アーキタイプ
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アーキタイプ(Archetype)とは、原型、雛形の意。転じてマジックにおいては、デッキのコンセプトや動きを加味した“根本の構成”のことを指す。
意味がデッキタイプと似通っているが、こちらの方がより固定的または根幹的な意味合いが強い。例えばビートダウンといえばその中には白単色の白ウィニーも赤緑のステロイドも含まれるし、コントロールといえば青白コントロールも黒コントロールも含まれる。言い換えれば、コントロールというアーキタイプの中に青白コントロールや黒コントロールといった様々なデッキタイプが存在する、といったところか。
アーキタイプの分類・相性は絶対的なものではなく、分類には諸説があるし、また相性についても、デッキの組み方やメタゲームによってはコントロールに強いコンボデッキ、コンボの完成速度を上回る圧倒的速さで粉砕するビートダウンなど、強弱が逆転することも少なくない。 それでもアーキタイプを分類するメリットとしては、プレイヤーにおいては新たな環境におけるデッキ構築の指標としたり、原則的な相性関係を把握してメタゲームを素早く攻略することに寄与する点などが挙げられる。またはデベロップに対しても、大きな洞察力を与えメタゲームのバランスを保つことに寄与している。
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主な分類
R&Dによる分類
2012年の公式記事Zero to Sixty/ゼロからのデッキ構築とAh Yes. Very Standard./まさしくスタンダードだにおいて、6つのアーキタイプによる分類が示された。
- アグロ:最序盤から軽い脅威を展開し、速やかに対戦相手を倒す。
- ミッドレンジ:3~6マナ域の脅威を攻防に回して戦う。マナ加速を伴うこともある。
- ランプ:序盤はマナ加速を連打し、そこから少数の重い脅威を展開する。
- コンボ:特定のカードの組み合わせなど、変わった戦略で勝利を目指す。
- コントロール:対戦相手の脅威を妨害し続け、最後には少数の脅威でゲームを終わらせる。
- 撹乱的アグロ:脅威を展開し、それに対する除去と対戦相手の脅威を、カウンターなどで妨害しながら戦う。
この6つには以下の相性関係が成立する。特にスタンダードでは、「アグロ」「ミッドレンジ」「コンボとランプ」「コントロールと撹乱的アグロ」がそれぞれメタゲームの1/4ずつを占めるのが理想とされている。
- アグロは、遅いコントロールに強く、またクリーチャーの量と質で勝るため撹乱的アグロに強い。
- コントロールと撹乱的アグロは、少数の遅い脅威を妨害できることからコンボとランプに強い。
- コンボとランプは、速度も妨害手段も不足しているミッドレンジに強い。
- ミッドレンジは、クリーチャー戦において1体1体の性能差で分があるためアグロに強い。
3大アーキタイプ
過去には長い間、主にビートダウン・コントロール・コンボデッキの3タイプに分類されてきた。この分類にもそれぞれ得意な相手と苦手な相手が存在する。レガシーのメタの一巡として挙げられる。
- ビートダウンは、妨害される前に優位に立てるためコントロールに強い。
- コントロールは、コンボパーツを狙い撃ちできるためコンボデッキに強い。
- コンボデッキは、コンボパーツ対策が少ないビートダウンに強い。
Floresによる分類
Mike FloresはFinding the Tinker Deck/Tinker デッキへの探求の中でこう述べている。いわく、マジックのアーキタイプとして挙げられるのは以下の9つであり、新たに作られるデッキもこの9つのアーキタイプのうちのどれかに属する。
- カウンタースリヴァーに代表されるクロック・パーミッション
- ストームネクロに代表されるドローとマナ効率を追求したデッキ
- プリズンに代表されるボードコントロールを追求したコントロール
- スライに代表されるマナカーブ理論を追求した火力・クリーチャー併用型のビートダウン
- ストンピィに代表されるクリーチャーを主体としたウィニー
- The Deckに代表されるカード・アドバンテージを追求したコントロール
- ジャンクに代表される汎用性の高いグッドスタッフ
- ティンカーに代表されるマナ加速とマナ・コストを無視するカード(修繕/Tinkerなど)を主体としたデッキ
- ネクロ・ドネイトに代表される瞬殺コンボデッキ
近年
アーキタイプの用法には近年若干の混乱が見られる。特にリミテッドやスタンダードなどのカードプールが狭いフォーマットにおいて、特定の機能やメカニズムを持つカード群をかき集めた、“勝ちに行けるデッキレシピ”に非常に近い意味で用いられることも多く、この用法は当wikiや公式ホームページのイベントカバレージなどでも散見される。