試作カード
提供:MTG Wiki
試作カード/Prototype Cardとは、兄弟戦争初出の特殊なカード群の総称。関連したキーワード能力である試作/Prototypeについても当項で解説する。
試作/Prototype | |
---|---|
種別 | 常在型能力 |
登場セット | 兄弟戦争 モダンホライゾン3 |
CR | CR:702.160 |
アーティファクト クリーチャー — 構築物(Construct)
二段攻撃
戦闘の打破者が戦場に出たとき、カード1枚を引く。
//---試作部分---//
(2)(白)
試作(あなたはこの呪文を、異なるマナ・コスト、色、サイズで唱えてもよい。これは能力とタイプを保持する。)
1/1
目次 |
概要
試作カードは文章欄が上下二分割されており、タイプ行に近い方の文章欄にマナ・コストとパワー/タフネスがもう一組書かれている(カード画像)。
プレイヤーは試作カードを唱える際、カード右上に書かれた通常のマナ・コストではなく、試作キーワード能力を使って文章欄内にあるマナ・コストで唱えることができる。こうして試作型呪文/Prototyped Spellとして唱えた場合、それはスタック上および戦場において文章欄の上半分に書かれた代替の特性を持つ。
兄弟戦争では試作を持つカードはすべて無色のアーティファクト・クリーチャーであり、試作型呪文として唱えると軽くなるが色マナを要求されパワー/タフネスも下がるようになっている。
ルール
概略
- 基本的に戦場・スタック以外では試作部分は無視する。
- ただし、「~である呪文を唱えてもよい(唱える)」と書かれた効果は、試作部分の特性を考慮できる。(詳細は唱える#代替の特性があるカードの扱いを参照)
- 試作したものをコピーしたら、コピーも試作になる。
- 試作した後に一度戦場を離れると、試作でなくなる。
通常の特性
スタックでも戦場でもない領域において、まだ試作型呪文として唱えられていない試作カードは通常の特性のみを持つ。
- 例1)戦闘の打破者/Combat Thresherを狩りに出るビビアン/Vivien on the Huntの[+2]能力で戦場に出したい場合、生け贄に捧げるクリーチャーのマナ総量は6でなければならない。
- 例2)墓地にある戦闘の打破者を対象にして誰も置き去りにしない/No One Left Behindを唱える場合、マナ総量7のカードを対象としたので(4)(黒)で唱えることになる。
統率者戦における固有色の決定は、代替の特性も加味される。例えば、戦闘の打破者/Combat Thresherは代替のマナ・コストに白マナ・シンボルを含むため、固有色は白である。
試作型呪文として唱える
プレイヤーが試作カードを唱えるに際し、それを通常通り唱えるか試作キーワード能力を使って試作型呪文として唱えるかを選んでから唱え始める。
- そのカードを唱えることを許諾したり制限するルールや効果は、選択後の特性のみを見て判断される(CR:601.3e)。
- 例3)セラの模範/Serra Paragonの能力で墓地の戦闘の打破者/Combat Thresherを試作型呪文として唱えようとする場合、試作型呪文としてのマナ総量は3のため唱えることが可能である。一方、通常の呪文としてのマナ総量は7のため、試作を使わずに唱えることはできない。
- 試作型呪文を唱えることは、代替コストで唱えることではない。「マナ・コストを支払うことなく唱える」など、代替コストで唱える手段と併用可能である。
試作型呪文
試作型呪文やそれが解決されて戦場に出たパーマネントは、マナ・コストおよびパワー/タフネスが代替の特性(文章欄内に書かれたもの)に変更される。他の特性(名前、能力、タイプなど)は変更されない。
- 例4)戦闘の打破者/Combat Thresherを試作型呪文として唱えた場合、そのマナ総量は3になるので電池持ち/Battery Bearerの能力は誘発しないが、通常の呪文として唱えた場合はマナ総量が7になるため誘発する。
- 例5)試作型呪文として唱えられて戦場に出た戦闘の打破者を狩りに出るビビアン/Vivien on the Huntの[+2]能力で生け贄に捧げた場合、最後の情報として戦場でのマナ総量(すなわち3)を参照するため、マナ総量4のクリーチャーを戦場に出すことができる。
- 代替のマナ・コストに色マナ・シンボルを含む場合、試作型呪文やそれ由来のパーマネントは対応した色を持つオブジェクトである(CR:105.2)。
- 試作型呪文であること、および試作型呪文として唱えられたパーマネントであることはコピー可能な値である。
- 戦場から離れた試作型パーマネントが再び戦場に戻った場合(明滅など)、それは新しいオブジェクトになっており、試作型ではない本来の特性を持つ。
その他
- 兄弟戦争のブースター・パックには、試作で唱えたことを示しておくためのパンチアウト・カードが封入されることがある[1]。
- 試作カードの枠デザインを考案したのは、兄弟戦争統率者デッキの展望デザイン・リードを務めたDaniel Holtである[2]。
- エルドレインの王権開発中には、試作とよく似た「代替マナ・コスト」というメカニズムが試されていた。詳細はガラスの棺/Glass Casket#開発秘話を参照。
脚注
- ↑ What's Inside The Brothers' War Boosters?/『兄弟戦争』の各種ブースター製品の内容は?(Feature 2022年10月27日 Max McCall著)
- ↑ Act of War, Part 2/『戦争』行為 その2(Making Magic 2022年11月7日 Mark Rosewater著)
参考
- The Brothers' War Mechanics/『兄弟戦争』のメカニズム(Feature 2022年10月27日 Matt Tabak著)
- The Brothers' War Release Notes/『兄弟戦争』リリースノート(PDF)(Feature 2022年11月7日 Jess Dunks著)
- 「試作」でテキスト検索
- ルーリング
- キーワード能力
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 718 試作カード
- 718.1 試作カードには2分割されたカード枠があり、タイプ行の下に内側の小さなカード枠がある。内側の枠には、キーワード能力である試作と、2組目の特性であるパワー、タフネス、マナ・コストが書かれている。
- 718.2 内側の枠のマナ・コスト、パワー、タフネスは、そのオブジェクトが呪文である間や戦場でパーマネントである間に取りうる代替の特性群を表す。そのカードの通常の特性は、通常通り書かれている。
- 718.3 プレイヤーが試作カードを唱えるに際し、そのプレイヤーはそのカードを通常通り唱えるか試作 キーワード能力を使って試作型呪文として唱えるかを選ぶ(rule 702.160〔試作〕参照)。
- 718.3a 試作型呪文を唱えている間にそれを唱えられるかどうかを判定するときには、それの代替のパワー、タフネス、マナ・コストだけを使う。
- 718.3b 試作型呪文やそれがなるパーマネントは、代替の特性であるパワー、タフネス、マナ・コストだけを持つ。そのマナ・コストに1つ以上の有色 マナ・シンボルが含まれているなら、その呪文やそれがなるパーマネントはその色である(rule 105.2 参照)。
- 718.3c 試作型呪文がコピーされた場合、そのコピーも試作型呪文である。当該コピーはその呪文の代替の特性であるパワー、タフネス、マナ・コストを持ち、その試作型呪文を表すカードの通常の特性であるパワー、タフネス、マナ・コストは持たない。試作型呪文に言及するルールや効果は、当該コピーにも言及する。
- 718.3d 試作型呪文であったパーマネントがコピーされる場合、当該コピーはそのパーマネントの代替の特性であるパワー、タフネス、マナ・コストを持ち、そのパーマネントを表すカードの通常の特性であるパワー、タフネス、マナ・コストは持たない。試作型呪文であったパーマネントに言及するルールや効果は、当該コピーにも言及する。
- 718.4 スタックでも戦場でもないあらゆる領域において、また試作型呪文として唱えられていないときのスタックや戦場で、試作カードは通常の特性だけを持つ。
- 718.5 試作カードのパワー、タフネス、マナ・コスト(や色)以外の特性は、試作型呪文として唱えられたか通常通り唱えられたかに関わらず同じである。
- 718 試作カード