閃光/Flash

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Flash / 閃光 (1)(青)
インスタント

あなたは、あなたの手札にあるクリーチャー・カード1枚を戦場に出してもよい。そうした場合、あなたがそのマナ・コストを最大(2)まで減らして支払わないかぎり、それを生け贄に捧げる。


クリーチャー戦場に出す呪文。結果的には、カード1枚余分に消費し、コストの不特定マナ1点が()になるかわりに、手札のクリーチャー1体をインスタント・タイミングで戦場に出せる。

本来の用途はインスタント・タイミングでクリーチャー呪文をプレイできるということを擬似的に再現したものだが、カード・アドバンテージを失うのが弱点であり、そのためだけにデッキに投入されることはほとんどなく、パーミッションの同系対策に採用される程度であった。この場合、このカードを通してしまうという事は対戦相手のフィニッシャーを通してしまうのと同義であるため、マストカウンターになりうるのである。対戦相手のターンにマナとカウンターを消費させ、次の自ターン、改めて万全の体制でフィニッシャーを唱えることができるため、カウンター合戦を制しやすくなる強みがあった。

しかしこのカードの効果で特に重要だったのは、2マナを支払えば戦場に残らずとも一度は戦場に出るので、CIPPIG能力を持ったクリーチャーの能力を誘発させることができるという点にあった。特にPIG能力については、クリーチャーを本来のマナ・コストで戦場に出すことと、墓地へ送るという2つの手間を同時に解消してくれる点で、極めて相性が良かった。任意のインスタント・タイミングで能力を誘発できるという点も、大きな利点である。

初期は、ルフ鳥の卵/Rukh EggとのコンボがしばしばType1(現在のヴィンテージ)で見受けられる程度だったが、その後にアカデミーの学長/Academy Rectorパンデモノートなど凶悪なCIP・PIG能力を利用したコンボが開発されるようになり、それらがあまりに強力だったためか、ウルザズ・デスティニー発売直後にエラッタが出されて「マナを支払わないと戦場に出ずに直接墓地に置かれる」というルール・テキストになり、その黄金期も一時終焉を迎えた。しかし、時を経て2007年4月のオラクル変更で元に戻ったため、再びコンボに使えるようになった。このエラッタが出るや、エターナルにおいてハルクフラッシュという高速コンボデッキが登場。直後に開催されたグランプリコロンバス07を席巻した。これを受けて2007年6月20日よりレガシー禁止カード、2007年9月26日よりクラシック(Magic Online)で制限カードに指定される。その後ヴィンテージでも2008年6月20日に、これをサーチできる商人の巻物/Merchant Scrollともども制限カードに指定され、文字通り閃光の様な一瞬の活躍に終わってしまった。


  • 変更が元に戻された最大の要因は、「手札から戦場に出す」カード(例えば、エルフの笛吹き/Elvish Piper)が同時期にすべて「戦場に出してもよい」に変更されたことにある。この変更を閃光に適用すると問題があるため、それを回避するためにテキストを元に戻したのだった(参考,英語)。
    • パワー・レベル・エラッタに関する方針や、テキストを元に戻すことによるゲームへの影響を過小評価していたことも一因。
  • 「手札のクリーチャー・カードをコストを支払ってインスタント・タイミングで戦場に出す」という側面でほぼ同様の機能を持つのが斥候の警告/Scout's Warning。クリーチャーではなく、ソーサリーをインスタント・タイミングで使用できるようにしたのが急かし/Quicken。ただし、これらはマナ・コストの軽減ではなくカードが引ける(キャントリップ)。
  • 時のらせんにおいて「インスタント・タイミングで唱えられる」能力を指すキーワード能力としてこの名前が採用された。→瞬速(Time (Spiral) Is On My Side参照)
    • 過去、同様の経緯で命名されたキーワード能力に畏怖畏怖/Fear)がある。

参考

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