アショクの消去/Ashiok's Erasure
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エンチャント
瞬速
アショクの消去が戦場に出たとき、呪文1つを対象とし、それを追放する。
対戦相手は、その追放されているカードと同じ名前を持つ呪文を唱えられない。
アショクの消去が戦場を離れたとき、その追放されているカードをオーナーの手札に戻す。
呪文を追放し、それと同じ名前の呪文を唱えることを禁じるエンチャント。呪文版イクサランの束縛/Ixalan's Binding。
イクサランの束縛と同様、後続の同名呪文を封じられる点が大きな特徴。デッキのキーカードを封じることができればデッキそのものを機能不全にさせることができ、そうでなくとも主力クリーチャーや汎用除去など、4枚採用されているであろうカードを狙うだけでも後続を腐らせることが期待でき、擬似的な手札破壊となってアドバンテージを得ることができる。追放するので打ち消されない呪文や墓地利用に対しても有効であるほか、テーロス還魂記のテーマであるエンチャント関連のシナジーを得られる点、信心を稼げる点も見逃せない長所。
欠点は、そのマナ・コストに加え、割られて取り返される危険があるという二点。取り消し/Cancelなどの通常の打ち消しインスタントより1マナ重いため、小回りが利かず取り回しが悪くなっているのは大きな難点。追加効果が付くとは言え、テンポが重視される打ち消しにとっては「後続を封じられるかもしれない」程度のメリットに余分な1マナを支払いたくないというのが実情である。エンチャント除去で取り返されてしまい、計算が狂いやすいのもマイナス。
構築で採用する際は、やはり長所を十分に活かせるデッキ、あるいは後続封じが有効に機能するメタゲームで用いるべきだろう。エンチャント関連のシナジーや信心稼ぎを重視するならばインスタントの打ち消しよりも優先して採用する価値が出てくるため、そういった路線で用いるのがベターか。
イコリア:巨獣の棲処期のスタンダードでは、インスタントではなく瞬速を持つパーマネントの打ち消しであることから狡賢い夜眷者/Cunning Nightbonderや滑りかすれ/Slitherwispとのシナジーを期待されディミーア・フラッシュで採用される場合がある。
ルール
- 打ち消すわけではないので、打ち消されない効果に影響されない。
- 戦場に出たときの能力が解決される前にアショクの消去が戦場を離れた場合、手札に戻す能力が先に解決されるが追放されているカードは存在しないので何も起こらない。その後、戦場に出たときの能力で追放したカードは追放されたままで手札に戻ることはない。ナイトメア能力も参照。
- 当事者カードを追放した場合、追放したときにクリーチャーと出来事どちらの側だったとしても、唱えることを禁止されるのはクリーチャーの側である。対戦相手は、同じ名前の当事者カードを出来事として唱えることができる。
開発秘話
エンチャントをテーマとするテーロス還魂記では、通常ならインスタントやソーサリーがすることをエンチャントにさせる必要があった。このカードはその好例である[1]。
これは、同じカードを繰り返し脱出させるデッキが現れたときの対策として作られた。追放するだけでも脱出を封じることはできるが、さらに同名カードを唱えることを禁じることで、そのカードの2枚目を見つけられるパターンを防いでいる。しかしそれだけでは用途が狭いので、他にも何らかの役割を持たせる必要があった。検討の結果、打ち消されない呪文対策として機能させるため、雲散霧消/Dissipateのような打ち消した呪文を追放する効果から、呪文を直接追放する効果へと変更された[2]。
脚注
- ↑ To the Death/死出(Making Magic 2020年1月13日 Mark Rosewater著)
- ↑ M-Files: Theros Beyond Death – White, Blue, Black/Mファイル『テーロス還魂記』編・白青黒(Play Design 2020年1月24日 Jadine Klomparens著)