追放
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追放(ついほう)/Exileは、キーワード処理の1つ、およびにそのキーワード処理によってオブジェクトが置かれる領域。
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キーワード処理の定義
[オブジェクト]を追放するとは、その[オブジェクト]を現在ある領域から追放領域に移動させることを意味する。
エンチャント
忘却の輪が戦場に出たとき、他の土地でないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
忘却の輪が戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
追放領域に移動されたカードは、追放されたカード/Exiled cardと表現される。
解説
追放する呪文や能力は主に、オブジェクトを他の領域に戻す手段を持たずに追放するもの(例:流刑への道/Path to Exile)と、一時的にだけ追放するもの(例:待機、続唱)の2種類がある。
追放領域にあるカードを参照するカードは墓地と比べて非常に限られており、何らかの戻す効果が含まれていなければ、基本的にそのゲームの間で使うことはできない。そのため、戻す手段を持たずに対戦相手のパーマネントを追放する効果は、同じパーマネントを破壊する効果より強力な除去とされる。
- パーマネントを「追放する」のは破壊ではないので、再生で防ぐことはできず、破壊されないクリーチャーも追放される。
- 同様に、スタック上の呪文を「追放する」のは打ち消すこととは別なので、打ち消されない呪文も追放される(例:アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling、精神壊しの罠/Mindbreak Trap)。
- 追放されるカードは、指示が無い限り表向きであり、すべてのプレイヤーに公開されている。裏向きのオブジェクトが追放された場合も表向きになる。
- 裏向きで追放されたカード(例:ネクロポーテンス/Necropotence)は、説明によって許可されていない限り、どのプレイヤーも見ることはできない。ただし、何らかの効果によって見ることを許可されたプレイヤーは、その効果が終了した後も見ることができる。
- カードを追放する能力と、「その追放されたカード」や「〜によって追放されたカード」を参照する能力が書かれているオブジェクトにおいて、その2つの能力は関連している能力である。その2番目の能力は、1番目の能力によって追放されたカードのみを参照する。詳細は関連している能力を参照。
- 追放領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、領域を移動したものと同じように新しいオブジェクトになる。
- 虚空の力線/Leyline of the Voidが戦場にある状態で、虚空の大口/Void Mawの能力を起動した場合などにこのような状況が起こる。この場合、そのカードは追放領域から追放されることになるため、「虚空の大口よって追放されたカード」ではなくなり、再びコストとして使うことはできなくなる。
- 追放領域も領域であるため、追放されたカードもマイコシンスの格子/Mycosynth Latticeなどによる効果を受ける。
ゲームから取り除く・ゲーム外領域
キーワード処理の追放は、過去には「ゲームから取り除く/Remove from the game」(キーワード処理ではない)と呼ばれ、追放領域は、過去には「ゲーム外/Removed from the game」領域と呼ばれていた。「ゲームから取り除く」「脇に置く」と書かれていたカードは、基本セット2010発売に伴う2009年7月11日のオラクル更新で「追放する」に変更されている。
「ゲームから取り除く」という表記は、ゲーム外領域から戻るカードが増え、また願いの登場によって能動的にゲーム外のカードを持って来られるようになったこともあってあまりふさわしくないものとなり、また、「場」と同様「ゲーム外」にも「ライブラリー」や「墓地」といった他の領域とイメージが異なり格好悪いという問題もあった。これらの問題を解決するため、基本セット2010の大規模なルール改正によって、他の領域の雰囲気に合わせた追放へと変更された。(→Magic 2010 Rules Changes参照)
- この変更によって、変更前は「Remove from the game」と英語で4単語も費やしていた用語が「Exile」の1単語で済むようになった。
- ゲーム外領域から追放領域になって変わったのは名前だけではない。ゲーム外領域はゲームの外部の一部であったが、追放領域はゲームの内部であるという違いが存在する。これにより、願いなど一部のカードの挙動が大きく変わった。
追放されたカードを参照するカード
どの方法で追放されたカードも参照できるカードの一覧。
- 永遠からの引き抜き/Pull from Eternity - 追放されている表向きのカード1枚を墓地に置く。
- 裂け目掃き/Riftsweeper - 追放されている表向きのカード1枚をライブラリーに戻す。
- 命運の鏡/Mirror of Fate - 自分のライブラリーを、最大7枚の追放されている表向きのカードのみにする。
- ルーンの反復/Runic Repetition - 自分がオーナーの追放されているフラッシュバックを持つカード1枚を手札に加える。
その他
- カードが追放領域を参照する場合、基本的に「追放された[オブジェクト]」「追放されている[オブジェクト]」と書かれる。追放(ゲーム外)領域そのものが書かれているカードはアンヒンジドのAWOLのみ。
- 「追放する」と「消滅する」は異なる。「追放する」とは「オブジェクトを追放領域に移動させる」ことであるが、トークンなどが「消滅する」場合、それは単純にどの領域にも存在しなくなる。
- 過去の英語の表記からリムーブと呼ばれることも多い。ただし、他の用法でも使われる用語なので注意。その他の用法についてはリムーブを参照。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
引用:総合ルール 20231117.0
- 4 領域
- 406 追放
- 406.1 追放 領域はオブジェクトを保持する領域である。オブジェクトを戻る手段を持たずに追放する呪文や能力もあれば、オブジェクトを一時的にだけ追放する呪文や能力もある。
- 406.2 オブジェクトを追放するとは、そのオブジェクトが現在存在する領域から追放 領域に動かすことである。追放されたカードとは、追放 領域に動かされたカードのことである。
- 406.3 追放されたカードは通常オモテ向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きで追放されている/exiled face down」カードは、説明によって許可されていない限り、いずれのプレイヤーによっても見ることはできない。ただし、プレイヤーがカードを見てから裏向きで追放すると指示されていた場合や裏向きで追放されているカードを見ることができることになった場合、そのカードが追放 領域を離れるかまたはそのカードが切り直されたカードの束の一部になるまで、見ることができるとする効果が終わったあとでも見ることができる。
- 406.4 追放 領域にある裏向きのカードは、いつどのように追放されたかによって別々の束に置かれるべきである。プレイヤーが追放されているカードを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーは、カードのオモテを見ることができる場合にのみ特定の裏向きのカードを選ぶことができる。そうでなければ、裏向きで追放されているカードの束1つを選び、その束から無作為にカード1枚を選ぶことになる。こうしてカードを選ぶことが呪文を唱えることや能力を起動することの一部だった場合、その選ばれたカードはそのコストが支払い終わるまで公開されない(rule 601.2i 参照)。
- 406.5 追放されたカードで、戦場やそのほかの領域に戻る可能性のあるものは、その戻る方法が解るように、別々の束にして置かれるべきである。追放されたカードで、それ自身の能力(憑依など)や追放したカードの能力によってゲームに影響を及ぼしうるものも、同様に別々の束にして置かれるべきである。
- 406.6 カードを追放する能力と、「追放されているカード/exiled card」あるいは「[[[オブジェクト]]]によって追放されているカード/cards exiled with [this object]」を参照する別の能力とが書かれているオブジェクトが存在する。これらの能力は関連しているものであり、この2つ目の能力は、その1つ目の能力によって追放されているカードだけを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
- 406.7 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクト になる。
- 406.8 かつて、追放 領域は「ゲーム外/Removed-from-the-game」領域と呼ばれていた。カードに「[[[オブジェクト]]を]ゲームから取り除く/removes [an object] from the game」というように書かれている場合、そのオブジェクトを追放する。「[[[オブジェクト]]を]脇に置く/sets [an object] aside」も同じである。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
- 406 追放