アン・ゲーム
提供:MTG Wiki
アン・ゲーム/Un-gameとは、カジュアルプレイ専用のカード・セット(→#アン・ゲーム用セット)のカードを用いたゲーム、およびそのルールのこと。
目次 |
概要
インスタント
封をされたままのマジックのブースターパックを1つ開け、それらのカードを公開し、その内の1枚をあなたの手札に加える。(次のゲームの前には、そのカードをデッキから取り除くこと。)
*
Urza, Academy Headmaster / アカデミーの頭、ウルザ (白)(青)(黒)(赤)(緑)伝説のプレインズウォーカー — ウルザ(Urza)
[+1]:AskUrza.comに行き、[+1]をクリックする。
[-1]:AskUrza.comに行き、[-1]をクリックする。
[-6]:AskUrza.comに行き、[-6]をクリックする。
カードの外枠が銀色であるカード(→#銀枠)や、カード下部にどんぐり状のシンボルかホログラムが押されているカード(カード画像)が存在する。アン・セットやホリデーギフトカードを含む一部のプロモーション・カードが該当する(→#アン・ゲーム用セット)。これらはアン・カード/Un-cardと呼ばれる通常のマジックのルールで扱えない要素を含んでいるカジュアルプレイ専用のカードであり、カジュアルプレイあるいはカジュアルなイベントかつそのフォーマットが明示的に許可している限り使用することができる。つまり、競技イベントでは使用できない。いずれかのプレイヤーがアン・カードを用いているゲームをアン・ゲーム/Un-gameと呼ぶ。
アン・ゲームでは、通常のルールではおよそ考えられないような状況を楽しむことができる。ピンクや金といった色が出てきたり、数に1/2やπや∞が使われたり、本来ゲームに影響しないはずのイラストやフレイバー・テキストが参照されたりといったことは当たり前。トレーディングカードゲームの範疇に収まっているものならまだかわいいもので、年齢、ファッション、器用さ、したたかさ、バランス感覚、肺活量、人望、時刻、季節、変な動作や喋り方、ゲーム外の人物の助け、おもちゃのコレクションの披露、メンタルマジックの腕前……などなど、様々なものが参照されたり要求されたりする。ありとあらゆるユーモアが詰まった、まさに「なんでもあり」の世界である。
- アン・ゲームの世界は通常のマジックの世界である多元宇宙/Multiverseとは隔てられており、Un-iverse(アン元宇宙)と呼ばれる。
- アン・ゲームならではの不思議なメカニズムが、後に黒枠世界にリメイクされる例ある。例えば予見能力はInfernal Spawn of Evilの能力が基になっているし、未来予知の契約サイクルはアンヒンジドのRocket-Powered Turbo Slugが持つ超速攻が基になっている。また、特殊なしゃべり方を要求するカードなども、後の達成カード(プレリリース・トーナメントなどで参加者が挑戦できるアクティビティ)に応用されている。
ルール
アン・ゲームのルールは、アン・ルール・マネージャーたるMark Rosewaterが総括している。彼のブログBlogatogでは数々のアン・カードの裁定が出されている。
アン・カードは原則的に総合ルールではサポートされていない(できない)要素を含んでいるため、処理やゲーム進行に窮した場合は公式サイトのリリースノートやFAQを参照するか、Markの下した個別裁定などに従って処理を進めることになる。が、当然全ての事例には対応していないため、問題を解決できないことも多々ある。そういった場合はカジュアルプレイらしく、全プレイヤーが最も楽しめる形で解決することが望ましい。
アン・黄金律
なんでもありのアン・ゲームにも、マジックの黄金律ならぬ「アン・黄金律/Un-Golden Rule」と呼ばれる大原則ルールが存在する[1][2]。それは「カードの特徴(ルール・テキスト、アート、枠、エキスパンション・シンボル、透かし、そのほか様々な状態)を参照する場合、現在のゲームで物理的に使われているカードそのものの特徴を参照する」というものである。エラーカードや誤植であってもこの黄金律が適用される。
これにより、通常のマジックのルールでは同じものとして扱われるカードでも、アン・ゲームでは差異が出る場合がある。例えばレアリティを参照するRare-B-Goneは第7版のセラの天使/Serra Angelには効くが、基本セット2010のセラの天使には効かない。
色
通常のマジックのルールにおける色といえば白・青・黒・赤・緑の5色のみだが、アン・ゲームではそれ以外の色も認められており、ピンクや金、目の色などが登場している。マナのタイプについても同様で、例えば大テント/The Big Topでターコイズ色のマナを生み出してもよい。
銀枠
かつてアン・ゲーム用セットのカードはすべて銀色のカード枠で印刷されており(カード画像)、これによりそのカードが競技イベントでは使用できないことを表していた。これを銀枠/Silver Borderと呼び、銀枠カードを用いたゲームは「銀枠ゲーム/Silver-bordered game」などと呼称された。Ass Whuppin'など、銀枠カードを参照する効果も存在する。
Unfinityから銀枠は廃止され、黒枠で印刷されるようになった。代わりに、偽造防止ホログラムの位置にどんぐり状のシンボル(アンコモン以下)またはどんぐり状のホログラム(レア以上)が押されるようになった(カード画像)。また、「銀枠ゲーム」は「アン・ゲーム/Un-game」と呼称されるようになった。これに伴うオラクル更新により、銀枠ゲームに言及した効果は「アン・ゲーム」に、銀枠カードを参照する効果は「銀枠かどんぐり」を参照するように改められた[3]。ただし、実際の枠の色を参照するカード(枠の守護者/Border Guardianなど)は変更を受けていない。
- 銀枠廃止の経緯は次の通り。Mark Rosewaterは銀枠セットとして開発が進められていたUnfinityを手掛けていた際、黒枠ルールでも機能するカードが多数存在することに気づき、それらが「収録セットが銀枠セットだから」という理由で使えなくしてしまうことに疑問を抱いた。そこで、すべて黒枠で印刷し、黒枠で扱えないカードにどんぐりシンボルを付けて区別する方法を発案した[4]。
- Unfinity以前にも黒枠然とした銀枠カードが存在するが(例:対象のミノタウルス/Target Minotaur)、それらへのエラッタ等は出されておらず、依然としてトーナメントでは使用できない。
- 基本土地と蒸気打ちの親分/Steamflogger Bossのように、黒枠セットが初出だが後に銀枠のアン・セットに収録されているカードは、アン・セット版も黒枠(あるいは銀枠でない特別なデザイン)で印刷されている。
- 新枠ではアーティファクトの枠色が銀色であるが、それとは無関係である。
- 金枠のカードがすべて「真正カードの裏面と異なる」という理由で使用できないのに対し、銀枠はマジック・イベント規定で「銀枠を持つカードが特定のカジュアルイベントのみ使用できる」と定義されているために(競技イベントでは)使用できない。
アン・ゲーム用セット
アン・ゲーム用の独立したセットはセット名が「Un-」の接頭辞で始まる単語で統一されており、まとめてアン・セット/Un-setと呼ばれる。
- R&D Playtest cardsはその性質上、「準アン・セット」と呼んで差し支えないカードばかりが揃っている。Heroes of the Realmにもそのようなカードがいくつか混ざっている。
アングルード
1998年8月発売。初の銀枠セット。6面ダイスを使ったり、次のゲームへ効果を持ち越すカード、果ては頭の上にカードを載せたりニワトリのように鳴いたり、マジックの枠を超えた遊び方ができるジョーク・セット。一方で勝利条件カード、チーム戦を意識したカード、トークン・カードやフルアート基本土地カードなど黒枠へと引き継がれた要素も数多く初登場している。
アンヒンジド
2004年11月19日発売。アン・セット第2弾。銀枠。アーティストを参照したり、分数を使うカードが多いことが特徴。
ホリデーギフトカード
2006年から始まった、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが毎年年末に従業員やビジネス・パートナーなどに配布するプロモーション・カード。銀枠。
HASCON・プロモーション・カード
2017年9月8日~10日に開催されたHASBROのコンベンション・イベントで限定販売された。Hasbroのブランドであるダンジョンズ&ドラゴンズ、トランスフォーマー、ナーフとのコラボレーション・カード。銀枠。
Unstable
2017年12月8日発売。アン・セット第3弾。銀枠。通常のマジックのセットと同様にブースタードラフトで遊ぶことができるようバランス調整されている。新メカニズム拡張のほか、未来予知の幻のメカニズム、からくりが登場したことが話題を呼んだ。
Ponies: The Galloping
2019年10月22日発売。チャリティーイベント用の限定販売セット。マイリトルポニーとのコラボレーション・カード。銀枠。
Unsanctioned
2020年2月29日発売。アン・セット第4弾。銀枠。銀枠カードの再録も含んだ構築済みデッキ・セット。
Unfinity
2022年10月7日発売。アン・セット第5弾。アトラクションとステッカーが登場。このセットから銀枠が廃止され黒枠で印刷されており、従来の銀枠に相当するカードには偽造防止ホログラムの位置にどんぐり状のマークが押されている。それ以外のカードはエターナル・フォーマットなどで使用可能。
脚注
- ↑ Making Space, Part 2/宇宙を作る その2(Making Magic 2022年9月27日 Mark Rosewater著)
- ↑ Unfinity Release Notes(Feature 2022年10月7日 Mark Rosewater and Jess Dunks著)
- ↑ Unfinity Update Bulletin/『Unfinity』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)(News 2022年10月18日 Jess Dunks著)
- ↑ To Unfinity and Beyond/『Unfinity』とその向こう(Making Magic 2021年11月29日 Mark Rosewater著)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方