同族
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同族/Kindredは、カード・タイプの1つ。かつては部族/Tribalという名称だった。
同族 エンチャント — フェアリー(Faerie)
あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失い、飛行を持つ黒の1/1のフェアリー(Faerie)・ならず者(Rogue)クリーチャー・トークンを1体生成する。
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解説
クリーチャーではないカードにクリーチャー・タイプを持たせるために未来予知で作られたカード・タイプ。例えば「同族・エンチャント ─ レベル」である静寂の捕縛/Bound in Silenceは、エンチャント・カードではあるがレベル・カードを1枚を探すアムローの偵察兵/Amrou Scoutでサーチすることができる。
同族・カードは必ず他のカード・タイプを併せ持ち、プレイや解決に際してはそのカード・タイプのルールに従う。すなわち、同族・カードがパーマネントになるかどうかは、他方のカード・タイプがパーマネント・タイプであるかどうかによる。例えば同族・エンチャントは、エンチャントと同様の手順で唱え、解決するとパーマネントとして戦場に出る。
同族としてのサブタイプはクリーチャーのサブタイプと共通であり、クリーチャー・タイプと呼ばれる。すべての同族カードは1つ以上のクリーチャー・タイプを持つ。
名称の変更
初出時は部族/Tribalという名称だったが、2023年、「ゲームにおける言語表現や視覚表現を現代のセットにおけるプロセスや配慮、感性に合わせて更新する」との理由で、ルール用語としての部族は廃止され同族に置き換えられることが予告された[1]。その後、2024年6月のモダンホライゾン3およびモダンホライゾン3統率者デッキにて再登場した際に現在の名称に改められた。同時に行われたオラクル更新で既存の部族は同族に置き換えられた。名称のみの変更であり、機能に変化はない。
- 変更の経緯については詳細に語られていないが、端的に「文化的な理由から」とされており[2]、過去に行われたキオーラ/Kioraやラクシャーサ/Rakshasaの変更と同様、実在の文化への配慮によるものと思われる。同時に変更された陰影鎧についても同様のものと思われる。
その他
- 同名のサイクルが存在するが、このカード・タイプとは無関係である(→同族の加護/Kindred Boon)。
- 未来予知~エルドラージ覚醒の日本語版の同族カード(当時は部族)は、タイプ行の表記が慣例と異なっている。「アーティファクト・クリーチャー」などと同様、本来ならば「部族・○○」となるはずが「部族○○」と部族と他のカード・タイプの間に「・」を打たず、連ねて表記されていた(カード画像)。
- 印刷されたものとしては、未来予知に1枚だけ収録された静寂の捕縛/Bound in Silenceが初。続くローウィン・ブロックでは、バリエーション豊かな同族カードが大量に追加された。エルドラージ覚醒でも4種類が登場。
- 旧称時代は、クリーチャー・タイプを参照するカードも「部族」と呼ばれていた(→タイプ的)。そのため、単に「部族カード」と言うと、「部族のカード・タイプを持つカード」なのか「タイプ的カード」なのか紛らわしかった。
- 「同族・土地」と「同族・プレインズウォーカー」と「同族・バトル」はまだ登場していない。
- 同族・土地の案自体はローウィン開発時にあったものの、ミラディン・ブロックのアーティファクト・土地のような影響力を持つことが懸念されたことなどから実現はしなかったという経緯がある。
- 同族・プレインズウォーカーが存在しないのは「プレインズウォーカー/Planeswalkerとして目覚めることで、元の世界とその世界を支配する法から解放され、その弱点に捕らわれることなく世界の利を学べる神話的存在になる」という背景設定の他、プレインズウォーカーの悪用を未然に防ぐためとされている。
再登場の可能性
同族はエルドラージ覚醒を最後に、本流のセットでは使用されなくなったカード・タイプである。
Mark Rosewaterは2011年の公式記事[3]において、「部族というカード・タイプに死を宣告しよう」と述べ、部族を今後使うつもりがないことを明言した。この時点では「どうしても必要な状況があれば――まあ、封印の奥底から引っ張り出すことになるだろう」という、状況次第での復活を示唆する表現が同時に用いられていたが、2015年の公式記事[4]では「何を持ってしてもそんなことはあり得ない」と非常に強い表現になっており、再使用する可能性が極めて低いことが改めて示された。
その理由は、イニストラードで部族を使用してプレイテストした結果、うまくいかなかったからである。部族を使うなら、例えばゾンビのフレイバーを持つ非クリーチャー・カードにはすべて部族をつけなければならないが、クリーチャー・タイプを参照するカードのほとんどはクリーチャーにしか影響しないので、文章が増える割にゲームプレイの向上に繋がらず、混乱を招くだけであった。
2021年、モダンホライゾン2において部族であるゴイフの祭壇/Altar of the Goyfが登場したが、同時に公式記事[5]にて、これはモダンホライゾン2が高い複雑さと郷愁を有するセットであるが故の特例であり、部族を今後定期的に使うわけではないと述べられている。
2023年には偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifierのカード・タイプに関する注釈文で、バトルという新たなカード・タイプが示唆される一方で部族は無視されるという扱いを受けている。その後、ルール用語として同族に置き換わる事が予告された。
2024年、モダンホライゾン3およびモダンホライゾン3統率者デッキにて「同族/Kindred」に名を改め再登場。名称変更によって再登場の可能性が上がるのかという問いに対して、Mark Rosewaterは「カード・タイプ自体へのスタンスや使用頻度は変わらないが、適切な製品で単発的に登場させやすくなった」と答えている[6][7]。
ダスクモーン:戦慄の館統率者デッキではカード・タイプの種類数を参照する昂揚をテーマとする積み上がる死者の山/Death Tollで新規カードが登場した。
該当クリーチャー・タイプ
脚注
- ↑ MTGアリーナでリリース予定の『タルキール覇王譚』におけるカードの更新のお知らせ(Daily MTG 2023年11月3日)
- ↑ WeeklyMTG | Wilds of Eldraine Debut Aftershow(Youtube 2023年8月15日)
- ↑ Scary Stories, Part 1/恐るべき物語 その1(Making Magic 2011年9月19日 Mark Rosewater著)
- ↑ Know What?/「何」の話(Making Magic 2015年11月16日 Mark Rosewater著)
- ↑ On the Horizons, Part 1/『モダンホライゾン』にて その1(Making Magic 2021年6月7日 Mark Rosewater著)
- ↑ Regarding the announcement today I'm curious about...(Blogatog 2023年11月3日 Mark Rosewater著)
- ↑ Odds & Ends: 2023, Part 1/こぼれ話2023 その1(Making Magic 2023年11月20日 Mark Rosewater著)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 3 カード・タイプ
- 308 部族
- 308.1 部族・カードはもう1つカード・タイプを持つ。部族・カードをプレイし、解決するにあたっては、もう1つのカード・タイプのカードをプレイし、解決するためのルールに従う。
- 308.2 部族のサブタイプは、必ず1単語であり、「部族・エンチャント ─ マーフォーク/Tribal Enchantment ─ Merfolk」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。部族のサブタイプはクリーチャーのサブタイプと同じであり、「クリーチャー・タイプ/creature type」と呼ばれる。部族には複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は、rule 205.3m 参照。
- 308 部族