられたり、タップ状態になったりする場合、代わりにそれを表向きにしてから、ダメージを割り振ったり、ダメージを与えたり、ダメージを与えられたり、タップ状態になったりする。この能力はあなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動することができる。
印刷時の「マナ・コストを隠して唱える」というコンセプトを復活させた形となっている。このため、未来予知時点のオラクルと比べて、以下のような違いがある。
- 唱えることができるクリーチャーはXで支払ったマナに依存する形に戻ったため、擬似マナフィルターとしての使用はできなくなった。
- 「呪文として唱える」形に戻ったため、打ち消すことが可能になった。
- インスタント・タイミングに任意に表向きにできる形から、ダメージ計算やタップが行われる際に表向きになる形に戻った。
- 現在の裏向きのパーマネントのルールに合わせ、出されるクリーチャーは0/1から2/2へと変更された。仮面カウンターも利用しなくなった。
- カウンターは置かないが、どれをどのコストで唱えたかはきちんと追跡すること。
一方で、登場時点の挙動と比べると、以下のような違いがある。
- クリーチャーの特性は、裏向きのパーマネントの特性に従う。裏向きの間は、表側の特性は一切持たない。
- 例えば、表側がタップ能力を持っていたとしても、現在のルールではそれを起動して表向きにすることはできない。
- アーティファクト・クリーチャー・カードにも使用できるようになった。
参考
- The Top 50 Artifacts of All Time 第44位 (WotC、文:Zvi Mowshowitz、英語)
- 再録禁止カード一覧(再録禁止カード)
- カード個別評価:アンリミテッド・エディション - レア
- カード個別評価:Masters Edition 3 - レア