原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger
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伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) 恐竜(Dinosaur)
この呪文を唱えるためのコストは(X)少なくなる。Xは、あなたがコントロールしているクリーチャーのパワーの合計に等しい。
トランプル
緑のエルダー・恐竜は、ティミー垂涎の超弩級ファッティ。12/12トランプルのビッグボディに、自軍クリーチャーのパワーに応じてマナ・コストを減少させる能力を備えている。
サイズに違わず点数で見たマナ・コストも12マナと超重量級だが、クリーチャーの展開というビートダウンの基礎ムーブだけで自然にコストの減少を図れるのが強み。例えば、ターンに応じて1ずつパワーの高いクリーチャーを唱えていけば、5ターン目には最少2マナでの着地が可能となる。除去の飛び交う実戦においても5~7マナ程度でのキャストなら十分現実的であり、見た目より軽く非常に高マナレシオなフィニッシャーとして、盤面に与えるインパクトは大きい。
更地やそれに近い状態では有効に機能しないため、一般的に優先度の低い「有利な状況をさらに有利にするカード」の側面はあるものの、ある程度設えた盤面から一気に形勢を傾けるだけのリターンは見込めるため、早期展開を狙っていく価値は十分にある。並べたクリーチャーと共に全体除去を受けては元も子もないので、レギサウルスの頭目/Regisaur Alphaやオテペクの猟匠/Otepec Huntmasterで予め速攻を付加したり、投げ飛ばし/Flingたりするなどして、プレイ後は速やかに決着をつけたい。
他の応用として、一時的な強化手段やパワー偏重クリーチャーとの相性はよい。巨大化/Giant Growth系統の呪文や効果は暗黒の儀式/Dark Ritualさながらに働くし、後者には同ブロックのむら気な長剣歯/Wayward Swordtoothや結束した角冠/Bonded Horncrest、アモンケットの神、あるいは機体といったデメリットを伴う代わりに表記上のP/Tが高いカード群も散見される。キランの真意号/Heart of Kiran→不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitableと繋げれば4ターン目に出す事も可能であり、実際に構築でこのパッケージが組み込まれた事もある。ドミナリアにおいて暫くぶりに1マナ・クリーチャーのラノワールのエルフ/Llanowar Elvesが復活したのも好材料で、併用する事でより安定した早期展開が狙える。2ターン目にロナス→3ターン目に真意号や立て直しのケンラ/Resilient Khenraでこれも同一ターンに揃えられるほど。
スタンダードでは、「同マナ帯」にレギサウルスの頭目や殺戮の暴君/Carnage Tyrantなどのより安定した候補もいるためそれほどの存在感を示せていないが、赤緑恐竜や赤緑モンスター、緑単ビートダウンなどでの採用例がある。その場合は併用される事も珍しくない。
モダンにおいては、滋養の群れ/Nourishing Shoal型のグリセルシュートで世界棘のワーム/Worldspine Wurmの代替として注目する向きがあるようだ。比べると除去耐性で劣るが、回復量で勝り、これ自体が御霊の復讐/Goryo's Vengeanceで釣れる事からデッキ内の連携性が高められる。
イクサラン・ブロックのリミテッドではクリーチャーが並びやすく、それでいて除去が弱いため戦場に出せる機会は多い。12/12というサイズは暴力そのもので、並大抵のコンバット・トリックで討ち取れるものではない。
- あなたがコントロールするクリーチャーの中に負の値のパワーを持つクリーチャーがいた場合、それらもパワーの合計の計算に含める。ただし合計の結果として負の値になっても、ガルタを唱えるコストが増加することはない(CR:107.1b)。
- イクサランの相克発売前のストアチャンピオンシップで、別イラストのボックスレス・プロモーション・カードが配布された[1]。
関連カード
サイクル
イクサランの相克のエルダー・恐竜サイクル。いずれも伝説のクリーチャー。レアの各色に1枚ずつ存在するほか、多色にも神話レアの原初の災厄、ザカマ/Zacama, Primal Calamityが存在する。
- 原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn
- 原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide
- 原初の死、テジマク/Tetzimoc, Primal Death
- 原初の嵐、エターリ/Etali, Primal Storm
- 原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger
イクサランを補完するために、イクサランの相克では主要四大クリーチャー・タイプを強化するカードを収録する必要性があった。その内恐竜について、各陣営ごとに設定された固有色の縛りを曲げる、メガサウルス/Megasaursという巨大恐竜のサイクルが提唱された。陣営を成立させるためのそれに例外を設ける事への懸念や抵抗もあったが、クリエイティブ・チームはそれらをエルダー・恐竜にするというアイデアを返し、議論の末収録の運びとなった(The Arrival of Rivals/『イクサランの相克』の時刻)。
開発秘話
緑のエルダー・恐竜のデザインは、他の恐竜が怯えるような最大の恐竜を作るという事になった。必然的に非常に重いマナ・コストともなるため、何らかのコスト低減手段も必要となった。恐竜の多いデッキに入れたくなるような恐竜の王者としてのフレーバーから、従える恐竜(クリーチャー)達のパワーを参照する事とし、様々な数を試した結果、現在の数値に落ち着いた。ダブルシンボルや伝説のクリーチャーである事は、強力になり過ぎないための縛りとしても働いている。[2]。
ストーリー
ガルタ/Ghaltaは、オラーズカ/Orazcaとともに長い眠りについていた古の恐竜の1体。巨大な肉食恐竜(イラスト)。緑マナと、貪り尽くす自然の飢えの体現である。
登場記事
脚注
- ↑ Rivals of Ixalan Promos, Packaging, and More/『イクサランの相克』のプロモカード、各種製品のパッケージなど(News 2017年12月11日 Blake Rasmussen著)
- ↑ A Rivals No Other Part 2/他ならぬ『相克』 その2(Making Magic 2018年1月15日 Mark Rosewater著)