創案の火/Fires of Invention
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− | [[呪文]]を[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]ことができるようになる[[エンチャント]] | + | [[呪文]]を[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]ことができるようになる[[エンチャント]]。当然ながらなんでも[[唱える|唱え]]放題というわけはなく、「[[あなた|自分]]の[[ターン]]中に2つまでしか唱えられない」とタイミングおよび回数の制限がかかり、踏み倒せる呪文も「[[マナ総量]]が[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している[[土地]]の数以下」と[[重い|重さ]]の上限がある。 |
− | 制限こそあれ、[[色]]も[[カード・タイプ]] | + | 制限こそあれ、[[色]]も[[カード・タイプ]]も問わず、何回でも[[コスト]]を踏み倒せる[[効果]]は非常に強力であり、それが[[シングルシンボル]]4[[マナ]]と極めて唱えやすい実用的なコストで設置できるというのは破格。またその制限も、「土地の数に依存」「1ターンに2回まで」と一見厳しくも思えるが、そもそもたいていのデッキでは土地の数までの呪文しか唱えられないのは当たり前だし、それだけ重い呪文は2回以上唱えるのは難しいわけであるから、実際にはさほど厳しい制限でもない。むしろ「通常の2倍のマナ効率で呪文を唱えられる」という解釈もでき、十分過ぎる[[テンポ・アドバンテージ]]を稼げる。 |
最速で出したとしても大抵の[[リセットカード]]にはすぐ手が届くので、適正な呪文が2枚もあれば劣勢の盤面をひっくり返すことは容易い。同時に登場した[[願いのフェイ/Fae of Wishes]]とは非常に相性が良く、1つ目で[[サイドボード]]から引っ張ってきたカードを2つ目として即座に唱えることができるため、[[ウィッシュボード]]に特化すれば万能に程近い対応が可能となる。 | 最速で出したとしても大抵の[[リセットカード]]にはすぐ手が届くので、適正な呪文が2枚もあれば劣勢の盤面をひっくり返すことは容易い。同時に登場した[[願いのフェイ/Fae of Wishes]]とは非常に相性が良く、1つ目で[[サイドボード]]から引っ張ってきたカードを2つ目として即座に唱えることができるため、[[ウィッシュボード]]に特化すれば万能に程近い対応が可能となる。 | ||
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+ | 踏み倒して唱えるのは任意であるため、同時に登場した[[アイレンクラッグの妙技/Irencrag Feat]]と組み合わせて大量の[[マナ]]から重量級の呪文につなげるのも一つの手。3枚からの[[コンボ]]にはなるが、土地5枚から[[灯争大戦]]の終焉[[サイクル]]を[[X]]=10で唱えることも可能。[[破滅の終焉/Finale of Devastation]]から[[炎の大口、ドラクセス/Drakuseth, Maw of Flames]]を呼び出せば[[攻撃]][[誘発]]で[[ブロッカー]]を排除しつつ最大21点もの[[ダメージ]]を単独で[[対戦相手]]に叩き込むことができる。 | ||
また、[[起動型能力]]については踏み倒しこそできないものの何の制限も掛からず、使い道がなくなっているマナを注ぎ込めるので、強力な起動型能力を持つ[[パーマネント]]カードとの相性も非常に良い。特に[[炎の騎兵/Cavalier of Flame]]、[[帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King]]、[[ヴァントレス城/Castle Vantress]]との相性は特筆に値する。 | また、[[起動型能力]]については踏み倒しこそできないものの何の制限も掛からず、使い道がなくなっているマナを注ぎ込めるので、強力な起動型能力を持つ[[パーマネント]]カードとの相性も非常に良い。特に[[炎の騎兵/Cavalier of Flame]]、[[帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King]]、[[ヴァントレス城/Castle Vantress]]との相性は特筆に値する。 | ||
− | + | とはいえやはり呪文を唱える数やタイミングが制限されるのは時に厄介。このカードを[[割る]]ないし[[回収]]することで制限をうまく外すという[[プレイング]]は常に頭の片隅に入れておくべきだろう。実際、[[時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler]]による[[バウンス]]、[[次元の浄化/Planar Cleansing]]によるリセットに巻き込む、[[空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad]]で[[明滅]]して一時的に空白期間を作るといった様々な方法が用いられた。 | |
− | + | 登場から[[禁止カード]]に指定されるまでの間、[[スタンダード]]ではこのカードを中心とするデッキが形を変えながら常に[[メタゲーム|メタ]]の一角となっており、[[創案の火|ファイアーズ]]と総称される。 | |
*マナが余るため、後続の呪文に対しては[[火消し/Quench]]系のマナを要求する[[不確定カウンター]]がほぼ無効になる。その系統の呪文を多く採用した[[パーミッション]]にとっては創案の火が[[マストカウンター]]となる。 | *マナが余るため、後続の呪文に対しては[[火消し/Quench]]系のマナを要求する[[不確定カウンター]]がほぼ無効になる。その系統の呪文を多く採用した[[パーミッション]]にとっては創案の火が[[マストカウンター]]となる。 | ||
==禁止指定== | ==禁止指定== | ||
− | [[2020年]]6月1日([[Magic: The Gathering Arena]]では6月4日)より、[[スタンダード]]で[[禁止カード]]に指定された。同時に、[[ヒストリック]]でも一時停止カードに指定された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/june-1-2020-banned-and-restricted-announcement June 1, 2020 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034028/ 2020年6月1日 禁止制限告知](News [[2020年]])6月1日 [[Ian Duke]]著)</ref>。 | + | [[2020年]]6月1日([[Magic: The Gathering Arena]]では6月4日)より、[[スタンダード]]で[[禁止カード]]に指定された。同時に、[[ヒストリック]]でも一時停止カードに指定された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/june-1-2020-banned-and-restricted-announcement June 1, 2020 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034028/ 2020年6月1日 禁止制限告知](News [[2020年]])6月1日 [[Ian Duke]]著)</ref>。その後、この禁止により前向きな影響が見られたことや、すぐに再導入しても安全と言えないと感じられたことから、2020年7月13日をもって禁止指定に移行した<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/july-13-2020-banned-and-restricted-announcement-2020-07-13 July 13, 2020 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034150/ 2020年7月13日 禁止制限告知](News [[2020年]]7月13日 [[Ian Duke]]著)</ref>。 |
[[創案の火|創案の火デッキ]]はスタンダードで高い支配率と勝率を維持しており、また環境の[[カードプール]]が増加するたびに強力さを増すという特性上、[[メタゲーム]]の働きのみでは同デッキを食い止めることはできないと判断された。さらに、このカードの存在によって将来のスタンダード用の[[カード・セット]]のデザインとバランスが大きく制限されてしまうことも問題となった。 | [[創案の火|創案の火デッキ]]はスタンダードで高い支配率と勝率を維持しており、また環境の[[カードプール]]が増加するたびに強力さを増すという特性上、[[メタゲーム]]の働きのみでは同デッキを食い止めることはできないと判断された。さらに、このカードの存在によって将来のスタンダード用の[[カード・セット]]のデザインとバランスが大きく制限されてしまうことも問題となった。 |
2021年10月14日 (木) 21:47時点における版
エンチャント
あなたは、あなたのターン中にのみ呪文を唱えることができ、各ターンに呪文を2つまで唱えることができる。
あなたは、マナ総量があなたがコントロールしている土地の総数以下の呪文を、そのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
呪文をマナ・コストを支払うことなく唱えることができるようになるエンチャント。当然ながらなんでも唱え放題というわけはなく、「自分のターン中に2つまでしか唱えられない」とタイミングおよび回数の制限がかかり、踏み倒せる呪文も「マナ総量がコントロールしている土地の数以下」と重さの上限がある。
制限こそあれ、色もカード・タイプも問わず、何回でもコストを踏み倒せる効果は非常に強力であり、それがシングルシンボル4マナと極めて唱えやすい実用的なコストで設置できるというのは破格。またその制限も、「土地の数に依存」「1ターンに2回まで」と一見厳しくも思えるが、そもそもたいていのデッキでは土地の数までの呪文しか唱えられないのは当たり前だし、それだけ重い呪文は2回以上唱えるのは難しいわけであるから、実際にはさほど厳しい制限でもない。むしろ「通常の2倍のマナ効率で呪文を唱えられる」という解釈もでき、十分過ぎるテンポ・アドバンテージを稼げる。
最速で出したとしても大抵のリセットカードにはすぐ手が届くので、適正な呪文が2枚もあれば劣勢の盤面をひっくり返すことは容易い。同時に登場した願いのフェイ/Fae of Wishesとは非常に相性が良く、1つ目でサイドボードから引っ張ってきたカードを2つ目として即座に唱えることができるため、ウィッシュボードに特化すれば万能に程近い対応が可能となる。
踏み倒して唱えるのは任意であるため、同時に登場したアイレンクラッグの妙技/Irencrag Featと組み合わせて大量のマナから重量級の呪文につなげるのも一つの手。3枚からのコンボにはなるが、土地5枚から灯争大戦の終焉サイクルをX=10で唱えることも可能。破滅の終焉/Finale of Devastationから炎の大口、ドラクセス/Drakuseth, Maw of Flamesを呼び出せば攻撃誘発でブロッカーを排除しつつ最大21点ものダメージを単独で対戦相手に叩き込むことができる。
また、起動型能力については踏み倒しこそできないものの何の制限も掛からず、使い道がなくなっているマナを注ぎ込めるので、強力な起動型能力を持つパーマネントカードとの相性も非常に良い。特に炎の騎兵/Cavalier of Flame、帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King、ヴァントレス城/Castle Vantressとの相性は特筆に値する。
とはいえやはり呪文を唱える数やタイミングが制限されるのは時に厄介。このカードを割るないし回収することで制限をうまく外すというプレイングは常に頭の片隅に入れておくべきだろう。実際、時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Ravelerによるバウンス、次元の浄化/Planar Cleansingによるリセットに巻き込む、空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomadで明滅して一時的に空白期間を作るといった様々な方法が用いられた。
登場から禁止カードに指定されるまでの間、スタンダードではこのカードを中心とするデッキが形を変えながら常にメタの一角となっており、ファイアーズと総称される。
- マナが余るため、後続の呪文に対しては火消し/Quench系のマナを要求する不確定カウンターがほぼ無効になる。その系統の呪文を多く採用したパーミッションにとっては創案の火がマストカウンターとなる。
禁止指定
2020年6月1日(Magic: The Gathering Arenaでは6月4日)より、スタンダードで禁止カードに指定された。同時に、ヒストリックでも一時停止カードに指定された[1]。その後、この禁止により前向きな影響が見られたことや、すぐに再導入しても安全と言えないと感じられたことから、2020年7月13日をもって禁止指定に移行した[2]。
創案の火デッキはスタンダードで高い支配率と勝率を維持しており、また環境のカードプールが増加するたびに強力さを増すという特性上、メタゲームの働きのみでは同デッキを食い止めることはできないと判断された。さらに、このカードの存在によって将来のスタンダード用のカード・セットのデザインとバランスが大きく制限されてしまうことも問題となった。
ルール
- 創案の火が戦場に出ていない時点で唱えた呪文、および創案の火自身もそのターンで唱えた呪文に数えられる。
- 2つ目の能力についてはマナ・コストを支払うことなく唱えるも参照。
- あなたは創案の火の2つ目の能力を適用せず、通常通りマナ・コストや他の代替コストを支払って呪文を唱えてもよい。その場合でもそのターンに唱えた呪文には数えられる。
- 分割カードや当事者カードを唱える場合、マナ総量は実際に唱える側の特性を参照する。
脚注
- ↑ June 1, 2020 Banned and Restricted Announcement/2020年6月1日 禁止制限告知(News 2020年)6月1日 Ian Duke著)
- ↑ July 13, 2020 Banned and Restricted Announcement/2020年7月13日 禁止制限告知(News 2020年7月13日 Ian Duke著)