アーボーグの暴食、ヤーグル/Yargle, Glutton of Urborg
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非常に頭でっかちなP/Tを持つ伝説のカエル・スピリット。いわゆるバニラである。
5マナのクリーチャーとしては歴代最高クラスのパワーを持つ。同条件では単純なパワーだけならば無限のワーム/Endless Wurmや地ならし屋/Levelerといったライバルがいるものの、伝説である点以外に目立ったデメリットを持たないという使いやすさが画期的。タフネスが低いのが玉に瑕なので、コンバット・トリックや装備品などで補ってやろう。特に馬上槍/Jousting Lanceなどを装備させれば凶悪極まりないアタッカーとなる。構築であれば投げ飛ばし/Flingや心臓貫きのマンティコア/Heart-Piercer Manticoreで投げてしまうという手もある。
- 伝説のバニラクリーチャーが通常のエキスパンションで収録されるのは神河物語の今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda(タイムシフトまで含めればジャスミン・ボリアル/Jasmine Boreal)以来となる。
- 史上初の9/3のクリーチャー[1]であり、史上2枚目の伝説のカエル。
- 3ヶ月後の基本セット2019にデメリットなしで5マナ10/10のギガントサウルス/Gigantosaurusが登場し、5マナバニラ内最大のパワーという記録はあっさりと塗り替えられた。
人気
英語圏では嵐雲のカラス/Storm Crowや日本での甲鱗のワーム/Scaled Wurmに通ずる妙な人気を獲得しており、その反響から公式もヤーグルを推した企画を何度か行っている。いずれも彼のP/Tに基づき9月3日に行われている。
2020年
- Secret Lair Drop Series: Happy Yargle Day!が発売された。収録カードのほとんどは既存イラストの人物をヤーグルに変えたものとなっている。
- MTGアリーナでは「ヤーグル・デー」が開催された[2]。ヤーグル入りの構築済みデッキ5種から1種を選び対戦するイベントで、「あなたがカエル・呪文を唱えるためのコストは(2)少なくなる」紋章を各プレイヤーが得た状態でゲームを行う。また、ヤーグル以外の全カードはコモンになっている。報酬は一勝目が900EXP、二勝目が300EXP。
- なお、デッキ名は基本セット2021に収録された単色プレインズウォーカーサイクルのパロディとなっている。
2021年
- 前年に引き続きMTGアリーナで「ヤーグル・デー」が開催された。フォーマットは構築済みヒストリック・ブロールとなっているが[3]、紋章や報酬は前回と同様である。
- 統率者はヤーグルの他に怒り狂う島嶼、キャリクス/Charix, the Raging Isle、無傷のハクトス/Haktos the Unscarred、ファイヤー・ジャイアントの公爵、ザルトー/Zalto, Fire Giant Duke、力の具現、ジローサ/Zilortha, Strength Incarnateと、いずれもパワー/タフネスが極端に偏った面々となっている。
2022年
- 恒例行事と化したのか、MTGアリーナで『ヤーグル・デー:技食同源/Yargle Day:You are what you eat』が開催された。従来同様の紋章・報酬に加え、新たに「カエル1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、あなたはカード1枚を引き、そのカエルはその生け贄に捧げられたクリーチャーのすべての能力を得る。」効果を持った技食同源(ぎしょくどうげん)の紋章が使用される。
- 使用する構築済みデッキはヤーグルが9枚投入されており、デッキ名は色とヤーグル/Yargleを組み合わせたものとなっている(例:黒単色ならブラーグル/Blargle、白黒ならワーグル/Wargleなど)。
- "You are what you eat"は「あなたは、あなたの食べたもので出来ている」といった意味で、食生活が健康に繋がることを表した諺である。日本語訳の「技食同源」は、中国における同様の考えである「医食同源(いしょくどうげん)」を捩ったものだろう。
ストーリー
ヤーグル/Yargleは、アーボーグ/Urborgに棲まう巨大なカエルの精霊(イラスト)。
かつてのヤーグルはヤー=クール/Yar-Kulという名の人間/Humanであり、ベルゼンロック/Belzenlokの副官を務める陰謀団/The Cabalの指導者だった。しかし大き過ぎる野心を抱いた罰としてベルゼンロックによって蛆虫に変えられ、さらにカエルに食べられてしまう。そのカエルは爆発的な成長を続けた末、遂に肉体は破裂し、貪欲な魂のみが外に解き放たれた。
ベルゼンロックの副官ヤー=クールが大き過ぎる野心を抱くようになったので、悪魔王は彼を蛆に変えた。その蛆を食べた蛙はどんどん大きくなり続け、ついに体が爆発して貪欲な魂が抜け出すまで止まらなかった。
ドミナリアのストーリーでは、陰謀団/The Cabalの要塞/Strongholdに向かう準備を整えている最中のウェザーライト/Weatherlightを突如襲撃、ウェザーライトごと喰らおうとする。乗組員が応戦するも歯が立たず、一行は窮地に陥るが、そこへ巨大なエレメンタルが姿を現す。スライムフット/Slimefootが助けを求めた霊達が、ムルドローサ/Muldrothaを呼び寄せたのだ。ムルドローサがヤーグルを抑え込んでいる隙にウェザーライト号は脱出することができた。その後の両者の顛末は語られておらず、生死(?)も不明である。
- イラストでは陰謀団を襲っているが、これはアーティストの独断ではなくアート指示段階から決められていたことである[4]。そのため、上記の行動は陰謀団としてウェザーライト一行を妨害したのではなく、単に接近してきたものに襲い掛かっただけとも考えられる。
登場
イラストに登場
- Secret Lair Drop Series: Happy Yargle Day!
- 剣を鍬に/Swords to Plowshares、選択/Opt、致命的な一押し/Fatal Push、神々の憤怒/Anger of the Gods、探検/Explore
フレイバー・テキストに登場
登場作品
- Return to Dominaria: Episode 11/ドミナリアへの帰還 第11話(Magic Story 2018年5月23日 Martha Wells著)
- Return to Dominaria: Episode 12/ドミナリアへの帰還 第12話(Magic Story 2018年5月30日 Martha Wells著)
脚注
- ↑ Stories from Dominaria, Part 3/『ドミナリア』での話 その3(Making Magic 2018年4月30日 Mark Rosewater著)
- ↑ Happy Yargle Day!(Magic Digital 2020年9月2日 Wizards of the Coast著)
- ↑ MTG Arena Announcements, September 1, 2021/MTGアリーナニュース(2021年9月1日)(Magic Digital 2021年9月1日 Wizards of the Coast著)
- ↑ Magic Design A to Z, Part 3/マジックのデザイン・AからZ その3(Making Magic 2022年7月25日 Mark Rosewater著)
参考
- Legends of Dominaria/ドミナリアの伝説たち
- バニラクリーチャー
- アーボーグ/Urborg(背景世界/ストーリー用語)
- カード個別評価:ドミナリア - アンコモン
- カード個別評価:ジャンプスタート2022 - アンコモン