世慣れた見張り、デルニー/Delney, Streetwise Lookout
提供:MTG Wiki
(2人の利用者による、間の4版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
− | {{ | + | {{#card:Delney, Streetwise Lookout}} |
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | }} | + | |
− | + | ||
− | [[パワー]] | + | [[パワー]]が2以下の[[クリーチャー]]に[[回避能力]]を与え[[誘発型能力]]の[[誘発]]も増やす[[伝説の]][[人間]]・[[スカウト]]。 |
− | + | [[小型クリーチャー]]の誘発型能力なら[[ETB]]、[[PIG]]など何でも増やせるという点がセールスポイント。そうしたクリーチャーは得てして能力が強力なことが多いので、一気に[[アドバンテージ]]を稼ぐことができる。ただし小型クリーチャーにありがちな自己[[強化]]能力はパワーが3を越えてしまうことがあるので相性が悪く、同様に[[ウィニー]][[デッキ]]の定番である[[全体強化]]とも併用がしづらい。デルニー単体でのスペックはあまり高くないことも含め、ハマれば強力だが相応の脆さも持ったクリーチャーと言える。 | |
+ | |||
+ | 回避能力はやや限定的であり、複数体の小型クリーチャーや[[接死]]持ちに[[ブロック]]されて討ち取られることも防げないので信頼性は高くない。それでも強力な[[サボタージュ能力]]や[[攻撃]]誘発型能力を持つクリーチャーを優先して採用すれば、[[打点]]不足、[[戦闘]]における打たれ弱さをカバーしやすくなるだろう。 | ||
+ | |||
+ | [[リミテッド]]の場合、終盤には数合わせになりがちな小型クリーチャーを[[アタッカー]]として利用しやすくなるのは優秀。一方で相性のよい[[カード]]に[[デッキ]]全体を寄せるのが難しくなる。これ自身も[[効果]]の範囲に含むため、とりあえず疑似[[潜伏]]持ちとしては扱えるが、ある程度意識して小型クリーチャーも[[ピック]]するようにしておきたいところ。[[カルロフ邸殺人事件]]に多い[[変装]]との相性も優秀で、実質的に[[護法]](4)持ちとして扱えるほか、大型ブロッカーをすり抜けてから[[表向き]]にすることで回避能力も活かしやすくなる。 | ||
==[[ルール]]== | ==[[ルール]]== | ||
− | *誘発型能力とは、「~~したとき/When ~~」「~~するたび/Whenever ~~」「~~の開始(終了)時に/at the beginning(end) of ~」と書かれた能力である。「~~が戦場に出るに際し/As ~~ enters the | + | *誘発型能力とは、「~~したとき/When ~~」「~~するたび/Whenever ~~」「~~の開始(終了)時に/at the beginning(end) of ~」と書かれた能力である。「~~が戦場に出るに際し/As ~~ enters (the battlefield)」「~~は[[+1/+1カウンター]]が1個置かれた状態で戦場に出る/~~ enters (the battlefield) with +1/+1 counter」などと書かれた能力は誘発型能力ではなく[[常在型能力]]であり影響を受けない。その他基本的なルールは[[誘発型能力#追加で誘発する]]を参照。 |
+ | **[[絆魂]]や[[毒性]]も常在型能力であり、デルニーの能力が適用されないことは覚えておきたい。 | ||
*[[戦場]]のクリーチャー・[[パーマネント]]の能力のみ追加で誘発する。戦場に出ていないクリーチャー・カードの誘発型能力は追加で誘発しない({{CR|109.2}})。 | *[[戦場]]のクリーチャー・[[パーマネント]]の能力のみ追加で誘発する。戦場に出ていないクリーチャー・カードの誘発型能力は追加で誘発しない({{CR|109.2}})。 | ||
**「(自身)が[[死亡]]したとき」のような[[領域変更誘発]]は追加で誘発する。それは[[イベント]]が起こる前の戦場のクリーチャーを見て誘発が判断されるからである。 | **「(自身)が[[死亡]]したとき」のような[[領域変更誘発]]は追加で誘発する。それは[[イベント]]が起こる前の戦場のクリーチャーを見て誘発が判断されるからである。 | ||
21行: | 18行: | ||
**例:[[変装]]したクリーチャーが[[表向き]]になったことで誘発する誘発型能力は、表向きになったクリーチャーのパワーが2以下であったときのみ追加で誘発する。 | **例:[[変装]]したクリーチャーが[[表向き]]になったことで誘発する誘発型能力は、表向きになったクリーチャーのパワーが2以下であったときのみ追加で誘発する。 | ||
**例:[[情熱的な扇動者/Impassioned Orator]]が戦場にいるとき、[[銅纏いの先兵/Coppercoat Vanguard]]が戦場に出た。情熱的な扇動者の能力が誘発するとき、銅纏いの先兵の常在型能力の[[継続的効果]]を受けてそのパワーは3であるため、デルニーによって追加で誘発することはない。 | **例:[[情熱的な扇動者/Impassioned Orator]]が戦場にいるとき、[[銅纏いの先兵/Coppercoat Vanguard]]が戦場に出た。情熱的な扇動者の能力が誘発するとき、銅纏いの先兵の常在型能力の[[継続的効果]]を受けてそのパワーは3であるため、デルニーによって追加で誘発することはない。 | ||
+ | |||
+ | ==開発秘話== | ||
+ | この[[カード]]は[[白]]の[[神話レア]]枠を埋めるために[[Jeremy Geist]]がデザインしたものである。既に出来た神話レアが大型クリーチャーの[[オレリアの立証者/Aurelia's Vindicator]]であったため、[[小型クリーチャー]]かクリーチャー以外の呪文を作る必要があった。Jeremyは[[モダンホライゾン2]]の中では[[調和の神童/Harmonic Prodigy]]が二番目に好きなので、これとカルロフ邸殺人事件の[[白黒]]のテーマ「パワー2以下」を組み合わせたカードとなった。 | ||
+ | |||
+ | *余談だが、氏がモダンホライゾン2で一番好きなのは[[アカデミーの整備士/Academy Manufactor]]<ref>[https://twitter.com/ofsaintdraft/status/1749602208650584323?s=43 @ofsaintdraft](X/Twitter [[2024年]]1月23日 [[Jeremy Geist]])</ref>。 | ||
+ | |||
==ストーリー== | ==ストーリー== | ||
− | '''デルニー'''/''Delney''は[[ラヴニカ/Ravnica]]在住の[[人間/Human#ラヴニカ|人間/Human]] | + | '''デルニー'''/''Delney''は[[ラヴニカ/Ravnica]]在住の[[人間/Human#ラヴニカ|人間/Human]]。[[Wikipedia:en:Non-binary gender|ノンバイナリー]]と思われる(英語版では三人称に性別を特定しないTheyが用いられている)({{Gatherer|id=647930}})。 |
− | [[ | + | デルニーは一見するとただの浮浪児だが、実際は浮浪児ギャング集団のボスであり、[[ラヴニカ/Ravnica#第10地区/The Tenth District|第10地区/The Tenth District]]の通りで行われていることならば何でも知っている。聡明で狡猾なデルニーは、金を払ってでも「目」や「耳」が欲しい者に、喜んでそれらを貸す。その情報収集とスパイ活動におけるスキルは[[ディミーア家/House Dimir]]からも注目を集めているが、デルニーは彼らの勧誘を全て断っている――家族同然の人々を捨てるよりも、路上での生活を望んでいるからだ。 |
− | 作中では[[アルキスト・プロフト/Alquist Proft]] | + | [[ケイヤ/Kaya]]の見立てによると、外見年齢は12、13歳程度で、物心ついた時から[[ギルド/Guild#概要|門なし/Gateless]]として過ごしてきたような冷淡さがある。 |
+ | |||
+ | 作中では[[アルキスト・プロフト/Alquist Proft]]の手紙をケイヤに届けた。ケイヤはデルニーに伝言を預けようとしたが、目を離した一瞬の合間にその姿は消えていた。 | ||
;登場記事・登場作品 | ;登場記事・登場作品 | ||
*[https://magic.wizards.com/en/news/magic-story/episode-7-rot-before-recovery Murders at Karlov Manor | Episode 7: Rot before Recovery]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/MKM/0037506/ 第7話 復活の前に腐敗あり](Magic Story [[2024年]]1月15日 [[Seanan McGuire]]著) | *[https://magic.wizards.com/en/news/magic-story/episode-7-rot-before-recovery Murders at Karlov Manor | Episode 7: Rot before Recovery]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/MKM/0037506/ 第7話 復活の前に腐敗あり](Magic Story [[2024年]]1月15日 [[Seanan McGuire]]著) | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/news/feature/the-legends-and-characters-of-murders-at-karlov-manor The Legends (and Characters) of Murders at Karlov Manor]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0037609/ 『カルロフ邸殺人事件』の伝説(とキャラクター)たち]([[Daily MTG]] 2024年2月6日 Emily Teng著) | ||
+ | |||
+ | ==脚注== | ||
+ | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
*[[カード個別評価:カルロフ邸殺人事件]] - [[神話レア]] | *[[カード個別評価:カルロフ邸殺人事件]] - [[神話レア]] | ||
__NOTOC__ | __NOTOC__ |
2024年7月21日 (日) 11:26時点における最新版
伝説のクリーチャー — 人間(Human) スカウト(Scout)
あなたがコントロールしていてパワーが2以下であるすべてのクリーチャーは、パワーが3以上であるクリーチャーにはブロックされない。
あなたがコントロールしていてパワーが2以下であるクリーチャーの能力1つが誘発するなら、その能力は追加でもう1回誘発する。
パワーが2以下のクリーチャーに回避能力を与え誘発型能力の誘発も増やす伝説の人間・スカウト。
小型クリーチャーの誘発型能力ならETB、PIGなど何でも増やせるという点がセールスポイント。そうしたクリーチャーは得てして能力が強力なことが多いので、一気にアドバンテージを稼ぐことができる。ただし小型クリーチャーにありがちな自己強化能力はパワーが3を越えてしまうことがあるので相性が悪く、同様にウィニーデッキの定番である全体強化とも併用がしづらい。デルニー単体でのスペックはあまり高くないことも含め、ハマれば強力だが相応の脆さも持ったクリーチャーと言える。
回避能力はやや限定的であり、複数体の小型クリーチャーや接死持ちにブロックされて討ち取られることも防げないので信頼性は高くない。それでも強力なサボタージュ能力や攻撃誘発型能力を持つクリーチャーを優先して採用すれば、打点不足、戦闘における打たれ弱さをカバーしやすくなるだろう。
リミテッドの場合、終盤には数合わせになりがちな小型クリーチャーをアタッカーとして利用しやすくなるのは優秀。一方で相性のよいカードにデッキ全体を寄せるのが難しくなる。これ自身も効果の範囲に含むため、とりあえず疑似潜伏持ちとしては扱えるが、ある程度意識して小型クリーチャーもピックするようにしておきたいところ。カルロフ邸殺人事件に多い変装との相性も優秀で、実質的に護法(4)持ちとして扱えるほか、大型ブロッカーをすり抜けてから表向きにすることで回避能力も活かしやすくなる。
[編集] ルール
- 誘発型能力とは、「~~したとき/When ~~」「~~するたび/Whenever ~~」「~~の開始(終了)時に/at the beginning(end) of ~」と書かれた能力である。「~~が戦場に出るに際し/As ~~ enters (the battlefield)」「~~は+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る/~~ enters (the battlefield) with +1/+1 counter」などと書かれた能力は誘発型能力ではなく常在型能力であり影響を受けない。その他基本的なルールは誘発型能力#追加で誘発するを参照。
- 戦場のクリーチャー・パーマネントの能力のみ追加で誘発する。戦場に出ていないクリーチャー・カードの誘発型能力は追加で誘発しない(CR:109.2)。
- あなたがコントロールしているクリーチャーの能力が誘発した後では、それのパワーを2以下に減少させても、その能力が追加でもう1回誘発することはない。同様に、あなたがコントロールしていてパワーが2以下であるクリーチャーの能力が追加でもう1回誘発した後では、それのパワーを3以上に増やしても、その追加の誘発型能力をスタックから取り除かない。
- 領域変更誘発以外の通常の誘発型能力は、そのイベントが起こった後の状態を見て誘発するという点に注意。
- 例:変装したクリーチャーが表向きになったことで誘発する誘発型能力は、表向きになったクリーチャーのパワーが2以下であったときのみ追加で誘発する。
- 例:情熱的な扇動者/Impassioned Oratorが戦場にいるとき、銅纏いの先兵/Coppercoat Vanguardが戦場に出た。情熱的な扇動者の能力が誘発するとき、銅纏いの先兵の常在型能力の継続的効果を受けてそのパワーは3であるため、デルニーによって追加で誘発することはない。
[編集] 開発秘話
このカードは白の神話レア枠を埋めるためにJeremy Geistがデザインしたものである。既に出来た神話レアが大型クリーチャーのオレリアの立証者/Aurelia's Vindicatorであったため、小型クリーチャーかクリーチャー以外の呪文を作る必要があった。Jeremyはモダンホライゾン2の中では調和の神童/Harmonic Prodigyが二番目に好きなので、これとカルロフ邸殺人事件の白黒のテーマ「パワー2以下」を組み合わせたカードとなった。
- 余談だが、氏がモダンホライゾン2で一番好きなのはアカデミーの整備士/Academy Manufactor[1]。
[編集] ストーリー
デルニー/Delneyはラヴニカ/Ravnica在住の人間/Human。ノンバイナリーと思われる(英語版では三人称に性別を特定しないTheyが用いられている)(イラスト)。
デルニーは一見するとただの浮浪児だが、実際は浮浪児ギャング集団のボスであり、第10地区/The Tenth Districtの通りで行われていることならば何でも知っている。聡明で狡猾なデルニーは、金を払ってでも「目」や「耳」が欲しい者に、喜んでそれらを貸す。その情報収集とスパイ活動におけるスキルはディミーア家/House Dimirからも注目を集めているが、デルニーは彼らの勧誘を全て断っている――家族同然の人々を捨てるよりも、路上での生活を望んでいるからだ。
ケイヤ/Kayaの見立てによると、外見年齢は12、13歳程度で、物心ついた時から門なし/Gatelessとして過ごしてきたような冷淡さがある。
作中ではアルキスト・プロフト/Alquist Proftの手紙をケイヤに届けた。ケイヤはデルニーに伝言を預けようとしたが、目を離した一瞬の合間にその姿は消えていた。
- 登場記事・登場作品
- Murders at Karlov Manor | Episode 7: Rot before Recovery/第7話 復活の前に腐敗あり(Magic Story 2024年1月15日 Seanan McGuire著)
- The Legends (and Characters) of Murders at Karlov Manor/『カルロフ邸殺人事件』の伝説(とキャラクター)たち(Daily MTG 2024年2月6日 Emily Teng著)
[編集] 脚注
- ↑ @ofsaintdraft(X/Twitter 2024年1月23日 Jeremy Geist)