マナ・クリーチャー
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マナ・クリーチャー(Mana Creature/Mana Dork)は、マナを生成することができるクリーチャーのこと。主にタップ能力でマナを生む起動型能力(マナ能力)を持っているものがこう呼ばれる。
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk) ウィザード(Wizard)
(T):(◇)を加える。このマナは、インスタントやソーサリーである呪文を唱えるためにのみ使用できる。
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[編集] 解説
土地サーチやマナ・アーティファクトによるマナ加速と比べて、基本的に軽く、戦闘要員にもなるところが高く評価される。一方で、召喚酔いの影響を受ける、クリーチャー除去によってマナ基盤が崩れてしまうといった短所もあるため、デッキタイプによって使い分けられることも多い。
「軽いマナ・クリーチャーを1~2ターン目から戦場に出し、ゲーム序盤で大きくテンポ・アドバンテージを稼ぐことで優位を得る」という流れが理想的。構築でも主に2マナ以下のものが評価され、軽く優秀なマナ・クリーチャーの多い緑を含むデッキでよく投入されている。3マナ以上となるとテンポの悪さや除去された際の損失が大きく、土地を介したマナ加速やマナ・アーティファクトなど他の選択肢も増え始めるため敬遠されがちだが、金属細工師/Metalworkerやエルフの大ドルイド/Elvish Archdruidなど爆発的なマナ加速を狙えるものは採用されることがある。
- ラノワールのエルフ/Llanowar Elvesの系譜のためかエルフのマナ・クリーチャーが多い。職業で見るとドルイドが持つことが多い。
- 上述したとおり、マナ・アーティファクトなどとの最大の違いは、なんと言っても「隙を見て戦闘に参加できる」こと。優秀なマナ・クリーチャーの多くはサイズ面で難を抱えることが多いが、タイプ的シナジーなどによる強化の恩恵を受ければクロックとして使える場面は多く、それがなくとも最低限チャンプブロッカーとしてライフレースに貢献できる。
- 「見たら焼け」と言われることが多い。マナ・クリーチャーを多用するデッキは、最序盤におけるそれの展開を前提にマナカーブ等のバランスを取っており、序盤に除去されてテンポが崩れると機能不全に陥りやすいため。
- マナ能力持ちでなくとも、使い魔サイクルのようなコスト減少カードや桜族の長老/Sakura-Tribe Elderのような土地を並べてくれるクリーチャーをマナ・クリーチャーと呼ぶこともある。また水蓮のコブラ/Lotus Cobraなどマナを生み出すがマナ能力でないカードもマナ・クリーチャーと呼ばれる。
[編集] 色の役割との関連
緑のお家芸の1つ。ほかの色や無色のアーティファクトなどにも存在しないわけではないが、やはり緑のものが質・量ともにもっとも充実している。
一時的なマナ加速を得意とする赤にも見られるが緑ほどの安定感はなく、スカークの探鉱者/Skirk Prospectorのように爆発力を備える代わりリソース消費を強いるものが多い。霊気走破以降は純粋なマナ・クリーチャーも登場するようになったが、緑よりマナ生産力が控えめに設定されやすい[1]。
青にも「アーティファクトの扱いに長けた色である」という理由で[2]存在が認められている[3]が、多くの場合はSoldevi Machinistのように用途が制限される。時代が下るにつれ、アーティファクトに限らず、カード・セットのテーマなどを反映した用途限定のマナ・クリーチャーが度々登場するようになった。これらの一覧についてはSoldevi Machinist#関連カードを参照。
白や黒には原則として存在が認められていない[4]。黒に少数存在するものは、コジレックの組み換え/Kozilek's Translatorや俊郎の記憶/Memory of Toshiroのように別途ライフなどのコストが要求され、マナの使い道も制限されることが多い[5]。
- もっとも上記はあくまで目安に近く、用途が制限されたマナを生み出すクリーチャーは各色にしばしば登場している。この理由が公式に詳説されたことはないが、「あらゆる色で存在できるコスト軽減カードと似た働きのカードであり、タップ能力にして爆発力を抑える・色マナを生ませ特定の色を強く支援するなど柔軟な調整がしやすい」「大抵のフォーマットには2~3マナのマナ・アーティファクトが多数あり、2マナ以上のマナ・クリーチャーなら色の弱点を補うおそれが小さい」といった事情が想定される。色の役割の境界が曖昧だったマジック黎明期のカードを除いても、チャンドラの火炎猫/Chandra's Embercatや希望の源、ジアーダ/Giada, Font of Hopeなどが定期的に登場している。
[編集] バランスの変遷
リミテッド・エディションの古来より、ラノワールのエルフ/Llanowar Elvesや極楽鳥/Birds of Paradiseに代表される1マナのマナ・クリーチャーは緑のデッキを支え続け、また基本セットの常連でもあった。「2ターン目に3マナが出る恒久的なマナ加速」というのは他の色ではなかなか真似できないものである。
一方で、開発部はこれが緑の戦略を固定してしまい、1ターン目にマナ・クリーチャーを展開できたゲームと出来ないゲームの差が大きすぎるという事を問題視していた。緑のマナ基盤のバランス調整が行われた結果、2015年のマジック・オリジンでエルフの神秘家/Elvish Mysticの代わりに葉光らせ/Leaf Gilderが再録された事で、スタンダード環境から1マナのマナ・クリーチャーは退場した[6][7]。
その後しばらく1マナのマナ・クリーチャーをスタンダードで見ることはなかったが、2018年のドミナリアでは注目度の高い再録カードが求められていたこともあり、ラノワールのエルフ/Llanowar Elvesが帰ってくることとなった[8]。また壌土のドライアド/Loam Dryadや金のガチョウ/Gilded Gooseなどといった、条件や制限が課せられているカードは時折登場していた。
2024年にスタンダードで恒常的に使用できるファウンデーションズにてラノワールのエルフが再録。Mark Rosewaterはこれについてスタンダードのセット使用期間が3年制になった事で全体のパワーレベルが向上し、プレイ・デザイン・チームが登用を決定したと述べている[9]。
[編集] 主なマナ・クリーチャー
[編集] 脚注
- ↑ @bsweitz123(X/Twitter 2025年3月19日 Benjamin Weitz)
- ↑ Blogatog(2017年6月8日)
- ↑ Blogatog(2015年10月22日)
- ↑ Blogatog(2025年1月9日)
- ↑ Blogatog(2024年4月11日)
- ↑ Journey into the Mailbag(Internet Archive)/一問一答への旅(Latest Developments 2014年4月25日 Sam Stoddard著)
- ↑ A Standard Power Level(Internet Archive)/スタンダードのパワー・レベル(Latest Developments 2016年2月5日 Sam Stoddard著)
- ↑ Stories from Dominaria, Part 3/『ドミナリア』での話 その3(Making Magic 2018年4月30日 Mark Rosewater著)
- ↑ Blogatog(Blogatog 2025年1月2日)