騎乗

提供:MTG Wiki

移動: 案内, 検索
騎乗/Saddle
種別 起動型能力
登場セット サンダー・ジャンクションの無法者
CR CR:702.171

騎乗/Saddleとは、サンダー・ジャンクションの無法者で制定されたキーワード能力パーマネントが持つ起動型能力である。


Drover Grizzly / 群追いの灰色熊 (2)(緑)
クリーチャー — 熊(Bear) 乗騎(Mount)

群追いの灰色熊が騎乗された状態で攻撃するたび、ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーはトランプルを得る。
騎乗1(あなたがコントロールしていてこれでない望む数のクリーチャーを、それらのパワーの合計が1以上になるように選び、タップする:ターン終了時まで、この乗騎(Mount)は騎乗された状態になる。騎乗はソーサリーとしてのみ行う。)

4/2

目次

定義

騎乗N/Saddle Nとは、「あなたコントロールしていてアンタップ状態である、これでない望む数のクリーチャーを、パワーの合計がN以上になるように選び、タップする:ターン終了時まで、このパーマネント騎乗された/Saddled状態になる。起動ソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。

クリーチャーが「騎乗する/Saddles」とは、騎乗能力のコストの支払いとしてタップされることである。

解説

クリーチャーが別のクリーチャーに「乗る」メカニズム。騎乗された状態になる事そのものには何の効果も無いが、騎乗を持つクリーチャーは騎乗された状態で攻撃することで誘発する誘発型能力や、騎乗された状態だと追加の効果が得られる戦闘に関する誘発型能力を持っている。

サンダー・ジャンクションの無法者では全に騎乗持ちクリーチャーが存在しており、いずれも乗騎クリーチャー・タイプを持っている。特にに多く、乗騎は緑白リミテッドアーキタイプにもなっている。一方でには多色を含めても2枚しか存在せず、には大魔導師のイモリ/Archmage's Newt1枚しかない。

  • サンダー・ジャンクションの無法者現在、Nの最大値は熾天使の馬/Seraphic Steedの騎乗4である。
  • 「騎乗する/Saddles」の過去形である"Saddled"は、騎乗能力の解決により発生する状態「騎乗された/Saddled」と同じ表記であり、英語版では混同しやすいので注意。忠実な馬、フォーチュン/Fortune, Loyal Steedのように両方のSaddledが混在しているカードも存在する。
    • 日本語版では前者は「騎乗した」と訳されている。
  • 乗るというフレイバーや必要パワー分のクリーチャーをタップする点は搭乗に似ているが、以下のような違いがある。

ルール

騎乗能力

  • 騎乗とクリーチャー・タイプの「乗騎」にはルール上の繋がりはない。乗騎のクリーチャー・タイプを失ったり、乗騎でないクリーチャーが騎乗能力だけを得た場合も騎乗可能である。
  • タップ・シンボルを含む起動型能力ではないので、召喚酔い中のクリーチャーもコストとしてタップしてよい。(→タップ・アウトレット
  • コストの支払いとして、パワーの合計がN未満になるようにクリーチャーをタップすることはできない。逆にパワーの合計がN以上になるなら、好きな数のクリーチャーをタップしてよい。
    • パワーが0以下のクリーチャーをタップすることも適正である。
  • すでに騎乗された状態である乗騎の騎乗能力を起動してもよい。
  • 騎乗はクリーチャーを対象に取る能力ではない。
  • 騎乗の起動が終わったなら、騎乗したクリーチャーが戦場を離れたり、そのパワーが変化したりしても、乗騎には影響しない。また、逆に乗騎が戦場を離れても、騎乗したクリーチャーが影響を受けることはない。

騎乗された状態

  • 騎乗された状態はパーマネントの取る性質であり、能力ではない。騎乗された状態のパーマネントが能力を失っても、戦場を離れるかターン終了時までは依然として騎乗された状態のままである。
  • 騎乗された状態はコピー可能な値ではない。
  • クリーチャーが「騎乗された状態で攻撃するたび」誘発する能力は、既に騎乗された状態のクリーチャーを攻撃クリーチャー指定ステップターン起因処理攻撃クリーチャーに指定した場合のみ誘発する。

開発秘話

「クリーチャーが別のクリーチャーに乗る」メカニズムは長年の間開発部で議論が続けられてきたが、馬などに乗るというフレイバーを表現するため、西部劇をテーマとしたサンダー・ジャンクションの無法者でついに実装されることとなった。

展望デザイン段階では以下のような能力であった[1]

  • 乗騎N/Mount N((N)を支払い、あなたがコントロールしていて騎乗済みでないクリーチャー1体を対象とする。このクリーチャーをその下に置くか、騎乗しているクリーチャーから外す。乗騎はソーサリーとしてのみ行う。騎乗中のクリーチャーは、このクリーチャーの他の能力を持ち、それが破壊される場合、代わりに対戦相手はどちらのカードをオーナーの墓地に置くか選ぶ。)

変容の亜種のようなメカニズムであり、カードを物理的に上へ乗せていた。変容の弱点であるディスアドバンテージの負いやすさを解消するため、戦場を離れる場合は乗り手と乗騎のどちらかだけが離れていた。

続くセット・デザイン・チームはディスアドバンテージ問題を解消するために、変容ではなく搭乗を元とすることを提案した。既知のメカニズムである搭乗を元にしたことで、プレイヤーの理解が及びやすくなるという効果もあった。ソーサリー・タイミング限定という制約があるため、騎乗時のボーナスは攻撃に使うことを考慮したものとなっている[2]

脚注

  1. Outlaws of Thunder Junction Vision Design Handoff Document, Part 2/『サンダー・ジャンクションの無法者』展望デザイン提出文書 その2Making Magic 2024年4月15日 Mark Rosewater著)
  2. Outlaws of the Land, Part 2/この地の『無法者』 その2Making Magic 2024年4月1日 Mark Rosewater著)

参考

引用:総合ルール 20240412.0

総合ルールビューアが未対応のため、日本公式サイトより引用

702.171. 騎乗/Saddle
702.171a 騎乗は起動型能力である。「騎乗N/Saddle N」は、「あなたがコントロールしていてこれでないアンタップ状態の望む数のクリーチャーをパワーの合計がN以上になるように選んでタップする:ターン終了時まで、このパーマネントは騎乗された状態になる。起動はソーサリーとして行う。」を意味する。
702.171b 「騎乗された状態/Saddled」は、他の呪文や能力が参照できる目印として以外のルール上の意味を持たない記号である。パーマネントだけが、騎乗される、あるいは騎乗された状態になることができる。パーマネントが騎乗された状態になったら、ターンを終了するかそれが戦場を離れるまでずっと騎乗された状態である。騎乗された状態はそのパーマネントのコピー可能な値ではない。
702.171c クリーチャーがパーマネントに「騎乗する/saddles」とは、パーマネントの騎乗能力を起動するためのコストを支払うためにそのクリーチャーをタップすることである。
QR Code.gif