悪魔の契約/Demonic Pact

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2024年11月18日 (月) 06:24時点におけるAerugo aeruginosa (トーク | 投稿記録)による版
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Demonic Pact / 悪魔の契約 (2)(黒)(黒)
エンチャント

あなたのアップキープの開始時に、以下からまだ選ばれていないもの1つを選ぶ。
・クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。悪魔の契約はそれに4点のダメージを与え、あなたは4点のライフを得る。
・対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚捨てる。
・カードを2枚引く。
・あなたはこのゲームに敗北する。


WHISPERのルール文章は最新のオラクルに未対応です。「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする」は「1つを対象とする」に読み替えてください。

リリアナ・ヴェス/Liliana Vessが行った「4体の悪魔との契約」がカード化。アップキープごとにドレイン手札破壊ドローと様々な恩恵をもたらすが、4ターン目には自身の破滅が待っている。

効果はそれぞれ吸血の饗宴/Vampiric FeastX=4の魂の消耗/Consume Spirit)、詭計/Deception予言/Divinationライフロスのない夜の囁き/Night's Whisper)とほぼ同等。4マナの初期投資だけで合計10マナ以上の効果と最大3~4枚分のカードアドバンテージを得られるため、コスト・パフォーマンスそのものはまさに破格と言える。

ただし、重さの割に報酬を得られるのは唱えた次のターンからというタイムラグがあり、長期戦向きの効果を各ターンに1つずつという悠長さが、タイムリミットを抱える性質と噛み合っていない。得られるアドバンテージの大きさを頼りに3ターン以内の勝利を目指すという率直な使い方の場合、仕留め損なえば即敗北とリスクも高い。ビートダウンにせよコントロールにせよ、普通のデッキに漫然と組み込んでも効果的に働くどころか自分の首を絞める可能性も高いため、デッキ構築の段階で工夫が必要となる。らしく、癖も強い一枚と言える。

単純かつ確実な手段としては、破壊バウンスを用いて敗北を踏み倒す、あわよくば再展開によって更なるアドバンテージを獲得する、という利用法が挙げられる。別軸の活用法としては、寄付/Donateのようなコントロール対戦相手に押し付けるカードを使い、これ自体を勝利手段にしてしまうコンボ的運用も考えられる。寄付し損ねれば敗北というリスクはあるが、ドローや手札破壊によって、これ自体がコンボの完成をサポートする手段にもなる。

マジック・オリジン登場時のスタンダードでは、これをキーカードに据えつつ侵入する生物種/Invasive Species分散/Disperseなどでデメリットを回避する悪魔の契約デッキが登場している。ドネイト戦略に関しては果敢な泥棒/Daring Thief変容する忠誠/Shifting Loyaltiesといった使いにくいカードしかなくロマンコンボの域を出なかったが、異界月で格段に手軽な無害な申し出/Harmless Offeringが登場した事でキャット・パクトが成立した。ただし、約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised Endという天敵も同時に現れ、友情コンボの危険性も高まった(下記ルールの項を参照)。

ファウンデーションズでは本流のセット初となる再録再録時点のスタンダードのカードプールには切望の隼/Coveted Falconのような押しつけ手段がすでに存在し、加えて無害な申し出が同時に再録されているため再現性の高いドネイトデッキを組むことはたやすい。

  • 「カードを作るのは君だ!」の第4回[1]にあったメカニズム案「Consuming Contract」が原案[2][3]
  • 対象を取る違いはあるが、ドローと手札破壊の両モード屍賢者の助言/Consult the Necrosagesを髣髴とさせる。
  • 未来予知契約サイクルとは直接の関連は無いが、アップキープの選択次第でそのまま敗北に繋がる効果を有する点は共通している。
    • ただし、未来予知の契約サイクルがコストをきちんと支払うことで――契約の完遂によって敗北を免れるのに対し、悪魔の契約は(通常の場合)敗北をもって契約の完遂となる、いわば正反対のデザイン。
  • 敗北というあまりに強烈なデメリットはドネイト戦略との相性が良すぎたのだろうか、後述の類似カードはいずれもより直接的でないデメリットに調整されている。
  • 黒の色の役割が見直されエンチャントを除去できるカードが登場していく中で、Mark Rosewaterは「悪魔の契約のような自身にデメリットを課すエンチャントを作らなくなったことで、自分のエンチャントも破壊できる黒いカードを作りやすくなった」とういったことをしばしば述べていた[4]。そのさなかでファウンデーションズへの再録がなされたあたり、カードパワーなどの観点から許容内のコンボと判断されたのだろうか。
    • 再録時点のスタンダードにはすでにこのカードの亜種と言える強欲の計略/Greed's Gambitが存在しており、エンチャント除去にとどまらず協約メカニズムのカードで処理することも可能だったため、元より一言一句文字通りの意味ではなくパワーレベルなどの考慮が背景にあったうえでの発言だと解釈される。

ルール

  • モードを選ぶのはこの能力スタックに乗るとき、すなわちアップキープの開始時に誘発したときである。
    • その際、対象を取るモードは適正な対象がいなければ選ぶことができない。ただし選ぶ時点で適正でさえあれば、解決時に不適正となってもかまわない。その場合、効果は発揮されないが選んだ事実は残るため、そのモードを再び選ぶことはできなくなる。
  • 一度選んだモードは選ぶことができない。これは各オブジェクトごとに適用される。選ぶプレイヤーは考慮されない。
    • 例えばA,B,Cの3枚の悪魔の契約があり、Aが既にドローのモードを選んでおり、B,Cはいずれのモードも選んでいないとする。この場合、ドローのモードを選ぶことができないのはAのみであり、B,Cはドローのモードを選ぶことができる。
    • 例えばあなたコントロール下で既にドローと手札破壊のモードを選んだ悪魔の契約があり、それのコントロールが対戦相手に移ったとする。対戦相手は、ドレインのモードか敗北のモードしか選ぶことができない。
  • 「他のモードが選べなくなったとき敗北する」わけではなく、敗北もモードのひとつである。あえて先に敗北のモードを選んでよいし、一度選べばその後は選ぶ必要がなくなる。
  • (敗北のモードも含めて)いずれのモードも選ぶことができなくなった場合、誘発型能力は誘発はするが、そのままスタックから取り除かれる。その状態になれば事実上何もしない置物となる。

関連カード

類似カード

継続的ないし致命的なデメリットと引き換えに一時的なアドバンテージをもたらすカードの一覧。特記しない限り黒単色のエンチャント。

脚注

  1. You Make the Card 4 – Rules Bracket(Making Magic 2015年9月15日)
  2. The M Files: Magic Origins, Part 1/Mファイル『マジック・オリジン』編・パート1(Latest Developments 2015年7月24日)
  3. Original Spin/オリジンのスピン(Making Magic 2015年8月17日)
  4. Blogatog(2024年9月5日)

参考

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