金粉のドレイク/Gilded Drake

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2[[マナ]]3/3[[飛行]]と[[コスト・パフォーマンス]]は良いが、[[場に出す|場に出し]]ても基本的に自分で使うことはできず、[[対戦相手]]の[[クリーチャー]]と[[交換]]されてしまう。
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2[[マナ]]3/3[[飛行]]と[[コスト・パフォーマンス]]のよい[[ウィニー]]のようにも見えるが、[[戦場に出す]]と[[対戦相手]]の[[クリーチャー]]と[[交換]]されてしまう、ちょっと特殊なクリーチャー。
  
これを使うのは、3/3飛行を相手に渡してでも欲しいクリーチャーがいる場合である。そのようなクリーチャーとは通常「巨大である」か「[[コンボパーツ]]である」かのどちらか。
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デザインの意図としては、[[支配魔法/Control Magic]]の亜種で「2マナになった代わり、3/3飛行を対戦相手に与えるペナルティがある」と言ったところ。3/3飛行をプレゼントしてしまうのはかなり痛い欠点ではあるが、2マナと非常に[[軽い]]ことで早いうちから使ったり[[打ち消し]]を構えつつ[[唱える|唱え]]たりしやすくなっていることの恩恵は非常に大きく、代償としては妥当なところといえよう。また金粉のドレイクを[[バウンス]]して使い回せることは、他の[[コントロール]]奪取カードには見られない利点といえる。
  
[[軽い|軽量]][[コントロール (ルール用語)|コントロール]]奪取手段として、主に[[エクステンデッド]]や[[エターナル]]で用いられた。[[リアニメイト]]や[[アルーレン]][[オース]]などへの対策に活躍。[[生ける願い/Living Wish]]を使う[[デッキ]]でも多く[[サイドボード]]に仕込まれる。また、コントロールを交換した後にこれを[[波止場の用心棒/Waterfront Bouncer]][[時間の名人/Temporal Adept]][[手札]][[戻す]][[コンボ]]を狙って、エクステンデッドの[[マッドネス]]でサイドボードに入ることも多かった。
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同時期の[[スタンダード]]はその強みを発揮できるような[[環境]]ではなかったが、[[エクステンデッド]]や[[エターナル]]ではそのパワーを存分に発揮している。[[リアニメイト]]や[[オース]]などで突然飛び出してくる[[ファッティ]]を奪ったり、[[アルーレン]]などのクリーチャーが[[コンボパーツ]]であるデッキへの対策手段になったり、あるいは[[マッドネス (デッキ)|マッドネス]][[波止場の用心棒/Waterfront Bouncer]]などと組み合わせて使い回す[[コンボ]]要員にもなったりした。[[生ける願い/Living Wish]]での[[シルバーバレット]]要員として[[サイドボード]]に仕込まれることも多い。
  
*ルールによって[[打ち消す|打ち消される]]ことを防げるのは、[[対象]]をとるすべての[[呪文]]と[[能力]]の中でこの能力のみである。
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現在は[[統率者戦]]で活躍している。[[統率者]]への対策としては支配魔法のようなコントロール奪取が有効であるが、このカードは[[否認/Negate]]のような「クリーチャーでない[[呪文]]用[[カウンター]]」(特に[[激情の後見/Fierce Guardianship]])で防がれず、[[オーラ]]や[[誘惑蒔き/Sower of Temptation]]などのように[[除去]]で取り返されることもない。[[初期ライフ]]40で[[多人数戦]]のため3/3飛行の脅威が相対的に小さいことも利点。
**[[未来予知]][[部族]]呪文が登場してから、一時[[樹根スリヴァー/Root Sliver]]の能力でそれらがルールにより打ち消されなかった時期があったが、2008年1月のエラッタ適用により解消されている。
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*[[対象]]をとるすべての[[呪文]]と[[能力]]の中で、対象のすべてが[[不正な対象]]でも[[解決]]が続行されるのはこの能力のみである。
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**そうしないと、いったん対象にとったクリーチャーを解決前に対象不適正とすることで交換を実行させないようにできるので、2マナ3/3飛行の[[ウィニー]]クリーチャーとして「悪用」されてしまう。後述「テキストの変更」も参照のこと。
  
 
==テキストの変更==
 
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|タイプ=クリーチャー — ドレイク(Drake)
 
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|カードテキスト=飛行<br />金粉のドレイクが場に出たとき、いずれかの対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象する。それと金粉のドレイクのコントロールを交換するか、金粉のドレイクを生け贄に捧げる。
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|カードテキスト=飛行<br />金粉のドレイクが場に出たとき、いずれかの対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それと金粉のドレイクのコントロールを交換するか、金粉のドレイクを生け贄に捧げる。
 
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[[交換]]できないならば[[生け贄に捧げる]]ような挙動を想定していたが、[[解決]]時に[[対象]]が不適正ならばルールによって[[打ち消す|打ち消される]]ため、[[バウンス]]や[[除去]]と組み合わせればそれを回避できた。さらに問題なことに、[[場に出る|場に出た]]ときに適正な対象が存在しなければ、[[スタック]]から取り除かれてしまっていた。これらを解決したのが次のようなテキスト。
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[[交換]]できないならば[[生け贄に捧げる]]ような挙動を想定していたが、[[解決]]時に[[対象]]が不適正である[[能力]]は能力全体が解決されない([[立ち消え]])ため、対象に取ったクリーチャーを対応して[[バウンス]]や[[除去]]することで交換されることを回避できた。さらに問題なことに、[[戦場に出る|戦場に出た]]ときに適正な対象が存在しない[[誘発型能力]][[スタック]]に置かれないため、対戦相手がクリーチャーをコントロールしていない場合も「普通に2マナ3/3飛行として使用する」ことが可能であった。これらを解消したのが次のようなテキスト。
 
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[[能力]]がルールによってすら打ち消されないため、対象不適正であっても生け贄に捧げられた。また、場に出たときに適正な対象が存在しないならば、1つ目の[[モード]]を選ぶしかないため、スタックから取り除かれることも回避できた。
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この[[能力]]が打ち消されないものとすることで、当時([[第6版]]登場後~[[ドミナリア]]登場前)のルールにおける立ち消えのルール「対象がすべて不正である能力は打ち消される」という挙動を回避でき、対象が不正となったとしても金粉のドレイクが生け贄に捧げられるようになった。また戦場に出たときに適正な対象が存在しないならば、1つ目の[[モード]]を選ぶしかないため、スタックから取り除かれることも回避できた。しかし、これだと[[もみ消し/Stifle]]などの[[呪文]]や能力によって打ち消されることまで防いでしまっており、最初に印刷された挙動とは異なっているという問題が新たに発生した。
  
先のテキストでは、[[もみ消し/Stifle]]などの[[呪文]][[能力]]によって打ち消されることまで防いでしまっていた。これは印刷された挙動とは異なるため、2009年1月30日の[[オラクル]]変更により、呪文や能力による[[打ち消し]]は可能になった。また、「最大1体まで」という表現を利用することで、スタックから取り除かれないような挙動を守りつつ、簡潔な表現に改められた。
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2009年1月30日のオラクル変更により以下のテキストになった。
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|カードテキスト=飛行<br />金粉のドレイクが戦場に出たとき、対戦相手1人がコントロールするクリーチャーを最大1体まで対象とし、金粉のドレイクとそれのコントロールを交換する。交換できない場合、金粉のドレイクを生け贄に捧げる。この能力は、呪文や能力以外によっては打ち消されない。(この効果は永続する。)
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ルールによって打ち消されることのみを防ぐ特例を設けることで、呪文や能力による打ち消しは可能になった。また、「最大1体まで」という表現を利用することで、スタックから取り除かれないような挙動を守りつつ、簡潔な表現に改められた。
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2018年4月のオラクル変更により現在のテキストになった。[[ドミナリア]]での立ち消えに関するルール変更を受け、ルールによって能力が打ち消されることを防ぐ能力は「この能力は、その対象が不正になったとしても解決される」と置き換えられた。また、「(この効果は永続する。)」の注釈文は、近年のオラクル改訂の基準に合わせ、ルール理解の助けにならないとされ削除された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/dominaria-oracle-changes-2018-04-13 Dominaria Oracle Changes](News 2018年4月13日)</ref>。
  
 
==参考==
 
==参考==
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<references />
 
*[[再録禁止カード一覧]]([[再録禁止カード]])
 
*[[再録禁止カード一覧]]([[再録禁止カード]])
 
*[[カード個別評価:ウルザズ・サーガ]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:ウルザズ・サーガ]] - [[レア]]
  
 
[[Category:ウルザズ・サーガの再録禁止カード|きんふんのとれいく]]
 
[[Category:ウルザズ・サーガの再録禁止カード|きんふんのとれいく]]

2022年9月24日 (土) 09:19時点における最新版


Gilded Drake / 金粉のドレイク (1)(青)
クリーチャー — ドレイク(Drake)

飛行
金粉のドレイクが戦場に出たとき、対戦相手1人がコントロールするクリーチャーを最大1体まで対象とし、金粉のドレイクとそれのコントロールを交換する。交換しないまたはできないなら、金粉のドレイクを生け贄に捧げる。この能力は、その対象が不正になったとしても解決される。

3/3

2マナ3/3飛行コスト・パフォーマンスのよいウィニーのようにも見えるが、戦場に出す対戦相手クリーチャー交換されてしまう、ちょっと特殊なクリーチャー。

デザインの意図としては、支配魔法/Control Magicの亜種で「2マナになった代わり、3/3飛行を対戦相手に与えるペナルティがある」と言ったところ。3/3飛行をプレゼントしてしまうのはかなり痛い欠点ではあるが、2マナと非常に軽いことで早いうちから使ったり打ち消しを構えつつ唱えたりしやすくなっていることの恩恵は非常に大きく、代償としては妥当なところといえよう。また金粉のドレイクをバウンスして使い回せることは、他のコントロール奪取カードには見られない利点といえる。

同時期のスタンダードはその強みを発揮できるような環境ではなかったが、エクステンデッドエターナルではそのパワーを存分に発揮している。リアニメイトオースなどで突然飛び出してくるファッティを奪ったり、アルーレンなどのクリーチャーがコンボパーツであるデッキへの対策手段になったり、あるいはマッドネス波止場の用心棒/Waterfront Bouncerなどと組み合わせて使い回すコンボ要員にもなったりした。生ける願い/Living Wishでのシルバーバレット要員としてサイドボードに仕込まれることも多い。

現在は統率者戦で活躍している。統率者への対策としては支配魔法のようなコントロール奪取が有効であるが、このカードは否認/Negateのような「クリーチャーでない呪文カウンター」(特に激情の後見/Fierce Guardianship)で防がれず、オーラ誘惑蒔き/Sower of Temptationなどのように除去で取り返されることもない。初期ライフ40で多人数戦のため3/3飛行の脅威が相対的に小さいことも利点。

  • 対象をとるすべての呪文能力の中で、対象のすべてが不正な対象でも解決が続行されるのはこの能力のみである。
    • そうしないと、いったん対象にとったクリーチャーを解決前に対象不適正とすることで交換を実行させないようにできるので、2マナ3/3飛行のウィニークリーチャーとして「悪用」されてしまう。後述「テキストの変更」も参照のこと。

[編集] テキストの変更

謙虚/Humilityほどではないが、ルーリングがころころ変わるカード。登場当初のルール・テキストは次の通り。


旧オラクル

金粉のドレイク/Gilded Drake (1)(青)
クリーチャー — ドレイク(Drake)

飛行
金粉のドレイクが場に出たとき、いずれかの対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それと金粉のドレイクのコントロールを交換するか、金粉のドレイクを生け贄に捧げる。

3/3


交換できないならば生け贄に捧げるような挙動を想定していたが、解決時に対象が不適正である能力は能力全体が解決されない(立ち消え)ため、対象に取ったクリーチャーを対応してバウンス除去することで交換されることを回避できた。さらに問題なことに、戦場に出たときに適正な対象が存在しない誘発型能力スタックに置かれないため、対戦相手がクリーチャーをコントロールしていない場合も「普通に2マナ3/3飛行として使用する」ことが可能であった。これらを解消したのが次のようなテキスト。


旧オラクル

金粉のドレイク/Gilded Drake (1)(青)
クリーチャー — ドレイク(Drake)

飛行
金粉のドレイクが場に出たとき、以下の2つから1つを選ぶ。「金粉のドレイクを生け贄に捧げる。」「対戦相手1人がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。金粉のドレイクのコントロールと、そのクリーチャーのコントロールを交換する。交換できない場合、金粉のドレイクを生け贄に捧げる。(この効果はターン終了時に終わらない。)」この能力は打ち消されない。

3/3


この能力が打ち消されないものとすることで、当時(第6版登場後~ドミナリア登場前)のルールにおける立ち消えのルール「対象がすべて不正である能力は打ち消される」という挙動を回避でき、対象が不正となったとしても金粉のドレイクが生け贄に捧げられるようになった。また戦場に出たときに適正な対象が存在しないならば、1つ目のモードを選ぶしかないため、スタックから取り除かれることも回避できた。しかし、これだともみ消し/Stifleなどの呪文や能力によって打ち消されることまで防いでしまっており、最初に印刷された挙動とは異なっているという問題が新たに発生した。

2009年1月30日のオラクル変更により以下のテキストになった。


旧オラクル

金粉のドレイク/Gilded Drake (1)(青)
クリーチャー — ドレイク(Drake)

飛行
金粉のドレイクが戦場に出たとき、対戦相手1人がコントロールするクリーチャーを最大1体まで対象とし、金粉のドレイクとそれのコントロールを交換する。交換できない場合、金粉のドレイクを生け贄に捧げる。この能力は、呪文や能力以外によっては打ち消されない。(この効果は永続する。)

3/3


ルールによって打ち消されることのみを防ぐ特例を設けることで、呪文や能力による打ち消しは可能になった。また、「最大1体まで」という表現を利用することで、スタックから取り除かれないような挙動を守りつつ、簡潔な表現に改められた。

2018年4月のオラクル変更により現在のテキストになった。ドミナリアでの立ち消えに関するルール変更を受け、ルールによって能力が打ち消されることを防ぐ能力は「この能力は、その対象が不正になったとしても解決される」と置き換えられた。また、「(この効果は永続する。)」の注釈文は、近年のオラクル改訂の基準に合わせ、ルール理解の助けにならないとされ削除された[1]

[編集] 参考

  1. Dominaria Oracle Changes(News 2018年4月13日)
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