後援

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|英名=Enlist
 
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'''後援(こうえん)'''/''Enlist''は、[[団結のドミナリア]]で登場した[[キーワード能力]]。これを持つ[[カード]]が[[戦場]]にあるときに機能する常在型能力と誘発型能力である。
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'''後援'''(こうえん)/''Enlist''は、[[団結のドミナリア]]で登場した[[キーワード能力]]。これを持つ[[カード]]が[[戦場]]にあるときに機能する常在型能力と誘発型能力である。
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==定義==
 
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他のクリーチャーと協力して攻撃する[[メカニズム]]。[[団結のドミナリア]]で初登場した。
 
他のクリーチャーと協力して攻撃する[[メカニズム]]。[[団結のドミナリア]]で初登場した。
  
簡単に言えば「[[召喚酔い]]しておらず攻撃していないクリーチャー1体のパワーを自身に加えられる」という[[能力]]である。単純な総パワーこそクリーチャー2体で攻撃する場合と変わりないものの、パワーを一点に集中させられるため高タフネスのクリーチャーに対して強気に出ることができるほか、パワーを参照する能力との相性も良い。後援を持つクリーチャー自体がパワーを参照する能力や[[回避能力]]などを持っていることもある。また、後援によりタップされるクリーチャーは実際に攻撃してはいないため、相討ちや[[レンジストライク]]から守られることになる。
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簡単に言えば「[[召喚酔い]]しておらず攻撃していないクリーチャー1体のパワーを自身に加えられる」という[[能力]]である。単純な総パワーこそクリーチャー2体で攻撃する場合と変わりないものの、パワーを一点に集中させられるため高[[タフネス]]のクリーチャーに対して強気に出ることができるほか、パワーを参照する能力との相性も良い。後援を持つクリーチャー自体がパワーを参照する能力や[[回避能力]]などを持っていることもある。また、後援によりタップされるクリーチャーは実際に攻撃してはいないため、相討ちや[[レンジストライク]]から守られることになる。
  
 
一方、タフネスは上昇しないので後援持ち自身の場持ちには繋がらない。また、[[対戦相手]]が複数体の[[チャンプブロック|チャンプ]][[ブロッカー]]を用意している場合など、後援せずそのまま攻撃した方が良いケースもある。
 
一方、タフネスは上昇しないので後援持ち自身の場持ちには繋がらない。また、[[対戦相手]]が複数体の[[チャンプブロック|チャンプ]][[ブロッカー]]を用意している場合など、後援せずそのまま攻撃した方が良いケースもある。
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[[団結のドミナリア]]では[[白]]・[[赤]]・[[緑]]に割り振られている。また、これらの色には自身がタップされることを[[誘発条件]]に持つクリーチャーが存在しており、後援とのシナジーを形成している。
 
[[団結のドミナリア]]では[[白]]・[[赤]]・[[緑]]に割り振られている。また、これらの色には自身がタップされることを[[誘発条件]]に持つクリーチャーが存在しており、後援とのシナジーを形成している。
  
*[[2022年]]としては珍しく[[注釈文]]に「[[召喚酔い]]」の語が使用されている。
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*珍しく[[注釈文]]に「[[召喚酔い]]」の語が使用されている。
 
*意図したものかは不明だが、同時に登場した[[先読]]とは日本語訳が'''先'''と'''後'''で対になっている。
 
*意図したものかは不明だが、同時に登場した[[先読]]とは日本語訳が'''先'''と'''後'''で対になっている。
 
*enlistは「兵を徴募する」「協力を得る」といった自動詞と「徴兵に応ずる」「協力する」といった他動詞の二種類の用法がある。上記の[[新ベナリアの守護者/Guardian of New Benalia]]の2番目の能力は原文では「Guardian of New Benalia enlists a creature…」となっていることから自動詞として名付けられた能力と思われる。
 
*enlistは「兵を徴募する」「協力を得る」といった自動詞と「徴兵に応ずる」「協力する」といった他動詞の二種類の用法がある。上記の[[新ベナリアの守護者/Guardian of New Benalia]]の2番目の能力は原文では「Guardian of New Benalia enlists a creature…」となっていることから自動詞として名付けられた能力と思われる。
 
**一方、日本語版では他動詞として訳出したのか同能力が「新ベナリアの守護者がクリーチャー1体に後援されるたび…」となっており、結果的に原文と能動・受動の関係に齟齬が生じている。
 
**一方、日本語版では他動詞として訳出したのか同能力が「新ベナリアの守護者がクリーチャー1体に後援されるたび…」となっており、結果的に原文と能動・受動の関係に齟齬が生じている。
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==ルール==
 
==ルール==
 
;タップするクリーチャーの選択(常在型能力)
 
;タップするクリーチャーの選択(常在型能力)
 
*[[攻撃クリーチャー指定ステップ]]中、攻撃するクリーチャーを選び終わった直後にクリーチャーを[[タップ]]するかどうかを選ぶ。後になって後援するかどうかを改めて選ぶことはできない。
 
*[[攻撃クリーチャー指定ステップ]]中、攻撃するクリーチャーを選び終わった直後にクリーチャーを[[タップ]]するかどうかを選ぶ。後になって後援するかどうかを改めて選ぶことはできない。
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**この能力で[[警戒]]を持つ[[攻撃クリーチャー]]をタップすることはできない。
 
*既にタップ状態のクリーチャーをタップすることはできない({{CR|701.21a}})。
 
*既にタップ状態のクリーチャーをタップすることはできない({{CR|701.21a}})。
*この能力で[[警戒]]を持つ[[攻撃クリーチャー]]をタップすることはできない。
 
 
*後援一つにつき、一度の攻撃でタップできるクリーチャーは1体までである。
 
*後援一つにつき、一度の攻撃でタップできるクリーチャーは1体までである。
 
*一度の攻撃で、複数の後援能力のために単一のクリーチャーをタップすることはできない。
 
*一度の攻撃で、複数の後援能力のために単一のクリーチャーをタップすることはできない。
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**能力の解決時にタップされたクリーチャーが[[戦場]]に存在しない場合、[[最後の情報]]を用いて修整値を決定する。
 
**能力の解決時にタップされたクリーチャーが[[戦場]]に存在しない場合、[[最後の情報]]を用いて修整値を決定する。
 
*パワーが負の値である場合、[[X]]は0として扱う({{CR|107.1b}})。
 
*パワーが負の値である場合、[[X]]は0として扱う({{CR|107.1b}})。
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==開発秘話==
 
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[[セット・デザイン]]後期に、[[Ian Duke]]は[[団結のドミナリア]]には[[戦闘]]に関わるメカニズムが不足していることに気づいた。そこで「[[ドミナリア/Dominaria]]人が団結して[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]に立ち向かう」という[[セット]]全体の[[フレイバー]]を意識し、同じく協力系のメカニズムである[[バンド]]から着想を得て生み出された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/dominaria-united-we-stand-part-2-2022-08-22 Dominaria United We Stand, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036257/ 『団結のドミナリア』にあり その2]([[Making Magic]] [[2022年]]8月22日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
 
[[セット・デザイン]]後期に、[[Ian Duke]]は[[団結のドミナリア]]には[[戦闘]]に関わるメカニズムが不足していることに気づいた。そこで「[[ドミナリア/Dominaria]]人が団結して[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]に立ち向かう」という[[セット]]全体の[[フレイバー]]を意識し、同じく協力系のメカニズムである[[バンド]]から着想を得て生み出された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/dominaria-united-we-stand-part-2-2022-08-22 Dominaria United We Stand, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036257/ 『団結のドミナリア』にあり その2]([[Making Magic]] [[2022年]]8月22日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
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==脚注==
 
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==参考==
 
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/dominaria-united-mechanics-2022-08-18 Dominaria United Mechanics]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0036245/ 『団結のドミナリア』のメカニズム](Feature 2022年8月18日 [[Matt Tabak]]著)
 
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/dominaria-united-mechanics-2022-08-18 Dominaria United Mechanics]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0036245/ 『団結のドミナリア』のメカニズム](Feature 2022年8月18日 [[Matt Tabak]]著)

2024年3月11日 (月) 11:06時点における最新版

後援/Enlist
種別 常在型能力
誘発型能力
登場セット 団結のドミナリア
Fallout統率者デッキ
CR CR:702.154

後援(こうえん)/Enlistは、団結のドミナリアで登場したキーワード能力。これを持つカード戦場にあるときに機能する常在型能力と誘発型能力である。


Guardian of New Benalia / 新ベナリアの守護者 (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)

後援(このクリーチャーが攻撃するに際し、あなたがコントロールしていて召喚酔いの影響を受けておらず攻撃してもいないクリーチャー1体をタップしてもよい。そうしたとき、ターン終了時まで、このクリーチャーのパワーにそのタップしたクリーチャーのパワーを足す。)
新ベナリアの守護者がクリーチャー1体に後援されるたび、占術2を行う。
カード1枚を捨てる:ターン終了時まで、新ベナリアの守護者は破壊不能を得る。これをタップする。

2/2

[編集] 定義

後援/Enlistは、「このクリーチャー攻撃するに際し、あなたコントロールしていて攻撃することを選んでおらず、速攻を持っているかこのターンの開始時から継続してあなたのコントロール下にあるクリーチャー最大1体をタップしてもよい(常在型能力)。そうしたとき、ターン終了時まで、このクリーチャーは+X/+0の修整を受ける。Xはそのタップされたクリーチャーのパワーに等しい(誘発型能力)。」を意味する。

クリーチャーAの後援コストとしてクリーチャーBをタップしたとき、クリーチャーAはBに「後援された/Enlists」と言う。クリーチャーは自分自身を後援することはできない。

[編集] 解説

他のクリーチャーと協力して攻撃するメカニズム団結のドミナリアで初登場した。

簡単に言えば「召喚酔いしておらず攻撃していないクリーチャー1体のパワーを自身に加えられる」という能力である。単純な総パワーこそクリーチャー2体で攻撃する場合と変わりないものの、パワーを一点に集中させられるため高タフネスのクリーチャーに対して強気に出ることができるほか、パワーを参照する能力との相性も良い。後援を持つクリーチャー自体がパワーを参照する能力や回避能力などを持っていることもある。また、後援によりタップされるクリーチャーは実際に攻撃してはいないため、相討ちやレンジストライクから守られることになる。

一方、タフネスは上昇しないので後援持ち自身の場持ちには繋がらない。また、対戦相手が複数体のチャンプブロッカーを用意している場合など、後援せずそのまま攻撃した方が良いケースもある。

団結のドミナリアではに割り振られている。また、これらの色には自身がタップされることを誘発条件に持つクリーチャーが存在しており、後援とのシナジーを形成している。

  • 珍しく注釈文に「召喚酔い」の語が使用されている。
  • 意図したものかは不明だが、同時に登場した先読とは日本語訳がで対になっている。
  • enlistは「兵を徴募する」「協力を得る」といった自動詞と「徴兵に応ずる」「協力する」といった他動詞の二種類の用法がある。上記の新ベナリアの守護者/Guardian of New Benaliaの2番目の能力は原文では「Guardian of New Benalia enlists a creature…」となっていることから自動詞として名付けられた能力と思われる。
    • 一方、日本語版では他動詞として訳出したのか同能力が「新ベナリアの守護者がクリーチャー1体に後援されるたび…」となっており、結果的に原文と能動・受動の関係に齟齬が生じている。

[編集] ルール

タップするクリーチャーの選択(常在型能力)
  • 攻撃クリーチャー指定ステップ中、攻撃するクリーチャーを選び終わった直後にクリーチャーをタップするかどうかを選ぶ。後になって後援するかどうかを改めて選ぶことはできない。
  • 既にタップ状態のクリーチャーをタップすることはできない(CR:701.21a)。
  • 後援一つにつき、一度の攻撃でタップできるクリーチャーは1体までである。
  • 一度の攻撃で、複数の後援能力のために単一のクリーチャーをタップすることはできない。
  • タップするクリーチャーは「召喚酔いしておらず攻撃していない」という条件を満たしていれば、実際に攻撃可能かは関係ない。防衛を持つクリーチャーや平和な心/Pacifismつけられたクリーチャーをタップすることも適正である。
パワーの修整(誘発型能力)
  • 後援によるパワーの修整は、攻撃クリーチャー指定ステップ中に攻撃クリーチャーを指定した直後にスタックに置かれる誘発型能力である。
    • あなたコントローラーである、後援されることで誘発する能力や攻撃時に誘発する能力が他にあれば、あなたはそれらを好きな順番でスタックに置ける。
  • 修整値は誘発型能力の解決時にのみ決定される。一度解決されたならば、タップされたクリーチャーのパワーが変化しても後援を持つクリーチャーのパワーに直接の影響はない。
    • 能力の解決時にタップされたクリーチャーが戦場に存在しない場合、最後の情報を用いて修整値を決定する。
  • パワーが負の値である場合、Xは0として扱う(CR:107.1b)。

[編集] 開発秘話

セット・デザイン後期に、Ian Duke団結のドミナリアには戦闘に関わるメカニズムが不足していることに気づいた。そこで「ドミナリア/Dominaria人が団結して新ファイレクシア/New Phyrexiaに立ち向かう」というセット全体のフレイバーを意識し、同じく協力系のメカニズムであるバンドから着想を得て生み出された[1]

[編集] 脚注

  1. Dominaria United We Stand, Part 2/『団結のドミナリア』にあり その2Making Magic 2022年8月22日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

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