ドロスの魔神/Archfiend of the Dross
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クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) デーモン(Demon)
飛行
ドロスの魔神は、油(oil)カウンター4個が置かれた状態で戦場に出る。
あなたのアップキープの開始時に、ドロスの魔神の上から油カウンター1個を取り除く。その後、これの上に油カウンターがないなら、あなたはこのゲームに敗北する。
対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体が死亡するたび、それのコントローラーは2点のライフを失う。
4マナ6/6のフライヤーであり、対戦相手のクリーチャーが死亡する度にライフロスまで発生させるファイレクシアン・デーモン。もちろん相応のペナルティ能力を持ち、油カウンターがアップキープごとに減り、全て失うとあなたに敗北を届けてくる。
通常であれば出てから4ターン目に敗北するため、これ自身が殴る機会は召喚酔いを考えると3回という計算になる。2人対戦の初期ライフが20ということを考えると、全ての攻撃がブロックされなかったとしても2点ぶんだけ足りずに敗北してしまう…というデザインだが、裏を返せば2点以上のライフを他の手段で失わせればこれ単体で残りのライフを削り切ることも可能であり、実際はより早く決着をつけられることも多い。相手のクリーチャーを除去したり相打ちやチャンプブロックを強要したりするたび2点のライフロスが発生するため、2-3ターン目にクリーチャーを展開したうえで4ターン目に着地させればそのまま相手のライフを強烈に責めることができる。大概は敗北条件を満たすよりも相手のライフが尽きる方が早く、複数体並べばそのぶんライフロスも重複し、しぶしぶ相手がこのカードに除去を切ってくれることも期待できるため、実際上はペナルティ能力をほぼ無視するような運用が可能。最悪の場合は自分の喉首狙い/Go for the Throatなどで無理矢理処理してもよい。
敗北は油カウンターに依存しているため、他のカードの能力で新たに乗せれば敗北を延期することもできる。ファイレクシア:完全なる統一では増殖との組み合わせが妥当。カウンターの数を減らす効果の悪影響も受けやすい点には注意。他にも明滅やバウンスで新たなオブジェクトにしたり、最後の1個が取り除かれる前に生け贄に捧げたり、運命的連携/Fateful Handoffなどで押しつけたりしてコントロールを失えばこれ自身によるデメリットは無くなり、押しつけるものに至っては敗北条件が逆にメリットに転嫁される。
リミテッドの場合、前述したような対処法を自由にピックできないためリスクが大きくなる。また、構築と比較して疑似除去が採用されやすく、戦場に残したまま無力化されてしまうとデメリットだけが目立つ結果になるのも懸念点。それでも凄まじいマナレシオを備えるのは間違いないし、チャンプブロックによる時間稼ぎも通用しない強烈なクリーチャーのため、相手の色も考慮しながらであれば十分に採用圏内だろう。
登場時のイニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期のスタンダードでは同マナ域に強力な黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypseがいるためやや肩身が狭いが、黒単色デッキでは時折姿を見ることができる。3年目の団結のドミナリア〜ファイナルファンタジー期では、ダスクモーン:戦慄の館の不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamberとの相性を着目され、黒単デーモンで採用される他、ゴルガリ・ミッドレンジではシェオルドレッドより優先されるようになった。
パイオニアには黒単構築に赤の打点や火力、鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breakerによる爆発力を足した黒赤デーモンが一定数存在する。
- 戦場に出る際の置換効果を発生させなければ、最初から油カウンターが置かれていないドロスの魔神ができる。共同魂の刃/Blade of Shared Soulsなど、戦場にある状態で他のパーマネントのコピーにする(なる)カードとの併用で可能。
- 通常は敗北に近づくだけだが、場合によってはコンボ的な運用が可能になる。例えば、変態変異/Metamorphic Alterationを対戦相手のクリーチャーにつければ次のアップキープに強制敗北させられる。
- アンタップ・ステップからアップキープ・ステップ開始時の間に優先権は発生しないため、鏡編み/Mirrorweaveなどそのターン中だけコピーする手段と併用しても、油カウンターを取り除く能力が誘発する前にコピーにすることはできないので注意。