稲妻/Lightning Bolt

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[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]初の[[火力]][[呪文]]の1つで、最高の火力との呼び声高い[[カード]]。また、最古の[[サイクル]]を成すカードの1つでもある。
 
[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]初の[[火力]][[呪文]]の1つで、最高の火力との呼び声高い[[カード]]。また、最古の[[サイクル]]を成すカードの1つでもある。
  
1[[マナ]]で3点[[ダメージ]]と非常に効率が良い。[[タフネス]]3以下なら4マナ圏(あるいはそれ以上の)[[クリーチャー]]までも[[インスタント・タイミング]]で[[除去]]可能であり、その上、[[プレイヤー]]本体にも撃ち込めるため、特殊な状況下でない限りまったく無駄にならない。使用制限・デメリットなしの1マナ火力としては破格の高性能。このカード以上の[[コスト・パフォーマンス]]を持った火力は、黎明期でさえも作られていないし、今後も作られることはないだろう。
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1[[マナ]]で3点[[ダメージ]]と非常に効率が良い。[[タフネス]]3の中堅[[クリーチャー]]までも[[インスタント・タイミング]]で[[除去]]可能であり、その上、[[プレイヤー]]本体にも撃ち込めるため、特殊な状況下でない限りまったく無駄にならない。使用制限・デメリットなしの1マナ火力としては破格の高性能。このカード以上の[[コスト・パフォーマンス]]を持った火力は、黎明期でさえも作られていないし、今後も作られることはないだろう。
  
後に多くの[[#亜種|亜種]]が作成されているが性能は下方修正されている。そうしたバランス調整の結果生み出された[[ショック/Shock]]と[[火山の鎚/Volcanic Hammer]]([[第7版]]〜[[第9版]])、[[火葬/Incinerate]]([[第5版]]、[[第10版]])は、昨今の火力の基幹となる後継カードである。特にショックは1マナ火力の基準線(ベースライン)・標準値(デフォルト)とみなされている。
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後に多くの[[#亜種|亜種]]が作成されているが、その多くは性能が下方修正されている。そうしたバランス調整の結果生み出された[[ショック/Shock]]と[[火山の鎚/Volcanic Hammer]]([[第7版]]〜[[第9版]])、[[火葬/Incinerate]]([[第5版]]、[[第10版]])は、昨今の火力の基幹となる後継カードである。特にショックは1マナ火力の基準線(ベースライン)・標準値(デフォルト)とみなされている。
  
 
==利用==
 
==利用==
高いダメージ効率と使い勝手の良さから、赤[[単色]]から[[タッチ]]した[[デッキ]]まで、多種多様なデッキで活躍した実績を誇る。現在でもなお[[エターナル]]において、[[火炎破/Fireblast]]などと共に[[バーン]]デッキの中核を担っている。
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高いダメージ効率と使い勝手の良さから、赤[[単色]]から[[タッチ]]した[[デッキ]]まで、多種多様なデッキで活躍する。[[エターナル]]においてですら黎明期から現在まで[[バーン]]デッキの中核を担っていることからも、歴代最高の火力と言われるカードパワーが伺える。
 
*[[第4版]]以前の頃は、いわゆる[[4枚制限ルール]]に従ってデッキを構築するのはトーナメントだけというカジュアル志向のプレイヤーが多かったため、[[山/Mountain]]と稲妻だけのデッキというのもあった。
 
*[[第4版]]以前の頃は、いわゆる[[4枚制限ルール]]に従ってデッキを構築するのはトーナメントだけというカジュアル志向のプレイヤーが多かったため、[[山/Mountain]]と稲妻だけのデッキというのもあった。
  
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稲妻は[[アルファ]]から[[第4版]]まで[[基本セット]]の常連であった。しかし、[[第5版]]では「[[カードパワー]]の割に低コスト」という理由で収録されず、代わりに[[火葬/Incinerate]]が収録された(Taming the Flames([[Duelist]]誌17号の記事))。
 
稲妻は[[アルファ]]から[[第4版]]まで[[基本セット]]の常連であった。しかし、[[第5版]]では「[[カードパワー]]の割に低コスト」という理由で収録されず、代わりに[[火葬/Incinerate]]が収録された(Taming the Flames([[Duelist]]誌17号の記事))。
  
そうして何年も経った[[基本セット2010]]で復帰することになる。これは基本セット2010の目玉として公式記事やファンサイトなどで度々取り上げられた。新規の[[フレイバー・テキスト]]も、この大方の予想を裏切る再録に合わせた凝ったものが用意された。
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そうして何年も経った[[基本セット2010]]で復帰することになる。これは基本セット2010の目玉として公式記事やファンサイトなどで度々取り上げられた。新規の[[フレイバー・テキスト]]も、久々の再録に相応しいものが用意された。
 
{{フレイバーテキスト|火花魔道士は叫び、彼が若かった頃の嵐の怒りを呼び起こそうとした。 驚いたことに、空はもう再び見られないと思った恐るべき力で応えた。}}
 
{{フレイバーテキスト|火花魔道士は叫び、彼が若かった頃の嵐の怒りを呼び起こそうとした。 驚いたことに、空はもう再び見られないと思った恐るべき力で応えた。}}
 
再録について[[Mark Rosewater|マーク・ローズウォーター]]は[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/46 Drop and Give Me 2010](邦訳:[http://mtg-jp.com/reading/000433/ さあ2010だ])で2つの理由を挙げて説明している。第一の理由は、クリーチャーのカードパワーが向上したことで、相対的に稲妻のカードパワーが下がったためとされる。
 
再録について[[Mark Rosewater|マーク・ローズウォーター]]は[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/46 Drop and Give Me 2010](邦訳:[http://mtg-jp.com/reading/000433/ さあ2010だ])で2つの理由を挙げて説明している。第一の理由は、クリーチャーのカードパワーが向上したことで、相対的に稲妻のカードパワーが下がったためとされる。
  
 
そして、より重要な第二の理由とは、基本セット2010においても依然として1マナ火力の基準線は[[ショック/Shock]]であるものの、ゲーム上、稲妻が存在しても許容範囲内に収まると判断されたこと。つまり、[[R&D]]によってゲームが慎重にコントロールされるならば、稲妻のようなパワーカードの存在も許されるという方針が理由である。これは将来的に基本セットの常連として稲妻が返り咲いたわけではなく、あくまで制限付の一時的な復帰とされる(ローズウォーターは稲妻とは別のパワーカードの将来的な基本セット再録の可能性すら示唆している)。
 
そして、より重要な第二の理由とは、基本セット2010においても依然として1マナ火力の基準線は[[ショック/Shock]]であるものの、ゲーム上、稲妻が存在しても許容範囲内に収まると判断されたこと。つまり、[[R&D]]によってゲームが慎重にコントロールされるならば、稲妻のようなパワーカードの存在も許されるという方針が理由である。これは将来的に基本セットの常連として稲妻が返り咲いたわけではなく、あくまで制限付の一時的な復帰とされる(ローズウォーターは稲妻とは別のパワーカードの将来的な基本セット再録の可能性すら示唆している)。
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その後、[[基本セット2011]]でも再録。
 
==関連カード==
 
==関連カード==
 
===サイクル===
 
===サイクル===
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*[[ふにゃふにゃ/Searing Touch]]([[バイバック]])
 
*[[ふにゃふにゃ/Searing Touch]]([[バイバック]])
 
*[[欠片の飛来/Shard Volley]]
 
*[[欠片の飛来/Shard Volley]]
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*[[炎の斬りつけ/Flame Slash]]
 
===下位互換===
 
===下位互換===
 
非常にたくさんの下位互換が存在する。
 
非常にたくさんの下位互換が存在する。
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*初期のマジックにおいてクリーチャー評価(主に酷評)の基準に使われていた。どんなに性能が高いクリーチャーでも、それがタフネス3以下であれば、曰く「所詮稲妻一発で落とされる」というように。
 
*初期のマジックにおいてクリーチャー評価(主に酷評)の基準に使われていた。どんなに性能が高いクリーチャーでも、それがタフネス3以下であれば、曰く「所詮稲妻一発で落とされる」というように。
 
**また、「タフネスが低いが高性能のクリーチャー」を表す用語「[[ボルトベイト]]」の語源でもある。
 
**また、「タフネスが低いが高性能のクリーチャー」を表す用語「[[ボルトベイト]]」の語源でもある。
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**基本セット2010以降の環境でも同様に、タフネス4以上が「稲妻で焼けない」を根拠に一つのステータスとされる。
 
*これと[[火炎破/Fireblast]]のおかげで、「赤相手でライフ一桁は秒読み段階」などとすら言われたこともあった。
 
*これと[[火炎破/Fireblast]]のおかげで、「赤相手でライフ一桁は秒読み段階」などとすら言われたこともあった。
 
*[[カード名]]をかな表記する場合は「いなづま」ではなく「いなずま」が正しい。
 
*[[カード名]]をかな表記する場合は「いなづま」ではなく「いなずま」が正しい。
**これはマジックの話で、現代日本語では音韻主義に従って「いなずま」が本則とされているものの、語源を考えて「いなづま」と書いてもかまわない。ただし、一般的な日本語入力システムは「いなづま」から「稲妻」への漢字変換ができないことが象徴しているように、近年はあまり使われない表記である。
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**これはマジックの話で、現代日本語では音韻主義に従って「いなずま」が本則とされているものの、語源を考えて「いなづま」と書いてもかまわない。ただし、多くの日本語入力システムで「いなづま」から「稲妻」への漢字変換ができないことが象徴しているように、近年はあまり使われない表記である。
  
 
==参考==
 
==参考==

2010年11月6日 (土) 01:57時点における版


Lightning Bolt / 稲妻 (赤)
インスタント

クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。稲妻はそれに3点のダメージを与える。


マジック初の火力呪文の1つで、最高の火力との呼び声高いカード。また、最古のサイクルを成すカードの1つでもある。

1マナで3点ダメージと非常に効率が良い。タフネス3の中堅クリーチャーまでもインスタント・タイミング除去可能であり、その上、プレイヤー本体にも撃ち込めるため、特殊な状況下でない限りまったく無駄にならない。使用制限・デメリットなしの1マナ火力としては破格の高性能。このカード以上のコスト・パフォーマンスを持った火力は、黎明期でさえも作られていないし、今後も作られることはないだろう。

後に多くの亜種が作成されているが、その多くは性能が下方修正されている。そうしたバランス調整の結果生み出されたショック/Shock火山の鎚/Volcanic Hammer第7版第9版)、火葬/Incinerate第5版第10版)は、昨今の火力の基幹となる後継カードである。特にショックは1マナ火力の基準線(ベースライン)・標準値(デフォルト)とみなされている。

利用

高いダメージ効率と使い勝手の良さから、赤単色からタッチしたデッキまで、多種多様なデッキで活躍する。エターナルにおいてですら黎明期から現在までバーンデッキの中核を担っていることからも、歴代最高の火力と言われるカードパワーが伺える。

  • 第4版以前の頃は、いわゆる4枚制限ルールに従ってデッキを構築するのはトーナメントだけというカジュアル志向のプレイヤーが多かったため、山/Mountainと稲妻だけのデッキというのもあった。

基本セット収録とカードパワー

稲妻はアルファから第4版まで基本セットの常連であった。しかし、第5版では「カードパワーの割に低コスト」という理由で収録されず、代わりに火葬/Incinerateが収録された(Taming the Flames(Duelist誌17号の記事))。

そうして何年も経った基本セット2010で復帰することになる。これは基本セット2010の目玉として公式記事やファンサイトなどで度々取り上げられた。新規のフレイバー・テキストも、久々の再録に相応しいものが用意された。

火花魔道士は叫び、彼が若かった頃の嵐の怒りを呼び起こそうとした。 驚いたことに、空はもう再び見られないと思った恐るべき力で応えた。

再録についてマーク・ローズウォーターDrop and Give Me 2010(邦訳:さあ2010だ)で2つの理由を挙げて説明している。第一の理由は、クリーチャーのカードパワーが向上したことで、相対的に稲妻のカードパワーが下がったためとされる。

そして、より重要な第二の理由とは、基本セット2010においても依然として1マナ火力の基準線はショック/Shockであるものの、ゲーム上、稲妻が存在しても許容範囲内に収まると判断されたこと。つまり、R&Dによってゲームが慎重にコントロールされるならば、稲妻のようなパワーカードの存在も許されるという方針が理由である。これは将来的に基本セットの常連として稲妻が返り咲いたわけではなく、あくまで制限付の一時的な復帰とされる(ローズウォーターは稲妻とは別のパワーカードの将来的な基本セット再録の可能性すら示唆している)。

その後、基本セット2011でも再録。

関連カード

サイクル

ブーンズマジック黎明期の基本セットに収録されたサイクルであり、すべて1マナで3つ分の何かを発生させる。

それぞれ各の特徴をよく表しているが、そのカードパワーには大きなばらつきがある。

亜種

X火力でない火力は全てこれの亜種といえる。以下には1マナで3点(以上の)ダメージを与えうるカードに絞って例示する。また、1マナ2点ダメージの系譜はショック/Shockを、2マナ3点ダメージの系譜は火葬/Incinerateなどを参照。

下位互換

非常にたくさんの下位互換が存在する。

その他

  • 初期のジャッジ褒賞カードとしてFoil版が作成されている。この頃はDCIマークが入っていないなど、過渡期を思わせるデザインである。
  • 初期のマジックにおいてクリーチャー評価(主に酷評)の基準に使われていた。どんなに性能が高いクリーチャーでも、それがタフネス3以下であれば、曰く「所詮稲妻一発で落とされる」というように。
    • また、「タフネスが低いが高性能のクリーチャー」を表す用語「ボルトベイト」の語源でもある。
    • 基本セット2010以降の環境でも同様に、タフネス4以上が「稲妻で焼けない」を根拠に一つのステータスとされる。
  • これと火炎破/Fireblastのおかげで、「赤相手でライフ一桁は秒読み段階」などとすら言われたこともあった。
  • カード名をかな表記する場合は「いなづま」ではなく「いなずま」が正しい。
    • これはマジックの話で、現代日本語では音韻主義に従って「いなずま」が本則とされているものの、語源を考えて「いなづま」と書いてもかまわない。ただし、多くの日本語入力システムで「いなづま」から「稲妻」への漢字変換ができないことが象徴しているように、近年はあまり使われない表記である。

参考

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