青黒ライブラリーアウト
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[[軽い|軽量]]で大量の[[ライブラリー]]を[[切削]]することができる[[カード]]を最速で[[対戦相手]]に叩き込み、[[ライブラリーアウト]]させて[[勝利]]する戦術のデッキ。 | [[軽い|軽量]]で大量の[[ライブラリー]]を[[切削]]することができる[[カード]]を最速で[[対戦相手]]に叩き込み、[[ライブラリーアウト]]させて[[勝利]]する戦術のデッキ。 | ||
− | 数枚のライブラリー破壊カードを[[エンドカード]]に据えた[[コントロールデッキ]]や、[[無限ライブラリー破壊]][[コンボ]]のような従来のライブラリー破壊デッキの形態とは大きく異なるのが特徴。[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]] | + | 数枚のライブラリー破壊カードを[[エンドカード]]に据えた[[コントロールデッキ]]や、[[無限ライブラリー破壊]][[コンボ]]のような従来のライブラリー破壊デッキの形態とは大きく異なるのが特徴。[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]史上でもここまで大量のライブラリー破壊カードのみで構成されたデッキは珍しい。デッキ全体の各パーツが強く[[シナジー]]しており、早ければ4[[ターン]]ほどで[[対戦相手]]のライブラリーを削りきることが可能と、その構築理念はもはや[[バーン]]デッキに近い。 |
継続的なライブラリー破壊手段としては[[催眠の宝珠/Mesmeric Orb]]や各種[[フェッチランド]]と相性の良い[[面晶体のカニ/Hedron Crab]]、息切れ対策としては[[彼方の映像/Visions of Beyond]]や[[殻船着の島/Shelldock Isle]]などが採用される。[[ビートダウン]]対策に[[墓所への乱入/Crypt Incursion]]や[[不敬な遺品/Profane Memento]]、[[コンボデッキ]]対策に[[外科的摘出/Surgical Extraction]]と、ライブラリー破壊と併せた防御・妨害が行えることも強み。 | 継続的なライブラリー破壊手段としては[[催眠の宝珠/Mesmeric Orb]]や各種[[フェッチランド]]と相性の良い[[面晶体のカニ/Hedron Crab]]、息切れ対策としては[[彼方の映像/Visions of Beyond]]や[[殻船着の島/Shelldock Isle]]などが採用される。[[ビートダウン]]対策に[[墓所への乱入/Crypt Incursion]]や[[不敬な遺品/Profane Memento]]、[[コンボデッキ]]対策に[[外科的摘出/Surgical Extraction]]と、ライブラリー破壊と併せた防御・妨害が行えることも強み。 | ||
− | + | さらに[[2020年]]から[[2021年]]にかけて、追加の面晶体のカニとしてはたらく[[遺跡ガニ/Ruin Crab]]、[[素出し|素撃ち]]も強力だが妨害されにくい[[サイクリング]]で最低限の[[切削]]もこなせる[[正気破砕/Fractured Sanity]]、大量[[追放]]が可能で天敵の超大型[[エルドラージ]]にも強い[[ターシャズ・ヒディアス・ラフター/Tasha's Hideous Laughter]]といったライブラリー破壊戦略を支える強力なカードが追加され、モダンの[[メタゲーム]]の一角を担う程となった。 | |
*[[中村修平]]曰く、「[[親和 (デッキ)|親和]]や[[ドレッジ]]のようないわゆる「[[メインデッキ|メイン]]最強系」のデッキを名乗れるレベル」(→[http://mtg-jp.com/reading/worldswalk/023524/ 参考])。 | *[[中村修平]]曰く、「[[親和 (デッキ)|親和]]や[[ドレッジ]]のようないわゆる「[[メインデッキ|メイン]]最強系」のデッキを名乗れるレベル」(→[http://mtg-jp.com/reading/worldswalk/023524/ 参考])。 | ||
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*[[白]]を[[タッチ]]して[[書庫の罠/Archive Trap]]と相性の良い[[流刑への道/Path to Exile]]や、前述の伝説のエルドラージへの回答となる[[隠匿+探求/Hide+Seek]]を追加した[[白青黒|エスパー]]バージョンも見られる。 | *[[白]]を[[タッチ]]して[[書庫の罠/Archive Trap]]と相性の良い[[流刑への道/Path to Exile]]や、前述の伝説のエルドラージへの回答となる[[隠匿+探求/Hide+Seek]]を追加した[[白青黒|エスパー]]バージョンも見られる。 | ||
**さらに[[赤]]をタッチして隠匿+探求の隠匿を上記の神聖の力線対策にしたり、[[紅蓮地獄/Pyroclasm]]を採用するバージョンもある。 | **さらに[[赤]]をタッチして隠匿+探求の隠匿を上記の神聖の力線対策にしたり、[[紅蓮地獄/Pyroclasm]]を採用するバージョンもある。 | ||
− | **[[カードプール]]の増加に伴い[[青]][[単色]]での強力なライブラリー破壊カードや[[虹色の終焉/Prismatic Ending]]などの除去が追加されたことから、[[黒]]を抜いた[[白青]] | + | **[[カードプール]]の増加に伴い[[青]][[単色]]での強力なライブラリー破壊カードや[[虹色の終焉/Prismatic Ending]]などの除去が追加されたことから、[[黒]]を抜いた[[白青]]ライブラリーアウトも存在する。しかしながら[[湖での水難/Drown in the Loch]]を使える[[青黒]]型の牙城を崩すには至っていない。 |
*特に初期型のパーツには[[アラーラの断片]]~[[ワールドウェイク]]のカードが多いが、当時のスタンダードにもそれらのカードを用いて戦う「原型」のようなライブラリー破壊デッキがメタの一角を占めていた。当時のデッキリストにはたまに枚数が61~63枚のものがあるが、その理由はライブラリーアウトを狙うデッキを対策するためでもあり、メタゲームの中でそれなりに警戒された存在だった。エルドラージ覚醒後に先述した天敵が登場したことでメタから弾き出されてしまい、アラーラ・ブロックのスタンダード落ちとともに消滅した。 | *特に初期型のパーツには[[アラーラの断片]]~[[ワールドウェイク]]のカードが多いが、当時のスタンダードにもそれらのカードを用いて戦う「原型」のようなライブラリー破壊デッキがメタの一角を占めていた。当時のデッキリストにはたまに枚数が61~63枚のものがあるが、その理由はライブラリーアウトを狙うデッキを対策するためでもあり、メタゲームの中でそれなりに警戒された存在だった。エルドラージ覚醒後に先述した天敵が登場したことでメタから弾き出されてしまい、アラーラ・ブロックのスタンダード落ちとともに消滅した。 | ||
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− | *[[対戦相手]]の[[墓地]] | + | *[[対戦相手]]の[[墓地]]が肥えやすいこのデッキにおいては、[[湖での水難/Drown in the Loch]]をほぼ確定[[打ち消し]]・確定[[単体除去]]として運用できる。 |
*[[完成化した精神、ジェイス/Jace, the Perfected Mind]]や[[定業/Preordain]]が採用される場合もあり、[[2022年]]3月に[[禁止カード]]に指定される以前は[[夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den]]を搭載したタイプも存在していた。 | *[[完成化した精神、ジェイス/Jace, the Perfected Mind]]や[[定業/Preordain]]が採用される場合もあり、[[2022年]]3月に[[禁止カード]]に指定される以前は[[夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den]]を搭載したタイプも存在していた。 | ||
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2025年3月21日 (金) 23:04時点における最新版
青黒ライブラリーアウト(UB Mill)は主にモダン環境に存在するライブラリー破壊デッキ。
目次 |
[編集] 概要
インスタント — 罠(Trap)
このターン、対戦相手1人が自分のライブラリーを探していたなら、あなたはこの呪文のマナ・コストを支払うのではなく(0)を支払ってもよい。
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを13枚切削する。
軽量で大量のライブラリーを切削することができるカードを最速で対戦相手に叩き込み、ライブラリーアウトさせて勝利する戦術のデッキ。
数枚のライブラリー破壊カードをエンドカードに据えたコントロールデッキや、無限ライブラリー破壊コンボのような従来のライブラリー破壊デッキの形態とは大きく異なるのが特徴。マジック史上でもここまで大量のライブラリー破壊カードのみで構成されたデッキは珍しい。デッキ全体の各パーツが強くシナジーしており、早ければ4ターンほどで対戦相手のライブラリーを削りきることが可能と、その構築理念はもはやバーンデッキに近い。
継続的なライブラリー破壊手段としては催眠の宝珠/Mesmeric Orbや各種フェッチランドと相性の良い面晶体のカニ/Hedron Crab、息切れ対策としては彼方の映像/Visions of Beyondや殻船着の島/Shelldock Isleなどが採用される。ビートダウン対策に墓所への乱入/Crypt Incursionや不敬な遺品/Profane Memento、コンボデッキ対策に外科的摘出/Surgical Extractionと、ライブラリー破壊と併せた防御・妨害が行えることも強み。
さらに2020年から2021年にかけて、追加の面晶体のカニとしてはたらく遺跡ガニ/Ruin Crab、素撃ちも強力だが妨害されにくいサイクリングで最低限の切削もこなせる正気破砕/Fractured Sanity、大量追放が可能で天敵の超大型エルドラージにも強いターシャズ・ヒディアス・ラフター/Tasha's Hideous Laughterといったライブラリー破壊戦略を支える強力なカードが追加され、モダンのメタゲームの一角を担う程となった。
- 中村修平曰く、「親和やドレッジのようないわゆる「メイン最強系」のデッキを名乗れるレベル」(→参考)。
- ライブラリーアウト戦略の常として、天敵はエルドラージ覚醒に収録されている3体の伝説のエルドラージ達(引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Tornなど)。対戦相手を対象に取るカードが多い関係上神聖の力線/Leyline of Sanctityも悶絶モノ。どちらもモダンではかなりの頻度で見られるカードであり、中々メタゲームの上位には入り込めない。
- またデッキの枚数が多いタワーデッキも不得手とし、空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomadを相棒に指定したデッキには苦戦を強いられる。バベルを相手にしてしまうと目も当てられない。
- 対策としてはジェイスの幻/Jace's Phantasmでビートダウン戦略を取る、自分のライブラリーを削れるカードを残し自分の墓地を大量に肥やした上で奈落の総ざらい/Empty the Pitsを唱えゾンビトークンを10体以上並べて殴り勝つ、などがある。また、近年では対象を選ばないライブラリー破壊カードも増えつつある。
- 白をタッチして書庫の罠/Archive Trapと相性の良い流刑への道/Path to Exileや、前述の伝説のエルドラージへの回答となる隠匿+探求/Hide+Seekを追加したエスパーバージョンも見られる。
- さらに赤をタッチして隠匿+探求の隠匿を上記の神聖の力線対策にしたり、紅蓮地獄/Pyroclasmを採用するバージョンもある。
- カードプールの増加に伴い青単色での強力なライブラリー破壊カードや虹色の終焉/Prismatic Endingなどの除去が追加されたことから、黒を抜いた白青ライブラリーアウトも存在する。しかしながら湖での水難/Drown in the Lochを使える青黒型の牙城を崩すには至っていない。
- 特に初期型のパーツにはアラーラの断片~ワールドウェイクのカードが多いが、当時のスタンダードにもそれらのカードを用いて戦う「原型」のようなライブラリー破壊デッキがメタの一角を占めていた。当時のデッキリストにはたまに枚数が61~63枚のものがあるが、その理由はライブラリーアウトを狙うデッキを対策するためでもあり、メタゲームの中でそれなりに警戒された存在だった。エルドラージ覚醒後に先述した天敵が登場したことでメタから弾き出されてしまい、アラーラ・ブロックのスタンダード落ちとともに消滅した。
[編集] サンプルレシピ
[編集] 初期型
- Magic Onlineで結果を残した青黒純正バージョン。0マナの書庫の罠/Archive Trapをちらつかせることで、幽霊街/Ghost Quarterで基本土地をサーチするかしないかの2択を迫ることができる。
[編集] イニストラードを覆う影後
- 参考
- グランプリロサンゼルス16 9-4-2
- 使用者:Jinlin Li
- フォーマット
Blue-Black Mill [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 継続的にライブラリー破壊が可能な躁の書記官/Manic Scribeを追加したバージョン。罠の橋/Ensnaring Bridgeによりビートダウン耐性を高めている。
[編集] イクサラン後
UB Mill [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 廃墟の地/Field of Ruinと書庫の罠のシナジーを活かすために罠師の引き込み/Trapmaker's Snareが投入されている。それに合わせてサイドボードの墓地対策としては貪欲な罠/Ravenous Trapが採用されている。
- 廃墟の地やフェッチランドのおかげで致命的な一押し/Fatal Pushの紛争が達成しやすく、コントロール性能が多少向上した。
[編集] フォーゴトン・レルム探訪後
Blue-Black Mill [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 対戦相手の墓地が肥えやすいこのデッキにおいては、湖での水難/Drown in the Lochをほぼ確定打ち消し・確定単体除去として運用できる。
- 完成化した精神、ジェイス/Jace, the Perfected Mindや定業/Preordainが採用される場合もあり、2022年3月に禁止カードに指定される以前は夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Denを搭載したタイプも存在していた。