反転カード
提供:MTG Wiki
(版間での差分)
(トーク) |
|||
(8人の利用者による、間の8版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
− | + | __NOTOC__ | |
+ | '''反転カード'''/''Flip Card''とは、[[神河ブロック]]に登場したカード群の呼称。[[神河物語]]のものは“英雄”カードとも。 | ||
− | [[ | + | 1枚のカードに、通常の向きに読む部分([[反転]]前)と逆さ向きに読む部分(反転後)があり({{Gatherer|id=86426|カード画像}})、それぞれの状態で別個の[[特性]]を持つ。ある条件を満たすと、カードを逆さ向きにして(反転して)、特性を切り替えることができる。 |
− | + | ||
− | + | ||
{{#card:Jushi Apprentice}} | {{#card:Jushi Apprentice}} | ||
− | + | [[神河物語]]に10種類と、[[神河謀叛]]に5種類、[[神河救済]]に5種類の、計20種類が存在する。[[神河物語]]では主な[[クリーチャー・タイプ]]は変わらず、ただ[[伝説のクリーチャー]]になるだけだった。しかし[[神河謀叛]]では[[人間]]から[[伝説の]][[スピリット]]へ、さらに[[神河救済]]では[[クリーチャー]]から[[エンチャント]]になるという変化を見せている。 | |
− | [[ | + | *基本的に、一度反転したら、反転前の状態に戻ることはないようにデザインされている。ルール上でも「再反転」することはできないと明記されている。 |
− | + | *[[戦場]]以外の[[領域]]では、反転前の特性のみを持つ。 | |
− | + | **[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]や[[頭蓋の摘出/Cranial Extraction]]などで[[カード名]]を指定する場合は、反転前のカード名を指定しなければ意味がない。 | |
− | *[[ | + | **例えば[[新参の武士/Bushi Tenderfoot]]は反転前は伝説のクリーチャーではないので、[[緊急時/Time of Need]]で[[サーチ]]できない。同じく、[[上位の狐、呪之尾/Rune-Tail, Kitsune Ascendant]]は反転前はエンチャントではないので、[[悟りの教示者/Enlightened Tutor]]でサーチできない。 |
− | + | ||
− | + | ||
*このメカニズムの開発秘話での「日本の神話の共通するテーマが“変身”だということだった」という[[Mark Rosewater]]の発言には大きなブーイングが起こったそうで…。 | *このメカニズムの開発秘話での「日本の神話の共通するテーマが“変身”だということだった」という[[Mark Rosewater]]の発言には大きなブーイングが起こったそうで…。 | ||
+ | *市場調査によればプレイヤーからの評価は低かったらしく、また[[R&D]]内でも失敗だったと認識されているらしい。以下はその失敗の例([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/158 参考]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/001987/ 翻訳])。 | ||
+ | *#[[タップ]]した際にどちらが上だったか分からなくなるトラブルが起こるなど、機能的に問題がある。 | ||
+ | *#多くの要素が詰め込まれすぎていて見た目が美しくない。また[[イラスト]]や[[フレイバー・テキスト]]の枠が削られてしまうため、「変身」のフレイバーを表現する余地が少ない。 | ||
+ | *#カード上のスペースの不足により、[[ルール文章]]の長さに制限が生じる。 | ||
+ | **これらの問題点を改善したものが、後の[[両面カード]]である。 | ||
+ | |||
+ | ==反転カードのコピー== | ||
+ | 反転カードが[[コピー]]される場合、反転後に代替される特性もコピーされる。だが、オブジェクトが反転しているかはアンタップ/タップ状態と同じく[[位相]]の一種なので、これはコピーされない。つまり反転していないオブジェクトが反転状態の反転カードのコピーとなっても、それは反転していない特性になる。その逆も同じである。 | ||
+ | |||
+ | *例:[[クローン/Clone]]が戦場に出る際[[冷酷なる者、謙造/Kenzo the Hardhearted]]を選んだ場合、クローンは[[新参の武士/Bushi Tenderfoot]]として戦場に出る。条件を満たせば反転することもできる。(その場合コピー元を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]していれば[[レジェンド・ルール]]によってどちらか一方が[[墓地に置く|墓地に置かれる]]) | ||
+ | *例:[[暴く者、智也/Tomoya the Revealer]]が[[鼠の短牙/Nezumi Shortfang]]のコピーとなった場合、それは鼠の短牙の反転した特性である[[憎まれ者の傷弄り/Stabwhisker the Odious]]になる。 | ||
==反転カード一覧== | ==反転カード一覧== | ||
48行: | 56行: | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | * | + | *[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mr142 反転動転驚天動地―神河物語の反転カードのデザイン](米Wizards社、英語) |
*[[ルーリング]] | *[[ルーリング]] | ||
− | + | {{#cr:710}} | |
− | {{#cr: | + |
2021年7月24日 (土) 11:43時点における最新版
反転カード/Flip Cardとは、神河ブロックに登場したカード群の呼称。神河物語のものは“英雄”カードとも。
1枚のカードに、通常の向きに読む部分(反転前)と逆さ向きに読む部分(反転後)があり(カード画像)、それぞれの状態で別個の特性を持つ。ある条件を満たすと、カードを逆さ向きにして(反転して)、特性を切り替えることができる。
Jushi Apprentice / 呪師の弟子 (1)(青)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
Tomoya the Revealer / 暴く者、智也 (1)(青)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(2)(青),(T):カードを1枚引く。あなたの手札にカードが9枚以上ある場合、呪師の弟子を反転する。
1/2Tomoya the Revealer / 暴く者、智也 (1)(青)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(3)(青)(青),(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードをX枚引く。Xはあなたの手札のカードの枚数に等しい。
2/3神河物語に10種類と、神河謀叛に5種類、神河救済に5種類の、計20種類が存在する。神河物語では主なクリーチャー・タイプは変わらず、ただ伝説のクリーチャーになるだけだった。しかし神河謀叛では人間から伝説のスピリットへ、さらに神河救済ではクリーチャーからエンチャントになるという変化を見せている。
- 基本的に、一度反転したら、反転前の状態に戻ることはないようにデザインされている。ルール上でも「再反転」することはできないと明記されている。
- 戦場以外の領域では、反転前の特性のみを持つ。
- 翻弄する魔道士/Meddling Mageや頭蓋の摘出/Cranial Extractionなどでカード名を指定する場合は、反転前のカード名を指定しなければ意味がない。
- 例えば新参の武士/Bushi Tenderfootは反転前は伝説のクリーチャーではないので、緊急時/Time of Needでサーチできない。同じく、上位の狐、呪之尾/Rune-Tail, Kitsune Ascendantは反転前はエンチャントではないので、悟りの教示者/Enlightened Tutorでサーチできない。
- このメカニズムの開発秘話での「日本の神話の共通するテーマが“変身”だということだった」というMark Rosewaterの発言には大きなブーイングが起こったそうで…。
- 市場調査によればプレイヤーからの評価は低かったらしく、またR&D内でも失敗だったと認識されているらしい。以下はその失敗の例(参考/翻訳)。
- タップした際にどちらが上だったか分からなくなるトラブルが起こるなど、機能的に問題がある。
- 多くの要素が詰め込まれすぎていて見た目が美しくない。またイラストやフレイバー・テキストの枠が削られてしまうため、「変身」のフレイバーを表現する余地が少ない。
- カード上のスペースの不足により、ルール文章の長さに制限が生じる。
- これらの問題点を改善したものが、後の両面カードである。
[編集] 反転カードのコピー
反転カードがコピーされる場合、反転後に代替される特性もコピーされる。だが、オブジェクトが反転しているかはアンタップ/タップ状態と同じく位相の一種なので、これはコピーされない。つまり反転していないオブジェクトが反転状態の反転カードのコピーとなっても、それは反転していない特性になる。その逆も同じである。
- 例:クローン/Cloneが戦場に出る際冷酷なる者、謙造/Kenzo the Hardheartedを選んだ場合、クローンは新参の武士/Bushi Tenderfootとして戦場に出る。条件を満たせば反転することもできる。(その場合コピー元をコントロールしていればレジェンド・ルールによってどちらか一方が墓地に置かれる)
- 例:暴く者、智也/Tomoya the Revealerが鼠の短牙/Nezumi Shortfangのコピーとなった場合、それは鼠の短牙の反転した特性である憎まれ者の傷弄り/Stabwhisker the Odiousになる。
[編集] 反転カード一覧
[編集] 神河物語、レア
- 狐の神秘家/Kitsune Mystic / 狐の賢者、秋之尾/Autumn-Tail, Kitsune Sage
- 呪師の弟子/Jushi Apprentice / 暴く者、智也/Tomoya the Revealer
- 鼠の短牙/Nezumi Shortfang / 憎まれ者の傷弄り/Stabwhisker the Odious
- 悪忌の溶岩走り/Akki Lavarunner / 溶岩生まれのトクトク/Tok-Tok, Volcano Born
- 武道家の庭師/Budoka Gardener / 生命の織り手、土塊/Dokai, Weaver of Life
[編集] 神河物語、アンコモン
- 新参の武士/Bushi Tenderfoot / 冷酷なる者、謙造/Kenzo the Hardhearted
- 精霊の学び手/Student of Elements / 風の達人、鳶太/Tobita, Master of Winds
- 鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber / 冒涜する者、夜目/Nighteyes the Desecrator
- 血の信徒/Initiate of Blood / 無法者の剛火/Goka the Unjust
- 大蛇の卵張り/Orochi Eggwatcher / 育み手のしだ子/Shidako, Broodmistress
[編集] 神河謀叛、アンコモン
- 信心深い従者/Faithful Squire / 忠義の記憶、戒想/Kaiso, Memory of Loyalty
- 未熟な呪士/Callow Jushi / 横槍の邪等狗/Jaraku the Interloper
- 雇いの力男/Hired Muscle / 傷をつけるもの、切紗深/Scarmaker
- 狡猾な山賊/Cunning Bandit / 背信の化身、痣矛奇/Azamuki, Treachery Incarnate
- 武道家の学徒/Budoka Pupil / 樫倒しの伊馳我/Ichiga, Who Topples Oaks
[編集] 神河救済、レア
- 上位の狐、呪之尾/Rune-Tail, Kitsune Ascendant / 呪之尾の本質/Rune-Tail's Essence
- 上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendant / エラヨウの本質/Erayo's Essence
- 上位の大峨、苦御/Kuon, Ogre Ascendant / 苦御の本質/Kuon's Essence
- 上位の人間、焔村/Homura, Human Ascendant / 焔村の本質/Homura's Essence
- 上位の大蛇、ささ弥/Sasaya, Orochi Ascendant / ささ弥の本質/Sasaya's Essence
[編集] 参考
- 反転動転驚天動地―神河物語の反転カードのデザイン(米Wizards社、英語)
- ルーリング
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 710 反転カード
- 710.1 反転カードには、1枚のカードに2つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれている文章は、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの第2面は、通常のマジックのカードである。
- 710.2 戦場以外の全ての領域、および戦場の領域でそのパーマネントが反転される前において、反転カードはそのカードの通常の特性を持つ。戦場にある反転パーマネントが反転したら、その反転パーマネントの通常の名前、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりに代替バージョンのこれらの特性が適用される。
- 710.3 あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転しているかいないかをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転しているかいないかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。
- 710.4 パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転状態 になったら、それを再び反転していない状態に戻すことはできない。ただし、反転したパーマネントが戦場を離れた場合、それはそれまでの位相を記憶しない。rule 110.5 参照。
- 710.5 何らかの効果によってプレイヤーが名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーは望むなら反転カードの代替の名前を選ぶことができる。
- 710 反転カード