X
提供:MTG Wiki
(版間での差分)
(「現在はカードデザインの方針上Yは使用しないことになっている。」を削除。) |
|||
1行: | 1行: | ||
''X''は、未定の数値を必要とする場合に用いられる記号である。 | ''X''は、未定の数値を必要とする場合に用いられる記号である。 | ||
− | [[呪文]]や[[起動型能力]]の[[コスト]]([[マナ・コスト]]、[[代替コスト]]、[[追加コスト]]、[[起動コスト]])に「X」が含まれる場合、その値はそれを[[唱える]]/[[起動]] | + | [[呪文]]や[[起動型能力]]の[[コスト]]([[マナ・コスト]]、[[代替コスト]]、[[追加コスト]]、[[起動コスト]])に「X」が含まれる場合、その値はそれを[[唱える]]/[[起動]]する時に決定する。具体的には、スタックに乗せたあとの[[モード]]の選択と同じ時点で決定する。これは[[対象]]の決定やコストの[[支払う|支払い]]より前である。その呪文や[[能力]]がスタック上にある限り、Xは決定された値を持つ。スタック以外([[戦場]]や[[墓地]]など)にあるのなら、Xは0である。マナ・コストにXを含む呪文をマナ・コストを支払わずに唱えた場合、通常はXは0である。→[[代替コスト]] |
*例えば、マナ・コストが(X)(X)の[[虚空の杯/Chalice of the Void]]は、戦場にある場合のマナ・コストは必ず(0)となる。 | *例えば、マナ・コストが(X)(X)の[[虚空の杯/Chalice of the Void]]は、戦場にある場合のマナ・コストは必ず(0)となる。 | ||
*コスト中のXはどの[[タイプ]]の[[マナ]]でも支払える。ただし、[[魂の消耗/Consume Spirit]]など、[[ルール文章]]により制限が定義される場合はこの限りではない。 | *コスト中のXはどの[[タイプ]]の[[マナ]]でも支払える。ただし、[[魂の消耗/Consume Spirit]]など、[[ルール文章]]により制限が定義される場合はこの限りではない。 | ||
− | *コストを減少させる[[効果]] | + | *コストを減少させる[[効果]]でXの部分のコストも減少させることができる。正確に言えば、指定したXの値に応じてコストが決定され、コストを減少させる効果はその全体からコストを減少させる。 |
− | **例えば、[[荊景学院の使い魔/Thornscape Familiar]]1体を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している時に[[火の玉/Fireball]]をX= | + | **例えば、[[荊景学院の使い魔/Thornscape Familiar]]1体を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している時に[[火の玉/Fireball]]をX=2で唱えると、マナ・コストは(2)(赤)に等しくなり、そこから(1)減少して唱えるためのコストは(1)(赤)となる。 |
**あくまでも先にXの値を指定することによって、それに応じてコストが定まるということに注意。支払ったマナの量によってXが定まるわけではない。 | **あくまでも先にXの値を指定することによって、それに応じてコストが定まるということに注意。支払ったマナの量によってXが定まるわけではない。 | ||
**これは[[魂の消耗/Consume Spirit]]のように支払うマナに制約があっても同様である。 | **これは[[魂の消耗/Consume Spirit]]のように支払うマナに制約があっても同様である。 | ||
12行: | 12行: | ||
Xがマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストではない文中にある場合、ルール文章によって値が定義されている場合にはそれに従う。定義されていなかった場合、その呪文や能力の[[コントローラー]]がそのXの値を(スタックに置かれたときか[[解決]]されるとき)に選ぶ。 | Xがマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストではない文中にある場合、ルール文章によって値が定義されている場合にはそれに従う。定義されていなかった場合、その呪文や能力の[[コントローラー]]がそのXの値を(スタックに置かれたときか[[解決]]されるとき)に選ぶ。 | ||
− | いずれの場合も1つの[[オブジェクト]] | + | いずれの場合も1つの[[オブジェクト]]に書かれているXは、同じ瞬間には同じ値を取る。 |
*[[正義の命令/Decree of Justice]]のマナ・コストは(2)(X)(X)(白)(白)で、X体の[[天使]][[クリーチャー]]・[[トークン]]を出す。もし3体のクリーチャーを出したい場合、X=3とすればいいので、コストは合計で(8)(白)(白)となる。 | *[[正義の命令/Decree of Justice]]のマナ・コストは(2)(X)(X)(白)(白)で、X体の[[天使]][[クリーチャー]]・[[トークン]]を出す。もし3体のクリーチャーを出したい場合、X=3とすればいいので、コストは合計で(8)(白)(白)となる。 | ||
*[[燃えたつ計略/Flaming Gambit]]を[[フラッシュバック]]で使用した場合、マナ・コストのXはフラッシュバック・コストのXと同じになる。例えば、X=4でフラッシュバックしたのなら[[点数で見たマナ・コスト]]は5になるので、[[思考縛り/Thoughtbind]]では[[打ち消す|打ち消せ]]ない。 | *[[燃えたつ計略/Flaming Gambit]]を[[フラッシュバック]]で使用した場合、マナ・コストのXはフラッシュバック・コストのXと同じになる。例えば、X=4でフラッシュバックしたのなら[[点数で見たマナ・コスト]]は5になるので、[[思考縛り/Thoughtbind]]では[[打ち消す|打ち消せ]]ない。 | ||
− | + | Xと同じルールに従う文字としてYが定義されている。今のところ実際のカードに印刷されたのは、[[生物の原形質/Bioplasm]]と[[ファイレクシアの摂取者/Phyrexian Ingester]]と[[ビートダウン (ギフトボックス)|ビートダウン]]版[[火の玉/Fireball]]、そして[[アングルード]]の[[The Ultimate Nightmare of Wizards of the Coast Customer Service]]のみである。現在の[[オラクル]]では他に[[狼の血/Aspect of Wolf]]や[[Snowblind]]がYを使っている。 | |
+ | *[[The Ultimate Nightmare of Wizards of the Coast Customer Service]]ではZも使用されている。総合ルールではZについては言及されていないが、[[銀枠]]のカードなのでこだわる必要もないだろう。 | ||
*「[[無限]]」は数ではないので、Xは無限にできない。これは[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]のルール以前の数学の問題なので、[[銀枠]]といえどこの原則にはあらがえない。→[[Mox Lotus]] | *「[[無限]]」は数ではないので、Xは無限にできない。これは[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]のルール以前の数学の問題なので、[[銀枠]]といえどこの原則にはあらがえない。→[[Mox Lotus]] | ||
*[[リミテッド]]に与える影響力が大きいことから、X呪文の大半は[[アンコモン]]以上の[[稀少度|レアリティ]]に設定されている。 | *[[リミテッド]]に与える影響力が大きいことから、X呪文の大半は[[アンコモン]]以上の[[稀少度|レアリティ]]に設定されている。 |
2011年6月25日 (土) 03:21時点における版
Xは、未定の数値を必要とする場合に用いられる記号である。
呪文や起動型能力のコスト(マナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コスト)に「X」が含まれる場合、その値はそれを唱える/起動する時に決定する。具体的には、スタックに乗せたあとのモードの選択と同じ時点で決定する。これは対象の決定やコストの支払いより前である。その呪文や能力がスタック上にある限り、Xは決定された値を持つ。スタック以外(戦場や墓地など)にあるのなら、Xは0である。マナ・コストにXを含む呪文をマナ・コストを支払わずに唱えた場合、通常はXは0である。→代替コスト
- 例えば、マナ・コストが(X)(X)の虚空の杯/Chalice of the Voidは、戦場にある場合のマナ・コストは必ず(0)となる。
- コスト中のXはどのタイプのマナでも支払える。ただし、魂の消耗/Consume Spiritなど、ルール文章により制限が定義される場合はこの限りではない。
- コストを減少させる効果でXの部分のコストも減少させることができる。正確に言えば、指定したXの値に応じてコストが決定され、コストを減少させる効果はその全体からコストを減少させる。
- 例えば、荊景学院の使い魔/Thornscape Familiar1体をコントロールしている時に火の玉/FireballをX=2で唱えると、マナ・コストは(2)(赤)に等しくなり、そこから(1)減少して唱えるためのコストは(1)(赤)となる。
- あくまでも先にXの値を指定することによって、それに応じてコストが定まるということに注意。支払ったマナの量によってXが定まるわけではない。
- これは魂の消耗/Consume Spiritのように支払うマナに制約があっても同様である。
Xがマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストではない文中にある場合、ルール文章によって値が定義されている場合にはそれに従う。定義されていなかった場合、その呪文や能力のコントローラーがそのXの値を(スタックに置かれたときか解決されるとき)に選ぶ。
いずれの場合も1つのオブジェクトに書かれているXは、同じ瞬間には同じ値を取る。
- 正義の命令/Decree of Justiceのマナ・コストは(2)(X)(X)(白)(白)で、X体の天使クリーチャー・トークンを出す。もし3体のクリーチャーを出したい場合、X=3とすればいいので、コストは合計で(8)(白)(白)となる。
- 燃えたつ計略/Flaming Gambitをフラッシュバックで使用した場合、マナ・コストのXはフラッシュバック・コストのXと同じになる。例えば、X=4でフラッシュバックしたのなら点数で見たマナ・コストは5になるので、思考縛り/Thoughtbindでは打ち消せない。
Xと同じルールに従う文字としてYが定義されている。今のところ実際のカードに印刷されたのは、生物の原形質/Bioplasmとファイレクシアの摂取者/Phyrexian Ingesterとビートダウン版火の玉/Fireball、そしてアングルードのThe Ultimate Nightmare of Wizards of the Coast Customer Serviceのみである。現在のオラクルでは他に狼の血/Aspect of WolfやSnowblindがYを使っている。
- The Ultimate Nightmare of Wizards of the Coast Customer ServiceではZも使用されている。総合ルールではZについては言及されていないが、銀枠のカードなのでこだわる必要もないだろう。
- 「無限」は数ではないので、Xは無限にできない。これはマジックのルール以前の数学の問題なので、銀枠といえどこの原則にはあらがえない。→Mox Lotus
- リミテッドに与える影響力が大きいことから、X呪文の大半はアンコモン以上のレアリティに設定されている。