キッカー
提供:MTG Wiki
36行: | 36行: | ||
===その他=== | ===その他=== | ||
*[[トーナメント]]において活躍したカードも多数生んでおり、インベイジョン・ブロックの人気に貢献したのは間違いないだろう。 | *[[トーナメント]]において活躍したカードも多数生んでおり、インベイジョン・ブロックの人気に貢献したのは間違いないだろう。 | ||
− | **よく使われたカードとしては[[ウルザの激怒/Urza's Rage]] | + | **よく使われたカードとしては[[ウルザの激怒/Urza's Rage]]が有名だろう。当時の[[シングルカード]]価格の高騰ぶりは現在でも語りぐさである。その他にも[[スキジック/Skizzik]]、[[ラッカボルバー/Rakavolver]]、[[オアリムの詠唱/Orim's Chant]]、[[ファイレクシアの盾持ち/Phyrexian Scuta]]など[[レア]]に強いカードが多かった。もちろん[[調査/Probe]]、[[急流/Rushing River]]など[[コモン]]枠にも良いカードは見られる。 |
*1つの呪文に2種のキッカーが搭載されていることを俗に「'''ダブル・キッカー'''」と呼ぶ。[[プレーンシフト]]の[[荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage|戦闘魔道士]][[サイクル]]と[[アポカリプス]]の[[ボルバー]]サイクル、および[[照射/Illuminate]]と[[アナの戦闘魔道士/Ana Battlemage]]がこれに該当する。 | *1つの呪文に2種のキッカーが搭載されていることを俗に「'''ダブル・キッカー'''」と呼ぶ。[[プレーンシフト]]の[[荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage|戦闘魔道士]][[サイクル]]と[[アポカリプス]]の[[ボルバー]]サイクル、および[[照射/Illuminate]]と[[アナの戦闘魔道士/Ana Battlemage]]がこれに該当する。 | ||
*インベイジョン・ブロックのキッカーを持つカードの[[絵|イラスト]]には、そのコストの色に対応した[[インベイジョン]]の[[エキスパンション・シンボル]](ドミナリア連合のシンボル)の一部が描かれている(一部間違った色のシンボルが描かれていたり、シンボルが描き忘れられているカードもある<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/battlemage-coalition-2002-03-27 Battlemage Coalition](Arcana [[2002年]]3月27日 [[WotC|Wizards of the Coast]]著)</ref>)。 | *インベイジョン・ブロックのキッカーを持つカードの[[絵|イラスト]]には、そのコストの色に対応した[[インベイジョン]]の[[エキスパンション・シンボル]](ドミナリア連合のシンボル)の一部が描かれている(一部間違った色のシンボルが描かれていたり、シンボルが描き忘れられているカードもある<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/battlemage-coalition-2002-03-27 Battlemage Coalition](Arcana [[2002年]]3月27日 [[WotC|Wizards of the Coast]]著)</ref>)。 |
2020年4月2日 (木) 07:42時点における版
キッカー/Kicker | |
---|---|
種別 | 常在型能力 |
登場セット | インベイジョン・ブロック 時のらせんブロック ゼンディカー・ブロック ドミナリア モダンホライゾン |
CR | CR:702.33 |
キッカー/Kickerは、インベイジョン・ブロックで初めて登場したキーワード能力。これを持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。
クリーチャー — カヴー(Kavu)
キッカー(2)(緑)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(2)(緑)を支払ってもよい。)
カヴーのタイタンがキッカーされていた場合、それはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出るとともに、トランプルを持つ。
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
キッカー(1)(黒)/(緑)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(1)(黒)か(緑)またはその両方を支払ってもよい。)
雷景学院の戦闘魔道士が戦場に出たとき、それが(1)(黒)でキッカーされていた場合、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚捨てる。
雷景学院の戦闘魔道士が戦場に出たとき、それが(緑)でキッカーされていた場合、エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
定義
キッカー [コスト]/Kicker [コスト]は、「この呪文を唱えるに際し、あなたはさらに[コスト]を支払ってもよい。」を意味する。
キッカー [コスト1]/[コスト2]は、「キッカー [コスト1]」、「キッカー [コスト2]」と同じ意味である。
呪文のコントローラーが呪文のキッカー・コストを支払う意図を宣言した場合、その呪文はキッカーされている/Kicked状態になる。
解説
唱える際に、本来のコストに加えてキッカー・コストを支払うことができる能力である。キッカー・コストを支払った(キッカーされている)時に何が起きるかは、各カードのルール文章により定義される。
おおざっぱに言うと「追加コストを支払うことで、本来の効果に加えて別の効果を追加することも選べる」ような能力。似たようなことができるカードは古くからアライアンスなどにいくつかあったが、インベイジョン・ブロックではキーワード能力として定義され、各色に作られた。
時のらせんブロック、ゼンディカー・ブロック、ドミナリア、モダンホライゾンで再登場。時のらせんではタイムシフトの再録のみの登場で、次元の混乱では緑のメカニズムとして割り当てられた。また、ワールドウェイクでは新しい形の多重キッカーが登場した。ドミナリアでは全色に存在するが特に赤と緑に多い。
ルール
- 「キッカー [コスト1]/[コスト2]」のように複数のキッカーを持つ場合、それぞれのキッカーに対して支払うか支払わないかを選択できる。つまり、「両方支払う」「どちらか一方のみ支払う」「どちらも支払わない」のどれを選択してもよい。
- 複数のキッカーに対してキッカー・コストを支払った場合、その数だけキッカーされていることになる。例えば、菌獣の横行/Saproling Infestationはその数だけ誘発する。
- 各キッカー能力とそれを支払った場合に何かする能力は関連している能力である。後者の能力は前者の能力でキッカーされたかどうかのみ参照し、他のキッカー能力は参照しない。
- キッカーを持つパーマネントが唱える以外の方法で戦場に出る場合、キッカー・コストを支払うことはできない。
- キッカー・コストに含まれるマナの色とカードの色に関係はない。例えば、上の雷景学院の戦闘魔道士/Thunderscape Battlemageは赤のカードであるが、キッカー・コストを支払ったとしても黒や緑になることはない。
- キッカー・コストを支払うことを選択した場合に「キッカーされている」ことになる。実際にどれだけのコストを支払うことになったのかは関係ない。
- キッカー・コストを支払うことを選んだかどうかは、コピー可能な値である。キッカー・コストを支払うことを選んで唱えられた呪文のコピーは、その選択もコピーされる。
その他
- トーナメントにおいて活躍したカードも多数生んでおり、インベイジョン・ブロックの人気に貢献したのは間違いないだろう。
- よく使われたカードとしてはウルザの激怒/Urza's Rageが有名だろう。当時のシングルカード価格の高騰ぶりは現在でも語りぐさである。その他にもスキジック/Skizzik、ラッカボルバー/Rakavolver、オアリムの詠唱/Orim's Chant、ファイレクシアの盾持ち/Phyrexian Scutaなどレアに強いカードが多かった。もちろん調査/Probe、急流/Rushing Riverなどコモン枠にも良いカードは見られる。
- 1つの呪文に2種のキッカーが搭載されていることを俗に「ダブル・キッカー」と呼ぶ。プレーンシフトの戦闘魔道士サイクルとアポカリプスのボルバーサイクル、および照射/Illuminateとアナの戦闘魔道士/Ana Battlemageがこれに該当する。
- インベイジョン・ブロックのキッカーを持つカードのイラストには、そのコストの色に対応したインベイジョンのエキスパンション・シンボル(ドミナリア連合のシンボル)の一部が描かれている(一部間違った色のシンボルが描かれていたり、シンボルが描き忘れられているカードもある[1])。
- キッカー・コストを支払うことにより、+1/+1カウンターを得るカードも多く、このカウンターを参照するカードとのシナジーを持つ。
- インベイジョン・ブロックで初めて登場したときは、呪文のキッカー・コストが支払われたことによる能力を「あなたが([コスト]の)キッカー・コストを支払った場合」と表記していた。第8版発売に伴う総合ルール・オラクル更新で「([コスト]の)キッカー・コストが支払われている場合」に変更され、コントロール変更効果との相互作用が明確化された。それでも、コスト軽減の結果、キッカー・コスト部分を実際に支払わなくて済むようになった場合にキッカーによる能力が機能しなくなる問題があったため、2009年9月4日の総合ルール・オラクル更新で「([コスト]で)キッカーされている場合」という表記に改められた。
- 機能的には追加コストを支払わせるものでしかないため、多くのキーワード能力やメカニズムはキッカーを使うことでも実現できることがよく指摘されており、開発部でもそのことを認識している。このことは、キッカーの再登場をためらわせる原因となっている[2][3]。
- 中国語版での訳語は「増幅」。日本語版の増幅は別物なので注意。
脚注
- ↑ Battlemage Coalition(Arcana 2002年3月27日 Wizards of the Coast著)
- ↑ Support Group/サポート・グループ(Making Magic 2012年2月20日 Mark Rosewater著)
- ↑ Storm Scale: Zendikar and Battle for Zendikar/ストーム値:『ゼンディカー』『戦乱のゼンディカー』ブロック(Making Magic 2016年11月21日 Mark Rosewater著)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 702 キーワード能力
- 702.33 キッカー/Kicker
- 702.33a キッカーは、それを持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。「キッカー [[[コスト]]]/Kicker [[[コスト]]]」は、「この呪文を唱えるに際し、あなたは追加で[[[コスト]]]を支払ってもよい。」を意味する。呪文のキッカー・コストの支払いは、rule 601.2b、rule 601.2f-h に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
- 702.33b 「キッカー [[[コスト]]1]か[[[コスト]]2]かその両方/Kicker [cost 1] and/or [cost 2]」は、「キッカー[[[コスト]]1]、キッカー[[[コスト]]2]/Kicker [cost 1], kicker [cost 2]」と同義である。
- 702.33c 多重キッカー 能力は、キッカー 能力の一種である。「多重キッカー [[[コスト]]]/Mutikicker [[[コスト]]]」は「この呪文を唱えるに際し、あなたは追加で[[[コスト]]]を望む回数支払ってもよい。」を意味する。多重キッカー・コストはキッカー・コストである。
- 702.33d 呪文のコントローラーが呪文のキッカー・コストを支払う意図を宣言した場合、その呪文は「キッカーされた/Kicked」状態になる。呪文が2つのキッカー・コストを持っていたり多重キッカーを持っていたりする場合、それは複数回キッカーされ得る。rule 601.2b 参照。
- 702.33e キッカーや多重キッカーを持つオブジェクトは、キッカーされていたときに起こることを特定する、追加の能力を持っている。それらの能力はそのオブジェクトに記載されているキッカー 能力や多重キッカー 能力と関連しており、その特定のキッカー 能力や多重キッカー 能力のみを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
- 702.33f 複数のキッカー・コストを持つオブジェクトは、それぞれのキッカー・コストに対応する能力を持っていることがある。それらの能力には、「[A]でキッカーされていたなら(場合)/if it was kicked with its [A] kicker」と「[B]でキッカーされていたなら(場合)/if it was kicked with its [B] kicker」という語句が含まれている。AとBはそれぞれカードに記されているキッカー・コストである。それらの能力は、対応するキッカー 能力に関連している。
- 702.33g 呪文の能力の一部がキッカーされた場合にのみ効果を持つ場合、その部分が対象を取っていたら、その呪文がキッカーされた場合にのみそれらの対象を選ぶ。そうでない場合、呪文はそれらの対象を取らないものとして唱えられる。rule 601.2c 参照。
- 702.33h ステッカー・キッカーはキッカー 能力と、その呪文がキッカーされたなら追加コストを持たせる能力を表すキーワード能力である。「ステッカー・キッカー[コスト]/Sticker kicker [cost]」は、「キッカー[コスト]」と、「この呪文を唱えるための追加コストとして、これがキッカーされていたなら、あなたはチケット・カウンター1個を得る。この呪文にステッカー1枚を貼ってもよい。」を意味する。
- 702.33 キッカー/Kicker
- 702 キーワード能力