幽霊火/Ghostfire
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− | + | マジック黎明期より[[プロテクション]]や[[防御円]]対策に躍起になっていた赤にとっては、待望の1枚である。とはいえ普通に使う分には3マナ3点は[[構築]]では少々力不足。防御円相手にはこれだけダメージが通っても他のカードのダメージが通らなければそれほど意味が無いというのも痛いところである。無論[[リミテッド]]では[[除去]]として重宝する。比較的変則的な除去が多い未来予知の中では素直な性能であり、使いやすい。 | |
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*無色関係のカードは[[年経たカヴー/Ancient Kavu]]等、赤のお家芸である。 | *無色関係のカードは[[年経たカヴー/Ancient Kavu]]等、赤のお家芸である。 | ||
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*[[Ghostly Flame]]とは、[[カード名]]や[[効果]]について類似点が多い。 | *[[Ghostly Flame]]とは、[[カード名]]や[[効果]]について類似点が多い。 | ||
+ | *[[ゲートウォッチの誓い]]では、これの[[下位種]]である[[現実の流出/Reality Hemorrhage]]が登場。 | ||
+ | *[[#ストーリー|後述のストーリー]]の通り、このカードは[[ウギン/Ugin]]、つまり[[ゼンディカー・ブロック]]や[[タルキール覇王譚ブロック]]と関わりが深い。その[[ブロック (総称)|ブロック]]の[[エルドラージ覚醒]]で無色呪文が登場していることも意図的なものだろう。 | ||
+ | **ただし、幽霊火自身はエルドラージ覚醒では収録されなかった。[[Doug Beyer]]によれば、エルドラージ覚醒に幽霊火が収録されなかったのは「エルドラージ覚醒のコンセプトに合わない」ため。エルドラージ覚醒のアーティファクトではない無色呪文は全て[[エルドラージ/Eldrazi]]側のカードで、その全てがエルドラージの[[クリーチャー・タイプ]]を持っているが、それに対して幽霊火はそのエルドラージと対峙した側である[[ウギン/Ugin]]の呪文である。つまり、「幽霊火はエルドラージ呪文ではないから収録されなかった」というのが公式見解である<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/rise-inbox-2010-04-21 Rise of the Inbox](Savore the Flavor [[2010年]]4月21日 [[Doug Beyer]]著)</ref>。 | ||
+ | **[[タルキール覇王譚]]ではこのカードの名前を冠した[[幽霊火の刃/Ghostfire Blade]]が登場したほか、[[運命再編]]でウギンが[[精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon]]としてカード化された際は[[忠誠度能力]]の一つとしてこのカードの効果を[[内蔵]]している。 | ||
+ | **[[戦乱のゼンディカー]]では幽霊火の[[特性定義能力]]を元に[[キーワード能力]]の[[欠色]]が作られたが、幽霊火自体は再録されていない。これは、エルドラージ覚醒のときと同様に、戦乱のゼンディカーにおいて無色はエルドラージ側のカードであるため。代わりに、[[虚空の接触/Touch of the Void]]が収録されている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/battle-zendikards-part-2-2015-09-28 Battle for Zendikards, Part 2 ]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0015764/ 戦乱のゼンディカード その2]([[Making Magic]] [[2015年]]9月28日)</ref>。 | ||
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+ | ==ルール== | ||
+ | *「幽霊火は無色である」は[[特性定義能力]]であるため、どの[[領域]]にあってもこのカードは無色である。 | ||
+ | **[[迫害/Persecute]]で赤を指定しても、このカードは[[捨てる|捨て]]られない。 | ||
+ | **[[全ての太陽の夜明け/All Suns' Dawn]]で[[墓地]]から[[回収]]することはできない。 | ||
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+ | *特性定義能力により無色と定義されているが、マナ・コストに赤を含むため[[固有色]]は赤である。 | ||
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+ | '''幽霊火'''/''Ghostfire''には、[[ウギン/Ugin|精霊ドラゴン、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon]]を信仰する[[モンク|修道士]]が透明な炎で犠牲者を焼き殺す姿が描かれている({{Gatherer|id=145458}})。[[フレイバー・テキスト]]と[https://web.archive.org/web/20070924133929/http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/futuresight2/lexicon Lexicon of the Future(Internet Archive)]によると、この修道士は第3の眼を授かり、ウギンの不可視の炎の息を見る能力と使用する能力を与えられる。フレイバー・テキストでは、この第3の眼を指して[[ウギンの目/Eye of Ugin]]と呼んでいるものと思われるが、[[ゼンディカー・ブロック]]のストーリーではウギンの目は地名として登場している。 | ||
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+ | *[[未来予知]]の[[タイムシフト]]は[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]そのものの未来を表すという性格がある。このカードはメカニズムの新しさもさることながら、プレインズウォーカー・コミックに始まりゼンディカー・ブロックや[[タルキール覇王譚ブロック]]のストーリーへと繋がる伏線が込められている。上記のウギンとの関連性に加え、カードのイラストの修道士の刺青や周囲の紙に書かれた文字が、コミックの壁画やウギンの巻き物の紋様に良く似ている点も挙げられる。 | ||
+ | **実際は幽霊火のフレイバー・テキストが考案された際は、ウギンの設定は全く固まっていなかった。このカードは未来を予知するのではなく創造してしまったカードと言える<ref> | ||
+ | [https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/back-future-sight-part-2-2020-08-10 Back to the Future Sight, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034262/ バック・トゥ・ザ・『未来予知』(フューチャーサイト)・パート2](Making Magic [[2020年]]8月10日)</ref>。 | ||
+ | *未来予知当時の翻訳で、「ウギン」および「ウギンの目」は「ウージン」および「ウージンの眼」となっていた(→[[ウギン/Ugin#訳語]]参照)。 | ||
+ | *ウギンの故郷、[[タルキール/Tarkir]]では[[ジェスカイ道/The Jeskai Way]]の魔術の秘奥として伝わっている。彼らもまた「龍眼''/Eye of the Dragon''」をシンボルとしている。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
+ | <references /> | ||
*[[カード個別評価:未来予知]] / [[カード個別評価:未来予知タイムシフト|タイムシフト]] - [[コモン]] | *[[カード個別評価:未来予知]] / [[カード個別評価:未来予知タイムシフト|タイムシフト]] - [[コモン]] |
2023年11月1日 (水) 15:57時点における最新版
WHISPERのルール文章は最新のオラクルに未対応です。「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする」は「1つを対象とする」に読み替えてください。
未来予知で登場した無色の火力呪文。マナ・コスト欄に赤マナのマナ・シンボルがあるので通常なら赤の呪文であるが、カードはルールに勝つマジックでは、カードに「無色である」と記述されたこの呪文は無色である。カード枠も赤くない。アーティファクトのカード枠とも違う色合いである。
マジック黎明期よりプロテクションや防御円対策に躍起になっていた赤にとっては、待望の1枚である。とはいえ普通に使う分には3マナ3点は構築では少々力不足。防御円相手にはこれだけダメージが通っても他のカードのダメージが通らなければそれほど意味が無いというのも痛いところである。無論リミテッドでは除去として重宝する。比較的変則的な除去が多い未来予知の中では素直な性能であり、使いやすい。
- 無色関係のカードは年経たカヴー/Ancient Kavu等、赤のお家芸である。
- Ghostly Flameとは、カード名や効果について類似点が多い。
- ゲートウォッチの誓いでは、これの下位種である現実の流出/Reality Hemorrhageが登場。
- 後述のストーリーの通り、このカードはウギン/Ugin、つまりゼンディカー・ブロックやタルキール覇王譚ブロックと関わりが深い。そのブロックのエルドラージ覚醒で無色呪文が登場していることも意図的なものだろう。
- ただし、幽霊火自身はエルドラージ覚醒では収録されなかった。Doug Beyerによれば、エルドラージ覚醒に幽霊火が収録されなかったのは「エルドラージ覚醒のコンセプトに合わない」ため。エルドラージ覚醒のアーティファクトではない無色呪文は全てエルドラージ/Eldrazi側のカードで、その全てがエルドラージのクリーチャー・タイプを持っているが、それに対して幽霊火はそのエルドラージと対峙した側であるウギン/Uginの呪文である。つまり、「幽霊火はエルドラージ呪文ではないから収録されなかった」というのが公式見解である[1]。
- タルキール覇王譚ではこのカードの名前を冠した幽霊火の刃/Ghostfire Bladeが登場したほか、運命再編でウギンが精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragonとしてカード化された際は忠誠度能力の一つとしてこのカードの効果を内蔵している。
- 戦乱のゼンディカーでは幽霊火の特性定義能力を元にキーワード能力の欠色が作られたが、幽霊火自体は再録されていない。これは、エルドラージ覚醒のときと同様に、戦乱のゼンディカーにおいて無色はエルドラージ側のカードであるため。代わりに、虚空の接触/Touch of the Voidが収録されている[2]。
[編集] ルール
- 「幽霊火は無色である」は特性定義能力であるため、どの領域にあってもこのカードは無色である。
- 迫害/Persecuteで赤を指定しても、このカードは捨てられない。
- 全ての太陽の夜明け/All Suns' Dawnで墓地から回収することはできない。
- 衝合/Confluxでライブラリーからサーチすることはできない。
- 特性定義能力により無色と定義されているが、マナ・コストに赤を含むため固有色は赤である。
[編集] ストーリー
幽霊火/Ghostfireには、精霊ドラゴン、ウギン/Ugin, the Spirit Dragonを信仰する修道士が透明な炎で犠牲者を焼き殺す姿が描かれている(イラスト)。フレイバー・テキストとLexicon of the Future(Internet Archive)によると、この修道士は第3の眼を授かり、ウギンの不可視の炎の息を見る能力と使用する能力を与えられる。フレイバー・テキストでは、この第3の眼を指してウギンの目/Eye of Uginと呼んでいるものと思われるが、ゼンディカー・ブロックのストーリーではウギンの目は地名として登場している。
- 未来予知のタイムシフトはマジックそのものの未来を表すという性格がある。このカードはメカニズムの新しさもさることながら、プレインズウォーカー・コミックに始まりゼンディカー・ブロックやタルキール覇王譚ブロックのストーリーへと繋がる伏線が込められている。上記のウギンとの関連性に加え、カードのイラストの修道士の刺青や周囲の紙に書かれた文字が、コミックの壁画やウギンの巻き物の紋様に良く似ている点も挙げられる。
- 実際は幽霊火のフレイバー・テキストが考案された際は、ウギンの設定は全く固まっていなかった。このカードは未来を予知するのではなく創造してしまったカードと言える[3]。
- 未来予知当時の翻訳で、「ウギン」および「ウギンの目」は「ウージン」および「ウージンの眼」となっていた(→ウギン/Ugin#訳語参照)。
- ウギンの故郷、タルキール/Tarkirではジェスカイ道/The Jeskai Wayの魔術の秘奥として伝わっている。彼らもまた「龍眼/Eye of the Dragon」をシンボルとしている。
[編集] 参考
- ↑ Rise of the Inbox(Savore the Flavor 2010年4月21日 Doug Beyer著)
- ↑ Battle for Zendikards, Part 2 /戦乱のゼンディカード その2(Making Magic 2015年9月28日)
- ↑ Back to the Future Sight, Part 2/バック・トゥ・ザ・『未来予知』(フューチャーサイト)・パート2(Making Magic 2020年8月10日)
- カード個別評価:未来予知 / タイムシフト - コモン