副陽の接近/Approach of the Second Sun

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[[アモンケット]]で登場した[[勝利条件]][[カード]]。1回目はただの効率の悪い[[ライフ]][[回復]][[呪文]]だが、2回目の[[解決]][[勝利]]を得る。
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[[アモンケット]]で登場した[[勝利条件]][[カード]]。1回目はただの効率の悪い[[ライフ]][[回復]][[呪文]]だが、2回目は[[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas (ストーリー)|王神/God-Pharaoh]]の帰還と[[勝利]]を約束してくれる。
  
実質的な条件は[[ゲーム]]中に2回[[唱える]]だけだが、[[マナ・コスト]][[重い|重さ]]と2回目の[[手札]]から唱えるという条件が悪用を難しくしている。[[マナ・コストを支払うことなく唱える|マナ・コストの踏み倒し]]は禁止されていないが、登場時の[[スタンダード]]で手札から踏み倒せるのは[[実地研究者、タミヨウ/Tamiyo, Field Researcher]][[予言により/As Foretold]]のみで、どちらも[[オーバーキル]]気味。如何に重さと2回目までのタイムラグを解消するかがこのカードを活用する条件となる。
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[[ゲーム]]中に2回[[唱える]]のみでよく、1回目は[[解決]]すらされなくてもカウントされる。そのため2回目以降を[[打ち消す]]などの限られた手段でしか妨害されない強烈な決定力を誇る、勝利条件カードの中では稀な非常に汎用性と実用性が高い[[エンドカード]]。[[構築]]にあたって重いカードは複数枚[[積む|積み]]づらいが、これは1回目の解決中に[[ライブラリーの一番上]]から7枚目に[[置く|置かれる]]ため、[[デッキ]]に1枚[[挿す]]だけという手法も取れるのが特徴。[[サイドボード]]に潜んでいることもある。だが[[マナ・コスト]]が[[重い]]うえ、登場時の[[スタンダード]]での有力な[[踏み倒し]]手段である[[霊気池の驚異/Aetherworks Marvel]]では「[[手札]]から唱える」という勝利条件を満たさない。と、悪用しづらくデザインしてある(尤も、それでもなお悪用可能な[[太陽鳥の祈祷/Sunbird's Invocation]]が直後に登場する事になるが)。
  
単体で完結しており[[打ち消す|打ち消し]]以外で妨害しにくいため[[リミテッド]]でも勝利を狙えるが、7[[マナ]]を捻出してからさらに7[[ターン]]後まで耐え切るための[[デッキ]]構成が必要となる。[[アーキタイプ]][[ランプ]]戦略である[[緑青]]の隠し玉として採用する手もある。
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[[スタンダード]]では[[青白コントロール/スタンダード/戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック期|青白コントロール]]のエンドカードの地位を獲得しており、4枚積みする型も<ref>[https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0019440/ 副陽コントロール(スタンダード)]([[デイリー・デッキ]] [[2017年]]8月28日 [[岩SHOW]]著 使用者:[[加藤健介]])</ref>。[[予期/Anticipate]]や[[占術]]などのライブラリーを掘り下げる[[効果]]とは特に好相性であり、積極的に搭載される。[[色拘束]]が緩いので様々なデッキにメインプランとしてもサブプランとしても組み込みやすく、大量[[マナ]]と大量[[ドロー]]の両方を達成する[[新たな視点]][[ターボフォグ]][[全知/Omniscience]]などの[[コンボデッキ]]のエンドカードも務める。
  
*7マナ、7点のライフ、[[ライブラリー]]の上から7枚目、と[[プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Planeswalker]]との関連性を示唆している。
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[[パイオニア]]では[[深淵への覗き込み/Peer into the Abyss]]や[[サーチカード]]を使用する[[睡蓮の原野コンボ]]で、[[ヒストリック]]では[[エンチャントレス (デッキ)|エンチャントレス]]でそれぞれエンドカードとして採用されることがある。
  
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単体で完結しており、[[名前]]を参照する[[レア]]の勝利条件カードにしては珍しく[[リミテッド]]でも勝利を狙えるが、7マナを捻出してからさらに7[[ターン]]後まで耐え切るためのデッキ構成が必要となる。[[アーキタイプ]]が[[ランプ]]戦略である[[緑青]]の隠し玉とする手もある。[[ストリクスヘイヴン:魔法学院]]でも[[ミスティカルアーカイブ]]として収録されているためリミテッドで使用可能で、重い[[呪文]]を得意とする緑青や[[青赤]]に[[タッチ]]されることがある。この[[環境]]では[[対戦相手]]への[[切削]]手段が少なく、[[コモン]]の[[打ち消し]]である[[却下/Reject]]も効かないため非常に対処しづらい。
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*7マナ、7点のライフ、[[ライブラリー]]の上から7枚目、と[[王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh]]との関連性を示唆している。
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*[[アモンケット]]版の{{Gatherer|id=428051}}を手掛けた[[Noah Bradley]]は後に不祥事のため、今後アートが製品に再録されることはないとウィザーズ社より声明が出された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/statement-regarding-noah-bradley-2020-06-22 STATEMENT REGARDING NOAH BRADLEY] ([[Daily MTG]] [[2020年]]6月22日 [[Wizards of the Coast]]著)</ref>。[[MTGアリーナ]]の[[アモンケットリマスター]]にて収録された際には、同じくBradleyがイラストを手掛けた[[大瀑布/Cascading Cataracts]]、[[黄昏+払暁/Dusk+Dawn]]と共に声明の通り新規{{Gatherer|id=547471}}にて収録された。
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**[[カラデシュリマスター]]の[[自己組立機械/Self-Assembler]]においても同様の処置が行われた。
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**[[紙]]においても[[チャレンジャーデッキ#パイオニア・チャレンジャーデッキ|パイオニア・チャレンジャーデッキ]]の[[ロータス・コンボ/Lotus Field Combo (パイオニア・チャレンジャーデッキ)|ロータス・コンボ/Lotus Field Combo]]に変更後のイラストで収録された。
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*[[Unfinity]]ではパロディカードの[[副陽の接近変化/Form of the Approach of the Second Sun]]が登場した。
 
==ルール==
 
==ルール==
 
*[[領域]]を移動した[[オブジェクト]]は以前の情報を失い新しいオブジェクトとして扱われる。ライブラリーに[[戻す|戻った]]副陽の接近をもう一度唱えても、「『副陽の接近』という[[名前]]の他の呪文を唱えていた」という条件は満たされる。
 
*[[領域]]を移動した[[オブジェクト]]は以前の情報を失い新しいオブジェクトとして扱われる。ライブラリーに[[戻す|戻った]]副陽の接近をもう一度唱えても、「『副陽の接近』という[[名前]]の他の呪文を唱えていた」という条件は満たされる。
 
*[[あなた]]のライブラリーが6枚未満の場合、副陽の接近は[[ライブラリーの一番下]]に置かれる。あなたのライブラリーが7枚以上ならば、あなたはライブラリーの上のカードの表を見ずに6枚どけ、副陽の接近を置いて元に戻す。
 
*[[あなた]]のライブラリーが6枚未満の場合、副陽の接近は[[ライブラリーの一番下]]に置かれる。あなたのライブラリーが7枚以上ならば、あなたはライブラリーの上のカードの表を見ずに6枚どけ、副陽の接近を置いて元に戻す。
*2回目は手札から唱えないとゲームの勝利にならないが、1回目は手札以外から唱えていても勝利条件を満たす。
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*2回目は手札から唱えないとゲームの勝利にならないが、1回目を手札以外から唱えていても勝利条件を満たす。
*[[腹黒い意志/Insidious Will]]などで[[スタック]]上の副陽の接近を[[コピー]]しても、それは唱えられていないので、1回目も2回目にも数えない。
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*[[腹黒い意志/Insidious Will]]などで[[スタック]]上の副陽の接近を[[コピー]]しても、それは唱えられていないので、1回目も2回目にも数えない。そのコピーは単に7点のライフを回復するのみの効果となる。
*「唱えて」いれば、1回目が打ち消されたりスタックから[[追放]]されたりしていても、2回目の勝利条件を満たすことができる。
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*1回目は「唱えて」さえいれば、それが[[解決]]されていなくてもよい。打ち消されたりスタックから[[追放]]されたりしていても、あるいはスタックに残っていても、勝利条件を満たすことができる。
*[[試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials]]の[[紋章]]などであなたの勝利が不可能な場合に2回目に手札から唱えた副陽の接近が解決された場合、ライフを回復することもなくライブラリーにも戻らない。解決後、それは[[墓地に置く|墓地に置かれる]]。
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**スタック上の呪文を手札に戻す[[効果]]を利用すれば、2回目用にカードを引き込むまでのタイムラグを短縮できる。登場時のスタンダード環境でも[[腹背+面従/Failure+Comply]]、[[非実体化/Unsubstantiate]]、[[粗暴な排除/Brutal Expulsion]]等で実現可能。
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**1回目の副陽の接近が手札から唱えられ、その解決前に別の副陽の接近が唱えられた場合、1回目の方も勝利条件を満たすことになる。スタンダードでは[[太陽鳥の祈祷/Sunbird's Invocation]]との組み合わせが実用的で、(運にも左右されるが)2枚で勝利できるコンボとなる。
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**2回目を唱え、解決した後はライブラリーに戻らず墓地に置かれる。[[大乱闘戦]]などの[[多人数戦]]かつ[[影響範囲]]の選択ルールを用いる[[フォーマット]]で使用する場合は注意。
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*[[試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials]]の[[紋章]]などであなたの勝利が禁止されている場合に2回目に手札から唱えた副陽の接近が解決された場合、ライフを回復することもなくライブラリーにも戻らない。解決後、それは[[墓地に置く|墓地に置かれる]]。
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==脚注==
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<references />
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[[アモンケット/Amonkhet#太陽|副陽/The Second Sun]]([[背景世界/ストーリー用語]])
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*[[勝利条件|勝利条件カード]]
 
*[[カード個別評価:アモンケット]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:アモンケット]] - [[レア]]
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*[[カード個別評価:アモンケットリマスター]] - [[レア]]
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*[[カード個別評価:ミスティカルアーカイブ]] - [[神話レア]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2022年#Secret Lair x Blood Bowl|Secret Lair Drop Series: Secret Lair x Blood Bowl]]

2023年3月25日 (土) 12:40時点における最新版


Approach of the Second Sun / 副陽の接近 (6)(白)
ソーサリー

この呪文があなたの手札から唱えられ、かつ、あなたがこのゲームで《副陽の接近/Approach of the Second Sun》という名前の他の呪文を唱えていたなら、あなたはこのゲームに勝利する。そうでないなら、副陽の接近をオーナーのライブラリーの一番上から7枚目に置き、あなたは7点のライフを得る。


アモンケットで登場した勝利条件カード。1回目はただの効率の悪いライフ回復呪文だが、2回目は王神/God-Pharaohの帰還と勝利を約束してくれる。

ゲーム中に2回唱えるのみでよく、1回目は解決すらされなくてもカウントされる。そのため2回目以降を打ち消すなどの限られた手段でしか妨害されない強烈な決定力を誇る、勝利条件カードの中では稀な非常に汎用性と実用性が高いエンドカード構築にあたって重いカードは複数枚積みづらいが、これは1回目の解決中にライブラリーの一番上から7枚目に置かれるため、デッキに1枚挿すだけという手法も取れるのが特徴。サイドボードに潜んでいることもある。だがマナ・コスト重いうえ、登場時のスタンダードでの有力な踏み倒し手段である霊気池の驚異/Aetherworks Marvelでは「手札から唱える」という勝利条件を満たさない。と、悪用しづらくデザインしてある(尤も、それでもなお悪用可能な太陽鳥の祈祷/Sunbird's Invocationが直後に登場する事になるが)。

スタンダードでは青白コントロールのエンドカードの地位を獲得しており、4枚積みする型も[1]予期/Anticipate占術などのライブラリーを掘り下げる効果とは特に好相性であり、積極的に搭載される。色拘束が緩いので様々なデッキにメインプランとしてもサブプランとしても組み込みやすく、大量マナと大量ドローの両方を達成する新たな視点ターボフォグ全知/Omniscienceなどのコンボデッキのエンドカードも務める。

パイオニアでは深淵への覗き込み/Peer into the Abyssサーチカードを使用する睡蓮の原野コンボで、ヒストリックではエンチャントレスでそれぞれエンドカードとして採用されることがある。

単体で完結しており、名前を参照するレアの勝利条件カードにしては珍しくリミテッドでも勝利を狙えるが、7マナを捻出してからさらに7ターン後まで耐え切るためのデッキ構成が必要となる。アーキタイプランプ戦略である緑青の隠し玉とする手もある。ストリクスヘイヴン:魔法学院でもミスティカルアーカイブとして収録されているためリミテッドで使用可能で、重い呪文を得意とする緑青や青赤タッチされることがある。この環境では対戦相手への切削手段が少なく、コモン打ち消しである却下/Rejectも効かないため非常に対処しづらい。

[編集] ルール

  • 領域を移動したオブジェクトは以前の情報を失い新しいオブジェクトとして扱われる。ライブラリーに戻った副陽の接近をもう一度唱えても、「『副陽の接近』という名前の他の呪文を唱えていた」という条件は満たされる。
  • あなたのライブラリーが6枚未満の場合、副陽の接近はライブラリーの一番下に置かれる。あなたのライブラリーが7枚以上ならば、あなたはライブラリーの上のカードの表を見ずに6枚どけ、副陽の接近を置いて元に戻す。
  • 2回目は手札から唱えないとゲームの勝利にならないが、1回目を手札以外から唱えていても勝利条件を満たす。
  • 腹黒い意志/Insidious Willなどでスタック上の副陽の接近をコピーしても、それは唱えられていないので、1回目も2回目にも数えない。そのコピーは単に7点のライフを回復するのみの効果となる。
  • 1回目は「唱えて」さえいれば、それが解決されていなくてもよい。打ち消されたりスタックから追放されたりしていても、あるいはスタックに残っていても、勝利条件を満たすことができる。
  • 試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials紋章などであなたの勝利が禁止されている場合に2回目に手札から唱えた副陽の接近が解決された場合、ライフを回復することもなくライブラリーにも戻らない。解決後、それは墓地に置かれる

[編集] 脚注

  1. 副陽コントロール(スタンダード)デイリー・デッキ 2017年8月28日 岩SHOW著 使用者:加藤健介
  2. STATEMENT REGARDING NOAH BRADLEYDaily MTG 2020年6月22日 Wizards of the Coast著)

[編集] 参考

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