フリースペル

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[[ウルザズ・サーガ]]で登場し、[[パリンクロン/Palinchron]]や[[時のらせん/Time Spiral]]、[[大あわての捜索/Frantic Search]]などがその代表。存在する9枚全てが何らかの形で[[トーナメント]]を駆け抜けたという恐るべきスペックを持つ。純粋なフリースペルはすべて[[青]]の[[呪文]]である。
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[[ウルザズ・サーガ]]で登場し、[[パリンクロン/Palinchron]]や[[時のらせん/Time Spiral]]、[[大あわての捜索/Frantic Search]]などがその代表。[[ウルザ・ブロック]]で登場した9枚は全て何らかの形で[[トーナメント]]を駆け抜けた。元祖フリースペルはすべて[[青]]の[[呪文]]であった。
  
もとの着想は[[キャントリップ]]であった。キャントリップが[[手札]]を失わずに[[マナ]]のみで[[唱える|唱え]]られるのに対して、フリースペルはマナを失わずに手札のみで唱えられる。しかし、マナで損をしないフリースペルは強烈な[[コンボ]]が生まれやすく、凶悪なメカニズムとなってしまった。[[サファイアの大メダル/Sapphire Medallion]]などの[[コスト減少カード]]や、[[繁茂/Wild Growth]]など1枚の土地から複数のマナを生成するカードと相性がよく、これらのせいで、多くの場合無料どころか呪文を使うとマナが増えるという不可解な現象を引き起こした。それゆえ、のちのちまで数々の凶悪なコンボデッキにおいて多用されるようになる。[[MoMa]]、[[ハイタイド]]、[[デザイア]]などはその代表格である。
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もとの着想は「逆[[キャントリップ]]」であった。キャントリップが[[手札]]を失わずに[[マナ]]のみで[[唱える|唱え]]られるのに対して、フリースペルはマナを失わずに手札の消費のみで唱えられるというわけである。しかし、マナで損をしないフリースペルは強烈な[[コンボ]]が生まれやすく、凶悪なメカニズムとなってしまった。[[サファイアの大メダル/Sapphire Medallion]]などの[[コスト減少カード]]や、[[繁茂/Wild Growth]]など1枚の土地から複数のマナを生成するカードと相性がよく、これらのせいで、多くの場合無料どころか呪文を使うとマナが増えるという不可解な現象を引き起こした。また、手札を7枚補充する効果の[[時のらせん/Time Spiral]]は「マナを失わずに手札消費で唱えられる」というコンセプトを無視しており、「オリジナルの[[Timetwister]]を超えた」とまで言われた。それゆえ、のちのちまで数々の凶悪なコンボデッキにおいて多用されるようになる。[[MoMa]]、[[ハイタイド]]、[[デザイア]]などはその代表格である。
  
[[時のらせん/Time Spiral]]が「オリジナルの[[Timetwister]]を超えた」とまで言われたほどの強力メカニズムである。[[Mark Rosewater]]も失敗と挙げるように、フリースペルは[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]最悪のメカニズムの1つといえるだろう。
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[[Mark Rosewater]]も失敗例として挙げるように、フリースペルは[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]最悪のメカニズムの1つといえるだろう。
  
*これらのカードが作られた当時、[[リアニメイト]][[呪文]]との組み合わせにより爆発的にマナを増やす[[コンボデッキ]]が作られたことがある([[フリー・ホエリイ]][[ダンシング・ドレイク]]など)。その危険性から、[[パーマネント]]になる呪文はすべて「手札から唱えたときのみ」効果があるように[[エラッタ]]が出されていた。
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*[[巻き直し/Rewind]]だけは副次効果のない[[打ち消す|打ち消し]]呪文という性質上悪用が難しく、他のフリースペルに比べて凶悪ではないとされる。適正な強さの打ち消し呪文として[[基本セット]]にも何度か[[再録]]されている。
**エラッタから約8年後、2006年7月の[[オラクル]]更新でこの制限は削除され、カードの記述通りに戻されている。同時期にエラッタが出ていた[[ギックスの僧侶/Priest of Gix]][[霊体の先達/Karmic Guide]][[玉虫色のドレイク/Iridescent Drake]]も同様に修正。
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*マナを[[支払う|支払わ]]ずに唱えられる呪文は[[ピッチスペル]]と呼ばれ、フリースペルとは区別される。
*マナを[[支払う|支払わ]]ずに唱えられる呪文は[[ピッチスペル]]といい、フリースペルとは区別される。
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**しかしながら、無料(free)で唱えられるという点において同一視されることも多く、公式記事などでもピッチスペルに分類されるカードをフリースペルと呼称することがしばしばある<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/may-20-2019-banned-and-restricted-announcement May 20, 2019 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0032539/ 2019年5月20日 禁止制限告知](News 2019年5月20日 [[Ian Duke]]著)</ref><ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/ikoria-lair-behemoths-and-commander-2020-edition-release-notes-2020-04-10 Ikoria: Lair of Behemoths and Commander (2020 Edition) Release Notes](Feature [[2020年]]4月10日 [[Eli Shiffrin]]著)</ref>。
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*[[焦熱の計画/Fiery Gambit]]は3回の[[コイン投げ]]に成功すると、その[[コントローラー]]の土地がすべてアンタップする。不確定フリースペルと言えるか。
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*土地をアンタップするのではなくマナを得るようになった[[ギックスの僧侶/Priest of Gix]][[解体/Deconstruct]]はこのカテゴリーの調整版と言えるだろう。広義ではこれらもフリースペルと呼ぶ。元祖フリースペルほどではないもののマナが返ってくるため悪用されやすい(各カードのページを参照)。
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*[[Jon Finkel]][[インビテーショナルカード]]として、フリースペル版[[神の怒り/Wrath of God]]を提案したが、当然却下された。[[影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator]]を参照。
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==ルール==
 
*アンタップする土地は、呪文の[[マナ・コスト]]を支払うために[[タップ]]した土地以外でも問題ない。これを利用することで[[色事故]]を緩和したり、土地の[[能力]]を2回[[起動]]するなどの[[プレイング]]が可能。
 
*アンタップする土地は、呪文の[[マナ・コスト]]を支払うために[[タップ]]した土地以外でも問題ない。これを利用することで[[色事故]]を緩和したり、土地の[[能力]]を2回[[起動]]するなどの[[プレイング]]が可能。
 
**さらにそれは[[あなた|自分]]の土地でなくても構わない。[[対戦相手]]の[[土地]]もアンタップでき、[[多人数戦]]なら味方の土地をアンタップすることもできる。
 
**さらにそれは[[あなた|自分]]の土地でなくても構わない。[[対戦相手]]の[[土地]]もアンタップでき、[[多人数戦]]なら味方の土地をアンタップすることもできる。
*[[焦熱の計画/Fiery Gambit]]は3回の[[コイン投げ]]に成功すると、その[[コントローラー]]の土地がすべてアンタップする。不確定フリースペルと言えるか。
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===旧ルール===
*土地をアンタップするのではなくマナを得るようになった[[ギックスの僧侶/Priest of Gix]][[解体/Deconstruct]]はこのカテゴリーの調整版と言えるだろう。広義ではこれらもフリースペルと呼ぶ。
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*これらのカードが作られた当時、[[リアニメイト]][[呪文]]との組み合わせにより爆発的にマナを増やす[[コンボデッキ]]が作られたことがある([[フリー・ホエリイ]][[ダンシング・ドレイク]]など)。その危険性から、[[パーマネント]]になる呪文はすべて「手札から唱えたときのみ」効果があるように[[エラッタ]]が出されていた。
*[[Jon Finkel]][[インビテーショナルカード]]として、フリースペル版[[神の怒り/Wrath of God]]を提案したが却下された。[[影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator]]を参照。
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**エラッタから約8年後、[[2006年]]7月の[[オラクル]]更新でこの制限は削除され、カードの記述通りに戻されている。同時期にエラッタが出ていた[[ギックスの僧侶/Priest of Gix]]、[[霊体の先達/Karmic Guide]][[玉虫色のドレイク/Iridescent Drake]]も同様に修正された。
  
 
==フリースペル一覧==
 
==フリースペル一覧==
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土地をアンタップするタイプのフリースペル。
 
*[[フェアリーの大群/Cloud of Faeries]]
 
*[[フェアリーの大群/Cloud of Faeries]]
 
*[[大あわての捜索/Frantic Search]]
 
*[[大あわての捜索/Frantic Search]]
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*[[時のらせん/Time Spiral]]
 
*[[時のらせん/Time Spiral]]
 
*[[不実/Treachery]]
 
*[[不実/Treachery]]
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*[[巻き戻し/Unwind]]
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*[[原初の災厄、ザカマ/Zacama, Primal Calamity]]
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以下は、マナを得るタイプのフリースペル。同名カードを唱え直すことができるマナを生み出し、マナを生み出す以外の効果を持つもののみ記載する。
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*[[ギックスの僧侶/Priest of Gix]]
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*[[解体/Deconstruct]]
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*[[魔力変/Manamorphose]]
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*[[ウラブラスクの僧侶/Priest of Urabrask]]
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*[[炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary]]
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*[[隠れた薬草医/Hidden Herbalists]](条件付き)
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*[[力の頂点/Apex of Power]]
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*[[季節の儀式/Seasonal Ritual]]([[薔薇棘の見習い/Rosethorn Acolyte]]の[[出来事]])
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*[[献身的な電術師/Ardent Electromancer]] (要[[パーティー]]3体以上)
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*[[一攫千金/Strike It Rich]] ([[宝物]]生成)
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*[[___ゴブリン/___ Goblin]](要母音3種類以上の名前・[[ステッカー]])
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==脚注==
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<references/>
  
 
==参考==
 
==参考==

2023年9月6日 (水) 03:02時点における最新版

フリースペル(Free Spell)とは、呪文解決時に土地アンタップする効果が含まれた呪文の俗称。事実上無料(フリー)で唱えられるためこう呼ばれる。

目次

[編集] 概要


Time Spiral / 時のらせん (4)(青)(青)
ソーサリー

時のらせんを追放する。各プレイヤーは、自分の手札と墓地を自分のライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引く。あなたは土地を最大6つまでアンタップする。



Palinchron / パリンクロン (5)(青)(青)
クリーチャー — イリュージョン(Illusion)

飛行
パリンクロンが戦場に出たとき、土地を最大7つまでアンタップする。
(2)(青)(青):パリンクロンをオーナーの手札に戻す。

4/5

ウルザズ・サーガで登場し、パリンクロン/Palinchron時のらせん/Time Spiral大あわての捜索/Frantic Searchなどがその代表。ウルザ・ブロックで登場した9枚は全て何らかの形でトーナメントを駆け抜けた。元祖フリースペルはすべて呪文であった。

もとの着想は「逆キャントリップ」であった。キャントリップが手札を失わずにマナのみで唱えられるのに対して、フリースペルはマナを失わずに手札の消費のみで唱えられるというわけである。しかし、マナで損をしないフリースペルは強烈なコンボが生まれやすく、凶悪なメカニズムとなってしまった。サファイアの大メダル/Sapphire Medallionなどのコスト減少カードや、繁茂/Wild Growthなど1枚の土地から複数のマナを生成するカードと相性がよく、これらのせいで、多くの場合無料どころか呪文を使うとマナが増えるという不可解な現象を引き起こした。また、手札を7枚補充する効果の時のらせん/Time Spiralは「マナを失わずに手札消費で唱えられる」というコンセプトを無視しており、「オリジナルのTimetwisterを超えた」とまで言われた。それゆえ、のちのちまで数々の凶悪なコンボデッキにおいて多用されるようになる。MoMaハイタイドデザイアなどはその代表格である。

Mark Rosewaterも失敗例として挙げるように、フリースペルはマジック最悪のメカニズムの1つといえるだろう。

[編集] ルール

[編集] 旧ルール

[編集] フリースペル一覧

土地をアンタップするタイプのフリースペル。

以下は、マナを得るタイプのフリースペル。同名カードを唱え直すことができるマナを生み出し、マナを生み出す以外の効果を持つもののみ記載する。

[編集] 脚注

  1. May 20, 2019 Banned and Restricted Announcement/2019年5月20日 禁止制限告知(News 2019年5月20日 Ian Duke著)
  2. Ikoria: Lair of Behemoths and Commander (2020 Edition) Release Notes(Feature 2020年4月10日 Eli Shiffrin著)

[編集] 参考

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