流し台型デザイン
提供:MTG Wiki
2024年9月11日 (水) 02:11時点におけるIfnirBlack (トーク | 投稿記録)による版
流し台型デザイン(Kitchen-sink design)とは、能力(特に常盤木キーワード能力)を大量に詰め込んだカードデザインのことである[1]。ごった煮と訳されることもある[2]。
目次 |
概要
Akroma, Angel of Wrath / 怒りの天使アクローマ (5)(白)(白)(白)
伝説のクリーチャー — 天使(Angel)
伝説のクリーチャー — 天使(Angel)
飛行、先制攻撃、警戒、トランプル、速攻、プロテクション(黒)、プロテクション(赤)
6/6Zetalpa, Primal Dawn / 原初の夜明け、ゼタルパ (6)(白)(白)
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) 恐竜(Dinosaur)
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) 恐竜(Dinosaur)
飛行、二段攻撃、警戒、トランプル、破壊不能
4/8英語の「何でもかんでも詰め込む」を意味する慣用句「everything but the kitchen sink」(流し台以外全部)に由来する。代表例である怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrathにちなんで「アクローマ」とも呼ばれる。
夜のスピリット/Spirit of the Nightや怒りの天使アクローマなど、たくさん能力を持つカードは初期から作られており、一定の人気があった。開発部もそれを認識しており、時折流し台型デザインが試されている。
カードパワーの調整が難しく、色の役割やフレイバーにより持たせられない能力もある。そのため、どの能力をもたせるかは慎重に決められている。例えば、原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawnは「白の巨大翼竜」にふさわしい能力が選抜されており、かつ絆魂は強すぎると判明したため取り除かれている。ゼタルパの開発秘話も参照のこと。
- プレインズウォーカーのように、能力を3~4つ持っているのが普通のカード・タイプやサブタイプでは使われない言葉である。
- 開発部コラムなどで引き合いに出されるのはキーワード能力を持つクリーチャーのみだが、それ以外の能力についても「流し台型デザイン」というかどうかは不明である。
- オリジナルカードの題材としても人気がある。カードを作るのは君だ!では、あらん限りのキーワード能力を得る起動型能力を持つカードは「クリーチャーを殺す」カードの次に人気だったという[3]。
- Mark Rosewaterはこのことを「私をアクローマにして/Make Me An Akroma」と呼んでおり、第1回の時点では「アクローマがみんなの頭にあったから、キーワードを全部得るアーティファクトは避けることにした」としている。これを踏まえたかどうかは不明だが、のちの未来予知でまさしく「アクローマにして」カードであるアーティファクトのアクローマの記念碑/Akroma's Memorialが作られた。
- 開発部用語に「蛇口/spouts」と呼ばれるものがあるが、そちらはマナの注ぎ口といった意味。
代表例
- たくさん能力がつくと思ったらそのうち一つが防衛、という大隼の仮面/Peregrine Maskや羽毛覆い/Plumeveil、雨ざらしの番兵/Weathered Sentinelsのような肩透かしカードも作られている。
- 頂点壊滅獣/Apex Devastatorのように同じキーワード能力が大量につくカードも試されている。
- アン・セットではこの用語を使った流し台の騎士/Knight of the Kitchen Sinkやインスタント版のBlast from the Past、ロクな能力がないOld Fogeyといったパロディが収録されている。
- 他のカードを参照して大量にキーワード能力を得るカードについては逃亡した多相の戦士/Escaped Shapeshifterを参照。流し台デザインのカードとは非常に相性が良く、デッキとして形になることもある(→魂剥ぎ)。
- 複数のキーワード能力の中から選んだ1つを得るものはウルザの報復者/Urza's Avengerか原初の土/Primal Clayの項を参照。
4つ以上の常盤木キーワード能力、またはそれに準ずる頻出能力を持つか与えるものを列挙する。元祖であるアクローマに倣ってか、天使や伝説のクリーチャーが多い。
- 夜のスピリット/Spirit of the Night(ミラージュ)
- 部族のゴーレム/Tribal Golem(オンスロート)
- 怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath(レギオン)
- ドラゴンの暴君/Dragon Tyrant(スカージ)
- 憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury(次元の混乱)
- アクローマの記念碑/Akroma's Memorial(未来予知)
- ヘルカイトの首領/Hellkite Overlord(アラーラの断片)
- 鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind(アラーラ再誕)
- 悪斬の天使/Baneslayer Angel(基本セット2010)
- 執念の剣/Sword of Vengeance(基本セット2011)
- 精鋭の審問官/Elite Inquisitor(イニストラード)
- 空殴り/Skylasher(ドラゴンの迷路)
- 彩色マンティコア/Chromanticore(神々の軍勢)
- 不敬の皇子、オーメンダール/Ormendahl, Profane Prince(イニストラードを覆う影)
- 悪夢の声、ブリセラ/Brisela, Voice of Nightmares(異界月)
- 法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voice(統率者2016)
- 造反の代弁者、サムト/Samut, Voice of Dissent(アモンケット)
- 原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn(イクサランの相克)
- 殲滅の龍、パラディア=モルス/Palladia-Mors, the Ruiner(基本セット2019)
- 陽刃の天使/Sunblade Angel(灯争大戦)
- イクシドールの理想、アクローマ/Akroma, Vision of Ixidor(統率者レジェンズ)
- アクローマの意志/Akroma's Will(統率者レジェンズ)
- ドラコの末裔/Scion of Draco(モダンホライゾン2)
- カルドラの完成体/Kaldra Compleat(モダンホライゾン2)
- 天使火の覚醒/Angelfire Ignition(イニストラード:真夜中の狩り)
- メカ巨神/Mechtitan - メカ巨神のコア/Mechtitan Coreが生成するトークン(神河:輝ける世界)
- 上品な灰色熊、ウィルソン/Wilson, Refined Grizzly(統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い)
- マルチクラスの飾り帯/Multiclass Baldric(統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い)
- ガイアの具現、ティタニア/Titania, Gaea Incarnate(兄弟戦争)
- ガイアの贈り物/Gaea's Gift(兄弟戦争)
- 廃物製の喧嘩屋/Scavenged Brawler(兄弟戦争統率者デッキ)
- 偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier(ファイレクシア:完全なる統一)
- アトラクサの疾牙/Atraxa's Skitterfang(ファイレクシア:完全なる統一)
- 不気味な船長の玉座/Throne of the Grim Captain(イクサラン:失われし洞窟)
- 聖なる薄暮の騎士団/Order of Sacred Dusk(イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ)
- 烈風のヘラジカ/Galewind Moose(ブルームバロウ)
脚注
- ↑ A Rivals No Other Part 3/他ならぬ『相克』 その3(Making Magic 2018年1月22日 Mark Rosewater著)
- ↑ Word on the Streets of New Capenna, Part 3/『ニューカペナの街角』の言葉 その3(Making Magic 2022年5月3日 Mark Rosewater著)
- ↑ YOU MAKE THE CARD, TOO(Making Magic 2003年6月30日 Mark Rosewater著)