致命的な一押し/Fatal Push
提供:MTG Wiki
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それのマナ総量が2以下であるなら、それを破壊する。
紛争 ― このターンにあなたがコントロールするパーマネントが戦場を離れていたなら、代わりに、そのクリーチャーのマナ総量が4以下であるなら、それを破壊する。
通常では2マナ以下、紛争を達成すれば4マナまで圏内に入るクリーチャー除去。過去のカードで見れば燻し/Smotherのバリエーションと言える。
若干の制限こそあるが、1マナのインスタントにして色やP/Tなどを問わず代償となるペナルティなども設定されていないという扱いやすさは大きな魅力。紛争を満たしやすいようにデッキを工夫して使いたいのは当然としても、紛争を達成しなくてもキランの真意号/Heart of Kiranや巻きつき蛇/Winding Constrictorなど即座に除去したいような強力カードも十分射程圏内に入っており、汎用性が高い。5マナ以上のクリーチャーには手出しできない欠点はあるが、デッキ構築やプレイングで十分カバーできる。
スタンダードではマルドゥ機体や黒緑ビートダウンなど、黒が含まれるデッキではほぼ必ず採用される。上記の通り大型クリーチャーには隙があるため、メインデッキに何枚投入するかはメタの読みどころである。
モダン以下のフォーマットでは、スタンダード以上に活躍の機会は多い。フェッチランドの存在により紛争の達成が非常に容易であることに加え、強力な低マナ・コスト域のクリーチャーが豊富に存在するためである。特にモダンにおいては同時期に死の影系のデッキが隆盛したこともあり、それまでの除去の基準である稲妻/Lightning Boltよりも優先して採用されることも多い。似たような性質の突然の衰微/Abrupt Decayの存在も相まって「高コストであることは除去耐性である」という価値基準さえ生まれるほどに環境全体に影響を与えている。
- 適正な対象は「クリーチャー1体」である。それが破壊できる点数で見たマナ・コストかは、致命的な一押しの解決時に参照する。
- 例えば「反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defianceの1番目の能力や続唱でめくれた時に、3~4マナのクリーチャーを対象に取っておいて、解決前に紛争を達成する」と言ったプレイングができる。
- 逆に、対象の変更で点数で見たマナ・コストが5以上のクリーチャーにそらされることもあり得る。
- イニストラードを覆う影ブロック発売に伴うルール変更によって、変身する両面クリーチャーの第2面の点数で見たマナ・コストを参照する際は、第1面のマナ・コストに基づいた値を参照することになった点に注意。
- モダン環境における、クリーチャー除去の最強色が流刑への道/Path to Exileを有する白、というカラーパイに反する状況を受けてデザインされたカード。最大の力を発揮するために紛争の達成を必要とすることによって、スタンダードとモダンの両方でバランスが取れるようにされた[1]。
- Reid Dukeはこのカードの登場を、マジックを永遠に変えた出来事であると表現している。モダンでのこのカードは稲妻よりはるかに優れていて、また多くのケースで(モダンのパワーレベルを超えている)剣を鍬に/Swords to Plowsharesよりも優れていると評した[2]。
- Alex Konstadによる新規イラストで2017年9月のフライデー・ナイト・マジック・プロモーション・カードとして配布される、また、配布月が変更になったことによりコレクター番号は008/012になっている[3]。
- ダブルマスターズのボックス・トッパー版のイラストは、霊気紛争版のイラストの続きとなっている。
脚注
- ↑ モダンに狙いを向ける(Latest Developments 2017年1月20日 Sam Stoddard著)
- ↑ Modern Jund Deck Guide By Reid Duke // 1 Jun, 2017(Channel Fireball 2017年6月1日 Reid Duke著)
- ↑ 7月~9月のフライデー・ナイト・マジック プロモカード更新(News 2017年5月22日 Blake Rasmussen著)