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'''アトラクション'''/''Attraction''は、[[アーティファクト・タイプ]]の1つ。関連する用語である「開く」、「観覧」、および「賞品」についても当項で解説する。
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'''ステッカー'''/''Sticker''とは、
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#[[マーカー]]の1種。[[オブジェクト]]の特性を変更したり、[[ルール]]・[[効果]]・[[能力]]などと相互作用する。[[Unfinity]]で初登場した。'''当項目で解説する'''。
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#[[Magic: The Gathering Arena]]で使用可能な追加エモートの一種。キャラクターなどを表したスタンプである。
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==解説==
 
{{カードテキスト
 
{{カードテキスト
|カード名=ビーブルすくい/Pick-a-Beeble
+
|カード名=竹馬歩き/Stiltstrider
|タイプ=アーティファクト — アトラクション(Attraction)
+
|コスト= ()()()
|カードテキスト=観覧 ― 1個の6面体サイコロを振る。これの上にその出目に等しい個数の幸運(luck)カウンターを置き、宝物(Treasure)・トークン1個を生成する。その後、これの上に6個以上の幸運カウンターがあるなら、賞品獲得!<br>賞品 ― 宝物・トークン2つを生成し、これを生け贄に捧げ、アトラクション1つを開く。
+
|タイプ=クリーチャー — サイ(Rhino)・パフォーマー(Performer)
|PT=(2・3・6)/(2・4・6)/(2・5・6)/(3・4・6)/(3・5・6)/(4・5・6)
+
|カードテキスト=到達<br>竹馬歩きが戦場に出たとき、あなたは(TK)(TK)を得、その後、あなたがオーナーであり土地でないパーマネント1つにステッカー1枚を貼ってもよい。
 +
|PT=5/4
 +
|Gathererid=580697
 
|背景=legal
 
|背景=legal
 
}}
 
}}
 
{{カードテキスト
 
{{カードテキスト
|カード名=死拍の従者/Deadbeat Attendant
+
|カード名=___ゴブリン/________ Goblin
|コスト= ()()
+
|コスト= ()()
|タイプ=クリーチャー — 吸血鬼(Vampire)・従業員(Employee)
+
|タイプ=クリーチャー — ゴブリン(Goblin)・ゲスト(Guest)
|カードテキスト=死拍の従者が戦場に出たとき、アトラクション1つを開く。(あなたのアトラクション・デッキの一番上にあるカード1枚を戦場に出す。)
+
|カードテキスト=このクリーチャーが戦場に出たとき、これに名前ステッカー1枚を貼ってもよい。そのステッカーにある母音1つにつき(赤)を加える。(母音はA,E,I,O,U,Yである。)
|PT=1/1
+
|PT=2/2
 +
|Gathererid=580670
 
|背景=legal
 
|背景=legal
 
}}
 
}}
==解説==
+
{{カードテキスト
[[Unfinity]]で初登場した[[アーティファクト・タイプ]]。テーマパークの乗り物やゲームなどを表現している。
+
|カード名=違法入場/Unlawful Entry
 +
|コスト= (1)(青)
 +
|タイプ=インスタント
 +
|カードテキスト=クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+0の修整を受け飛行を得る。<br>あなたがクリーチャー1体にアート・ステッカーを貼るたび、あなたの墓地にあるこれをあなたの手札に戻してもよい。
 +
|Gathererid=580643
 +
|背景=legal
 +
}}
 +
シールを貼り付けることで[[カード]]の情報を追加・変更することができる[[メカニズム]]。([https://mtg-jp.com/reading/publicity/img/20221003a/en_U5HkpsZ6nU.png ステッカー・シートの画像])
  
[[裏面]]が定型の[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]][[カード]]とは異なり、[[デッキ]]に入れることができない。[[キーワード処理]]でアトラクションを「開く」ことで専用のアトラクション・デッキから戦場に出せる。また、戦場から追放領域以外への領域へ移動する場合、代わりに「廃材置き場」という専用の領域へ送られる。
+
「ステッカーを貼る」[[効果]]により、ステッカー・シートから貼り付けることができる。[[名前]]や[[絵|アート]]のステッカーは貼るためのコストは必要ないが、[[能力]][[パワー/タフネス]]のステッカーを貼るには[[チケット・カウンター]](TK)を消費する必要がある。
  
アトラクションを[[コントロール]]している場合、[[戦闘前メイン・フェイズ]]の開始時に[[6面ダイス]]を1個振り、出目と同じ数字が点灯しているアトラクションすべての「観覧」能力が[[誘発]]する。
+
Unfinityでは全[[]]にステッカーを貼る[[能力]]が存在する。同[[セット]]では、[[名前]]の一部が______(ハイフン)になっており貼られた名前・ステッカーを参照する[[カード]]群が存在する。また、アート・ステッカーには帽子が書かれたものも存在し、[[絵|イラスト]]中の[[帽子]]を参照するカード群との相互作用を生み出せる。
  
アトラクションの中には観覧時にミニゲームを行うものもあり、クリアすることで「賞品」を得られる。[[Unfinity]]現在、賞品にはいずれも自身を[[生け贄に捧げる|生け贄に捧げ]]新たなアトラクションを開く効果が備わっている。
+
*ステッカーの糊は付箋程度の弱い粘着力であり、繰り返し貼ったり剥がしたりできるように作られている。
 +
**ただし、'''[[プレミアム・カード|エッチング・フォイル]]仕様のカードに貼った場合、剥がす時にカード表面が傷む事例が確認されている'''<ref>[https://www.reddit.com/r/magicTCG/comments/xy87ta/warning_do_not_put_stickers_on_foil_etches_cards/ WARNING: DO NOT put stickers on foil etches cards, it will damage the card!](Reddit - r/magicTCG [[2022年]]10月8日)</ref>。心配ならば[[スリーブ]]の上から貼り付けるのも手である。
 +
*Unfinityで登場したステッカー・シートは、いずれも名前3種+アート3種+能力2種+パワー/タフネス2種の構成となっている。
 +
*ステッカー関連の[[キーワード能力]]として[[キッカー|ステッカー・キッカー]]が存在する。
 +
*[[総合ルール]]では[[Gatherer]]でステッカー一覧を確認できるとされているが、[[2022年]]10月12日現在、[[Gatherer]]ではアトラクションの情報が一切記載されていない。
 +
*領域を移動しても消えない[[継続的効果]]という点では[[Magic: The Gathering Arena]]の[[永久に]]に通ずる側面がある。なお、ステッカーが考案されたのはそちらよりも先である<ref name="20220920">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/making-space-part-1-2022-09-20 Making Space, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036328/ 宇宙を作る その1]([[Making Magic]] [[2022年]]9月20日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
 +
*このメカニズムと無関係な余談ではあるが、[[開発部]]は不要カードにステッカーを貼りつけることで新カードのテストプレイをしている。[[プロキシ#カードのデザイン中]]も参照のこと。
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==[[ルール]]==
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'''[[2022年]]10月12日現在、Unfinity対応の[[総合ルール]]・リリースノートが和訳されていないため、[https://magic.wizards.com/en/rules 英語版総合ルール]および[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/unfinity-release-notes-2022-10-07 リリースノート]を基にして記述しております。'''
 +
===ゲーム開始前===
 +
*[[構築]]でステッカーを用いて[[ゲーム]]を行うプレイヤーは、ゲーム開始前にステッカー・シート最低10枚を公開しなくてはならず、それらは互いに異なる内容のものでなくてはならない。その後、その中から[[無作為に]]選ばれた3枚のステッカー・シートのみをゲーム中に利用できる。
 +
*[[リミテッド]]でステッカーを用いてゲームを行うプレイヤーは、自身の[[カードプール]]にあるステッカー・シート最大3枚をゲーム前に公開する。こうして公開されたステッカー・シートのみをゲーム中に利用できる。
  
*[[Unfinity]]で登場したアトラクションのほとんどは[[コレクター番号]]および[[名前]]が同じでも、点灯した数字や[[ルール・テキスト]]の異なる変種が存在している。いずれの変種も1の目が消灯しており、6の目が点灯している。
+
===ステッカーを貼る/Put a sticker===
**[[フレイバー・テキスト]]も変種ごとに異なる内容となっている。
+
*[[効果]]がプレイヤーに'''ステッカーを([[オブジェクト]])に貼る'''/''put a sticker on an (object)''ことを指示している場合、利用可能なステッカーの中から、現在どのオブジェクトにも貼られていない1枚を貼りつける。
**同[[セット]]のアトラクションのうち、[[観覧車/Ferris Wheel]]のみ変種が存在しない。
+
**単に「ステッカーを貼る」とのみ表記されている場合、([[コスト]]さえ支払えるならば)貼るステッカーの種類に制限はない。「名前・ステッカーを貼る」のように種類が指定されている場合はその種のステッカーしか貼ることができない。
 +
*プレイヤーは自身が[[オーナー]]であるオブジェクトにしかステッカーを貼ることができない。そうでないオブジェクトに貼ろうとする場合、その部分は無視される。
 +
*チケット・シンボルに数字が書かれたステッカーを貼る場合、その数字の分だけ[[チケット・カウンター]]を支払わなければならない。支払えなければそのステッカーは貼れない。
 +
*既にオブジェクトに貼られたステッカーを別のオブジェクトに移動させる場合、そのチケット・コストを再度支払う必要はない。
  
*「アン」セット出身・専用の裏面を持ちデッキ外から呼び出されるアーティファクトという点など、[[Unstable]][[からくり]]との類似点が多い。ただしからくりはいずれも[[銀枠]]であったが、アトラクションはどんぐりシンボルがないもの([[トーナメント]]で使用可能なもの)も多く存在する。
+
===貼られたステッカーの扱い===
==[[ルール]]==
+
*ステッカーは[[オブジェクト]]でも[[トークン]]でも[[カウンター (目印)|カウンター]]でもない。
===アトラクション・デッキ/Attraction deck===
+
*ステッカーによるオブジェクトの変更は[[コピー可能な値]]ではない。
*アトラクションの[[サブタイプ]]を持つ[[カード]][[デッキ]]に入れることができず、専用のアトラクション・デッキに入れることができる。
+
*オブジェクトに1つ以上のステッカーが貼られている場合、それは'''ステッカーが貼られている'''/''stickered''オブジェクトとなる。
*アトラクション・デッキを用いる場合、[[リミテッド]]ではその中に最低3枚以上のカードが含まれている必要があり、同じ[[名前]]のカードを何枚でも入れることができる。[[構築]][[フォーマット]][[エターナル]]等を含む)では最低10枚以上のカードがアトラクション・デッキ内に含まれている必要があり、同じ名前のカードは1枚しか入れることができない。
+
*ステッカーは、それが貼られたオブジェクトが別の[[公開領域]]へ移動してもステッカーを保持し続ける({{CR|400.7}}に対する例外処理)。[[非公開領域]]に移動した場合は保持されず、元のシートに戻る。
**[[ブースター・ドラフト]]では通常のカードと同様、アトラクション・カードも[[ドラフト]]する。
+
*パーマネントが[[フェイズ・アウト]]した場合もステッカーは保持される。
**構築ではルール・テキストや点灯が異なっていても、同じ名前のアトラクションはいずれか1枚しか入れることができない。
+
*ステッカーが貼られた1枚以上のカードが[[変容]]し合同パーマネントとなる場合、合同したパーマネントはそれらすべてのステッカーを保持している。
===開く/Open===
+
**元のステッカーの[[タイムスタンプ]]は保持したままである。
*カードが[[あなた]]に「アトラクションNつを開く」ことを指示しているならば、それは「アトラクション・デッキの一番上にあるカードN枚を表向きにして戦場に出す」ことを意味する。
+
*ステッカーが貼られたオブジェクトが[[合体カード]]の構成要素となる場合、合体後のパーマネントにステッカーが貼られた状態になる。
===観覧/Visit===
+
*合同または合体したパーマネントが[[戦場]]から他の公開領域へ移動する場合、その構成要素のうち[[オーナー]]が選んだ1つだけがステッカーを保持する。
*あなたがアトラクション1つ以上を[[コントロール]]しているならば、自身の[[戦闘前メイン・フェイズ]]の開始時に[[サイコロ|6面体サイコロ]]を1個振る。これを'''アトラクションを観覧するためサイコロを振る'''/''Rolling to visit your Attractions''と言う。その後、あなたのコントロールするアトラクションのうち、観覧するために振ったサイコロと同じ出目が点灯している各アトラクションの'''観覧'''/''Visit''能力が[[誘発]]する。
+
*ステッカーの物理的位置は([[黒枠|非どんぐり]]の範疇では)機能に影響しない。
**観覧能力は[[誘発型能力]]である。同時に複数の観覧能力が誘発した場合、あなたはそれらを望む順番で[[スタック]]に置くことができる。
+
===名前・ステッカー/Name Sticker===
**観覧するためにサイコロを振ることも、観覧能力が誘発することも強制である。
+
*名前・ステッカーが貼られたオブジェクトは、名前にそのステッカーに書かれた単語が追加される。これは[[文章変更効果]]である。
**「アトラクションを観覧するためサイコロを振る」[[効果]]を持つカードも存在する。
+
*名前・ステッカーに関連するルールと効果において、オブジェクトの「単語」とは、他の非空白文字から1つ以上の空白で区切られた非空白文字の塊のことである。
*観覧するため以外の方法で振ったサイコロは観覧能力の誘発条件にならない。
+
**ハイフンや句読点を含む単語は1単語として扱われる。例えば、[[核の占い師、ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias, Core Augur]]の"Jin-Gitaxias,"部分は1単語である。
====賞品/Prize====
+
**[[___ゴブリン/________ Goblin]]のように、______(ハイフン)で示されている空白行は単語として扱われない。
*観覧能力にはミニゲームを行うものも存在する。条件を満たした場合は'''賞品獲得!'''/''claim the prize!''が発生し、'''賞品'''/''Prize''を得ることができる。賞品は分かりやすくするために段落が分けられているが、観覧能力の一部である。
+
*名前・ステッカーがオブジェクトに貼られたとき、そのオブジェクトの[[コントローラー]]はステッカーの単語を名前のどの位置に追加するかを選択・発表する。
===廃材置き場/Junkyard===
+
**例:[[仔熊/Bear Cub]]に"Dark"の名前・ステッカーを貼る場合、コントローラーは変更後の名前を"Dark Bear Cub"か"Bear Dark Cub"か"Bear Cub Dark”から選び、その後それを発表する。
*アトラクションで示されたカードが戦場から[[追放|追放領域]]以外の[[領域]]に移動する場合、それは代わりに'''廃材置き場'''/''Junkyard''に移動する。
+
**元のオブジェクトに名前がない場合([[_____]])、追加された単語が名前となる。
**アトラクションの[[コピー]]となった非アトラクションは廃材置き場に置かれることはない(リリースノートの[[修理のための停止/Down for Repairs]]の項より)。
+
*大文字と小文字は同じ文字として扱われる。
*廃材置き場は[[墓地]]ではない。廃材置き場にカードが移動しても、カードが墓地に置かれることで誘発する能力は誘発しない。墓地のカードを参照する[[効果]]で参照することもできない。
+
*効果が母音の種類数/unique vowelsを参照している場合、一度の処理で同じ母音を二度数えることはない。
 +
 
 +
====名前・ステッカーと他の名前変更要因の相互作用====
 +
*名前・ステッカーにより変更された名前は、他の効果やパーマネントの[[位相]][[表向き]]/[[裏向き]])などにより変更されることがある。
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*1つ以上の名前・ステッカーが貼られたオブジェクトの名前は、そのオブジェクトの[[コピー可能な値]]からはじめ、各ステッカーと他の文章変更効果を[[タイムスタンプ順]]に適用する。
 +
*それぞれの名前・ステッカーの位置は、貼られたオブジェクトで何単語目の前後にあったかを記憶する。
 +
*オブジェクトが別の名前になった際、名前・ステッカーの貼られた位置より単語数が少ないオブジェクト名となったなら、名前・ステッカーで追加される単語は変更後の名前の最後尾に付く。
 +
*オブジェクトに貼られた名前・ステッカーの位置と[[タイムスタンプ]]の順序は、それが別の公開領域へ移動しても保持される({{CR|400.7}}に対する例外処理)。
 +
**例1:[[追放]][[領域]]にある[[願いのフェイ/Fae of Wishes]]に"Mana"の名前・ステッカーが貼られ名前が"Fae of '''Mana''' Wishes"となっている。これを何らかの手段で追放領域から[[出来事]]の成就/Grantedとして[[唱える|唱え]]た場合、その出来事の名前は"Granted '''Mana'''"になる。[[解決]]後、再び追放された願いのフェイは元のステッカーの位置を記憶しているため、名前が"Fae of '''Mana''' Wishes"に戻る。
 +
**例2:[[背くもの/It That Betrays]]に"Eldrazi"の名前・ステッカーを貼り名前を"It That Betrays '''Eldrazi'''"とした後、それが[[道の探求者/Seeker of the Way]]のコピーとなった場合、名前・ステッカーの位置が3語目の次にあるという情報が保持されるため、名前は"Seeker of the '''Eldrazi''' Way"となる。
 +
**例3:名前・ステッカーを貼られたクリーチャーに後から[[証人保護/Witness Protection]][[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]した場合、タイムスタンプ順で最も新しい証人保護により、そのクリーチャーの名前は「れっきとした実業家/Legitimate Businessperson」になる。
 +
 
 +
===能力・ステッカー/Ability Sticker===
 +
*能力・ステッカーを貼られたパーマネントや戦場以外の領域にあるカードは、そのステッカーに印刷された[[能力]]を[[得る]]。
 +
*効果が能力・ステッカーの能力を参照する場合、それが貼られたオブジェクトが何らかの効果により能力を[[失う|失って]]いてもステッカーに印刷された能力を参照できる。
 +
 
 +
===パワー/タフネス・ステッカー/Power and Toughness Sticker===
 +
*パワー/タフネス・ステッカーが貼られた[[戦場]]に存在する[[クリーチャー]]や[[機体]]、ならびに戦場外に存在するそれらのカードの[[パワー/タフネス]]は、そのステッカーに印刷された値になる。
 +
**複数枚のパワー/タフネス・ステッカーが貼られている場合は[[タイムスタンプ順]]に基づきパワー/タフネスが決定される。複数の値を持つわけではない。
 +
*ステッカーのパワーやタフネスを参照する効果は、パワー/タフネス・ステッカーのみを参照できる。
 +
 
 +
===アート・ステッカー/Art Sticker===
 +
*アート・ステッカーは他の呪文や能力に参照される形以外ではゲームに影響を及ぼさない。
 +
 
 +
==ステッカー一覧==
 +
[[Unfinity]]では全48種類のステッカー・シートが収録されている。詳細は以下の公式記事を参照。
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/card-preview/tokens-and-stickers-unfinity-2022-09-27 The Tokens and Stickers of Unfinity]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0036361/ 『Unfinity』のトークンとステッカー](Card Preview [[2022年]]9月27日 [[Adam Styborski]]著)
 +
 
 +
==開発秘話==
 +
この[[メカニズム]]の原点はボードゲームの一ジャンルである「レガシー」(ゲーム道具にシールを貼ったり破壊したりするため、一度しか遊べないもの)、それの[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]版というアイデアにある。ただし、実際にUnfinityの[[先行デザイン]]が始まると「レガシー」的な性質ではなく、その[[ゲーム]]中に一時的な変更を加えるものに方針変更された。
 +
 
 +
プレイテストでは4種のステッカーのどれでも制限なく貼ることができたが、直接的に[[ゲーム]]に影響を及ぼす「能力」および「パワー/タフネス」ばかりが使われ、[[シナジー]]ありきの「名前」や「アート」はほとんど使われなかった。これを解消するためにカードごとに使用できるステッカーの種類を制限したが、特定タイプのステッカーを用いるカードしか使用しなかった場合ステッカー・シートの一部が未使用のままになるという問題が浮上した。加えて、各能力・各パワー/タフネスがそれぞれ等価のためバランス調整がしづらいのも懸念点であった。
 +
 
 +
次に、ステッカーごとに貼るための[[マナ・コスト]]を設定したが、貼るためのカードに[[マナ]]を使うとステッカーに割く分が残りにくいという問題があった。最終的に、マナではなく[[チケット・カウンター]]を[[コスト]]として使用することとなった<ref name="20220920"/>。
  
 +
==脚注==
 +
<references />
 
==参考==
 
==参考==
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/unfinity-mechanics-2022-09-20 Unfinity Mechanics]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0036347/ 『Unfinity』のメカニズム]([[Daily MTG]] 2022年9月20日 [[Matt Tabak]]著)
 
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/unfinity-release-notes-2022-10-07 Unfinity Release Notes]([[Daily MTG]] [[2022年]]10月7日)
 
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/unfinity-release-notes-2022-10-07 Unfinity Release Notes]([[Daily MTG]] [[2022年]]10月7日)
*[[サブタイプ]]
 
**[[アーティファクト・タイプ]]
 
 
*[[ルーリング]]
 
*[[ルーリング]]
 +
*[[マーカー]]

2022年10月13日 (木) 04:03時点における版

ステッカー/Stickerとは、

  1. マーカーの1種。オブジェクトの特性を変更したり、ルール効果能力などと相互作用する。Unfinityで初登場した。当項目で解説する
  2. Magic: The Gathering Arenaで使用可能な追加エモートの一種。キャラクターなどを表したスタンプである。

目次

解説


竹馬歩き/Stiltstrider (3)(緑)(緑)
クリーチャー — サイ(Rhino)・パフォーマー(Performer)

到達
竹馬歩きが戦場に出たとき、あなたは(TK)(TK)を得、その後、あなたがオーナーであり土地でないパーマネント1つにステッカー1枚を貼ってもよい。

5/4



___ゴブリン/________ Goblin (2)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)・ゲスト(Guest)

このクリーチャーが戦場に出たとき、これに名前ステッカー1枚を貼ってもよい。そのステッカーにある母音1つにつき(赤)を加える。(母音はA,E,I,O,U,Yである。)

2/2



違法入場/Unlawful Entry (1)(青)
インスタント

クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+0の修整を受け飛行を得る。
あなたがクリーチャー1体にアート・ステッカーを貼るたび、あなたの墓地にあるこれをあなたの手札に戻してもよい。


シールを貼り付けることでカードの情報を追加・変更することができるメカニズム。(ステッカー・シートの画像

「ステッカーを貼る」効果により、ステッカー・シートから貼り付けることができる。名前アートのステッカーは貼るためのコストは必要ないが、能力パワー/タフネスのステッカーを貼るにはチケット・カウンター(TK)を消費する必要がある。

Unfinityでは全にステッカーを貼る能力が存在する。同セットでは、名前の一部が______(ハイフン)になっており貼られた名前・ステッカーを参照するカード群が存在する。また、アート・ステッカーには帽子が書かれたものも存在し、イラスト中の帽子を参照するカード群との相互作用を生み出せる。

  • ステッカーの糊は付箋程度の弱い粘着力であり、繰り返し貼ったり剥がしたりできるように作られている。
    • ただし、エッチング・フォイル仕様のカードに貼った場合、剥がす時にカード表面が傷む事例が確認されている[1]。心配ならばスリーブの上から貼り付けるのも手である。
  • Unfinityで登場したステッカー・シートは、いずれも名前3種+アート3種+能力2種+パワー/タフネス2種の構成となっている。
  • ステッカー関連のキーワード能力としてステッカー・キッカーが存在する。
  • 総合ルールではGathererでステッカー一覧を確認できるとされているが、2022年10月12日現在、Gathererではアトラクションの情報が一切記載されていない。
  • 領域を移動しても消えない継続的効果という点ではMagic: The Gathering Arena永久にに通ずる側面がある。なお、ステッカーが考案されたのはそちらよりも先である[2]
  • このメカニズムと無関係な余談ではあるが、開発部は不要カードにステッカーを貼りつけることで新カードのテストプレイをしている。プロキシ#カードのデザイン中も参照のこと。

ルール

2022年10月12日現在、Unfinity対応の総合ルール・リリースノートが和訳されていないため、英語版総合ルールおよびリリースノートを基にして記述しております。

ゲーム開始前

  • 構築でステッカーを用いてゲームを行うプレイヤーは、ゲーム開始前にステッカー・シート最低10枚を公開しなくてはならず、それらは互いに異なる内容のものでなくてはならない。その後、その中から無作為に選ばれた3枚のステッカー・シートのみをゲーム中に利用できる。
  • リミテッドでステッカーを用いてゲームを行うプレイヤーは、自身のカードプールにあるステッカー・シート最大3枚をゲーム前に公開する。こうして公開されたステッカー・シートのみをゲーム中に利用できる。

ステッカーを貼る/Put a sticker

  • 効果がプレイヤーにステッカーを(オブジェクト)に貼る/put a sticker on an (object)ことを指示している場合、利用可能なステッカーの中から、現在どのオブジェクトにも貼られていない1枚を貼りつける。
    • 単に「ステッカーを貼る」とのみ表記されている場合、(コストさえ支払えるならば)貼るステッカーの種類に制限はない。「名前・ステッカーを貼る」のように種類が指定されている場合はその種のステッカーしか貼ることができない。
  • プレイヤーは自身がオーナーであるオブジェクトにしかステッカーを貼ることができない。そうでないオブジェクトに貼ろうとする場合、その部分は無視される。
  • チケット・シンボルに数字が書かれたステッカーを貼る場合、その数字の分だけチケット・カウンターを支払わなければならない。支払えなければそのステッカーは貼れない。
  • 既にオブジェクトに貼られたステッカーを別のオブジェクトに移動させる場合、そのチケット・コストを再度支払う必要はない。

貼られたステッカーの扱い

  • ステッカーはオブジェクトでもトークンでもカウンターでもない。
  • ステッカーによるオブジェクトの変更はコピー可能な値ではない。
  • オブジェクトに1つ以上のステッカーが貼られている場合、それはステッカーが貼られている/stickeredオブジェクトとなる。
  • ステッカーは、それが貼られたオブジェクトが別の公開領域へ移動してもステッカーを保持し続ける(CR:400.7に対する例外処理)。非公開領域に移動した場合は保持されず、元のシートに戻る。
  • パーマネントがフェイズ・アウトした場合もステッカーは保持される。
  • ステッカーが貼られた1枚以上のカードが変容し合同パーマネントとなる場合、合同したパーマネントはそれらすべてのステッカーを保持している。
  • ステッカーが貼られたオブジェクトが合体カードの構成要素となる場合、合体後のパーマネントにステッカーが貼られた状態になる。
  • 合同または合体したパーマネントが戦場から他の公開領域へ移動する場合、その構成要素のうちオーナーが選んだ1つだけがステッカーを保持する。
  • ステッカーの物理的位置は(非どんぐりの範疇では)機能に影響しない。

名前・ステッカー/Name Sticker

  • 名前・ステッカーが貼られたオブジェクトは、名前にそのステッカーに書かれた単語が追加される。これは文章変更効果である。
  • 名前・ステッカーに関連するルールと効果において、オブジェクトの「単語」とは、他の非空白文字から1つ以上の空白で区切られた非空白文字の塊のことである。
  • 名前・ステッカーがオブジェクトに貼られたとき、そのオブジェクトのコントローラーはステッカーの単語を名前のどの位置に追加するかを選択・発表する。
    • 例:仔熊/Bear Cubに"Dark"の名前・ステッカーを貼る場合、コントローラーは変更後の名前を"Dark Bear Cub"か"Bear Dark Cub"か"Bear Cub Dark”から選び、その後それを発表する。
    • 元のオブジェクトに名前がない場合(_____)、追加された単語が名前となる。
  • 大文字と小文字は同じ文字として扱われる。
  • 効果が母音の種類数/unique vowelsを参照している場合、一度の処理で同じ母音を二度数えることはない。

名前・ステッカーと他の名前変更要因の相互作用

  • 名前・ステッカーにより変更された名前は、他の効果やパーマネントの位相表向き/裏向き)などにより変更されることがある。
  • 1つ以上の名前・ステッカーが貼られたオブジェクトの名前は、そのオブジェクトのコピー可能な値からはじめ、各ステッカーと他の文章変更効果をタイムスタンプ順に適用する。
  • それぞれの名前・ステッカーの位置は、貼られたオブジェクトで何単語目の前後にあったかを記憶する。
  • オブジェクトが別の名前になった際、名前・ステッカーの貼られた位置より単語数が少ないオブジェクト名となったなら、名前・ステッカーで追加される単語は変更後の名前の最後尾に付く。
  • オブジェクトに貼られた名前・ステッカーの位置とタイムスタンプの順序は、それが別の公開領域へ移動しても保持される(CR:400.7に対する例外処理)。
    • 例1:追放領域にある願いのフェイ/Fae of Wishesに"Mana"の名前・ステッカーが貼られ名前が"Fae of Mana Wishes"となっている。これを何らかの手段で追放領域から出来事の成就/Grantedとして唱えた場合、その出来事の名前は"Granted Mana"になる。解決後、再び追放された願いのフェイは元のステッカーの位置を記憶しているため、名前が"Fae of Mana Wishes"に戻る。
    • 例2:背くもの/It That Betraysに"Eldrazi"の名前・ステッカーを貼り名前を"It That Betrays Eldrazi"とした後、それが道の探求者/Seeker of the Wayのコピーとなった場合、名前・ステッカーの位置が3語目の次にあるという情報が保持されるため、名前は"Seeker of the Eldrazi Way"となる。
    • 例3:名前・ステッカーを貼られたクリーチャーに後から証人保護/Witness Protectionエンチャントした場合、タイムスタンプ順で最も新しい証人保護により、そのクリーチャーの名前は「れっきとした実業家/Legitimate Businessperson」になる。

能力・ステッカー/Ability Sticker

  • 能力・ステッカーを貼られたパーマネントや戦場以外の領域にあるカードは、そのステッカーに印刷された能力得る
  • 効果が能力・ステッカーの能力を参照する場合、それが貼られたオブジェクトが何らかの効果により能力を失っていてもステッカーに印刷された能力を参照できる。

パワー/タフネス・ステッカー/Power and Toughness Sticker

  • パワー/タフネス・ステッカーが貼られた戦場に存在するクリーチャー機体、ならびに戦場外に存在するそれらのカードのパワー/タフネスは、そのステッカーに印刷された値になる。
    • 複数枚のパワー/タフネス・ステッカーが貼られている場合はタイムスタンプ順に基づきパワー/タフネスが決定される。複数の値を持つわけではない。
  • ステッカーのパワーやタフネスを参照する効果は、パワー/タフネス・ステッカーのみを参照できる。

アート・ステッカー/Art Sticker

  • アート・ステッカーは他の呪文や能力に参照される形以外ではゲームに影響を及ぼさない。

ステッカー一覧

Unfinityでは全48種類のステッカー・シートが収録されている。詳細は以下の公式記事を参照。

開発秘話

このメカニズムの原点はボードゲームの一ジャンルである「レガシー」(ゲーム道具にシールを貼ったり破壊したりするため、一度しか遊べないもの)、それのマジック版というアイデアにある。ただし、実際にUnfinityの先行デザインが始まると「レガシー」的な性質ではなく、そのゲーム中に一時的な変更を加えるものに方針変更された。

プレイテストでは4種のステッカーのどれでも制限なく貼ることができたが、直接的にゲームに影響を及ぼす「能力」および「パワー/タフネス」ばかりが使われ、シナジーありきの「名前」や「アート」はほとんど使われなかった。これを解消するためにカードごとに使用できるステッカーの種類を制限したが、特定タイプのステッカーを用いるカードしか使用しなかった場合ステッカー・シートの一部が未使用のままになるという問題が浮上した。加えて、各能力・各パワー/タフネスがそれぞれ等価のためバランス調整がしづらいのも懸念点であった。

次に、ステッカーごとに貼るためのマナ・コストを設定したが、貼るためのカードにマナを使うとステッカーに割く分が残りにくいという問題があった。最終的に、マナではなくチケット・カウンターコストとして使用することとなった[2]

脚注

  1. WARNING: DO NOT put stickers on foil etches cards, it will damage the card!(Reddit - r/magicTCG 2022年10月8日)
  2. 2.0 2.1 Making Space, Part 1/宇宙を作る その1(Making Magic 2022年9月20日 Mark Rosewater著)

参考

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