MoMa
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MoMa(モマ)は、マジック史上最強クラスのコンボデッキ。名前の由来は、キーカードの精神力/Mind Over Matterのカード名と、ニューヨーク近代美術館/The Museum of Modern Art, New Yorkの略称MoMAを引っ掛けたもの。
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概要
エンチャント
カードを1枚捨てる:アーティファクト1つかクリーチャー1体か土地1つを対象とする。あなたはそれをタップまたはアンタップしてもよい。
アーティファクト
魔力の櫃はあなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、あなたは(4)を支払ってもよい。そうしたなら、魔力の櫃をアンタップする。
あなたのドロー・ステップの開始時に、魔力の櫃がタップ状態である場合、それはあなたに1点のダメージを与える。
(T):(◇)(◇)(◇)を加える。
基本的な動きは以下の通り。魔力の櫃/Mana Vaultや水蓮の花びら/Lotus Petal等の軽マナ・アーティファクトを並べ、トレイリアのアカデミー/Tolarian Academyで大量のマナが出せるような状況を作る。さらに意外な授かり物/Windfallや時のらせん/Time Spiralで手札を補充し、精神力/Mind Over Matterで手札を更に大量のマナに変え、その莫大なマナをもって相手に止めを刺す。止めのカードとしてはドローを兼ねたX火力として天才のひらめき/Stroke of Geniusがメインであるが、タワーデッキ等のライブラリーアウトがほぼ効かない相手や、60マナを生み出せず、少ないマナで止めを刺す必要が出てきた時の保険に、火の玉/Fireballも採用されることが多かった。
火の玉を採用すること、またゲームの半分以上がミラーマッチになりかねない程のMoMaの海において、紅蓮破/Pyroblast等の色対策カード(エクステンデッドではゴリラのシャーマン/Gorilla Shamanなどのマナ・アーティファクト破壊)を使うためもあって、タッチ赤のタイプが主流になった。
当時のスタンダードの禁止カード10枚の内6枚の原因となり、全ての構築環境を荒れさせ「MoMaの冬」を生み出した。その凶悪さは、
今のゲームは3つのステップに分かれている。
第一段階(序盤)がコイントス。
第二段階(中盤)がマリガンチェック。
第三段階(終盤)が――先手第一ターンだ。
と言う、傍から見ればとんでもないジョークを生み出す原因となったほどである。実際、カード・プールの狭いスタンダードですら1ターンキルの発生する確率が5%を超えていたのである。カードプールの広がるエクステンデッドやヴィンテージ(当時はType1)ではもっと酷い。
手札が無いとコンボが回らないため、強いて言えば手札破壊が弱点であるとも言えるが、単に手札破壊を多めに積んだ程度ではまるで役に立たなかった。時のらせん/Time Spiral等のせいで一瞬で7枚まで手札が回復してしまうため、MoMaを機能不全に陥らせるほど手札を破壊するには完全に0枚に縛っておく必要があり、そして一般的な手札破壊の手段ではそれは無理に近かった。せいぜいコンボが途中で止まってしまうのを期待できる確率がいくらか上がると言った程度でしかなく、結局は勝つためにはMoMaより相手を早く倒す→自分もMoMaでやられる前にやる、と言った結論に達してしまうのであった。
- 高速化と安定性のために投入された魔力の櫃/Mana Vault、古えの墳墓/Ancient Tomb、真鍮の都/City of Brassによりみるみる自分のライフが削れて、マイナスになることも珍しくない。その為、バーンが対MoMaの最有力であった。
よく対戦がソリティアになってしまうと言われるが、使われる側からするとソリティアより酷い。相手が意外な授かり物や時のらせんをプレイするたび、自分もライブラリーを切り直したりカードを引いたりする必要があるので、非常に面倒なのだ。金澤尚子女史曰く、「対MoMa用サイドボードはドラムバック満タンに詰めた漫画ガラスの仮面」だそう。ゲームが始まってすぐにソリティアになってしまうので、漫画でも読んで暇をつぶしているのが一番だと言う意味らしい。
- 実はエターナルでは現在精神力/Mind Over Matterは禁止カードや制限カードでないため、もしかすると…。
- 精神壊しの罠/Mindbreak Trapで一応対策が可能。
- R&Dでは、ウルザズ・サーガの開発時からMoMaのようなデッキを組めることは知っていた。実際にテストデッキも作ってテストプレイしたのだが、結論は「勝利前に高確率で手札が尽きる。リスクの強いコンボデッキとしては妥当」。こんな結論が出てしまった理由となる最大かつ致命的ミスは、意外な授かり物/Windfallと時のらせん/Time Spiralの存在を見落としていたことである。
- 1ターンキル率の高さなど、純粋な凶悪さだけで言えばメグリムジャーやロング・デック等さらに上が居るが、MoMaはこれらと違って大きな大会で活躍する機会があったという点で一線を画する。→MoMaの冬
変遷
精神力が禁止されるまでの間に「キーカードが禁止される→代わりのカードを探す」ということを繰り返したため、時期によって大きく3つの型に分けられる。
- 初期型は上で説明された、トレイリアのアカデミーで大量のマナを出すタイプである。→初期型
- 中期型は禁止されたトレイリアのアカデミーの代わりにドリーム・ホール/Dream Hallsで精神力を戦場に出し、魔力の櫃/Mana Vaultから大量のマナを得る。→ドリームホールモマ
- 後期型はさらに禁止されたドリーム・ホールと時のらせんの代わりにそれぞれ実物提示教育/Show and Tellと先細りの収益/Diminishing Returnsを、スタンダード落ちした魔力の櫃/Mana Vaultの代わりに厳かなモノリス/Grim Monolithを用いている。→実物提示モマ
また、エクステンデッドでHigh Tideを使用するバージョンは、ハイタイドモマの名で呼ばれている。
初期型(エクステンデッド)
- 備考
- プロツアーローマ98優勝
- 使用者:Tommi Hovi
- フォーマット
MoMa [1] | |||||||||||||||
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最初期型のMoMa。つまり、禁止カードが1枚も抜けていない完全体バージョンである。当然圧倒的なまでの強さを誇り、ミラーマッチばかりになるので、その対策の為に青単色ではなく白と赤が数枚タッチされている。
初期型(スタンダード)
- 備考
- The Finals98優勝
- 使用者:小宮忠義
- フォーマット
MoMa [2] | |||||||||||||||
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青使い、デッキチューナーとして名高い小宮忠義の手により、こちらもメインで赤、サイドボードでは更に白と黒をもタッチしてミラーマッチに有利な構成となっている。紅蓮破/Pyroblastはミラーマッチにおいてだけでなく、対策カードである秘儀の研究室/Arcane Laboratoryなどにもよく効く。瞬殺コンボデッキでありながら4枚投入された不毛の大地/Wastelandも、ミラーマッチを考慮してのものである。