裏切りの工作員/Agent of Treachery
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クリーチャー — 人間(Human) ならず者(Rogue)
裏切りの工作員が戦場に出たとき、パーマネント1つを対象とし、それのコントロールを得る。
あなたの終了ステップの開始時に、あなたが、あなたがオーナーではないパーマネントを3つ以上コントロールしている場合、カードを3枚引く。
ETB能力でどんなパーマネントでもコントロール奪取できるクリーチャー。オーナーが自分でないパーマネントを3つ以上維持していると大量ドローできる誘発型能力も持つ。
7マナ2/3と、非常に重いうえにマナレシオも劣悪そのものだが、土地を含むあらゆるパーマネントを永続的に奪える効果は非常に強力。押収/Confiscateに1マナ追加すると2/3のクリーチャーがついてきて、取り返されることがなくなった、と考えるとコスト・パフォーマンスは良好とすら言える。
ドロー能力の条件達成は簡単ではないが、ライブラリーのカードを全て引ききる程のリソース戦では、ボード・アドバンテージを固定する上で役に立つ。登場時のスタンダードには実用的な青のコントロール奪取カードとして幻惑の旋律/Entrancing Melodyや集団強制/Mass Manipulationが存在しており、併用することで達成は十分現実的。他にも時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Ravelerや伝承の収集者、タミヨウ/Tamiyo, Collector of Talesによる使い回し、模写/Quasiduplicateとのコンボなど意外と手段は多い。むしろオーバーキル気味でライブラリーアウトの危険性はあるものの、それを逆手に取って神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteriesの勝利条件を積極的に目指すプランも存在した。
スタンダードでは当初スケープシフトデッキで、ミラーマッチの際に相手の死者の原野/Field of the Deadも奪える点を評価されサイドボードに採用された。ローテーション後は後継のゴロス・ランプがトップメタの位置についたこともあり、メインデッキでの採用が多くなった。夏の帳/Veil of Summer禁止後は、万能パーマネント除去としてアゾリウス・コントロールやシミック・ランプなど様々な青絡みのデッキに投入されるようになる。テーロス還魂記では強力な明滅カードである深海住まいのタッサ/Thassa, Deep-Dwellingが登場して併用されるようになり、イコリア:巨獣の棲処では踏み倒しコンボデッキであるウィノータ・コンボやルーカ・コンボが登場したことで活躍の幅を広げ、フィニッシャーとしての評価を飛躍的に高めた。
基本セット2020のリミテッドでは屈指のパワーカード。単発でも十分に強いが、聖域の門/Portal of Sanctuaryや骨への血/Blood for Bonesで使い回せるとさらに強力。
禁止指定
2020年6月1日(Magic: The Gathering Arenaでは6月4日)より、スタンダードで禁止カードに指定された。同時に、ヒストリックでも一時停止カードに指定された[1]。その後、この禁止により前向きな影響が見られたことや、すぐに再導入しても安全と言えないと感じられたことから、2020年7月13日をもって禁止指定に移行した[2]。
イコリア:巨獣の棲処追加後に成立したウィノータ・コンボやルーカ・コンボの隆盛により、裏切りの工作員が早期に戦場に出されることが多くなったことによる。序盤に出された裏切りの工作員は対戦相手にとって極めて腹立たしく、もたらされるアドバンテージ差は巻き返すのが困難であり、逆転できる可能性が少ないという点が問題視された。また、パーマネント・タイプを問わずコントロールを奪える点も、メタゲームの多様性を減少させるとして問題となった。
脚注
- ↑ June 1, 2020 Banned and Restricted Announcement/2020年6月1日 禁止制限告知(News 2020年)6月1日 Ian Duke著)
- ↑ July 13, 2020 Banned and Restricted Announcement/2020年7月13日 禁止制限告知(News 2020年7月13日 Ian Duke著)