人質取り/Hostage Taker
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− | + | [[放逐する僧侶/Banisher Priest]]の系統である一時[[追放]][[能力]]を持った[[海賊]]。[[アーティファクト]]か[[クリーチャー]]を[[対象]]とし、[[豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury]]同様、追放中にその[[マナ・コスト]]を[[支払う]]事で[[唱える|唱え]]返すことができる能力も持つ。 | |
+ | [[ルール文章]]の前半の一時的な追放効果は[[白]]の役割の能力だが、[[コスト]]さえ支払えば実質的に[[コントロール]]奪取の挙動を示すあたりは[[誘惑蒔き/Sower of Temptation]]や[[龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar]]の変形版と言える、[[青黒]]らしい一枚。既存の[[カード]]と比べて奪取するためのコストは余分に掛かるものの、一度唱えてしまえばこれが[[除去]]されてもコントロールが[[対戦相手]]に戻ることなく、自身も含めて積極的に[[戦闘]]へ参加させられるのは大きなメリット。対応範囲の広さから単に[[擬似除去]]としても汎用性が高く、本来青黒では難しいアーティファクト対策ができる点も強みとなる。 | ||
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+ | 発表当初は、[[致命的な一押し/Fatal Push]]や同時収録された[[稲妻の一撃/Lightning Strike]]で容易に処理される点を見られて注目度は高くなかったが、嵌まった時に1:3交換を叩き出す[[コストパフォーマンス]]は伊達ではなく、すぐに頭角を現すこととなった。 | ||
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+ | [[スタンダード]]では[[青黒]][[王神の贈り物#カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック期|王神の贈り物]]や[[黒緑巻きつき蛇#カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック期|スゥルタイ・エネルギー]]で活躍する。[[ローテーション]]後は[[青黒]]系デッキそのものが下火になり数を減らしたが、[[ラヴニカの献身]]追加後は再び[[青黒緑ビートダウン#イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019+ラヴニカのギルド+ラヴニカの献身期|スゥルタイ・ミッドレンジ]]や[[青白黒コントロール#イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019+ラヴニカのギルド+ラヴニカの献身期|エスパー・コントロール]]などで採用されている。 | ||
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+ | *人質取りが人質取りを奪うことで連鎖的に相手クリーチャーを奪う状況は度々発生する。この状況で[[マナ]]を払いきれない場合、自分が[[オーナー]]である人質取りを最後に奪って追放領域に置いたままにしておくと良い。人質取りが除去されても、追放領域にいる自分の人質取りが自分のコントロールで戦場に出てくる。 | ||
+ | **人質取りの能力の対象として適正な戦場の[[パーマネント]]が「人質取りを追放している人質取り」しかない状況で、その人質取りを人質取りで追放すると、3体の人質取りが相互に追放しあう[[無限ループ]]が発生する。とりわけスタンダードで人質取りが使用できた時期の[[Magic: The Gathering Arena]]では「同一の処理が一定回数続いた場合にその[[ゲーム]]を[[引き分け]]にする」という仕様を悪用し、この無限ループを意図的に起こしてゲームを引き分けに持ち込むプレイングが度々見受けられた<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=byMjwDjNhPg Esper Party Bus - Standard - May 17th, 2019](Youtube 2019年5月17日 [[Jeff Hoogland]]によるリアルタイム配信中に実際に無限ループが行われた事例。動画時間42:14ごろよりHooglandが無限ループを意図的に発生させ、不利な盤面を引き分けに持ち込んでいる)</ref>。 | ||
+ | ***スタンダードでこのようなプレイングが多発したことへの反省からか、人質取り以降に登場した放逐する僧侶の亜種には「[[あなた]]のパーマネントも対象に取れる」かつ「追放が強制」であるものは1枚も登場していない。 | ||
+ | *既存の放逐系クリーチャーと違い「他の」が抜けてしまっていたため、発売と同時に[[オラクル]]の訂正が発表された<ref>[http://mtg-jp.com/publicity/0019559/ 『イクサラン』一部カードの誤りのお知らせとお詫び](2017年9月16日)</ref>。 | ||
+ | *人質を取っている割には、[[攻撃]]を躊躇させるような機能はない。むしろ人質を取り戻したいのであれば速やかに[[除去]]や[[戦闘]]を試みるのが効果的である。 | ||
+ | **しかも、人質を取られている相手ではなく(コストを払えば)人質自身が仲間になるあたり謎である。 | ||
+ | *[[ラヴニカのギルド]]発売時の[[Magic Online]]の[[Treasure Chest]]更新で、新規[[イラスト]]の[[プロモーション・カード]]が追加された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-online/guilds-ravnica-magic-online-edition-2018-09-19 Guilds of Ravnica: Magic Online Edition](Magic Online 2018年9月19日)</ref>。本家イラストを手掛けた[[Wayne Reynolds]]が再び筆を振るっているが、[[恐竜]]を人質に取るという[[アン・ゲーム|冗談]]のような(しかし実際の[[ゲーム]]ではありがちな)場面が描かれており、インパクト抜群。 | ||
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+ | ==ルール== | ||
*[[追放]][[効果]]の基本的[[ルール]]は[[放逐する僧侶/Banisher Priest#ルール]]を参照。 | *[[追放]][[効果]]の基本的[[ルール]]は[[放逐する僧侶/Banisher Priest#ルール]]を参照。 | ||
*[[唱える]]効果についての基本的ルールは[[豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury#ルール]]を参照。 | *[[唱える]]効果についての基本的ルールは[[豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury#ルール]]を参照。 | ||
*[[カード]]は唱える最初の手順で追放[[領域]]から[[スタック]]に移動する。唱える間に人質取りが[[戦場]]を離れても、カードを唱える手順が中断されることはない。 | *[[カード]]は唱える最初の手順で追放[[領域]]から[[スタック]]に移動する。唱える間に人質取りが[[戦場]]を離れても、カードを唱える手順が中断されることはない。 | ||
− | * | + | *追放効果は強制。対戦相手が対象に取れるクリーチャーやアーティファクトをコントロールしていない場合、これ以外のあなたがコントロールしているクリーチャーやアーティファクトを追放しなければならない。 |
+ | **他に対象に取れるクリーチャーやアーティファクトが戦場に出ていない状態で人質取り3枚が互いに追放し合うと、他に選択肢の無い[[無限ループ]]になる。 | ||
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+ | ==脚注== | ||
+ | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *[ | + | *[[一時的に追放するカード]] |
*[[カード個別評価:イクサラン]] - [[レア]] | *[[カード個別評価:イクサラン]] - [[レア]] | ||
− | [[ | + | *[[カード個別評価:ダブルマスターズ2022]] - [[レア]] |
2022年12月23日 (金) 21:48時点における最新版
クリーチャー — 人間(Human) 海賊(Pirate)
人質取りが戦場に出たとき、他のクリーチャー1体かアーティファクト1つを対象とし、人質取りが戦場を離れるまでそれを追放する。そのカードが追放され続けているかぎり、あなたはそのカードを唱えてもよい。あなたは、その呪文を唱えるために任意のタイプのマナを支払ってもよい。
2/3放逐する僧侶/Banisher Priestの系統である一時追放能力を持った海賊。アーティファクトかクリーチャーを対象とし、豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury同様、追放中にそのマナ・コストを支払う事で唱え返すことができる能力も持つ。
ルール文章の前半の一時的な追放効果は白の役割の能力だが、コストさえ支払えば実質的にコントロール奪取の挙動を示すあたりは誘惑蒔き/Sower of Temptationや龍王シルムガル/Dragonlord Silumgarの変形版と言える、青黒らしい一枚。既存のカードと比べて奪取するためのコストは余分に掛かるものの、一度唱えてしまえばこれが除去されてもコントロールが対戦相手に戻ることなく、自身も含めて積極的に戦闘へ参加させられるのは大きなメリット。対応範囲の広さから単に擬似除去としても汎用性が高く、本来青黒では難しいアーティファクト対策ができる点も強みとなる。
発表当初は、致命的な一押し/Fatal Pushや同時収録された稲妻の一撃/Lightning Strikeで容易に処理される点を見られて注目度は高くなかったが、嵌まった時に1:3交換を叩き出すコストパフォーマンスは伊達ではなく、すぐに頭角を現すこととなった。
スタンダードでは青黒王神の贈り物やスゥルタイ・エネルギーで活躍する。ローテーション後は青黒系デッキそのものが下火になり数を減らしたが、ラヴニカの献身追加後は再びスゥルタイ・ミッドレンジやエスパー・コントロールなどで採用されている。
- 人質取りが人質取りを奪うことで連鎖的に相手クリーチャーを奪う状況は度々発生する。この状況でマナを払いきれない場合、自分がオーナーである人質取りを最後に奪って追放領域に置いたままにしておくと良い。人質取りが除去されても、追放領域にいる自分の人質取りが自分のコントロールで戦場に出てくる。
- 人質取りの能力の対象として適正な戦場のパーマネントが「人質取りを追放している人質取り」しかない状況で、その人質取りを人質取りで追放すると、3体の人質取りが相互に追放しあう無限ループが発生する。とりわけスタンダードで人質取りが使用できた時期のMagic: The Gathering Arenaでは「同一の処理が一定回数続いた場合にそのゲームを引き分けにする」という仕様を悪用し、この無限ループを意図的に起こしてゲームを引き分けに持ち込むプレイングが度々見受けられた[1]。
- スタンダードでこのようなプレイングが多発したことへの反省からか、人質取り以降に登場した放逐する僧侶の亜種には「あなたのパーマネントも対象に取れる」かつ「追放が強制」であるものは1枚も登場していない。
- 人質取りの能力の対象として適正な戦場のパーマネントが「人質取りを追放している人質取り」しかない状況で、その人質取りを人質取りで追放すると、3体の人質取りが相互に追放しあう無限ループが発生する。とりわけスタンダードで人質取りが使用できた時期のMagic: The Gathering Arenaでは「同一の処理が一定回数続いた場合にそのゲームを引き分けにする」という仕様を悪用し、この無限ループを意図的に起こしてゲームを引き分けに持ち込むプレイングが度々見受けられた[1]。
- 既存の放逐系クリーチャーと違い「他の」が抜けてしまっていたため、発売と同時にオラクルの訂正が発表された[2]。
- 人質を取っている割には、攻撃を躊躇させるような機能はない。むしろ人質を取り戻したいのであれば速やかに除去や戦闘を試みるのが効果的である。
- しかも、人質を取られている相手ではなく(コストを払えば)人質自身が仲間になるあたり謎である。
- ラヴニカのギルド発売時のMagic OnlineのTreasure Chest更新で、新規イラストのプロモーション・カードが追加された[3]。本家イラストを手掛けたWayne Reynoldsが再び筆を振るっているが、恐竜を人質に取るという冗談のような(しかし実際のゲームではありがちな)場面が描かれており、インパクト抜群。
[編集] ルール
- 追放効果の基本的ルールは放逐する僧侶/Banisher Priest#ルールを参照。
- 唱える効果についての基本的ルールは豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury#ルールを参照。
- カードは唱える最初の手順で追放領域からスタックに移動する。唱える間に人質取りが戦場を離れても、カードを唱える手順が中断されることはない。
- 追放効果は強制。対戦相手が対象に取れるクリーチャーやアーティファクトをコントロールしていない場合、これ以外のあなたがコントロールしているクリーチャーやアーティファクトを追放しなければならない。
- 他に対象に取れるクリーチャーやアーティファクトが戦場に出ていない状態で人質取り3枚が互いに追放し合うと、他に選択肢の無い無限ループになる。
[編集] 脚注
- ↑ Esper Party Bus - Standard - May 17th, 2019(Youtube 2019年5月17日 Jeff Hooglandによるリアルタイム配信中に実際に無限ループが行われた事例。動画時間42:14ごろよりHooglandが無限ループを意図的に発生させ、不利な盤面を引き分けに持ち込んでいる)
- ↑ 『イクサラン』一部カードの誤りのお知らせとお詫び(2017年9月16日)
- ↑ Guilds of Ravnica: Magic Online Edition(Magic Online 2018年9月19日)