暗黒の儀式/Dark Ritual

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(他のページと書式統一)
 
(31人の利用者による、間の43版が非表示)
1行: 1行:
 
{{#card:Dark Ritual}}
 
{{#card:Dark Ritual}}
==解説==
 
[[マジック]]史上初の[[サイクル]]を成す[[カード]]の1つで、最[[軽い|軽量]]にして最高の[[マナ加速]]の1つ。[[青]]を除く他の[[色]]に比べ、やや遅くなりがちな[[黒]]の速さを支えてきた、当時の黒使いなら誰でも使用したことのある[[カード]]。
 
  
1[[マナ]]使用して生まれるマナは3マナ。実質2マナしか増えず、[[ハンド・アドバンテージ]]を失ってはいるのだが、序盤のうちに2マナ上の[[クリーチャー]][[呪文]][[プレイ]]できる[[カードパワー]]は半端ではない(特に1[[ターン]]目にこれ経由の[[惑乱の死霊/Hypnotic Specter]]、通称[[A定食]]の凶悪さが有名)。ゲーム中盤以降も、[[生命吸収/Drain Life]]の様な[[X]]系呪文の増強や[[Order of the Ebon Hand]]などの[[パンプアップ]]に用いられ、無駄にはならない。
+
[[ブーンズ]]の1つ。[[黒マナ]]2点分の一時的な[[マナ加速]]を行う。他の[[]]に比べ遅くなりがちな[[]]の速さを支えてきた、当時の[[プレイヤー]]なら誰でも使用したことのある[[カード]]
  
[[スタンダード]][[落ちる|落ち]]してもその脅威は止まることなく、主に様々な凶悪[[コンボ]]のお供として猛威を振るった。
+
このカードの[[効果]]自体は[[ハンド・アドバンテージ]]を失っているのだが、序盤のうちに2[[マナ]]上の[[呪文]]を[[唱える]]ことができる[[カードパワー]]は半端ではない。特に1[[ターン]]目の、これによるマナ加速から[[惑乱の死霊/Hypnotic Specter]]を唱える、通称「[[A定食]]」が恐れられた。[[ゲーム]]中盤以降も、[[生命吸収/Drain Life]]のような[[X]]系呪文の増強や[[Order of the Ebon Hand]]などの[[パンプアップ]]に用いられ、[[腐る]]ことがない。
  
かつては[[基本セット]]や大型[[エキスパンション]]の常連であったが、[[第6版]]で[[再録]]されなかったのを皮切りに[[インベイジョン]]・[[オデッセイ]]の未収録、更には[[エクステンデッド]]での禁止などの経過をも含んだ後に、[[スタンダード]]を去ることになった。そして現在では一時的なマナ加速が[[赤]]に移っており、完全に再録への道を絶たれたと言っても良いだろう。
+
[[スタンダード]][[落ちる|落ち]]してもその脅威は止まることなく、主に様々な[[コンボデッキ]]のお供として猛威を振るった。特に[[ストーム]]の登場後は[[TPS]][[アド・ストーム]]などにおいて依然活躍している。
===ルール===
+
2000/04/01より、[[エクステンデッド]]において[[禁止カード]]となる。現在、公式の[[フォーマット]]では[[エターナル]][[環境]]でしか使えない。
+
  
これは[[マナ能力]]ではないので、[[コスト]]の[[支払う|支払い]]を求められた時に[[プレイ]]することはできない。そのため、そのような[[呪文]]や[[能力]][[対応して]]プレイする必要がある。
+
[[コモン]]なので[[パウパー]]でも使用可能。各種[[ストーム (デッキ)#パウパー|ストームデッキ]]で使用されたほか、[[ディミーア・イニシアチブ]]や[[ターボ・イニシアチブ]]では[[物騒なバトルレイジャー/Vicious Battlerager]]などを高速で展開するために使用された。
 +
 
 +
かつては[[基本セット]]や大型[[エキスパンション]]の常連であったが、[[第6版|第6版]]で[[再録]]されなかったのを皮切りに[[インベイジョン]]・[[オデッセイ]]の未収録、更には[[エクステンデッド]]での[[禁止カード|禁止]]などの経過をも含んだ後に、[[スタンダード]]を去ることになった。そして現在では一時的なマナ加速が[[赤]]に移っており(参照:[[色の役割]])、完全に再録への道を絶たれたと言ってもよいだろう。
 +
 
 +
*これは[[マナ能力]]と違って、呪文を唱えている間や[[能力]]の[[起動]]中、それらの[[解決]]中に[[コスト]]の[[支払う|支払い]]を求められても唱えることができない。そのため、あらかじめこれを唱え解決してマナを出してから唱えたり起動を開始するか、支払いを求めてくる呪文や能力そのものに[[対応して]]唱える必要がある。
 +
**かつて[[マナ・バーン]]があった頃は、「暗黒の儀式に対応して[[オアリムの詠唱/Orim's Chant]]を唱えられて無駄になった上マナ・バーン」や、「[[マナ漏出/Mana Leak]]に対応して唱えたらマナ漏出は[[撹乱/Disrupt]]で引っ込められてマナ・バーン」といったようなパターンがあり得た。
 +
 
 +
[[2000年]]4月1日より、[[エクステンデッド]]において[[禁止カード]]となる。
 +
 
 +
==カードの変遷==
 +
[[カード・タイプ]]は、ルールの変更などにより[[インタラプト]]→[[マナ・ソース]]→[[インスタント]]という変遷を経た。そして、単なる[[エラッタ]]だけではなく、エキスパンションによってそれぞれの時代の表記で印刷されたカードが存在する(カード画像:{{Gatherer|id=2096|インタラプト}}/{{Gatherer|id=3836|マナ・ソース}}/{{Gatherer|id=19592|インスタント}})。長期に渡って[[再録]]され続けてきたカードならではの現象である。
 +
 
 +
*マナ・ソースであった時代はルール上「[[打ち消されない]]」カードであった。これは、マナ・ソース(と、[[生け贄に捧げる|生け贄]]などの「コストの支払い」)は「何者にも阻害されない」ことになっていたため(もちろんインスタントとなった現在は[[打ち消す|打ち消し]]可能)。とはいえ、普通は単にマナを出すだけのこのカードよりも、これに続いて唱えられた呪文の方を打ち消せばよかったため、それほど大きな問題ではなかった。
 +
**当時、[[骨の玉座/Throne of Bone]]や[[アーボーグのプーラージ/Purraj of Urborg]]などの能力は、「黒の呪文を[[かけるのに成功したとき]]にのみ[[起動]]可能な能力」であったが、マナ・ソースは打ち消されないため、確実に起動することができた。
 +
***現在では[[打ち消されない]]呪文や[[刹那]]を持つ呪文が存在するため、こちらを打ち消すプレイングは充分あり得る。特に[[レガシー]]では[[ストーム]]系デッキが存在しており、これも単なる打ち消しでは対処できない。
 +
 
 +
==関連カード==
 +
[[リミテッド・エディション]]の黒のマナ加速には、[[クリーチャー]]をマナに変換する[[生け贄/Sacrifice]]がある。そちらはこれとは別系統の黒マナ加速の系譜を生んでいる。詳細は[[生け贄/Sacrifice]]の項を参照。
 +
 
 +
赤に移った一時的なマナ加速呪文については[[煮えたぎる歌/Seething Song]]の項を参照。
 +
===サイクル===
 +
{{サイクル/ブーンズ}}
 +
===主な亜種===
 +
[[黒]]のマナ加速。
 +
*[[忌むべき者の歌/Songs of the Damned]] - [[墓地]]にあるクリーチャー・カードの数だけ[[黒マナ]]を生み出す。1マナ。([[アイスエイジ]])
 +
*[[ギックスの僧侶/Priest of Gix]] - [[ETB]][[能力]]で黒マナ3つを生み出す[[クリーチャー]]。3マナ2/1。([[ウルザズ・サーガ]])
 +
*[[沼の妖術使い/Bog Witch]] - 暗黒の儀式の[[スペルシェイパー]]。3マナ1/1。([[メルカディアン・マスクス]])
 +
*[[陰謀団の儀式/Cabal Ritual]] - 通常は黒マナ3つを生み出すが、[[スレッショルド]]に達していると代わりに黒マナ5つを生み出す。2マナ。([[トーメント]])
 +
[[生け贄に捧げる|生け贄]]を要求する[[生け贄/Sacrifice]]系のマナ加速はそちらの項目を参照。
  
ルールの変更などにより[[インタラプト]]→[[マナ・ソース]]→[[インスタント]]という変遷を経た。そして、単なる[[エラッタ]]だけではなく、エキスパンションによってそれぞれのカテゴリの表記で印刷されたカードが存在する。長期に渡って[[再録]]され続けてきたカードならではの現象である。
 
*[[マナ・ソース]]であった時代はルール上「[[カウンター]]できない」[[カード]]であった。これは、マナ・ソース(と、[[生け贄に捧げる|生け贄]]などの「[[コスト]]の[[支払う|支払い]]」)は「何者にも阻害されない」ことになっていたため(もちろん[[インスタント]]となった現在はカウンター可能)。とはいえ、普通は単に[[マナ]]を出すだけのこのカードよりも、これに続いて[[プレイ]]された[[呪文]]の方をカウンターすればよかったためそれほど大きな問題ではなかった。
 
**当時は[[骨の玉座/Throne of Bone]]や[[アーボーグのプーラージ/Purraj of Urborg]]などの[[能力]]は、「[[黒]]の[[呪文]]を[[かけるのに成功したとき]]」にのみ[[プレイ]]可能であったが、[[マナ・ソース]]は打ち消されないため、確実にプレイすることができた。
 
===関連カード===
 
[[アルファ]]の黒のマナ加速には、クリーチャーをマナに変換する[[Sacrifice]]がある。そちらはこれとは別系統の黒マナ加速の系譜を生んでいる。
 
{{Template:サイクル/5ブーンカード}}
 
====亜種====
 
[[黒]]の[[マナ]]加速。[[生け贄]]を要求する[[Sacrifice]]系のマナ加速は除外。
 
*[[Songs of the Damned]]
 
*[[ギックスの僧侶/Priest of Gix]]([[cip]])
 
*[[沼の妖術使い/Bog Witch]]([[スペルシェイパー]])
 
*[[陰謀団の儀式/Cabal Ritual]]([[スレッショルド]])
 
 
==その他==
 
==その他==
長年親しまれただけあって、様々なイラストレーターにその{{Gatherer|Dark Ritual}}が描かれている。最終的には[[メルカディアン・マスクス]]における[[Foil]]まで登場しており、その点において[[対抗呪文/Counterspell]]と共に恵まれている。
+
*長年親しまれただけあって、様々な[[アーティスト]]にその{{Gatherer|Dark Ritual|イラスト}}が描かれている。[[From the Vault:Twenty]][[Amonkhet Invocations]]といった特殊なセットにも収録されており、その点において[[対抗呪文/Counterspell]]と共に恵まれている。
*対抗呪文より恵まれているとすれば、[[コールドスナップ]][[テーマデッキ]]で日本語版[[新枠]]が手に入ることだろうか。ファンにとって喜ばしい限りである。
+
*惑乱の死霊のほか、3~4マナの大きめのデメリットをもつ代わりに[[サイズ]]に優れたクリーチャーを高速で[[展開]]する戦法は長い間黒の定番だったので、新しくそういったカードが出るたびに「暗黒の儀式があれば活躍できるのに」というのがテンプレート的なジョークだった。
 +
 
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[カード個別評価:メルカディアン・マスクス]] - [[コモン]]
 
*[[カード個別評価:メルカディアン・マスクス]] - [[コモン]]
38行: 51行:
 
*[[カード個別評価:リバイズド]] - [[コモン]]
 
*[[カード個別評価:リバイズド]] - [[コモン]]
 
*[[カード個別評価:アンリミテッド]] - [[コモン]]
 
*[[カード個別評価:アンリミテッド]] - [[コモン]]
 +
*[[カード個別評価:マスターズ25th]] - [[コモン]]
 +
*[[カード個別評価:Tempest Remastered]] - [[コモン]]
 +
*[[カード個別評価:Vintage Masters]] - [[コモン]]
 +
*[[カード個別評価:Masters Edition 4]] - [[コモン]]
 +
*[[カード個別評価:ミスティカルアーカイブ]] - [[レア]]
 +
*[[Secret Lair Drop Series/2022年#The Art of Frank Frazetta|Secret Lair Drop Series: The Art of Frank Frazetta]]
 +
*[[From the Vault:Twenty]]
 +
*[[Amonkhet Invocations]]
 +
__NOTOC__

2024年9月5日 (木) 11:15時点における最新版


Dark Ritual / 暗黒の儀式 (黒)
インスタント

(黒)(黒)(黒)を加える。


ブーンズの1つ。黒マナ2点分の一時的なマナ加速を行う。他のに比べ遅くなりがちなの速さを支えてきた、当時のプレイヤーなら誰でも使用したことのあるカード

このカードの効果自体はハンド・アドバンテージを失っているのだが、序盤のうちに2マナ上の呪文唱えることができるカードパワーは半端ではない。特に1ターン目の、これによるマナ加速から惑乱の死霊/Hypnotic Specterを唱える、通称「A定食」が恐れられた。ゲーム中盤以降も、生命吸収/Drain LifeのようなX系呪文の増強やOrder of the Ebon Handなどのパンプアップに用いられ、腐ることがない。

スタンダード落ちしてもその脅威は止まることなく、主に様々なコンボデッキのお供として猛威を振るった。特にストームの登場後はTPSアド・ストームなどにおいて依然活躍している。

コモンなのでパウパーでも使用可能。各種ストームデッキで使用されたほか、ディミーア・イニシアチブターボ・イニシアチブでは物騒なバトルレイジャー/Vicious Battleragerなどを高速で展開するために使用された。

かつては基本セットや大型エキスパンションの常連であったが、第6版再録されなかったのを皮切りにインベイジョンオデッセイの未収録、更にはエクステンデッドでの禁止などの経過をも含んだ後に、スタンダードを去ることになった。そして現在では一時的なマナ加速がに移っており(参照:色の役割)、完全に再録への道を絶たれたと言ってもよいだろう。

  • これはマナ能力と違って、呪文を唱えている間や能力起動中、それらの解決中にコスト支払いを求められても唱えることができない。そのため、あらかじめこれを唱え解決してマナを出してから唱えたり起動を開始するか、支払いを求めてくる呪文や能力そのものに対応して唱える必要がある。

2000年4月1日より、エクステンデッドにおいて禁止カードとなる。

[編集] カードの変遷

カード・タイプは、ルールの変更などによりインタラプトマナ・ソースインスタントという変遷を経た。そして、単なるエラッタだけではなく、エキスパンションによってそれぞれの時代の表記で印刷されたカードが存在する(カード画像:インタラプト/マナ・ソース/インスタント)。長期に渡って再録され続けてきたカードならではの現象である。

  • マナ・ソースであった時代はルール上「打ち消されない」カードであった。これは、マナ・ソース(と、生け贄などの「コストの支払い」)は「何者にも阻害されない」ことになっていたため(もちろんインスタントとなった現在は打ち消し可能)。とはいえ、普通は単にマナを出すだけのこのカードよりも、これに続いて唱えられた呪文の方を打ち消せばよかったため、それほど大きな問題ではなかった。

[編集] 関連カード

リミテッド・エディションの黒のマナ加速には、クリーチャーをマナに変換する生け贄/Sacrificeがある。そちらはこれとは別系統の黒マナ加速の系譜を生んでいる。詳細は生け贄/Sacrificeの項を参照。

赤に移った一時的なマナ加速呪文については煮えたぎる歌/Seething Songの項を参照。

[編集] サイクル

ブーンズマジック黎明期の基本セットに収録されたサイクルであり、すべて1マナで3つ分の何かを発生させる。

それぞれ各の特徴をよく表しているが、そのカードパワーには大きなばらつきがある。

[編集] 主な亜種

のマナ加速。

生け贄を要求する生け贄/Sacrifice系のマナ加速はそちらの項目を参照。

[編集] その他

  • 長年親しまれただけあって、様々なアーティストにそのイラストが描かれている。From the Vault:TwentyAmonkhet Invocationsといった特殊なセットにも収録されており、その点において対抗呪文/Counterspellと共に恵まれている。
  • 惑乱の死霊のほか、3~4マナの大きめのデメリットをもつ代わりにサイズに優れたクリーチャーを高速で展開する戦法は長い間黒の定番だったので、新しくそういったカードが出るたびに「暗黒の儀式があれば活躍できるのに」というのがテンプレート的なジョークだった。

[編集] 参考

QR Code.gif