アーキタイプ
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アーキタイプ(Archetype)とは、原型、雛形の意。転じてマジックにおいては、デッキのコンセプトや動きを加味した”根本の構成”のことを指す。
意味がデッキタイプと似通っているが、こちらの方がより固定的又は根幹的な意味合いが強い。たとえばビートダウンといえばその中には赤緑のステロイドも緑白のメロンも含まれるし、コントロールといえば青白コントロールも黒コントロールも含まれる。言い換えれば、コントロールというアーキタイプの中に青白コントロールや黒コントロールといった様々なデッキタイプが存在する、といったところか。
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主な分類
R&Dによる分類
近年では6つのアーキタイプによる分類が提唱されている。
- アグロ:最序盤から軽い脅威を展開し、速やかに対戦相手を倒す。
- 中速:1ターン目のマナ・クリーチャーなどから、3~6マナ域の脅威を展開する。
- ランプ:序盤はマナ加速を連打し、そこから少数の重い脅威を展開する。
- コンボ:特定のカードの組み合わせなど、変わった戦略で勝利を目指す。
- コントロール:対戦相手の脅威を妨害し続け、最後には少数の脅威でゲームを終わらせる。
- 撹乱的アグロ:脅威を展開し、それに対する除去と対戦相手の脅威を、カウンターなどで妨害しながら戦う。
「アグロ」「中速」「コンボとランプ」「コントロールと撹乱的アグロ」がそれぞれメタゲームの1/4ずつを占めるのが理想であり、この6つには以下の相性関係が成立する。
- ビートダウンは、遅いコントロールに強く、またクリーチャーの量と質で勝るためビート・コントロールに強い。
- コントロールとビート・コントロールは、少数の遅い脅威を妨害できることからコンボとランプに強い。
- コンボとランプは、速度も妨害手段も不足しているミッドレンジに強い。
- ミッドレンジは、クリーチャー戦において1体1体の性能差で分があるためビートダウンに強い。
これらの分類は不変ではなく、例えばコントロールはクリーチャー除去を積むことでビートダウンに強くなるなど、メタゲームを正確にモデル化することはできない。しかし、このモデルはデベロップにおいて多くの洞察力を与え、メタゲームのバランスを保つことに寄与している。
詳細は公式記事Zero to SixtyやAh Yes. Very Standard./まさしくスタンダードだを参照。
3大アーキタイプ
過去には長い間、主にビートダウン・コントロール・コンボデッキの3タイプに分類されてきた。この分類にもそれぞれ得意な相手と苦手な相手が存在する。
- ビートダウンは、妨害される前に優位に立てるためコントロールに強い。
- コントロールは、コンボパーツを狙い撃ちできるためコンボデッキに強い。
- コンボデッキは、コンボパーツ対策が少ないビートダウンに強い。
当然、あくまでも基本であり、デッキの組み方やメタゲームによってはコントロールに強いコンボデッキや、コンボの完成速度を上回る圧倒的速さで粉砕するビートダウンなど、強弱が逆転することも少なくない。
Floresによる分類
Mike FloresはFinding the Tinker Deck(Tinker デッキへの探求)のなかでこう述べている。
いわく、マジックのアーキタイプとして挙げられるのは以下の9つであり、新たに作られるデッキもこの9つのアーキタイプの内のどれかに属する。
- カウンタースリヴァーに代表されるクロック・パーミッション
- ストームネクロに代表されるドローとマナ効率を追求したデッキ
- プリズンに代表されるボードコントロールを追求したコントロール
- スライに代表されるマナカーブ理論を追求した火力・クリーチャー併用型のビートダウン
- ストンピィに代表されるクリーチャーを主体としたウィニー
- The Deckに代表されるカード・アドバンテージを追求したコントロール
- ジャンクに代表される汎用性の高いグッドスタッフ
- ティンカーに代表されるマナ加速とマナ・コストを無視するカード(修繕/Tinkerなど)を主体としたデッキ
- ネクロ・ドネイトに代表される瞬殺コンボデッキ